ファンタジーと現実と
2019-06-13 07:56
"人工知能"に関する本を書きながら、あれこれ調べたり考えたりしている。
最近あることに気がついた。”人工知能”で飯を食べていく方法は二つあり
・実際に”人工知能”技術を応用したサービス、製品を作り現実と対峙する
・何も作らないが適当にホラを吹く
後者は概して楽観的である。というか無責任なまでに楽観的である。強い人工知能がどうの、シンギュラリティがどうの、フレーム問題なんかも難題ではない、とうそぶくのは後者である。ただ彼らは(今のところ女性の例を見つけられていない)何も作らない。
それに対して前者は後者に比べ「現実的」である。その一人の声を聞こう。
アマゾンはすでに、約50の自社倉庫に、20万台以上のロボットを導入。高度なロボット工学にも多額の投資を行なっている。
5日には、倉庫内で仕分け作業を行なう「Pegasus」や、荷物を入れたパレットを運ぶ「Xanthus」など、新型ロボットを発表した。
しかし同社のロボット技術部門を率いるタイ・ブランディ氏は、全自動化の段階に達することは決してないだろうと述べた。
機械学習や自動化、ロボット工学や宇宙産業で活用される技術などに関する、同社のカンファレンスイベント「re:MARS」でBBCの取材に応じたブランディ氏は、「そんなことには全くならない。そんな風になるとは少しも思わない」と、倉庫の全自動化を否定した。
今でも「空想的人工知能識者」は「人間の仕事がAIに奪われる!」と叫んでいる。しかし彼らは一向に「機械に押し付けたいような仕事」を奪ってはくれない。彼らは何もしないからだ。
そして自動運転にしろ、倉庫の自動化にせよ現実と対峙している人間は、イーロンマスクを除いてAIが人間を完全に代替することに否定的である。しかし今日も空想的人工知能識者の講演が途絶えることはない。