なぜ認知バイアスがあるのか

2019-07-29 07:51

先日面白いページに出会ったと思った。ところがあまりに長いので途中で挫折した。

ここでは人間の誤りやすい傾向について、人類の英知である「社会心理学」の偉大なる成果である認知バイアス一覧を英語版に基づいて紹介する。

引用元:認知バイアス一覧で社会心理学入門〜社会科学の知の蓄積を活用した社会教育の実現に向けて〜効果、錯誤、誤り、仮説一覧〜

人間の認知や、判断は様々なバイアスを受ける。有名なのでは占いに活用されているバーナム効果というのがある。誰もが「これはあたっている。自分のことだ」と思うような文章が存在する、というやつだな。

さて

これだけ多種多様なバイアスが存在する意味を考えてみよう。これらのバイアスは、現実を真面目に捉えて判断しようとするはまる「フレーム問題」を回避するために必要だ、というのがおそらく正しい(そしてこのことを主張した人は私の前に何万人もいるだろう)

一時高齢者の運転が引き起こす自動車事故が大きく報道された時期があった。そう聞くとみな「けしらかん」と思う。しかしそのあと読んだ交通事故の被害者に関する記事では、もっととんでもない交通事故が山ほど存在することを知った。不法滞在のブラジル人が無免許で盗んだ車を運転し、事故を起こし警察に追跡される途中で人をはね殺す、とか。こういう事故は報道すらされない。なぜか。時流に乗っていないからだ。こういうバイアスもこの一覧のどこかに存在しているんだろうな。

またこういう考え方もある。現実世界で役に立つ人工知能を本当に作ろうと思ったらいつまでも「全脳アーキテクチャ」とかいう念仏ばかり唱えているのではなくて、これらのバイアスを利用することを考えてはどうかな、とか。

というわけでこのバイアス一覧はいろいろ考えるネタを与えてくれる。しばらく黙ってこのリストを眺めることにしよう。