人生皆苦

2020-02-06 07:28

などと思わず仏教用語をつぶやいてしまうのはこれを読んだからだ。

「クビとははっきり言わないのですが、『察してね』という話し方で早期退職を勧められました。いろいろ質問しても、事務的にのらりくらりと答えるだけで、親身な面談という感じではありませんでした」

 この社員が不審に思うのも無理はない。実際、リストラ資料には、「質問と応答例」という、管理職社員向けの面談時の回答マニュアルまで明示されている。例えば以下のようなやり取りが管理職の“模範解答”だ。

引用元:ファミリーマートの早期退職に応募殺到、リストラ資料が明かす大混乱の裏側 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

課長さんとか部長さんになったとする。となると会社から渡されたマニュアル通りのらりくらりと相手を辞職に追い詰めなければならない。仮に心を鬼にしてそれに成功したとしよう。するとどうなるか。

「澤田社長の年頭挨拶で、会社への危機感は増幅し、1月には1500人近い社員が応募意向を示しているといいます。経営サイドは急遽、応募しても『適用否認』という判断を下す場合があることをアナウンスし始めた。適用否認をされた社員は、辞めても早期退職金2000万円が支払われないというのです。初めは辞めろといい、今度は辞めるなら退職金は払わないと脅し始める。社内はパニック状態です」

引用元:ファミリーマートの早期退職に応募殺到、リストラ資料が明かす大混乱の裏側 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

管理職ががんばったせいか、あるいは会社に見切りをつけた人が多かったのか、希望者が続出。かくして「希望しても会社が認めるかどうかはわかりません」となったのだそうな。この話にはまだ続きがある。

伊藤忠から送り込まれた経営企画部幹部は、いまこう周囲に喧伝して回っているという。

「早期退職制度に応募した社員は忠誠心が低い奴らだ。降格を覚悟してもらう!」

 この言葉を聞いて、社員の間では「降格=店舗送り」という認識が広がっているという。会社の慰留で残留したとしても、同じポジションには留まれない。「店舗再生本部」送りになって直営店舗に配属されれば、収入は激減することが予想される。

引用元:ファミリーマートの早期退職に応募殺到、リストラ資料が明かす大混乱の裏側 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

辞めろと言われました。悩んだ末辞めることにしました。ところが会社に退職を認めてもらえませんでした。辞めると言うなんて忠誠心が足りないと文句を言われ、コンビニ勤務になり給料が激減しました。

これは控えめにいって悪夢である。心を鬼にして退職を推奨した課長さんもさぞかし寝覚が悪かろう。

どんないい人だろうが、真面目に働いていようが、有能だろうが、たまたまファミリーマートに勤務していただけでこういう運命が降りかかる。こいう出来事を他人事と思えないということは、私が経験してきたあれこれもきっと無駄ではなかったのだと思う。