人工知能芸人と前線で戦う人たち
2013-12-19 20:07
以下に示すのは、東大の松尾教授が一時公開していた「AIの未来予測」である。
ちなみにこのあと松尾教授はもっと穏当な予想に戻している。しかし講演では「この予想より進歩は早いです」と付け加えることを忘れないのだが。
さて、東大教授の2015年末の予想によると、2020年までには言語理解、大規模知識処理が少なくとも研究のレベルではできあがっていおり、3年後には産業化ができるのだそうな。横軸が曖昧だが過去において難問と言われていた記号接地問題は松尾研究室ではもう解消されているのだろう。翻訳も解決済み。家事、介護をやってくれるロボットはビジネス化間際。来年あたりには松尾研が自動プログラムを公開してくれるらしい。だって東大教授がそう言っているんだもの。
さて、大学の教授とは異なり一方実際に商売をしている人たちの現実である。
同社が最近The New York Times(ニューヨークタイムズ紙)に語ったところによると、Duplexの通話はコールセンターの人間オペレーターがやってるものが少なくない。だいたい、通話の4分の1は生きた人間の声で始まる。マシンが始める通話も、その15%は人間の介入を必要とする。 Googleは昨年のデモで、人間がシステムをモニタして、何かおかしくなったら代わる、と言っていた。もちろん、そうだろうな。でも、あれやこれやの奇癖をやっと直して、AndroidとiOSデバイスで使えるようになった。しかし25%は人間がやってるというのは、高度なAIシステムとしてちょっと寂しいね。
引用元:Techcrunch
この数字から何を感じるのは人によって違うと思うが、「75%は機械が会話してる」というのはすごい数字だ。しかもそのうちの85%は機械の応答だけで用事が済む。
レストランの予約、というかなり限定されたテスクで状況はこうである。ここにはAIにまつわるもう一つの難問「フレーム問題」が口を開けている。世の中に松尾教授をはじめ「フレーム問題恐るるに足らず」と豪語する人はたくさんいるが、実際に解消した人はいない。
今年のGoogle IOで、Googleはより現実的なDuplex Webに舵を切った。私はこれは勇気があり、かつ賢明な判断だと思う。