社内抗争

2019-05-09 07:35

何かと話題の「折りたためるスマホ」の続報である。

サムスンは4月、Galaxy Foldを予約注文していた顧客に延期について通知し、「2週間以内に、より具体的な出荷情報」を提供すると述べた。その2週間が過ぎた今も、Galaxy Fold初期購入者は依然としていつ製品を入手できるのか見当もつかない状況だ。

 米CNETのJessica Dolcourt記者を含め、予約注文した顧客宛てに5月6日夜に送られたメールでは、情報という点でほとんど何も収穫がなく、次に最新情報が得られる時期についてもあいまいなままだ。

(中略)
 このメールによると、注文したGalaxy Foldが出荷されるまで支払いは発生しない。出荷前に注文をキャンセルすることも可能だ。また、顧客から注文を継続したいとの連絡がなく、5月31日までに製品が出荷されない場合、注文は自動的にキャンセルされるという。

引用元:発売延期の「Galaxy Fold」、出荷日の目処立たず--サムスンが予約者にメール - CNET Japan

この数週間サムソンの内部で何が起こったかがまざまざと想像できる(あっているかどうかは知らないよ)

指の差し合い、空約束と「そんなことは言っていない」のはてしない繰り返し。最前線では「無理。商品キャンセル」と分かってはいるのだろうが、上層部とか対立する部署は「できるって言ったじゃないか!」と詰め寄る。その妥協が

「5月31日までに商品が出荷されなければ、注文はキャンセル」

という謎対応なのであろう。このおかしな文言は、外部からみると馬鹿げているとしか思えないが、サムソンの社内的にはおそらく意味がある。多分商品の出荷に責任がある部署と、他の部署が別で、「商品出荷部署が5月31日までになんとかできなかったら、損害全部そっちもちな」とかそいうことになっているのではなかろうか。

太平洋戦争末期の日本も似たような状況ではあったかもしれない。どう考えても戦争は負けた。それを誰が認めるか。海軍のせいだ、陸軍のせいだ、ソ連に仲介を頼もう、いや、本土決戦だ。

そうした不毛な議論に終止符を打つためには天皇の判断が必要だった。今のサムソンにはそうした存在がいないということなのだろう。