題名:巡り巡って

五郎の入り口に戻る
日付:2022/2/20


笹山アーケード商店街:神奈川県(2021/12/28)

久々に時間を自由に使える休みの日。見たい映画もないしさてどうしましょう。

徒然なるままに「神奈川県 珍スポット」などで検索する。あれこれの情報を眺めながらふと目が止まる。我が家からかなり近い場所に昭和の商店街があるそう。これは是非今行かなければ。珍スポットの寿命は短く、専門の珍スポットではなく、普通の街並みの寿命はもっと短い。行き方をあれこれ調べる。バスを一回だけつかいあとはしこたま歩くルートを選択するとさっそく出発である。

幸いなことに天気は良好。風もない。ただ気温がとても低いので本来ジョギング時に使う長袖のシャツとタイツをこっそり着込んでいる。まず最寄りの地下鉄の駅から二駅歩く。もちろん二百二十円払えば乗れるのだが、私はデブだし、貧乏だ。そしてバス停でじっとバスを待つ。考えてみれば地下鉄が家を前を通る前、バスの定期をもっていたから子供を抱えてよくこうやってバスを待っていたな。

そのうちバスが訪れる。思ったより早かったなと思った私はやはり間違っていた。行き先が違う。私が乗るバスは30分後までこない。椅子に座って本を読み始める。イーロン・マスクという狂人の物語だ。

ほどなくしてバスが訪れる。一番後ろの席に乗る。私よりも高齢者が多いように思う。ほぼ満車。どこで降りるのだろう。途中で大きなショッピングモールに寄るからそこで降りるかと思えばそういうわけでもない。人がぽつぽつと降りていってバスの中を楽に移動できるようになったとき、目的のバス停に着いた。スマホ地図で検索していたのだが、自分がどこまで近づいているか手にとるようにわかり、近くになると振動しておしらせまでしてくれる。なんてありがたいんだ。

バスを降りてスマホが示す方向に歩く。

団地

これが笹山団地である。私の家の近くにもこういう団地があるがそこよりも古そうに見える。左右に広がる団地を眺めながら坂を降りる。そのうちふと気が付く。駐車場がない。この団地が造られた時にはそれほど駐車場の必要性が高くなかったのだろうか。団地を抜けるとこのようなゲートが見える。

ゲート

「花とやさしさのある街笹山商店街」この時計はいつまで動いていたのだろうか。そしてこの先に「花とやさしさ」があるかどうかは間も無くわかる。

中央マート

道を行った先にあるのが、この建物。「笹山中央マート」である。そんな店名はどこにもないではないかと言えばその通り。あるブログを読むとこの正面にはかつて幕がはられそこにこの店名が書いてあったようなのだ。「営業中」と書いてはあるが、恐る恐る覗いてみてもどこが営業しているかもわからない。

商店街

そこからはこのような「店」が続く。同じような建物であり、時々営業していると思しき店もあるが、ほとんどシャッターが閉まっている。写真の手前にタイヤが山積みになっていることに気がつくだろうか。ふと気がつくと細い脇道にタイヤが満ちている。

タイヤ

確かに近くにバイク屋と思しき店があるのだが、このタイヤの山とは少し離れているような..などと思いふと気がつくと道の脇にバイク(一部解体済み)が並んでいることに気が付く。

バイクの山

なんとなく不安を覚える。しかしまあバイクの山もここまでであろう。中央マートを超え反対側に向かう。

アーケード街

これが笹山商店街のアーケード街である。私はアーケードがあるとそこが商店街と呼ばれると思っていたのだが、ここはアーケードは端のほうに存在している。なにやら人の声が聞こえる。入り口にある「確かな技術 イチノセ電子サービス」なのだが、ここのインパクトがすごい。

電子
電子
電子

積み重ねられたラジカセが懐かしい。今の若者はこれをみても何かわからないのだろうか。ラジオの放送と思しき声が流れ続ける。

アーケード下

男シャッターが多いが、右側に見える石原青果はまだ営業しているように見える。このアーケードは反対側つきあたりにpub snack BELLがあり、ここは間違いなくまだ営業している。神奈川県お墨付きのマスク飲食実施店の認定証が貼られている。そこから右に曲がるとアーケードを出る。裏に回るとこのような光景が見える。

アパート

少なくとも2Fはアパートらしい。とはいえ通路を挟んで3箇所出っぱっているのはなんなのか。是非覗いてみたいが住民の方に「何をしてるんだ」とか怒られたら困る。結局登らずじまいだった。あるブログを読むと共用の水回り施設とか。昔はこうした構造のアパートが数多く存在していたのだろうか。

などと頭をひねりながらアーケードを後にする。そしてふと気が付く。

バイクの群れ

普通と思える家だが前にびっしりバイクが止まっている。というかこれでは家に入れないではないか。

ふと気がつくとバイクに包囲され埋められてしまうのではないか。そんな妄想に囚われながら帰路に着く。正確に言えば着こうとする。アップルマップのお告げに従いバス停を目指して歩く。するとこんな看板が目に入る。

看板

ラジコン、Nゲージ、エアガン、プラモデル。昭和の少年はこの言葉に胸を膨らませたと思うが、昨今あまり聞かない。「アンドロメダ」というところに店主の心意気が感じられるではないか。まだ現存するのなら是非訪問してみたいがまあ無いだろうな。

そんなことを考えながらてくてく歩く。目的と思しきバス停に近づくとそこが団地の中にあることを知る。

団地

こちらの団地は笹山団地よりずっと新しい。しかしおそらく新しくはない。竹山団地というらしいのだが、団地の敷地内に作り付けの商店街が存在している。そしてやはり寂れている。とはいえ大きなcoopがあり、そこには物資が大量にある。パンを買ってお昼ご飯にする。

再度アップルマップにお伺いを立てると別のバス停に迎えという。そちらに行けばバス一本(+徒歩40分)で家に帰れるらしい。バス停に向かうが歩道がなく車がすぐそばを通る。ようやくバス停にたどり着くがあと30分はバスが来ない。周りにはシナノ紙工という看板がたくさん見える。今日は仕事納めなのだろう。作業服を着た人たちが見える。

再度本を読んでいるうち時間がたつ。バスに乗り込む。

神奈川県横浜市保土ケ谷区上菅田町923

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注釈