VR信者の歌

2019-02-25 07:08

私がApple原理主義者であるのと同じように、VR/ARにも信者がいる。信仰とはそもそも「証明できないものへの確信」であるからして、議論がなりたたない。

現在のスマートフォン(スマホ)を舞台とした市場は大手が押さえており、勝つのは難しい。「オセロゲームでいえば、すべて相手の色にひっくり返された盤面の状態。だから新しい盤面で戦うしかない」。逆転の切り札になりうるとみているのが、起業してでもやりたいと考えていたVRやARの技術だ。

DMMでもCTOの直下に事業組織を立ち上げ、自ら研究開発の先頭に立つ。現在は高性能なパソコンが必要なヘッドマウント型ディスプレーなどが中心で使い勝手が悪いが、いずれもっと軽量で使いやすいデバイスが登場してくるとみる。「スマホから主役が交代する瞬間に、対応したコンテンツやサービスを投入できるよう準備を進めておく」

引用元:「DMMをつくり変える」 29歳CTOのエンジニア魂|出世ナビ|NIKKEI STYLE

VR/ARに夢を見る人は多い。困ったことにそれを実現する人がいない。今はデバイスがダメだけど、そのうち改善されるさと言われ続けてはや数十年である。

新しい技術を流行する前に捕まえることは困難だが不可能ではない。ディープラーニングの技術を披露したHinton教授をGoogle, Apple,Amazonはいずれも「これが未来だ」と予感していた。そしてGoogleが買収した。それとただ漠然とVR/ARに掛け金をはる人たちを一括りにするのはどうなのだろう。

別にVR/ARに掛け金をはっているのはDMMだけではない。Tim は何度もARに可能性を感じている、と公言している。私はJobs後のAppleのTrack Recordから、彼らが製品を発表するとすれば、それは実際に使えるものである可能性が高いと思っている。Appleだけではない。Facebookは何年も前からVRに投資をしていることを公言している。DMMは「新しいフィールド」に挑んでいるつもりでありながら、Occulusを買収したFacebookやAppleと同じ土俵で商売しようとしている。

なのに、信者は「VR/ARは勝負できる土俵だ」と言い張る。だから信仰篤き者とは会話ができない。