ゴネ得の世界
2019-12-24 07:29
「ゴネ得」という言葉がある。とにかく「自分たちの権利」を主張し相手に何かを要求する態度だ。GMで働いている時、彼らが労働組合対策に大きな労力を割いていることを知った。あるGM社員はこう言った。労働組合は家族みたいなもんだ。選べないし、決別できないだろう、と。
私が学生の頃まではストで電車が止まっていた。今あれをやったら何が起こるのだろう。スト権ストのとき、朝日新聞は例によって「政府が悪い」といいたげだった記憶がある。事故で列車が止まっても大騒ぎになるのに賃上げのストとかやったら、、、何が起こるんだろうね。
と今の日本では思うが、隣の国は少し事情が異なる。
最大手の現代自動車労働組合は逆の変化が訪れている。現代自労組は年俸9000万ウォン(約823万円)が定年まで保証され、納税額は韓国労働者の上位3%以内、賃金10%以内という既得権を得ながらも、増額要求のストを繰り返し、貴族労組と揶揄されている。
(中略)
外資企業がいつ撤退を表明しても不思議ではない
世界の自動車メーカーが、生き残りをかけて労使が団結するなか、韓国の自動車産業は労働組合に阻まれている。
韓国経済研究院が2019年12月16日に発表した労使紛糾による労働損失日数は、韓国が最も多く、米国の7倍、日本の173倍にのぼっている。労働争議が最も多く発生した英国を1.8倍上回るなど、労組が足かせとなっている。
ストをやって自分たちの権利を主張するのも結構だが、多くの自動車メーカーが外資系となっている今、「じゃあ閉鎖ね」とあっさり言われるのではなかろうか。
こうした力関係は一旦発生すると、根絶するのが難しい。あまりに平和な労働組合で、なんのために組合費をとられているかわからないのも困るけど。