題名:巡り巡って

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日付:2009/5/25


"大仏開眼”実物大大仏セット展示: 大阪府(2010/3/16)

3/15の月曜日。私はメールをまっていた。明日大阪方面に出張になるかならぬかはそのメールにかかっている。

普段であれば、

”出張になるかならぬかは、神(お客様)の御心のまま”

と心穏やかに待つのだが、今の私は珍しく大阪出張になることを願っている。なぜなら昨日、

”奈良の大仏の実物大セット”

が展示されているという文章を読んだからだ。場所は大阪。しかも期間限定である。これは何者かが私に”行け”と命じているのではなかろうか、いやそうにちがいない。

というわけであれこれ調べていたのだが、それもこれもメールがこなければアウトである。さて、どうなるかと思っていれば、すんなりメールが到着す る。いつも通りの時間に家をでれば、仕事に全く支障なく行けるはずだ。というわけで必要な情報をプリントアウトし、その日は心安らかに眠りにつく。

翌日私は新幹線にのる。普通の人には早い時間かもしれないが、私は普段から異常な時間帯で生活しているのでなんということはない。ぐーすかね ていると名古屋付近で目が覚めた。いつもはここで降りるが今日は乗り続ける。岐阜羽島駅の近辺はは21世紀になっても異様なままであることよ、とか感慨に ふけっているうち大阪についた。

さてこここからは地下鉄に乗り換えだ。乗車券の自動販売機があるのだが、実に奇妙な構成になっており、誰もが戸惑っている。その証拠にサポート専用の 駅員も立っている。誰だこんな変な機械を考えたのは。

とかなんとか文句をいいながら、チケットを購入。途中一回乗り換えただけで谷町4丁目という駅につく。ここの9番出口からでればよいはずなのだが、 参考にしたブログの筆者は”結構迷った”と書いていた。油断してはならぬ、と心構えも万全に出口を登ればいきなりこの光景である。

firstShot

NHK大阪の前にどーんと座っていらっしゃるというか半身像が存在している。親子連れがかわるがわる記念写真をとっているようだ。そんな中スーツをきて写真を撮り続けるサラリーマンは異様だろうがそんなことは気にしない。

近づく

サイトで見たときは

”なんだこのけばけばしい色は”

と思ったが、実物を目の前にしてみるとなかなかよいではないか。古い建造物とかなにやらは今の古びた姿しか見たことがないわけだが、キンキラの極彩色も悪くない。横にまわればこれまた見事な福耳である。(定義からして当然だが)

福耳

やはり今のお姿と比べて一番気になるのはこのおヒゲであろう。

みあげ

と思ったが、鼻の穴も気になる。本物の鼻の穴を近くで拝見することはできないもんね。というわけでアップで撮影。

鼻の穴

きっとここのリアリティについての議論もあったにちがいない。つまり仏陀に鼻毛はあったのか否か、という問題だ。大激論が交わされたかもしれないし

”まあ適当に”

という指示しかなかったかもしれない。仮に大問題になっていたとしても、誰もそんなことを記録に残そうとは考えなかっただろう。由緒正しい国史に”鼻毛で大論争”なんてねえ。

などと考えながら顔を見上げる。次に気になるのはやはりこの二つの”ボタン”である。

ボタン

こちらにはきっとちゃんとしたいわれがあるのだろう。それはそれとして妄想は膨らみ続ける。ここを押すとどうなるのだ。色まで変えて強調しているからには何かすごい事が起こるに違いない。いきなり大仏が立ち上がるとか。

ひとしきり写真を撮り終えると中にはいる。なんでも”おかあさんといっしょ”の公開収録が何かがあるらしく、キャラクターと一緒に写真をとろうとい う親子連れで列ができている。その横にはドラマ”大仏開眼”の衣装展が行われているのだが、誰も観やしない。

人形たち

そしてその中にはちょっと小さな大仏様が座っ ていらっしゃる。

small

これをみるとちょっと頭が大きいような気もするが、下から見上げるものだからこの比率でいいのかもしれない。キャーキャーいいながら列にならぶ人たちを、大仏様はこのように優しく見守っていらっしゃる。

その隣には、朝の連続ドラマで使ったセットが置いてある。解説を読めば

”ドラマの進行に従い、ブラウン管テレビを薄型液晶テレビに置き換えるなど、すこしずつ変化しています”

とのこと。しかしなんだね。今から50年くらいたつと、稼働しているブラウン管テレビは日本では貴重品になり、ドラマ撮影に苦労したりするのだろうか。いや、そんころはセットはみんなCGになっているかな。

とか考えているうちにここの見物はおしまい。外に出ると大仏様の後ろ姿が見える。

後ろ姿

さあ、楽しい時間は終わった。仕事にいこう、と肩をおとしながら地下鉄の階段を下る。このページのタイトルを何にしようか考えながら。”実物大仏”と短縮してしまいたくなるが、それは間違い、間違いと自分に言い聞かせる。

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注釈