オンライン飲み会万歳!

2020-04-26 16:25

というわけで、ロックダウンである。会社に行くといろいろ問題が起こる。ステイ・アット・ホームが世界共通のキーワード。
しかし業務は推進せねばならない。新しいプロジェクトが始まれば顔合わせと懇親のため飲み会が行われなければならない。どうするか。そこで発明されたのが「オンライン飲み会」。

私は低機能社会不適合者だから、会社の飲み会には極力参加しない。頭が悪いので、大抵の会社の飲み会の会話についていけない。おまけにたった一食に普段想像もしないような金額を徴収されるし、普段の就寝時間を大幅に超過して起きていなければならない。しかしそうはいっても清く正しい会社の一員である。子供のような理屈をこねてばかりはいられない。
というわけで憂鬱な気分で飲み会に顔をだす。予想通り話が全く理解できない。ああ、なぜ私の頭はこうもポンコツなのか。そんなことを考えているとビール1杯で悪酔する。しかし場の雰囲気を壊してはならない。笑顔を作り、ひたすら相槌をうつ。早く時間がすぎないかと願いながら。ようやくその時が訪れ家に帰ることが許される。崩れ落ちそうになる体をささえ帰宅するが、眠気は訪れない。翌日睡眠不足のまま出社すると会費を徴収され、乏しい財布の中身がすっからかんになる。

さて

コロナウィルスが世界にもたらしたのは「変化」である。それを悪いと考えるか良いと考えるかは人が行うこと。そして私にとってこの
「コロナウィルスによるリアル飲み会からオンライン飲み会への移行」
は神の福音とも思える。以下メリットを列挙しよう。

1. 安い

オンライン飲み会の飲食物は自分で用意する。つまり何かを飲んでいなければならないが、なんでもいいのだ。というわけで先日はダイエットペプシの1リットルボトルを買い込んだ。ドラッグストアで買えば138円。おまけにカロリー0。これをちびちび飲んでいればいいのだ。総額138円の飲み会。ああ(感嘆)

2. 気楽

オンライン飲み会ではどうやら自分のビデオをオンにすることが義務付けられているようである。先日最初はビデオを隠していたが、周りからの無言の圧力を感じ、ビデオをオンにした。
さて、今私が使っているのは去年購入した中古のMac Book 12 inchである。私に購入できるのはそれだけだ。CPUはとても非力であり、Zoomのバーチャル背景を使おうとすると

「このCPUでバーチャル背景を使うなら、グリーンスクリーンをオンにしろ」

と言われる。もちろんグリーンの幕など持っていないがとりあえずそのオプションをオンにする。すると画面はこうなる。

zoom背景

ちなみに使っているのはエヴァンゲリオンのSOUND ONLYというイメージ。それがどういう具合か知らないが絶妙に私の顔を隠してくれる。しかし存在していることは主張できる。つまり「飲み会にちゃんと参加してます!」というエビデンスを作り出すことができる。
こんな画像であるからどんな表情をしていようが、相手にはわからない。愛想笑いを浮かべることも、相槌を打つことも必要ない。私はキリスト教に興味はあるが、信仰するつもりはさらさらない。しかしこう考えてくると思わず

ハレルヤ!

と叫びたくなるのだ。


3.時間を有効に使える

私のPCの横には10インチの小型TVがある。これで今放映されているTV番組を映し出してもよし、録画しておいた番組を見返しても良い。
前述したように私の顔は隠されているから、視線が本来あるべき位置より30cm横にずれていることなど誰にもわからない。
つまりいつもなら

「あーなんで俺の頭はこうポンコツなのか。早く時間がたたないか。この場から立ち去りたい」

とだけ考えている時間を、有効に使うことができる(これはオンライン会議でも同様である)先日の飲み会では、刑事コロンボを堪能した。音を消して字幕にしてあるが、これで十分。

まとめよう。コロナウィルスが来る前は

社会的義務を果たすために
理解できない会話を長時間にわたって聞かされ
それに「楽しいっす!すごい話っす!」というリアクションを作り
食べたなくもないカロリー過剰の料理、酒を摂取し
悲しいほど多額の参加料を徴収される

という体験だったのが

好きな映像を思う存分堪能し
自分が好きな表情をし好きな態度を取り
好きな飲食物を摂取し
自分が払いたいと思う金額だけを払い
社会的義務を果たすことができる

体験に変化したのだ。
これこそ飲み会を「人間中心」でデザインしなおしたイノベーション。私の出費が減るということは、飲食店の収入が減るということであり、それに対して心苦しい気持ちはあるものの、宴会が終わった後の心身のダメージの少なさ、翌朝の爽快さはもうなんと言ったらいいのか、喜びと感謝の気持ちが湧き上がってくるのを抑えることができないのだ。



