題名:Osaka Bay Blues(3章)

五郎の入り口に戻る

日付:1998/1/10

1章 2章 3章 4章 5章 6章 7章 8章 9章


3章:電話

 

帰れば金曜日である。この日は極めて快調に進んだ。帰る5分前までは。お客様からの電話をいきなり主任にかわられて、提出した書類に対する不備な点を延々1時間電話でうけてしまった。これははっきり言ってこたえた。私は電話ではきはきと答えることはできる。しかしその実けっこう電話するのは嫌いなのである。というか相当に嫌いである。したがって朝からご機嫌であったことなどすっかり忘れてしまって、よれよれとして家路についたのである。

ということは朝から夕方まではご機嫌であったわけだ。その昼休みにごはんを食べに行く途中Cと私は以下のような話しをしていた。これまでに書いたような事情を全て話した上で、さて本当に電話がかかってくるでしょうかということである。二人の意見は「かかってくるとすればこの週末であってそれを過ぎたら望みはない」ということで一致した。

さて金曜日の夕方に私がしおしおのパー になっていようがいまいが土曜日と日曜日は来るのである。記録によればその間の土曜日に私は横浜と名古屋で結婚式の披露宴及び2次会の変則ダブルヘッダがあったことになっている。そのうち2次会はだれあろうAのものであった。あの男も年貢を収めて結婚するというのに私は....などということはどうでもよろしい。 ここで確かな事は土曜日は帰りが遅くなるので電話がかかってきてもわからないということだ。 さて問題は日曜日。大体私は日曜日早く帰って翌日の会社への心構えをととのえることにしている。さてかかってくるかなと思っているうちに大坪くんのおやすみ時間になってしまった。

なるほどかかってこなかったわけだなと思いながら私は眠りについた。あしたの仕事への嫌な予感におびえながら。

月曜日は会社の日である。というわけではないが要するに月曜日はだいたい調子が悪い。だいたいろくなこともおきない。私は例によって例のごとくよれよれとして家に帰った。

そろそろおやすみの時間になったときに部屋の電話がなった。

自慢じゃないが私の家の電話はめったになることはない。 したがって仮に電話のあいてが保険のおにいちゃんだったとしてもこれはけっこう「あらあら」と思うことなのである。

さてと電話にでてみれば相手はかの新幹線ねえちゃん2号 である。「あの大阪のTですけど。。」ちなみに私は新幹線から降りるときに相手の名前を聞いたのであるが、あっさり忘れていたのである。

さてとにもかくにも電話がかかってきたので大坪くんはご機嫌になった。そして電話番号を聞いてまた暇でもあったらあそぼうねという例によって例のパターンに話をもっていったのである。

さて翌日も会社であるが私は得意顔で「昨日電話があったんだよーん」とCに報告したのである。何か金でもかけておけばよかった。そこでCが言うには「今度中間地点の京都あたりで合コンでもやりませんか」ということであった

合コンというのは基本的に(特に今回のような場合は)公共の福祉の為に行うことである。せっかくここで新しい女の子となかよくなったのにわざわざ公共の福祉に貢献する必要が有るだろうか。しかし私はこの話が気にいった。いままでわざわざ遠征して合コンをした人がいないとは言わないが、きっとその数はあまり多くないに違いない。もし成立すればこれはきっと歴史に残るにちがいない。歴史に残るのが大げさだというのならばきっとしばらくの間話のねたくらいにはなるに違いない。

というわけで次にTに電話をしたときに私は大阪合コンの話をもちだしたのである。その反応は以外にも「えーいいんですかー」であった。つまり向こうも乗り気なのである。

今回私は幸運であった。相手の職場というのは若い男性と触れ合う機会があまり多くないところだったのである。こういう場合であれば、その逆の立場にある私達と合コンの話は成立しやすい。(何がいいたいかというといつもこううまくいくとは限らないということである)

翌日さっそく(またもや)Cに私は「話はついた人数は3ー4人」といったのである。Cは「画期的なことである」とかなんとか喜んでいた。

次の章


注釈

しおしおのパー:私が幼少のみぎり、「怪獣ブースカ」というテレビ番組があった。この怪獣は頭の上に冠がついていて、それをとられるととたんに「シオシオのパー」と言って元気がなくなるのである。そこからきて大坪家では情けなくて元気がないことを称して「シオシオのパー」という。私の幼稚園のころの写真をみると確かに「シオシオのパー」と言いたいような情けない顔をしている。あれから随分年月がたって少しは成長したと自負していたのに、母親に「あんたは一生「シオシオのパー」なのよ」と言われてしまった。戻る

 

だれあろうA:とにかくこの男はその方面では噂がたえなかた男なのである。ちなみに私は2次会で乾杯の音頭をとったのであるが、そのとき私を紹介する文句は「Aを一言で殺せる男」であった。別に私はこの男を殺す気など毛頭ないが、彼は非常に私がなにかしゃべるのではないかと恐れているようである。私は単に彼の幸せを祈っているだけなのであるが。戻る

 

電話がかかってきてもわからない:私の電話にはルス録がついているが時どき作動しないことで有名である。ちなみに私のメッセージについては賛否両論あるようだ。戻る

 

大坪くんのおやすみ時間:ちなみに10時である。御昼ねしない場合には10時に寝るのである。単に朝6時におきて8時間睡眠時間をとろうと思って10時に寝るのであるが、普通の人にとってはこれは結構早いと思われるようだ。戻る

 

めったになることはない: つけ加えれば昔は「電話はかかってこないがかけることは人一倍」の大坪君であった。日本に帰ってきたら私は「電話がかかってこないし、かける相手もいない」大坪くんになってしまた。それにしても昔はどうしてあんなにたくさん電話をかける相手がいたのであろう。戻る

 

新幹線ねえちゃん2号:概略6年ほど前に、新幹線のなかで知り合ったおねえちゃんがいた。この子が「新幹線ねえちゃん1号」である。この場合はもっと話しが早くて翌日にはもうおデートしていた。ちなみに彼女は年上で、1991年に結婚したはずである。戻る

 

大阪合コン(トピック一覧:もともとの話が京都で合コンだったのがいつのまにか大阪になったのは別にわけはない。単に女の子のほうに京都まででてこいと要求すると話しが成立しにくいと思ったからである。戻る