題名:Clinton-part12

五郎の入り口に戻る

日付:2000/10/30

Part11へ | 2000/10/31 | 2000/11/11 | Part13へ


2000/10/31

リキッドオーディオジャパンという会社がある。インターネット上で音楽を配信する技術に関連した会社だ。ジャパンがついているから、ちゃんと米国に本社がありここはそこの日本支社である。

日本ではベンチャー企業の育成環境が整っていない、とあれこれ指摘する声がでてきたのはいつ頃だっただろうか。株式を公開し、普通の人に株をうって資金を調達することは普通に行われる資金調達の手段だが、東京証券取引所で株を売り出すには大変厳格な審査と既定があり、ぽっとでのベンチャーが上場できるようなしろものではない。その大変なハードルを越えて上場を果たすことは経営者の夢でもあったのだろう。

「弊社はおかげさまで東証一部上場をはたしました」

という会社からの挨拶を目にしたことがある人も多いのではなかろうか。

これではいけない。ベンチャー企業も上場可能な証券取引所を作ろう、ということで華々しく誕生したのが東証マザーズである。リキッドオーディオジャパンはそこの株式公開第一号であり、公開後はとんでもない高値がついた。

社長は若干31才。IT革命は若者が推進する。今までの常識は通用しないんだ。30代ではもはや老人といわれる世界だ。ニューエコノミーだ。

上場記念パーティーの様子を今でもネットで見ることができ、その出席者の豪華さはそこらへんの歌番顔負けである。つんく、小室哲也、スピード、モーニング娘、それに藤原紀香、なぜかラモスまででている。「派手すぎる」という批判もあったものの、当時の記事は批判調ばかりではない。「同社の音楽業界のコネの広さを示す物となった」という記事もあり、もっとも慎重なものであっても態度を保留くらいであったようだが。

 

インターネットバブルはその形成も早かったが、崩壊も早かった。東証マザーズ、そしてその後にNasdaq Japanも作られたが、そこでの公開時からの株価の下落は目を覆うばかりである。もっとも企業にしてみればそんなのはどうでもいいことだ。株券を発行して、高値でうりつけてしまえば、後はどんなに株価が下がろうが知ったことではない。文句よけに「株主様のための経営」とお題目だけ唱えておけばよい。本来事業発展のため使われるべき資金が何に使われるかは、神のみぞしるところである。たとえあある広告のベンチャーなどは何を言っているか解らないCMや、バナー広告を大量にふりまいて返って顰蹙をかったりしているが。まだそうした解る使途ならよいが、どこに消えたのかわからないような例もあるやに聞く。

 

このリキッドオーディオには、当初からあれこれの噂があった。例の31才の社長は昔暴力団関係のフロント企業にいたとか、あるいは経歴を偽って発表しているとかである。少し前その社長が突然辞任した。インタビューの写真をみれば髪の毛を6:4くらいにわけたなかなかの2枚目だ。

「ボクはインターネット関係の人間で、音楽業界の人間じゃない。雇われ社長だから」

ばかりを退任の弁として繰り返していた。後任は日本在住が長い米国人とのことだが、未だにメディアで顔をみたことがない。

そしてその前社長が先日逮捕された。暴力団担当の捜査4課にである。そのニュースが流れたとき、TVに映し出された前社長の顔を見て驚いた。社長就任当時のものなのだろうがまるで別人。単なるチンピラである。

 

たった数ヶ月前ITバブルはその絶頂にあった。「今までの常識は通用しない」「ドッグイヤーだ」「とにかくスピード」という言葉を何度聞いたことだろう。そうした思考停止を強制する言葉は昔からいくつも存在していたが、今回のバブルでその数は一気に増えた気がする。今となってはそうやってバブルをあおったメディアは

「あのときはそれが鉄則だった。ドッグイヤーだ。変化が早いんだ」

とか

「当誌は早くから懸念を表明していた」

とかいうのだろうが、その言葉をどれだけ信用すればいいのか。「鉄則」がそんなに簡単に変わっていいものなのか。後付ならなんとでも言える。どう考えても彼ら自身自分でふいたほらを信じていたとしか思えないのだが。

