題名:Java Diary-68章

五郎の入り口に戻る

日付:2005/12/27

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Goromi-Part11(広島で発表)

ここで話は本家Goromiに戻る。9/1,2と私は某研究会に出た。あれこれの理由で去年WISSでやったのと同じ内容で喋ることになってい たのだ。送られてきたプログラムを見ればなんとトップバッターである。WISSでは最終セッションの発表で最後まで気が抜けずに参ったが、今回はそういう 問題だけはない。ただし少し分野が異なる人たちの前での発表だから「何だこのふざけた内容は」と罵倒されるのではないか、という恐怖に怯える。

前の晩から広島に泊まり、翌朝はバスで会場であるとのころの広島市立大学に向かう。市立大学っていうくらいだからまあ広島市にあるのだろうとぼ んやり考える。初めて来た場所でバスに乗るときはいつも料金表を凝視することになる。いくらなのだろう。おつりがないように払えるであろうか、などと考え るわけだ。ビルがたくさんある場所を走っているがその金額の上がり方は遅々としたものである。最終的にいくら払うかは案内に書いてあったので知っている。 この分じゃあの金額に到達するのは遠い先であるな、と思っているといきなり料金表がごとんと変わった。

なんだこれは、と思っているとバスは市街地を離れトンネルに向かっているようだ。うげげげ、どこに行くのだという私の動揺をよそにバスは長い長 いトンネルを走り続ける。ようやく出たと思ったら山の中だ。はるか遠くには何かの町が見える。近くには学校らしき建物がある。そちらのほうに曲がっていく とバスは止まった。

ううむ。自然豊かな環境とはこのことであるか。学校があるのだが、近くに下宿がある気配もない。どうやったらここに通学できるのか。車でなけれ ばバスか。などとあれこれ考えながら階段を上る。始まるまでにはまだ間があるから学内をぶらぶら歩く。開放厳禁と書かれたとびらが開けっ放しになりブロッ クが置かれているのはお約束か。

しばらくして会場に向かう。いつもは後ろの方に座り何か適当な事をしている私だが、今日は一番に発表だから前の方に座る。あれこれ準備をする、 といってもできることは少ない。一度発表した内容であり、慣れているとは思うのだがだんだん緊張してくる。プロジェクタに接続してみるとちゃんと映し出さ れた。これで一つは問題をクリア。 まもなく時間がきて研究会が始まる。というわけで私の出番だ。

発表場所は教室であり、座席が階段状になっている。しゃべる私はその一番下。この配置だと相手の顔が見えてしまう。もしみんな寝ていたらどうし よう、と思う余裕もなく話を始める。幸いにしてデモプログラムもきちんと動いてくれる。 途中で緊張のあまり声がうわずりはじめるが、なんとか元に戻る。トラブルもなく発表を終えることができたが問題はここからだ。今日もらっている時間は30 分。元々は20分の発表用に16分くらいでしゃべる内容だから、質疑応答の時間がたんまり残ってしまったことになる。(おまけにこの日はいつもより早口で しゃべったのではないかと思う)さて何が飛んでくるか。 最初の質問が来る。なんとか回答する。私は自分の前で揉み手していたのではないかと思う。びびっているのである。なんせ今日の研究会は真面目な人の集まり だからなあ。別の質問が来る。それにも答える。いろいろな質問が来たが、基本的には好意的なようだ。私は少し安心してあれこれしゃべりだす。

今回の発表はWISSで使ったものから少し変更を加えていた。プレゼンの中でトリビアの泉の冒頭で使われている言葉を引用していたのだが、それ が変更されたため、プレゼン資料のほうも直す。また最後のFuture Workのところで「未踏ソフトでこんなもの作るつもりでーす」と追記していたのだ。それに関してもいくつかコメントが来る。 まもなく時間がきて私の番は終わりとなった。席に戻るとほっと一息。そして私はご機嫌になった。とはいっても緊張とそれが解けたことから来る疲労感がどっ と残り、その日の残りはほとんどほれほれしてすごした。発表は一日続くが、私は不遜にもパソコンに向かいプログラムを作り続ける。細かいところではある が、必要なことをどんどん直していく。

