題名:留学気づき事項

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日付:1998/5/8

前書き

1章

2章

3章

4章

5章

6章

7章

最後に

後書き


4.GREについて

留学を考える際に、必要となる試験は、TOEFLとGREである。このうちTOEFLのほうは毎月行われるが、GREは6月、10月12月にしか行われない。このうち大学によっては、12月のスコアを認めないところが多いので、早い話が、6月10月の2回のチャンスしかないと思ったほうがよい。

GREは早い話が算数の試験である。部門は二つにわかれる。General とSubjectであり、GeneralはQuantative(中学1年程度の算数)Analytical(頭の体操)Verbal(なぜか英語)であり、Subjectは、色々なフィールドから選ぶことができる。

このうち6月の試験は、Generalしかない。長々と書いてきて、何が言いたいかと言うと、申込をミスッてしまうとダメージが大きいということである。Subjectに関しては、実質的に受験の機会は一回しかない。

申込用紙の書き方の例を付紙(これも紛失) に示す。ここで、試験に必要ではないと思われる項目がたくさんならんでいることに気がつかれるだろう。これはただの参考項目であり、いちいち自分の大学時代の成績表など持ち出して、各分野別の修得単位数など正確に調べる必要はない。適当に書いておけばよろしい

GREの申込で厄介なのは、申込先が米国であり、送金も米国$で作成しなければいけないことだ。これが最初は結構面倒である。GREの説明書を何回読んでも、Checkとはなにかはわからないが、日本語で言うと送金小切手のことである。これは銀行に行って作らなくてはならない。送金小切手はどこの銀行でも作れるわけではない。私が働いていた工場から一番近いところで私が使用したのは、東海銀行名駅前の支店である。車でぶいんと行って、ここで3階に上がる。窓口に行って、おねえちゃんに「送金小切手を作りたいんですけど」と言うと、申込用紙をくれる。そこに記入例(記入する台があり、そこに記入例が張ってある)に従って、記入すればよろしい。ここで注意しなければならないのは、ハンコがいることだ。(私はこれで一回無駄足を踏んだことがある)ここで送金相手としてあまり長い名前を書くと怒られるられる。たしか30文字以内だと思った。もうひとつ注意しなくてはならないのは、手数料を2500円とられるので、余裕をもってお金を持っていかないと、はまる可能性があることだ。

なんのかんのと申込をすると、しばらーくたって案内を送ってくる。それで試験当日となるわけだ。

GREの試験場所というのは大変限られている。希望試験場所の一覧を見るとなかなか笑えるものがある。三沢Air Baseとか、嘉手納Air Baseとか。出張扱いでここらへんの試験場所を選択するのも一興かもしれない。私は東京のなんたら英語学院で受験であった。GRE は土曜日の朝から一日中行われるので、前日は泊まる必要がある。私はMr.ARと一緒に、○○会館に泊まった。そして朝は結構早く出ないといけないのである。もう一つの注意事項として、会場は大抵辺鄙なところにあるので、朝は余裕をもってでかけたほうがいいということである。私もあやうく時間がなくなるところであった。尤も当日の朝にあった地震のおかげで、試験の開始時間も後れてくれたのであるが。なんだかんだと言ってるうちに試験がはじまった。

午前中はGeneralである。試験の順序は地獄のような構成で、前述の3部門を繰り返して2回づつ行う。おまけに休憩時間は全くない。これで午前中が全部つぶれるわけだ。Quantativeに関して言えば内容は楽勝である。問題はうっかりミスと用語だけであろう。しかしなぜか間違えることも勘定にいれておかなければならない。おまけに時間は決っして充分あるとは言えない。Analyticalは頭の体操で、この手の問題が好きな人間にとってはなかなか楽しいかも知れない。しかし問題は量と時間である。私は自分の腕時計がとまっていたのに気がつかず、1回目は時間が足りなくなってしまった。最難関はVerbalである。この部分は早い話が英語なのであるが、内容はTOEFLなどとは全く異なる。とてつもなく難しい(らしい)。あのIさんでさえ、800点満点で240点、下から数えて3%だったのである。私はと言えば実は問題を一問も読んでいない。全てあてずっぽうで解答をした。この時間は私は休憩時間として使用していた。だってそうでもしないととても衰弱し切った頭でAnalyticalを解くことはできなかったからである。

正直言って午前中のGeneralだけでへとへとである。しかし午後にはEngineeringが待っているのであった。

GREの申込をすると、予想問題集を送ってくる。それにはEngineeringもついていた。内容的には簡単であるが、なんせ分野が広い。大学の時に習ったようなものがすべて出てくる。それでも私は一応おさらいくらいはしていたのである。そして当日は結構自信をもって臨んだ。

実際の問題を見て私は正直言ってたまげた。量がとてつもなく多いのである。予想問題集にはたいしてたくさん問題があったわけではなかったので、みくびっていた私が馬鹿だった。後で数えてみたら問題文28ページ、問題数140問であった。試験時間は2時間半である。私は途中でノイローゼになりそうだった。めくってもめくっても次のページがある。いくらかたづけても問題数はへらない。あやうく試験の途中で棄権してしまうところであった。問題そのものはたいして難しくはない。しかし2時間半の間正気をたもてるだけの体力を養っておくことが涵養であろう。

もう2度と受験するもんかと心にちかって、よれよれになりながら試験会場を後にした。

結果がでたのは確か12月にはいって大部たってからであった。これがまた笑えるところで、以下のような次第である。

General Verbal 270 (3%):Quantitative 800 (98%):Analytical 690 (89%)

Subject (Engineering) 740 (ss1 : 73 ss2 : 71) (84%)

 なんと一問も問題を読まなかった。Verbalはまだ下に同志が3%もいるのである。私は不確定性原理の加護があることを感じずにはいられなかった。Analyticalもまずまずだったので、結構安心した。Engineeringもこんなもんであろう。ただしひとつ注意しなくてはならないのは、GREは最近の試験にしては珍しく減点方で採点されることである。従ってたくさん答えたからと言って点数がよくなるとは限らない。その良い例がこのEngineering で、Mr.ARは全体の2/3程度しか解答していないのに、ほとんど全問解答した私と点数はあまりかわらないかった。(もちろん正答数も私のほうが多いのである。)まあしかし最終的なできとしてはこんなもんであろう。ちなみに12月も申し込んでいたが、このできに満足して試験は受けなかった。(受けない代りに大学に願書の申込に行っていた。別に遊んでいたわけではない)

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注釈

適当に書いておけばよろしい:もっともAR氏は真面目に書いていたが本文に戻る