我はロボット
2019-05-08 07:18
かつて日本の家電メーカーが世界を制覇するのではないかと思われていた。その頃のことが想像できない若者は、以下の記事を読むとよい。当時はこういうニュースは必ず日本からでてくる、と思われていたのだ。
人とロボットが一緒に働くことで、生産性を高めようとするX未来レストラン。人間だからこそできる接客業務という得意分野を最大限に生かすため、ロボットを使う海底撈。そして、低コストのロボット技術だけを選んで使う盒馬鮮生。
ここでは中国で行われている「レストランにロボットを導入する」試みについて3種類のパターンが取り上げられている。ほぼ全部ロボットにまかせるのか。接客は人間にやらせるのか。実用性をとにかく重視するのか。
前掲のページにでてくる動画を見ると、人間があるく道と、ロボットが動く道を同じにすることの危険性があるように思う。高価な料理を運んでいるロボットが人間と接触し、こぼしてしまったらどうするのか。そう考えると、回転寿司のように専用レーンを作るのが正しいやり方のように思える。あるいはひっくりかえしても問題ない「お皿を下げる」行為だけロボットに任せるとか。
私は常に実際的な視点を重視するので、「ロボットに任せて問題ない行為」だけをロボット化するのが正しいと思うが、最終的にどうなるかはわからない。
しかし真の驚異はそこではない。
こうした試みが実地に行われていることに驚嘆する。日本の「変なホテル」とは大違いで、彼らはそれぞれにちゃんと成功を目指している。失敗も成功もあるだろう。しかしこうした新しい取り組みが実際の社会の中に放り込まれること。それ自体が恐るべき点だ。
日本企業にもかつてはこういうチャレンジをする力がと気力があったのかもしれない。しかしどこかで「それは我が社にふさわしいことか」とか「コンプライアンス云々」とかやらない理由をつけるのが上手になってしまった。結果はご覧の通りである。
では日本のベンチャーはどうだろう。ヤンキー崩れ、チンピラ、体育会、金儲けしか頭にないコンサル。なぜこうなってしまうのだろう。