そうした自分が何を言っているか理解できなくても気にしない人たちの群にあって(国会にいる老人達は、まだそうした幸せな状況に生きているようだが)IT革命なる言葉の本質を見抜いていた人は少数だった。そして暴力団はその一つだったのではないか。彼らはこの実体をかけはなれた熱狂が資金獲得の千載一遇のチャンスであることを知っていたのだろう。

 

さて、海外に視点をうつそう。大統領選までとうとう残り一週間であり、未だ両方とも圧倒的なリードを持つことができずにいる。現時点での話だが、世論調査で面白いのは、ゴアが圧倒的に男性の支持を得ていない点だ。女性の支持率はほとんどイーブンなのだが。

勝手な想像だがゴアは

「まあ2枚目だし頭もいいのだろうが、どっか秀才気取りでいけすかない」

という印象でも男性にもたれているのだろうか。先日ディベートへの反応から文化の違いに思いをはせたが、今は文化の違いを越えて共通する感情に思いをはせている。いずれにせよ結果は一週間後に明らかになる。

その国の国務長官は北朝鮮を歴史的な訪問だ。オルブライトと金正日がテーブルを挟んですわっている姿は滑稽だった。視線が定まらないまま、ぼそぼそと歓迎の挨拶を述べる金正日。無意味な笑顔など少しもうかべず前をじっと見つめているオルブライト。こうした映像がどんどん北朝鮮で流れるようになれば、少しはあの国も変わるかもしれない。

その後に行われた日朝交渉。それまで口を極めてののしってきた韓国、米国と和解ムードを演出しつつある今、残った「敵」は日本である。その敵との会談に臨んだ北朝鮮大使の態度はTVで見る限り傲慢の一言につきる。コメントを求めるマスコミをハエかカのように追い払う手つきを見せる。マスコミ受けをよくして点数をかせごうなどとみじんも思っていない。これは世論であるとかマスコミというものにいっさい配慮する必要がない国であるからこそできる態度だ。「取材熱心なマスコミ」への対応に配慮を欠かせない某国の政治家先生達の中には、あの大使の態度をみて

「ああ。」

と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そんなこんなとニュースをおっかけて視点を国内に戻すとその平和さにほのぼのとするくらいだ。そのほのぼのの中であっても森君の側近中の側近はとうとう辞任に追い込まれた。親分が親分なら子分も子分というところか。

誰にも理解できないような形に選挙制度などいじってみたところでこのまま選挙に突入すれば何がおこるかわかろうというものなのだが、それでも森君は頑張っている。破滅が前方にあるとわかりながら、どちらにも舵を切れずばく進してしまう、というのは周りや後から考えれば実に馬鹿げている。しかしそうした馬鹿げた現象というのはかなり頻繁に発生し、しかも滝壺に向かっている船にのってしまえば、何故か舵が切れなくなるというのがこの世の常なのだが。

 

2000/11/11-Who is the winner ?

さて、11月の8日は、米国では7日。大統領選挙の日である。

企業内失業者の身分というのもなかなか楽ではないが、こうした日は実にありがたいと感じる。とにかくインターネット使いたい放題であるから刻々と開票状況をチェックできる。

さて、どんなものだろうと思ってcnn.comにアクセスしてみる。広い国だから東から順に投票を締め切り開票を行い出すようだ。朝一番にアクセスしたらまだ開票は始まっておらず「ブッシュが投票した」とか「ゴアが投票した」とか「クリントンが投票した」とかでている。

さて、そのうち東の州から票があきはじめた。いきなりブッシュが3っつくらいの州をとる。米国の地図が表示されており、どちらの候補がとったかで色が変わっていく仕組みだ。これはすごいぞと思ったら、どうやらこの時点での開票結果というのは日本の選挙での

