題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る

日付:2004/9/4


箱根大天狗山神社@愛川町-海老名の七重塔:神奈川県(2004/8/29)

最寄りの駅から地下鉄に乗り横浜で降りる。さて、問題です。ここからどこに行きましょう。いや、家を出るときには埼玉にある某所に行くつもりだったのだ。しかし出かける直前にみた情報では

「開いているのは春と秋だけ」

とある。ここ数日とても涼しくなったとはいえ、普通はまだ夏の範疇だよな。遠くまで行ったあげく閉まっているという事態はあまり楽しくない。そこはもともと個人の所有物だったのが、管理者の死去に伴い市に寄贈されたらしい。それに伴い開ける期間も変わったのかもしれないが確証はない。

いや、元気な時だったらそれでも突進していたかもしれないが、どうも夏の疲れがどっと出たらしい。あまり遠くに行きたくない。ということで計画をあっさり変更し相鉄線にのると終点の海老名という駅で降りる。

さて、ここからバスなのだがそれはどこだ。駅の西口と東口を往復したあげく、西口からでていることを知る。このバスで終点まで行けばいいからのんびりだ。ただ雨が降り出しているのが問題と言えば問題。

ぼんやりと外を眺めているうち、ふと「中津」という文字に気がつく。ちょっとまて、ということはと前方を見れば確かに巨大な鳥居が。あわててボタンを押す。バスは私にとっての最適位置から大分前方に行って止まった。傘をさしてとぼとぼ歩き出す。まもなく前方に異様な姿が見えてきた。

箱根大天狗神社@愛川町である。立派は立派なのだが、どうも狭い土地に詰め込んだという印象がぬぐえない。巨大な鳥居が道と平行ではなく、少し斜めに立てられている。まるで大きさが先に決まっており、土地に押し込めるためにしたかのように。

鳥居の脇には狐がいる。

顔を白く塗り、左右で少し異なっているからきっと何かの謂われがあるのだろうが、知るよしもない。正面にある建物の左右にはこれまたいろいろな動物がいる。

こちらにもきっと謂われはあるのだろうが、これまた私の関知するところではない。そうした動物群よりも印象的なのは建物の派手派手しさだ。

今は名所だ旧跡だと言われているところも建築当初はこんな風だったのかもしれぬ。しかし全般的に圧迫感を感じるのはどうしてだろう。

ふと気がつくと道をはさんで反対側にこれまた派手な建物がある。いや別に朱塗りになっているわけではないのだが、むやみやたらと避雷針のような棒が立っていたり、よくよく見るとよく分からないことになっている。

表札も何もないからその正体はわからないが、すぐ裏に「箱根天狗山第2駐車場」があるから何らかの関係があるのかもしれない。

ちなみにこの場所につきネットで検索してみるとあれやこれやの「評判」があることが分かる。しかし(またもや)今名所だの旧跡だの言われている場所の中には、当時の人民から搾り取った金で造り上げた場所だったあったわけだしなあ。。そう考え始めると「安心して」見ていられるのは個人の資産を投じて作った場所だけに成ってしまうが、それとても周りは迷惑したかも。となればあまり何も考えずに見ていくという最初の地点に戻るのかもしれぬ。

などとうだうだ考えているうちに雨脚が強くなってきた。傘を差しているのだが、下半身は雨にうたれ放題である。バスに乗り海老名駅に戻る。

ここで今日の珍スポット巡りは終わりになるはずだった。お昼時だからご飯を食べよう、と海老名駅に連接しているモールに向かう。すると前方にどうにも似つかわしくないものが見えてきた。

紛う方無き七重塔である。いや、それはいいのだけどここはショッピングモールだ。なんだこれは。驚愕した私は近くに寄ってみるのだが、その謂われやら何やらに関して書いた物は見つけられない。私がどう思っていようが、七重塔はモールの真ん中にでんと建ち続けている。

モールの関係者に七重塔マニアがいたとか、あるいはモール建設予定地に寺院と塔があり

「この塔は渡さん。塔をつぶしてモールを作ると言うのなら先ず私を殺せ」

と坊主が言ったとかそういう物語があったのか、などと妄想だけふくらませながら家に帰る。

帰って調べてみると、こういうことらしい。あそこはモールの中庭ではなくて、海老名中央公園というちゃんとした公園であり、あの塔は相模国分寺にあったという七重塔の模型とのこと。でもってモールがその中央公園を取り囲むように作られたので、結果としてモールの中庭に塔がそびえてしまったのだと。ううむ。

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注釈