題名:巡り巡って
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中古タイヤ市場 相模原店 自販機コーナー:神奈川県(2022/8/12)
電車で相模湖に向うことにする。相模湖には興味深い場所がいくつもあるのだが、今まで行く機会に恵まれなかった。今日は会社が休み。そして幸か不幸か見たい映画が全く存在しない。であればいくしかない。電車に揺られかたこんと居眠りしながら相模湖に行こう。
しかしその計画は朝家を出ようとした瞬間崩壊する。雨が降ってきたのだ。となると電車で相模湖にたどり着いても雨で何もできないかもしれない。うん。これは車で行くしかない。
というわけで久しぶりに一人でドライブ。いつも通る道を使ってひたすら目的地を目指す。はずなのだが、いつもの道はいつものように混雑している。
「まあ、こんなものだよね」
と思うが、どこまで行っても渋滞が続く。出発してからおよそ40分はたったと思うのだが、カーナビに表示される目的地までの所要時間は少しも減らない。もう帰ってしまおうか。そう思った瞬間渋滞から抜け出る。これで先に進むかと思えばまた渋滞にはまる。そういうことが何度か繰り返される。
何度目か何十度目かの信号待ちで私は決心する。このままでは永遠に目的地には着かない。もちろんこの結論は論理的に間違いなのだが、その時は本気でそう思っていた。目的地を変更する。少し戻るが35分程度で到着と表示がでる。それくらいならいいだろう。
しかしながら新しい経路-基本的に北に向かっている-も平穏ではない。最初に表示された到着予定時刻を過ぎること20分。ようやく目的地に到着する。しかし
「左折で入場禁止」
と大きく書いてある(私の前にいた車は左折で入って行ったが)看板に書いてある通りぐるりと周りようやく入場する。しかし今度は駐車場の空きスペースがない。当初なんとなく寂れた場所を想像していただが、次から次へと車が入ってくる人気のスポットである。幸にして回転は早い。出て行った車の後に駐車する。
これが本日の目的地の全景。大きな看板の下に自動販売機が並んでいる。手前に写っているのはちょうど駐車場にはいってきた改造車。今でもこのような車に乗っている人がいるとは。私が若かりし頃、タイヤを前から見てハの字になるよう改造するのがはやったのだが、あれは一体なんだったのだろう。
などと感慨に耽っている場合ではない。さっそく自動販売機エリアに向かう。
最初に目に入ったのがこれ。今の若い人は見たことがないだろうな。三公社五現業の時代、タバコは専売公社が扱っていた。そして街角にこういうタバコ屋があり、おばあさんが座っていたのだ。近くにタバコの自動販売機らしきものがあるが、実際にタバコが売られているかどうかは定かではない。
その隣にあるのがこのインパクトのあるおみくじの山。よく見るとおみくじの自動販売機もあるのだが、これだけ結び付けられるほどたくさんの人が購入しているのだろうか。
そこから続く表から見えない通路に入る。ここはこの写真のように薄暗く、人もほとんどいない。
並んでいるのはこんな自動販売機。プラモデルが売られているのだが、この箱ちゃんと下に落ちてくるのだろうか。試すために買うほどの車のプラモデルへの愛情と度胸は私にはない。
もう一つ面白かったのがこの三菱製乾電池の自動販売機。三菱って乾電池作っていたのだね。などと感慨に耽りながら歩いていると外に出る。左に曲がると先ほどの駐車場だが反対側を覗いてみる。
これがおそらくはこの場所の本業。中古タイヤ屋である。この自動販売機コーナーにかかる経費は宣伝費として考えたとしても、ペイできているのだろうか。先ほどから係の人が故障の修理や材料の補給に奔走している。つまり結構費用がかかるはずなのだが。
さて、表から見えたところには食品の自動販売機が並んでいる。しかしよくみると売り切れが多く実際に販売にしているのは一握りである。
個人的に一番懐かしかったのがこのボトル。そういえばこういう巨大なボトルあったよなあ。しかしガムテープで「売り切れ」と貼られていることから、これは単なる展示であることがわかる。
隣の自動販売機では母娘と思しき二人連れがガムを買おうとしている。しかし見事に途中でひっかかってしまった。
「えー、もう一個買えってこと?でもでてくるのかしら」
と大きな声で喋っている。多分係の人をみつけ、事情を話せば対応してくれると思うが。少し先には行列ができている。
ラーメンの自動販売機に係の人がラーメンを補充しようとしている。するとあっというまに列ができる。逆に言えばそれだけ実際に販売している自動販売機が少ないということでもある。それに販売機の古さをみるとちょっと購入を躊躇するしね。
というわけで安心して購入できそうなのは、唯一存在するこの「近代的自動販売機」ということになる。しかし表示を信じる限り調理が必要なパックか何かが出てくるだけ。それに千円払う気にはなれない。
というわけでお昼時ではあるけれど私は何も買わずにその場を後にする。帰り道は行きより空いているし、「お金がない」とか面倒なことを考えずに高速道路を使用したらあっという間についた。