「最初に田舎で当確があいつぐ自民党」

と似たような状況であったようだ。Toss-UPとかBattlefieldとか呼ばれている州ではそう簡単に「当確」はつかない。

そのうちゴアもとりだした。CNNのトップページは普通あれこれのニュースが並んでいるが、この日だけは米国大統領選一色になり、

「他のニュースはこちら」

のようなリンクだけが世の中は大統領選だけでないことを教えてくれる。

そのうちゴアも結構伸び出した。特に東部の州ではやたらと強い。そのうち妙なことに気がついた。東部には小さくて全米の州を描いた地図ではその形を表示できない州がいくつもあり、そうした州の頭文字だけが地図の横に表示されている。そのうちRIという文字がゴアになったり、ブッシュになったりを繰り返しているのだ。どこだろうと思ったらRoad Island州らしいがあれはCNNのシステムの問題だったのだろうか。

そのうちBattlefieldと呼ばれていたFloridaにゴアの色がついた。その他投票間際に両候補がかけめぐっていたMichiganもゴアの色である。私は

「これはゴアの勝ちかな」

と思い出した。地図の面積でいけばブッシュが圧倒的に有利だ。しかし問題なのは選挙人の数であり、面積ではない。面積が広い州の多くはほとんど人がおらず、選挙人の数も一桁だ。そしてここまでBattle Fieldでは圧倒的にゴアが勝っている。

そのうち選挙人の数でもゴアがリードした。まだCaliforniaの結果はでておらず、調べてみればそこでの選挙人の数は52である。Californiaはゴアの優勢が伝えられているから、ここでの当確が出る前にブッシュは52ほどリードしておかなければならないわけだ。ところが数分おきにどちらがリードしているかは変わる物のその差は少なく、どうやら52もの大差はつきそうにない。

これはゴアの勝ちか。。だいたい帰趨がはっきりしなかった州をあんだけとられては勝ち目がないよな、と思い出す。そのうちもう一つ全国規模で感心を集めていた上院議員選挙、ヒラリーの結果がでる。あの見慣れた顔が勝利を宣言している。どうやら勝ったらしい。彼女に関して私はほとんど何も知らないに等しい。しかしどうもあの夫婦からは似たような雰囲気を感じる。つまり私は彼女の笑顔をあまりみたいと思わないのである。

それまでやたらとCNNのサイトをリロードしていたが(それほど頻繁に情勢はかわり、どちらがリードしているかも変わったのだ)これでだいたいおしまいかな、と思いトイレに立った。ぶらぶら歩きながらあれこれ考える。確かにフロリダがなあ。25人も選挙人がいるのだから、もしブッシュがとっていれば、今50人近いリードだったのに。それであればまだ結果は解らなかったものを。

 

CNNのサイトに映し出される写真は刻々と変化する。こちらもそれだけ頻繁にリロードしていたわけだ。そのうち妙なことに気がついた。さっきまで拮抗していた選挙人の数が、ブッシュのリードに変わっている。何が起こったんだ?と思い本文を読んでみるとどうやら一旦ゴアの当確がでたFloridaがToss-Upに戻ったらしい。つまり当確の取り消しで、どちらがリードしているかわからない状況ということである。

これで状況は俄然面白くなった。CNNのサイトの文章も「分刻みでよりExcitingになる」といった内容になる。そのうちCaliforniaがゴアの青色に染まる。これでほぼ選挙人数は同等だ。地図にはアラスカとハワイが別枠で表示されている。ここいらの選挙人の数は3とか4とかいうものだが、もしかしたら

「結果はハワイ待ち」

とかになるのだろうかと思いリロードをひたすら続ける。

当確を示す色は東から西に刻々と進んでいくものの、いつまでたっても色が付かない州が残る。朝の時点では

「日本時間の昼頃には当選者が判明。ただしもつれた場合にはずれ込む可能性も」

とあちこちに書いてあったが、その昼になっても当選者は確定しない。

ここらで親愛なる日本のメディアのサイトを覗いてみる。その情報の遅さには同情を禁じ得ないほどだ。もっとも普通の大統領選であれば、開票後どころか開票前に大勢が判明しているだろうから多少のタイムラグも気にならないのだろうが、今回のように分刻みでリードしている側が変わる状況では