その日の発表が全て終わると懇親会があった。その席上でもあれこれコメントがもらえる。私はますますご機嫌になって酒をぐびぐびと飲む(この場 合の酒とはビールであるが)調子にのって作成途中のGoromi-TVを見せたりする。その日 「RSS情報を画面に表示するプログラム」 を発表した人がいた。その人の主張によれば

「長い文字列を横スクロールさせるインタフェースがあるが、あれはあまり観やすくない」

ということだ。それまでGoromi-TVでは文字列を横スクロールさせていたのだが、その人の意見により、スクロールをやめる。確かに見やすくなった。私が

「NHK教育が結構熱い」

と力説すると、

「それは良く知られたことです」

とつっこみがはいる。「あのプログラム(Goromi)は公開しているのですか?」という質問もいくつか出る。私は「いや、、動かないので有名なプログラムでして」と答える。どうやら最近Google のKeyが取得できない状態が続いているらしいのだ。

等という状況できわめてご機嫌のうちに広島から戻る。私はある決意を元にGoromiのプログラムに向かう。これをなんとかしなければ。どうも好評のよう だし、いつまでも「動かないので有名」などとふざけたことを言っている場合ではない。するとどうもGoogle APIの動作がおかしい。英語はちゃんと動くのだが、日本語がおかしな動作をしている。 ええい、というわけで広島で聞いたコメントに従い、Yahoo APIに乗り換えることにした。Googleが検索用APIを公開してからしばらくして、YahooもAPIを公開したのである。そしてこちらはキーがい らないとのこと。となれば使わざるべからずであろう。と思ってかちゃかちゃやりだす。英語でやったらちゃんと通ったのでわーいと思う。次は日本語だ、と思 い入力してみると確かに結果は返ってくる。しかしなにかがおかしい。無意味な記号が羅列されたとしか思えないページばかりがひっかかる。 これはどうしたことか、としばらく悩む。そのうち「文字列の渡し方が悪い」という結論に達した。あれこれドキュメントを読むとUTF-8で渡せ、と書いて ある。さて問題です。UTF-8で渡すととはどういうことでしょう。私が9/5に書いた文章にはこんなことが書いてある。

「Yahoo API に日本語を通そうとして四苦八苦していた。でもってまだ方法が見つかっていない。。しくしく。 何故こんなことをしているかというと、今のGoromiというプログラムがやたらと動かすまでに手間がかかるからだ。(おまけになぜかわからないが最近動 きがおかしい) ほにゃほにゃ言っているうちに8月も終わったし。。あーん冬が近い。 」

おれは何をしているのだ。そもそもGoromi-TVを進めなくてはならんではないか、と思いつつもやり始めた仕事は終えたいし、だいだい検索 エンジンを呼ぶというのはGoromi-TVでも必要になるかもしれない機能だ。避けて通ることはできない、とやることしばらく。Googleの神様は偉 大だ。参考になるコードを見つけることができ、なんとか動き出した。わーいと思ったのもつかのま、それまで形態素解析(単語にちょんぎるやつ)で使ってい たChasenの調子がおかしい。ええい、この際だからこちらもSenに変更してやるー、とごっそりプログラムを変更する。 というわけでインストールが簡単になったGoromi-Ver0.6ができあがった。

実は「この際だから」ということで気になる問題をいくつか直してある。メニューがちゃんと表示されない、という問題も直す。使わない機能やら設 定をごっそり取り除く。結果としてVer0.5までに書いていた 「インストールに作者も腹が立つほど手間がかかります」 という問題はほぼなくなった、、、と日記には書いておこう。リリースしたのは9/22。誰がこんなもの使うのか、、と思っていたが、データを見ると (Yahoo APIではアプリケーションごとに固有の番号を持っている。でもってその番号から何回検索要求が来たのが調べることができる)時々使っている人がいるよう だ。ちゃんとアップデートをしなくてはいけないなあ、と思いつつGoromi-TVの方を進めなくてはならぬ、と自分に言い聞かせる。本当のことを言え ば、ここでGoromi-TVと同じインタフェースにしたい願望に駆られていたのだが、そんな暇はないのだ。だって気温は下がってきているし。12月には 中間報告がまっているのだ。

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注釈