題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2003/2/9


白衣大観音:群馬県(2003/1/26)

洞窟観音から更に奥に進む。そのうち「カッパランド」なる施設が見えてきた。日本全国どこでも中小のテーマパークとか遊園地は苦戦していると聞く。さて、ここはどうだろうと思い駐車場を観ると少なくとも一番近い所は満車だ。なるほど、ここはそこそこはやっているわけね、と思い歩き続ける。しかしそのうち変なことに気がつく。

宙返りコースターとかバイキングとかあるいは園内をぐるっと一周するコースターの路線とかは存在している。しかし道から見る限りなに一つ動いていないのだ。駐車場にはなにかの音楽がかかり、私が知っているスキー場のような雰囲気(10年以上前だが)をかもしだしている。しかしその他になんの音も声も聞こえない。

おかしい。あの車に乗ってきた人達はどこへいったのか、などと思いながら歩を進める。すると前方に白い大きな観音が見えてきた。

観音に通じる道に門前市とでもいうべき店が並んでいる。してみるとここは人々がたくさん訪れる場所なのだろう。お昼をろくにたべていないので食べ物の看板を観ると心が揺れるが先を急ぐ。歩くことしばらく、観音の近くにたどり着く。

近くには群馬出身の政治家であるところの中曽根氏の文字やら硫黄島の戦没者を慰める観音の石碑やらあれこれある。しかしこの象の像はなんだろう。

300円払うと大仏の中に入る。いきなりいろいろな像がでてくる。最近色を塗り直されたのかなかなかサイケデリックでけばけばしい。そのうちこれは像というより半分(というか1/3)だけ浮き出たようなレリーフであることにきがつく。一番上の階にはこんなのがいる。

なんでも聖徳太子なんだそうな。こちらは釈迦如来

有名人をとにかくやたらと集めた、という印象を受ける。それとともに建造の様子を示す絵も飾られている。

この観音が作られたのは昭和11年。高層ビルも少なかった頃だ。この工事は大変だっただろうし、出来たときのにぎわいもすごかったのだろう。今私がちんたら昇っている階段も押すな押すなのにぎわいだったのかもしれぬ。

外にはここを作った井上保三郎氏の像が建っている。

自分が作った像と並んであの世で満足していることだろうか。あるいはあの世ではこの世の像など気にかけぬのだろうか。こればっかりは死んで聞いてみないことにはわからない。

そんなことを考えているうちに観音山観光はおしまい。珍寺大道場の表現を借りれば

「二人のオヤジの魂が炸裂したこの観音山のふたつの観音様。」

を観るために遠く群馬まできたかいは確かにあったと思う。

おまけ:白衣観音にあった絵馬

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注釈