日付:2005/1/7
昔何の気無しに見ていた、あるいは行っていた場所が実は珍スポットだった、ということがままある。なぜなら私が生まれ育ち、社会人になってから10年あまりをすごした愛知県は実は珍スポットの宝庫だったからだ。えーっ、あそこって珍だったのか。そういわれてみれば、、、ってな感じである。
というわけで、私はほぼ15年ぶりに蒲郡ファンタジー館を訪れようとしている。その昔女の子と来たのである。なーんも考えずに車で走っていたら看板が目にとまり入ったのだろう。まあそれなりに面白かった覚えがあるのだが、その後いくつかのサイトで「珍スポット」として紹介されている事を知り驚いた。本当に珍な場所だったのか確認してみようではないかと。
蒲郡で降りるとてくてく歩く。公式サイトには徒歩20分と書いてあるからそれなりに時間はかかる。しばらくして看板が目に入ってきた。さらには「蒲郡ファンタジー館前」と書いたバス停まで見えてくる。ということは結構メジャーなスポットとして認知されているのではないか。通りを右-海側に曲がるとそれは見えてきた。
観光バスが何台も止まっており、にぎわいという点で他の珍スポットとは一線を画していることがわかる。入り口を入るとまずあるのが「三河えびせんべいの館」である。
「えびせんべい月間ランキング」が素敵である。帰るときに気がついたのだがここには無料のコーヒーもあり、その太っ腹さに驚く。
そこを通り抜けると一旦表に出る。道を挟んだところにファンタジー館入り口がある。
入り口で700円払うと入場。中にはその名の通り貝殻で作られたファンタジーな空間が広がっている。入り口に記念写真撮影所のような所があり、そこに「無断撮影禁止」と書いてあった。さては内部は撮影禁止かと思ったが「触らないでください」と書いてはあるが、撮影だめよ、とは書いていない。というわけで心おきなく写真を撮り続ける。
こういう場所(と書いていてどういう場所かうまく説明できないのだが)にありがちな秘宝館的要素は無いから家族連れでも安心である。強いてあげれば美術の教科書クラスのこれくらいか。
入ってしばらくは実にファンタジーな空間が続く。ものすごい数の貝が使われており、その労力には頭が下がる。この「ファンタジードラゴン」には八万個の貝が使われているとのこと。
歩きながら考える。どこにも「珍」が伺えない。これならデートスポットしても成立しているではないか。その昔何も感じなかったのは当然だったのではなかろうか。
そのうち広いところに出る。浦島太郎の人形が回っている。
「むーかしー むーかしー うーらしーまはー」と歌は流れているがこれしきの事で「珍」の字をつけるわけにはいかないって、別に「珍」の字をあてはめなくてはならぬわけでもないが。少し手前にあったこの回廊などなかなかまともな意味で良い出来だと思うが。
出口近くの狭い通路の片側に龍と観音像があるのは、どっかの銭湯を思い出す。
その先に、上から水が落ちてきている短い通路があり、その先にはこんな像がある。
強いて言えばこれが「珍」の字に近いかな。。しかしまあ笑って10円玉を於ける程度の物だ。そこを出ると何故か貝の博物館のようなエリアがあり、アンモナイトとか三葉虫の化石がある。今の私にとってはこちらの方が興味深いからしげしげ眺める。
といったところでファンタジー館巡りはおしまい。外に出ると
「当館は、、日本唯一のファンタジー館でして、、」
とかいうテープによるアナウンスが流れ続けている。「日本唯一のファンタジー館」って何のことだろう、と頭をひねりながら時計を見る。まだ時間は早い。そしてはるか彼方には赤銅色に輝く像が見えている。がんばってあそこまで行ってみるか。