量子力学の教え

2019-12-27 07:17

いっそのこと「量子教」でも作ろうかと考えている。

こういうことだ。量子力学の教えるところによれば、ある物理現象に関して人間は確率を知ることはできるが、ここの現象がいつ起きるか、起きないか、といったことについては絶対知ることができない。こういう特性があるから、ウランだのラジウムだのは、長期に渡って少しずつ崩壊し続ける。

どうやら人間の疾病というものもその性質を持っている。

肺がんと喫煙、肝臓がんと肝炎ウイルス感染のように、集団においては原因を特定できる場合もあるが、それにしたって「同じようにタバコを吸っていて肺がんにならない人はたくさんいるのにいったいなぜ私が肺がんになったのか」という疑問には答えられない。個々のケースではやはり原因は特定できないのだ。病気になる確率を減らすことはできるが、病気を確実に避ける方法はない。人が病気になるのは、何か悪いことをした報いではない。強いて言えば、運が悪い。

引用元:何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ

がんにはだれもかかりたくない。しかしそれはつまるところ「確率」で発生することである。どんなに注意深く生活を送っていてもがんになる場合がある。無茶苦茶な生活を送っていても長生きし、がん以外の原因で死ぬ場合もある。

つまり我々は確率の神様が肩を叩く、という行為から逃れることはできない。最近いつも思うのだ。こうやっている間も私の頭蓋骨の中で致命的な出血につながる病変が進行しているかもしれない。それはいつ破滅的な結果を及ぼすかもしれない。しかし私はそれを知ることができない。我々は「明日も概ね今日と同じ状況が続くだろう」という思い込みに基づいて、明日のことをあれこれ悩んだりする。しかしそれは完全に無駄かもしれない。明日はこないかもしれないのだ。

だったら明日のことで悩むのも悪くはないけどほどほどにね、という中庸の考えが重要ということになる。ほれ、ちょっと宗教というか「教え」っぽくなってきたでしょ?これで一山当てることはできないか。