GAFAとの差
2019-06-10 07:34
WWDCというAppleの開発者会議が終わった。初日のキーノートスピーチでは、Mac Proがどうしたとか、Pro用ディスプレイのスタンドが10万円するとかが一般的には話題になったと思う。
少しでもiPhone,Mac上でプログラムを書く人間であれば、驚愕したのはSwiftUIだったと思う。ハードウェアに関してはいろいろな予想がでており、それはほぼ当たっていたし、OSに関しても噂も同等。しかしSwiftUIは全くの不意打ちだった。
何のことかわからん、という人がほとんどと思う。簡単にいえば、AppleがApple製品の上で動くソフトウェアを作る方法を劇的に直感的に、シンプルにしたのだ。
それがどうした?という人にはこう問いたい。Appleはハードウェアを作って儲けている企業だ。(基本は)その上で動くプログラムの開発をやりやすくすることにどれだけ意味があるのか?少なくとも日本の家電メーカーはこうした視点を全く持たなかった。
驚くのは、そうした「直接的には一円にもならない」プロジェクトにものすごい人材と費用を投資していること。この「劇的にシンプルにする方法」はソフトウェアの開発に関する深い知識、経験と思索に支えられており、私が知る限りこうした開発をできる人はほとんどいない。
これはとても日本企業が真似できるところではない。というかそもそも真似しようとすら思わないだろう。
昨日秋葉原の駅前で「Amazonは日本に税金を払っておらずけしからん。Amazonは日本にいらない。Amazonみたいな会社を日本で作ればいい」と誰かが演説していた。私はそれを苦々しい思いで聞いていた。おそらく日本の経営者のほとんどは自分たちとGAFAの何が違うのかすら認識していないと思う。