フレーム問題への回帰
2019-04-15 07:22
コンピュータに何かをやらせようというとき、「フレーム問題」という厄介な問題が立ちはだかる。私は素人なので、自分の勝手な解釈をすると
「人間が”この問題をこうとくのだよ”とお膳立てしてやらなければコンピュータは問題を解くことができない」
というものだ。
そんなことは当たり前ではないかという人は近年の馬鹿げた人工知能ブームで語られている言葉に耳を傾けるべき。あと20年くらいでコンピュータは人間の知能を超える、と真面目に語っている人がたくさんいるのだ。
このフレーム問題が提起されたのは数十年前であり、これの解き方を「知っている」人はたくさんいるが、実際に解いたひとはいない。そして昨今の「自動運転プログラム」では多くの人がフレーム問題を忘れていたのだろう。しかし今やほとんどの人が数十年前の問題に立ちもどろうとしている。
ハケットは業界が「自律走行車の実現を買いかぶりすぎていた」と、デトロイト経済界の会合で4月9日(米国時間)に語っている。フォードは2021年までに無人運転車両を開発する目標を変えていないが、「その展開はジオフェンス(仮想境界線)の内側の非常に限られたものになる。なぜなら非常に複雑な問題をはらんでいるからです」と認めたのだ。
何がでてくるかわからない公道上でプログラムに運転をさせる、というのは「フレーム問題を解くことができる」というのと同義語だったのだ。そしてイーロンマスクを除くほとんどの人が、その事実を認めようとしている。
いや、私は「進歩に常に否定的な老害」と言われたくないのであと1年待って見ることを提案する。マスクが今年中に自動運転ができる、と言っているのだ。それが失敗したとき、我々話はフレーム問題の意味を再確認することになるだろう。