企業が馬鹿げたことをするとき

2013-12-19 20:07

サムソンの折りたたみ式スマホが「ようやく」発売延期になった。

Galaxy Foldはディスプレイの不具合により正式出荷が延期されるという今朝の報道をSamsung(サムスン)は先ほど確認した。TechCrunchに届いた同社の声明によれば、4月26日の今週金曜日に予定されていた出荷はキャンセルされるという。
引用元:Techcrunch

彼らは数日前にはこういう「強気の声明」を出していた。

サムスンの返事はたいへん強気で、苦情の投稿者はそれを正しく使っていないと非難しているようでもある。米国では4月26日という発売予定は変えていない。
(中略)
声明の全文はこうだ。 「初期のGalaxy Foldの一定数のサンプルがレビューのためにメディアに提供された。われわれは提供されたサンプルのメインディスプレイに関するいくつかの報告を受け取った。われわれはその実機を徹底的に調べて、問題の原因を判定したい。 「これとは別に数名の評論家が、ディスプレイの最上部層を取り去ったら画面に損傷が生じたと報告している。Galaxy Foldのメインディスプレイは最上部に保護層があり、それはディスプレイの構造の一部であって、画面を意図せざる擦過傷から護ることが目的だ。その保護層を取り去ったり、メインディスプレイに接着剤をつけたりすると損傷が生ずることもありえる。我々は、この情報が顧客に確実に届くようにするつもりである」。
引用元:Techcrunch

この数日の間、サムソン内部でどんな喜劇的な怒鳴り合いがなされたか。サラリーマンならば想像するだけで寒気がするだろう。言った、言わないの応酬。そもそもこの製品にゴーを出したのは誰かという責任の押し付けあい。延期の発表をどのように行うかでの罵り合い。

私は年寄りだからよく覚えている。倒産まで数ヶ月の位置にあったころのAppleも変な製品をよく発表していた。

このエピソードで不思議なのは、全体としてみるとサムソンはとても成功しているという事実だ。これはどんな成功している企業でもたまにはバカなことをやることは避けられない、という事実なのか。あるいはこれからサムソンが凋落する兆しなのか。あるいは単に「こういうこともあった」という独立した事象なのかは今の時点ではわからない。

そして年寄りは昔を思い出して嘆息する。今や日本の家電メーカーはこういう「バカな判断」をすることすらできない。彼らのうち何社かは今だにスマートフォンを作り続けているが、それは批判の対象にすら値しないものだ。

30年前にこんなことになるとは夢にも思わなかった。だから将来の予測なんてどうでもいい。好きなことやんな、と子供には言っている。