「1時間遅れの情報」

というのはなんとも間が抜けて見える。

それでは米国の他のサイトはどうだろう、と思い、CBSとABCのサイトを観てみる。ABCは重くて繋がらない。とういわけであっさりとCBSにうつるとこちらはそれなりに表示される。しかし見やすさからいくとCNNの方に(私は)軍配をあげたくなるので、またCNNに戻った。数をチェックするとメディアの間で「当確」のでかたに若干差があるようだ。たぶん日本の選挙速報と同じく出口調査とかをベースに推定しているのだろうが、これほど情勢が接近していると当確をだすのは難しかろう。とはいってもやはり州によって差はあるようで、一番西に位置するHawaiiはすぐにゴアの当確がでたし、アラスカなど開票開始とほぼ同時にBushの当確がでた。どうやらここらの州で勝負が決まることはないようだ。

 

さて、米国東時間では朝の1時であるところの日本時間午後3時頃になって、当確の動きがとまった。東海岸及び西海岸の州はほぼゴアが勝利。その間の内陸の州はほぼブッシュの勝利。5大湖まわりはゴアが優勢。だいたいそうしたところなのだが、まだ決着がつかない州が残る。Iowa, Wisconsin,Oregon、それにFloridaである。 

それらの州ごとの開票状況を見てみると、いずれもなんとも予想がつきがたいほど接戦である。その時CNNにでていた文章というのが

「ゴアが勝つためには、Floridaともう一つの州で勝つ必要がある。ブッシュはFloridaを落としたとしても残り三つ全部勝てば勝利だ」

なるほど、と思い開票結果をおいかける。そのうちゴアがわずかにリードしていたIowaにゴアの色がついた。ということはいずれにしてもFloridaをとったほうが勝者になるということだ。

そのFloridaの状況を見てみると、これこそ当確をだしたくなくなるくらいの大接戦である。得票率はほぼ48か49で拮抗。票差は私が観ている間は多くて10万、少ないときは1万くらいであり、結構変動するから全く予測ができない。情勢がはっきりとしていれば、当確の予想も楽だし、まあ多少間違ったところで大勢に影響がないから楽だろうが、この状況ではそう簡単に当確を出すわけにはいかない。私のような小心者だったら、100%票があくまで絶対に当確はださないな、などと思ったりする。

日本時間は4時を過ぎた。どう考えても昼というよりは夕方である。しかしまだ結果は判明しない。日本はいいが、米国ではすでに真夜中、東海岸は午前2時をすぎた。

今日何度目かもわからないリロードをかける。思えばこのサイトは世界中からどのようなアクセスを受けているのだろうか。想像するのも恐ろしいほどだが、レスポンスは結構快適である。ふとBushの選挙人の数が変化したことに気がついた。271。ページの上のほうにある「速報」のような欄には

"Bush Wins"

という2文字が並んでいる。

それからまもなくしてそれまで必ず二人が並んで表示されていた写真がブッシュの笑顔に変わった。とうとう決着がついたらしい。他の米国メディアは一斉に当確を表示しだした。

そうした当確とは別に開票作業は進んでいる。Floridaの開票率は96%を越えていたと思う。それでも当確がでなかったのだ。開票率が99%になっても差は例のごとく数万票から数千票の間で推移している。人ごとながら

「これで本当に当確をだしてよいんだろうか。まあしかしよく出したもんだ」

とか考えていた。

さて、選挙の結果も見たし、帰ろうと思い駅に向かう。(仕事はどうしたんだよ)ふと新聞のスタンドを観ると

「ゴア勝利」

という大きな文字が踊っている。とにかく半分ちゃかしたような文章しか書かない夕刊紙とはいえ、これはあまりにもひどくないかと思いまじまじと見たら小さく最後に

「へ」

がついていた。気の毒に。締め切りに併せてどちらかの名前をだせ、と誰かが決めたのだろう。しかし今日のように数分おきに優位が変わる状況で誰が確定的な事が言えよう。そして不幸にして彼らがピックしたのはゴアだったわけだ。

