Amazonという狂気
2019-07-22 07:55
AIに仕事が奪われるとか騒いでいる人間は、ほぼ例外なくAI(というか機械学習)を使って意味のあることをしていない。だからそういう寝言は無視して実際に何が起こっているかを注意深く観察する。
別に機械学習がなくてもテクノロジーの変化によって仕事は大幅に奪われてきた。その昔、三菱重工には「ワープロ部屋」なるものがあってねえ。そこに「ワープロ専門の女の子」がいたのだよ。これが可愛い子でねえ。(以下35万行省略)
さて、現実と強烈に対峙しているAmazonである。彼らは物流センターにロボットを大幅に導入することでも知られているし、AIの開発能力に関しては一点の疑問もないほど優れている。ではその会社で「職を奪われる人」はどうなっているのか?少し前のことになるがこんなニュースが流れた。
不要になる従業員を解雇したら社会問題になってしまうので、Amazonは最近、自動化の影響を受ける従業員の再教育にどどーんと7億ドルを投じると発表しました。
注文品のピックアップなど、ロボットの方が素早くできる仕事をやっている従業員に、人間にしかできない仕事にシフトしてもらうために勉強させる、というのです。
この発表の前から徐々にシフトは始まっていて、例えばロボット工学の知識のないパートタイマーに勉強させて多数のロボットの動きを管理する「フロー制御スペシャリスト」として正社員に昇格させたエピソードなどをアピールしています。
もちろん単純作業から、知的な労働にシフトできる人間の割合はそう多くない。しかしその教育のために700億円を投じるなど正気の沙汰とは思えない。
しかしこれが世界の一流企業の恐ろしさなのだと思う。日本企業がAIに関して寝言を並べる先生方の言葉をあーでもない、こーでもない、と言っているい間に大幅な変化を大胆に起こす。
日本の没落の原因は、こういう「狂ったような施策」が誰にもできないことではないのかな。とここで書いても誰も聞いていないか。