新しい原発の開発

2020-08-26 08:53

多分我が国では今後数十年にわたって新しい原発の開発はできないだろう。そうしたことを口にしただけでやれ福島だやれなんとかだと袋叩きになるのではなかろうか。

しかし

じゃあどうするのか?という議論は、そこら中に存在する田んぼとか野山をつぶした太陽光パネルとともにほったらかしである。自然エネルギーいいですねえ。ところで夜と、風がない日はどうするの?この質問にまともに答えようとする人は滅多にいない。

では世界中がその状態か?どうやら違うようだ。

理論的にメルトダウンによる事故が起きないという、新しい原子力発電所の研究開発が米国で進められている。実現の鍵を握るのは、大粒キャンディーのように個別に保護シェルで包まれた「トリソ燃料」だ。従来の原発のような巨大な構造物や広大な空き地なども不要とされており、新たなエネルギー源としての期待が高まっている。

引用元:原子力発電所のメルトダウンは過去のものに? 新型原子炉が拓くエネルギーの新時代 | WIRED.jp

こうした「新型の次世代原子炉」については、以前からビル・ゲイツが言及していたように記憶している。なによりもこうした新しい試みが米国からは聞こえてきて、我が国では全く聞こえない、というのが問題。

どういうことかというと

この問題に対する我が国のスタンスは、つまるところ日本人の得意な「根本的な問題の先送り」を延々繰り返しているにすぎない。とりあえず現状できることを無理のない範囲でやる。そうやって手足を動かしていると仕事をしたような気になる。しかし根本の問題には手がついていない。そうして年月を送る。そして他の国からくる革新をいつ取り入れるかの議論ばかりしている。

たとえばあと二十年後に米国で小型の新式原子炉が実用化されたとしよう。日本ではその十年あとくらいに「我が国に導入するにはどのような障壁があるか」とか議論を始める。かけてもいいがその頃になっても自然エネルギーは問題の解決にほとんど寄与できていない。テスラ製のバッテリーを大量に導入するようになっていれば別だが。

私はその小型原子炉が米国で実用化されるのを見ることがあるだろうか?