家庭のIOTという幻想

2020-01-28 07:30

今やよくわからない存在になったTATERUという会社は「我が社のアパートはIOT装備です!」と高らかに宣言していた。しかし話はそう簡単ではない。

TATERU Apartmentのアプリなら、自宅で、外出先で、いつでもどこでもアパート経営がはじめられます。IoTアパートの提案から、建物の建設、賃貸管理など、アパート経営のご相談はコンシェルジュがチャットでご対応。アパートの管理運営はすべて当社が代行するので、オーナー様は家賃を受け取るだけ。

引用元:アプリではじめるIoTアパート経営 TATERU Apartment(タテルアパートメント)

やっていたことは、融資のさいの書類改竄という人力技術だった。そしてそもそも家にIOT機器を組み込むというのは容易なことではない。デモシステムは簡単に作ることができる。今や卒業論文にもなるかどうかあやしい。問題はその後だ。

I see convincing examples… at the hands of expert software engineers. But how many normal humans can develop a smarthome system, let alone maintain it when bugs, software updates, or security issues arise?

引用元:IoT Trouble: The Sonos Example — And More - Monday Note

IOTにはバグがあり、ソフトウェアアップデートがあり、そして場合によってはアップデートが追いつかない(あるいはされない)セキュリティの問題が発生する。そしてほとんどの人はこれらの言葉が何を意味しているかすら知らない。

というわけで

家がIOT機器で充満している家庭というのは現実的にあり得ないと思うわけだ。工学部系の研究室ですら難しいのではないか。システムを構築することは簡単だが、それを2年3年と維持することは多分できまい。

そういう現実と相対して、どんな未来が開けるのか。これが多少楽しみだったりする。