五感アート思考の無料体験クラスに参加した
2024-05-20 14:45
「タダほど高いものはない」とはよく言う。それを覚悟で参加したのだが、予想を上回る売り込みイベントだった。
参加者は全国から10名程度だったか。武蔵美の卒業生という講師がしゃべりだす。その口調が非常に不愉快に感じる。まるで幼稚園児に語って聞かせるような口調なのだ。
しかしそれだけでこれほど不愉快に感じるのだろうか?これはもっと自分の感情を見つめなければならない。そう思って講座を聴き続ける。
この団体は「五感アート思考」が売りらしい。でもって1時間半の講座でやらされることは「抽象画をみて、それを五感で感じた内容を書き出すこと」
抽象画をZoom上で投影されて、どうやって匂いを感じるというのか。そこらへんは一切説明されない。とにかく感じましょう!もっと鑑賞が豊かになりましたね!と連呼される。
これで体験講座はおしまいです、とスライドが表示されたのは1時間経過したところ。あれ?1時間半のコースだったはずだけど、と思う。
主催者にしてみればそこからが本番だった。総額19万円ちょっと払えば認定資格をとって自分で講座を開催できるようになります、という宣伝がそこから三十分続く。
それを聴きながら講師の喋り方に不快感を覚えた理由がわかった。この講師の喋り方は幼稚園児に言って聞かせる先生のそれではない。家にかかってくる「お近くで不用品の回収にうかがってます」のセールス電話と同じなのだ。やたら丁寧に他人に自分の主張を押し付ける喋り方。まあセールスが目的だからねえ。
この商売をやって申し込んでくれる人が何人いるのか。しかし講師とサポーター2名で開催していたということは、この講座に19万円払う人がいるんだろうな。ちなみに認定資格をとっても、人集めは自分でがんばってね、というとこから始めるわけだが。
ちなみにこの団体の定義によれば、アーティストは「社会的価値」と「経済的価値」を目指して創作するんだそうな。そりゃ確かに売れないと生きていけないけど。じゃあ脱法ドラッグを開発して、金を儲けて、人々の心から憂を取り去ろう、という人もこの団体の定義によればアーティストということになる。
まあこの団体は実際に「経済的価値」を求めて活動しているわけだから、主張と行動は一致しているか。
私のように無料だからといって申し込む人が、このページに辿り着いてくれることを祈りながら。