 

さて、私はといえば個人的な事に思いをはせ、夕食をとって家に帰る。もう結果は分かっているからTVなどつける必要はない。パソコンにむかってあれこれごそごそやりだす。妙な意欲に燃えてシステムの変更などやろうとしたのは賢明ではなかったかもしれない。そのうち

「インストールにかかる時間:あと24分」

とかいう表示がでてきた。こうなると暇だからTVをみてみようかと思う。

親愛なるNHKにチャンネルを合わせる。米国の支局長とかいう見慣れたおっさんがでてくる。最初は「勝因、敗因」など分析しているのかと思ったが、どうも様子がおかしい。

そのうちなんと「フロリダの結果が不明」という事になった事をしった。それでは依然として勝者が不明ということではないか。

「差は400票あまり。。。不在者投票をどうするかなどという細かいところまで話が及んでいる。。。。フロリダの法律では差が小さい場合選挙をやり直すことになっている。。。」

などと断片的な情報が飛び交う。そのうち差はもっと大きく(とはいっても数千票だが)なり、「選挙のやり直し」も「開票のやり直し」と訂正された。しかしいずれにしても今日勝者は確定しない、ということだ。

 

実はBushに確定が出た後に「両候補の本部からの生中継」映像を会社のパソコンで少しだけ見たのである。あまり何も行われていないようだったが、ゴアの本拠地であるテネシーでは雨がふっているようで「これは涙雨だ」などと思っていたがそれすらわからない、ということらしい。

翌日の朝、昨日何がおこったのかを調べてみる。こうした時には、ポータルサイトのニュース欄というのはなかなか便利で、あちこちの報道機関から届けられた見出しだけを時系列にならべてくれる。

・○○が△△で勝利

・△▽が○○で勝利

が延々と続いた後に

・<速報・米大統領選>ブッシュ・テキサス州知事が新大統領に

が続き

・ゴア氏、ブッシュ氏の米大統領選挙当選を電話で祝福

まではよかったのだが次の行には

・ゴア氏、ブッシュ氏に電話で敗北受け入れを撤回すると伝えた

と書いてある。その後に各メディアの「フロリダのブッシュ勝利を接戦に変更」が続く。

気の毒なのは各国の首脳で

・ブッシュ氏の米大統領選当選を心から歓迎=野中自民党幹事長

なんてもかいてあるが、まあゴアも一旦は敗北を認める電話をブッシュにかけたわけだから、他の国の人間をせめるのは酷というものだ。

 

CNNのサイトには「読者からのコメント」が寄せられている。

・「選挙にはいかない。なぜならどうせ関係ないからだ」という古い定理は2000年11月7日に吹っ飛んだ。

・にんまり笑ってベッドについたBushの支持者たちのことを考えてみろよ。目覚めたときこの展開になんて思ったか。

特に後者は気に入っている。その他「選挙人制度をやめよう」という論議も多いようだ。あれこれ読めば、確かに

「他の州のことなんてわかんね。ところで大統領選にはどんな奴がでてんだべ。顔くらいはみたことあるけど、さえない男と、いやらしいインテリっぽいやつでよくわかんね。まああの男に投票させれば間違いないわ。選挙人さんよろしくね」

という時代だったらともかく、今は候補みずから全米をかけまわる。どうやら得票ではゴアが勝ったらしいのにいつまでも結果がでないのはひたすらこの選挙人制度のせいだ。おそらく決着が明らかになれば、彼らは選挙制度の変更に乗り出すのだろう。どっかの国の全国区と違って、論点も明確だからすんなりといってほしいものだが。

 

さて、これを書いている時点ではまだ結果がでていない。ブッシュのサイドは慎重だが、ゴアのサイドは

「提訴も辞さない」

といきまいている。おい、いい加減にしろ。お前らの国では弁護士が大統領を選ぶのか?訴訟国家だとは知っていたが、そこまで弁護士に頼るのか?次の大統領選はお互い弁護士のチームを結成してディベートでもやらせて決着をつけたらどうだ?

 

Part13へ

 


注釈