情報弱者が書くGoogle Cloud Next in Tokyoのあるセッション評
2019-08-02 07:52
昨日Google Cloud Next 19 in Tokyoというイベントに行ってきた。本当はあれこれ見る予定だったのだが一つのセッションしか見られなかった。
そのセッションのタイトルは「Google の Diversity & Inclusion に基づいた re:work 〜働くをより良いものに〜」という。これもやたらと長い。プレゼンの冒頭、このプレゼンの目的が映し出される。
脱Googleだからできるんでしょ
これだけ読んでもなんのことかわからないと思う。彼女が言いたかったのは
脱「Googleだからできるんでしょ」
らしい。Googleではこんな仕事のやり方をしてますよ、と言っても「ふーん。でもそれGoogleだからできるんでしょ」と冷ややかな反応を返されるのを変えたいのだそうな。なるほど、ではどう変えてくれるのか聞こうじゃないか。
そう思ってプレゼンに耳を傾ける。KPIじゃなくてOKRです。マネージャーは羊飼いのようでなくちゃいけません、とどこかで聞いたような話がずらずら続く。うん。そうだねGoogleすごいけど、それGoogleだからできるんだよね。
そう思っているうちプレゼンが終わった。なんだこれ。
セッションの後に是非アプリからフィードバックをお願いします、と言われる。アプリを操作して感想を書いてやろうと思うが、どう操作してもアンケート入力画面にたどり着けない。これは私が情報弱者ということだな。
というわけでここに感想を書くしかないわけだ。
脱「Googleだからできるんだよね」という目的はすばらしい。問題はプレゼンターが「なぜそういう冷ややかな反応が返ってくるか」を全く理解していない点にある。プレゼンの内容からして、「実はGoogleは素晴らしいやり方をWebで公開してるんです。みなさんそれを知らないから古い仕事のやり方をしてるんでしょ?」と思っているようだった。
彼女は現実を全く理解していない。KPIじゃなくてOKRなんて話は知識としては誰でも知っている。問題はそれを知りながらKPIを追っかけ回し続け、末端マネージャーには「お前ら業績悪いんだから残業しろ」とプレッシャーをかけ続ける経営者のマインドにある。そうした根本的な問題を勘違いしたまま何を語られても「はあそうですか」としか言いようがない。
本当はこの後のセッションも聞く予定だったが同じ人がしゃべると聞いて聞く気を失った。早々に家路につく。