CEATECにいってきたよ
2013-10-07 07:07
CEATEC2013に行ってきた。最大の驚きは、会場の1/3がトヨタと日産の走行デモ用のコースになっていることだった。
一昔まえはこういう展示会はもっとたくさんあった。ところがここ数年、出展者が減り、衰退の一途をたどっている。
というわけで家電メーカーは衰退しているのだが、通信会社はまだ儲けているらしい。というわけでDocomoのブースに行く。デモで
「スマホから新鮮な野菜が買えたらいいと思いませんか?」
とかいう「それでうれしいのはドコモだけだろ」と突っ込みたくなるような説明をきき切れかかる。しかし結論から言えばここで切れなくて正解だった。
DocomoはHMDを数種類展示しており、ものすごい待ち時間になっていた。それに並ぶ気はないから、コンパニオンのお姉さんがやってくれたデモを見る。これが爆笑ものだった。
例えば
「スマホ画面が、HMDに映し出されるので、手元をみなくても操作でき、新幹線の中でも動画をみることができる」というデモ。
このHMDがものすごく巨大で、おまけに既成品のUSBカメラそのものが真ん中についている。こんな変なものを装着させられるコンパニオンさんが気の毒になる。というか展示会に出すんだからもうちょっと外観なんとかならんのかね。こんな変なもの装着するくらいなら、素直にスマホを使うよ。誰だって。
次が「人の顔を認識して、その人の情報をクラウドからもってくる」というもの。これはまた別のHMD。というか今回デモごとに全て違うHMDを持ってきていた。そしてこのデモのものだけはまともな外観だった。しかしこんなデモ10年前にやっていたら少しは受けたかもしれないけどねえ。
自分の手を認識し、ドコモダケをふわふわ動かすデモのHMDには、「これで距離を測定します!」というデバイスが「どん」とついている。いやコンパニオンさんのプロ根性は凄まじい。
---------
この「スマホでいいじゃん」というのは今の家電メーカーにとって悪魔の呪文のようなものだと思う。カーナビもいくつか展示があった。カーナビからスマホをつかってネットに接続詞、HTML5のアプリを動かす、とかスマホとカーナビ画面を連動させるとか。
あれこれやっているのだが、「最初から素直にスマホ使えばいいじゃん」としか思えない。特にクラリオンが展示していた「カーナビ上にスマホ画面を表示し、カーナビから操作させる」はひどかった。タイムラグがあるため、一昔前のWindows Phoneのようながくがくがした操作性なのだ。これで「カーナビ操作だから安全です!」とか言われてもねえ。
クラリオンブースで、別の形態のスマホ連携をやっている。聞けばカーナビは15万なのだそうな。既に存在しているスマホに加えて15万も誰が払うというのか。そもそもiPhoneが6−7万で購入できるのに、なぜカーナビは15万もするのか(できることははるかに少ないのに)そうした疑問をぶつけてみると
「いや、カーナビは耐環境性とかありますから」
という。そりゃ確かに炎天下の社内に放置されたら駄目だろうね。でもスマホなら使用するひとが持って歩くからそんな問題もないし。
デンソーのArpeggioも初めて実物をみることができた。ここでも同じ疑問-なんでわざわざカーナビでやる必要があるのか-をぶつけてみたが(あたりまえだが)まともな答えは帰ってこなかった。ただ昔やっていた頃と同じ画面部品がまだ残っているのはちょっと懐かしかった。
---------
東芝のブースには、去年Panasonicが「実現できていない」と認めた冷蔵庫内カメラがちゃんと展示されていた。いろいろ文句をつけたいところはあるが、少なくとも正しい方向への第一歩だと思う。スマート家電というか、
「TVから電灯とか、エアコンの制御ができます!」
という展示もある。しかし不幸なことに同じ場所にタブレットも置いてあるのだった。これをみれば誰だって
「Tv上でリモコンなんか使って変な操作するより、タブレット上でさわればいいじゃん」と思うわけだ。かくして私は「10フィートUIなどというものは存在しない」という従来からの意見を繰り返すことになる。
---------
というわけで、今年はPanasonic, Sonyのブースはろくに見ていない。それらのメーカーについてはまた別の機会に書くことがあるだろう。