題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2003/7/1


桃巌寺:愛知県-前半(2003/6/21)

桃巌寺という寺号は信秀公法名の桃巌道見大禅定門の頭文字で、爾来445余年法燈連綿として伝えておりますが原境内へ移転したのは正徳2年でありますから、約280年ばかりになります。境内は、4,000坪余りあり、四季折々に花をつけ、都会の中で静寂なやすらぎの場としてしたしまれている。

(パンフレットの「略縁記」後半。ちなみに門の近くにある看板では「この地へは正徳四年(一七一四)に移された。」ということだが)

名古屋の地下鉄東山線というのにのると本山という駅で降りる。今日の目的地はここから徒歩7分という事。

昔私がかよった中学校はここから遠くない。であるからここは私の生活圏の一部だったわけだが、町並みの変わり様には驚く。それは記憶に残っているどことも重なることはなく、一度実風景を見た後では昔の様子を思い出すことすら困難だ。

などと考えながらとぼとぼ暑い日を浴びながら歩く。まず駐車場が見え、次には入り口が見えた。まずちょっと変わった形の門が二つある。

後から考えてわかることだがこの二つの門は軽いジャブのようなものであった。そこをくぐると先に進む。境内と呼ぶべきか敷地内には木が茂っており、見通しはよくない。あっちに進み今度はこっちに進む。まずこんなものがある。

手前にある看板を読むとどうもこれは「宝幢」というものらしい。裏を見ればこんな歌詞が書いてある。

どうも仰いだり巡ったり廻るものらしいが存在しているのはつまるところ2本の柱だ。ここでこれを歌えというのか。

頭をひねりながら緑の回廊を先に進む。すると先にはどうも水子供養とおぼしきものがある。木に子供用のおもちゃなどがつるされている。食べ物を供えた人もいるのだが、誰かがふたを開けたヨーグルトをおいている物だから、蟻がたかっている。

そこから先に進むと2番目にくぐった門に戻ってしまった。ええい、ここにあるのはこれだけではないはず。と思いまた同じ道を進む。するとある建物の入り口に

「拝観者、ご用ある方はこの鐘を二打してください」

と書いてある。さて、と思い鐘を2度ならすと奥から人がでてきた。拝観させていただきたいのですが、というと相手は黙ってパンフレットとお守りのような物を出す。そして手を止めこちらを見る。私は

「ああ、千円ですね」

といいお金を差し出す。

相手は「あそこに行ってつきあたりを左に行って」と言う。はあ、と言うとそちらに進む。廊下の脇にはなにやら写真が飾ってある。中にはこんなのもある。

その昔あった歌番組、ザ・ベストテン。その生中継でここから田原の俊彦が熱唱したのであるか。ううむ。あの男は今何をやっているのだろう。他にも有名人とおぼしき人たちの写真があるのだが、いくつかはああまりにも古すぎて誰かもわからない。まあその時代には有名な人だったのだろう。しかしこいつは一体何者だ。





そのほか町中を運ばれる大仏頭の図なども味わい深いのだが、とりあえず先に進む。するとあるのはこれだ。

さっきの写真で田原の俊ちゃんが叩こうとしていた巨大木魚である。なんでも説明書きによれば「片手を触れるのみでも 過去の悪業が消滅する」とのこと。うさみ観音でみた「鯉に餌を授けることにより全ての罪が消えます」に比べればまだましかもしれないがさわるだけで全部OKと言われてもねえ。思わず天をあおげばこんなものが見える。

などとここまででもすでにしてつっこみどころは満載なのだが、ここから先がようやく1000円払って見るエリアなのであった。(続く)

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注釈