映画評

五郎の入り口に戻る
日付:2020/9/16
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モアナと伝説の海2:Moana 2(2024/12/7)

今日の一言:モアナ3を作るみたいだよー。楽しみだなあー(棒読み)

少女が所属している一族は南海に浮かぶ島で平和に暮らしていた。しかし少女は突如「他の民族と交流しなければ我々は滅んでしまう!」という妄想に囚われる。そしてよくわからない障害を突破し、他の民族と交流を始める。

その結果外敵に免疫のない島民は疫病、麻薬、怪しげなネットワークビジネスに苦しめられる。挙句の果てに多くの島民が奴隷として他国に連れ去られてしまった。しかし少女は満足げに海に向かって歌うのであった。

まあ大体こういう話です(後半は嘘)

前回は少女が鶏と豚と旅をしていたようだが、今回は船を大きくし人間が3名追加になる。しかしこいつらが見事なくらい機能しない。農民の老人とか船の中で鉢植えいじっているだけだし。元を辿ればなぜ命懸けで他の民族と交流しようとするかな。「このままだと滅亡する」という謎のビジョンはいいとして、それまで皆で平和に楽しく暮らしていたのに。

アナ雪2と同じく話はデタラメだし、いつの間にかよくわからない設定が登場するし、だけどディズニーだから最後はみんなハッピー。最初は「なんだか余計な動きが多いなあ」と思っていたがそのうち気が付く。そもそも話がないので余計なシーンしかないのだ。

とはいえ

米国では大ヒットらしいし、エンドロールの後のシーンをみてもモアナ3,4を作る気満々のよう。そういえば今回の悪い神様って最後のシーンまで姿すら見せないから、次で大暴れするんでしょう。どうでもいいけど。そうしたディズニー商法の巧みさは賞賛に値するが、3以降はよっぽど評価が良くないと見ないよ。

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声:Gladiator II(2024/11/16)

今日の一言:何もない映画

グラディエーターはそりゃトンデモ映画ではあったけど少なくとも見どころはあった。太る前のラッセル・クロウはかっこいいし、皇帝はにくにくしかったし。

しかし続編からはその「見どころ」は全て消滅し、トンデモかつ支離滅裂な脚本だけが残った。特に主人公に華がないのは致命的ではなかろうか。美男子だけど、主人公を支える脇役No2くらいの存在感しかない。

映画の冒頭ローマの軍船にいきなりヤグラが立つ。船のどこから出てきたのかは問わないけど、このヤグラって敵の城壁が海に隣接していないと役に立たないんですけど。とかコロセウムに海水注いでサメまで持ってくるとかまあエンタメ映画だから気にしません。狭いコロセウムで船がぐるぐる回るシーンを作れとか言われた人は頭抱えただろうなあ。

でもってデンゼル・ワシントンがあれこれの黒幕なのだが、何がしたいのかさっぱりわからない。せめてワシントンも結構強いんですというシーンをいれておかないと、最後の戦いとか「?」で終わっちゃったし。

というわけでこの映画の完成に尽力し、その結果がこうなった幾多の人たちの苦労に涙を注いだふりをして映画館を後にする。CGの予算削ってトムクルーズ主役にでもしておけばもうちょっとマシになったかなあ

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ:Joker: Folie à Deux(2024/10/14)

今日の一言:レディー・ガガは歌と踊りが上手です

前作と今作で描かれていたのは単に哀れだけど同情できない男でした。

それに対していろいろ意見もあるだろう。個人的にこの結論はいいと思う。しかしこの映画の問題はそこではない。単につまらないのだ。

ではなぜこの映画でやたら歌を歌うのか?単に尺を稼ぐため。歌を除いたらこの映画1時間半で終わるのではなかろうか。かくして登場人物は延々と熱唱する。レディー・ガガはがんばって素人っぽく歌っても隠せない素晴らしいさがあるからいいのだが、フェニックスのカラオケを長々聞かされるのは悪い冗談としか思えない。

それだけではたりず、刑務所の人たちは「それやったら騒ぎ起こるよね」ということを延々とやり続ける。そもそもガガがなぜ特別扱いで、超高倍率の傍聴席に入れるかもわからない。そういう細かいことはどうでもいいのだと思う。

この出来ではRotten tomatoesの低評価も納得。しかし前作のように不届きものを量産し、大統領選後が大荒れになる危険性(それが冗談でないのが今のアメリカだ)を考えれば平和な駄作のほうがいいのだろう。

フォールガイ:The Fall Guy(2024/8/24)

今日の一言:エミリーブラントのカラオケに1点

別名:名優の無駄遣い。ライアン・ゴズリングとエミリーブラントをキャスティングした時点で「あとはスタントマンを活躍させれば」としか考えていなかったのではなかろうか。

いやなスターのスタントマンがゴズリング。彼となぜか恋仲のブラントが出世して監督になる。この二人がなぜ惹かれあっているかは観客にわからないし、作る方も気にしていないのだろう。敵の銃撃から逃げているところでのんびり愛を語るのも、せめてギャグにしてくれれば。

開始三十分くらいで「ああ、これはこういう映画なのだ」と悟りを得る。それからはぼんやりと画面を眺める。エンドロールでBehind the sceneを映したくなるほどスタントには気合を入れたのだろう。スタントシーンとブラントのカラオケには点を出す。あとは忘れた。悪役があーなってこーなって、まあどうでもいいよね。

こうしたダメ映画の常として最後はスッパリと終わらない。カメオ出演をあれこれ頑張ったのはわかるけど、オマケはオマケでダメな映画を救えるわけじゃない。

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注釈