退職理由

2020-04-02 08:13

半年少し前に転職した。何度か退職理由を聞かれた。驚いたことにその度ことに自分が言うことが変わる。

転職は何度しても大きな決断であり、そこに至るにはあれこれ複雑な理由がある。そもそも理由は一つではないし、そのうちどれが支配的な理由かは自分にもわからない。人間は「なぜそうしたのか」とう理由に対して、嘘をつくことでも悪名高い。

会社からも何度か聞かれた。上司と人事である。しかしちょっと考えて欲しいのだ。よっぽど前向きない理由でない限り、退職願いを出すということはその会社に愛想を尽かしているということであり、愛想を尽かした相手に正直な気持ちを時間をかけて伝えようとする人がいるだろうか。

そもそも会社も上司もこちらの理由を真面目に聞こうなどとしていない。というか本当に相手の言葉を聞こうとしている人など滅多にいない。人間は自分がしゃべりたいことを口に出すのに忙しくて、相手の話などに興味を持っていない。

だから会社には「通りがいいだろう」理由を適当に述べる。お互い友好的に別れましょう。しかし自分でも驚くのは、友達に対してであっても、その度に言うことが変わることだ。なぜそそうするのか自分でもわからない。

私は無駄に記憶力が良い。過去のことを無駄に覚えている。そして数十年たってから「あれはああいう意味だったんだ」と思い当たることが多々ある。そして自分がその場で述べた「理由」が全く的外れなことがほとんどだったことにも気がついている。

ちなみに

求職してお断りをもらう時の「理由」は聞くだけ無駄である、と経験でわかっている。断られたということは、(どんな理由がならんでいようと)合わない、それだけのことだ。聞いたところで何も返ってこない。

なんでこんなことをいきなり書き出したかというと


「残念ですが…
   お断りの連絡が参りました。」
 

婚活男子
「バカな!そんなはずはない!
 話もすごく盛り上がったし、
 彼女だって楽しそうだった!
 
 俺は、なぜ断られた!?
 
 頼む、教えてくれ!
 本当の事を知りたいんだ!!」

 

「今まで、よく頑張った…。
    お前に教えられることは、
    もう何もない」
 
婚活男子
「いや突然バトル漫画の師匠にならないで!なんで!?なんでダメだったの!?頼むから本当のことを言ってくれよーーーーッ!!」
 


「だが断る」

引用元:本当のお断り理由は、あなたには言えない | 結婚物語。ブログ

婚活も同じなんではないかと想像するからなのだが。



Teamsという悪夢

2020-04-01 08:04

職場のチャットツールがTeamsからSlackに変わった。ようやく文明国に来たような気がした。

それくらMicrosoftが無料でくばりまくっているTeamsというのは悪夢ような製品だった。導入される理由はわかる。Office365(日本では税金のようなものだ)に無料でついてくる。そしてなんでもできる。ファイルの共有、ビデオ会議、wiki,チャットなんでもござれである。だから自分では仕事をしない管理部門がこれの導入を推奨するのはとてもよくわかる。

しかし

一昔前、MicrosoftがモバイルOSでAppleとGoogleに挑もうとしたことがあった。Windows mobileだかなんだかそういうOSがリリースされた。見た目はよかった。しかしあるメディアでのレビューが忘れられない。

Death by thousands cuts

Windows Mobileを使ったことはなかったが、きっとTeamsのような感じではなかったかと思う。なんでもできる。しかしどの機能も使い物にならない。ビデオ会議ができる。しかし一度やれば誰もが2度と使おうと言わない。金を払ってでもZoomを使う。動きがもっさりしており、どこに自分が読むべきメッセージがあるのかわからない。気楽な発言が取り柄のはずのチャットツールだが、「気楽な発言」というのが冗談のように思える。ファイル共有は可能だ。しかし少したってからアクセスしようとすると表示までにすごい時間がかかる。

そしていかにもMicrosoftらしいと思うのはこのコメント

つまり、より個人向けのTeamsが2020年後半にリリースされるというだけで、Skypeは当面の間、マイクロソフトとしてメインの一般ユーザー向けチャットサービスであり続ける。実際、現在毎日約4000万人がSkypeを使っている。その背景には、新型コロナウイルスのパンデミックもある。Skype間の通話時間は、220%ほど増加していると同社は見ている。
引用元:Techcrunch

誰もが忘れているかもしれないが、一昔前にビデオ会議ツールといえばSkypeだった。Teamsでもビデオ会議ができる。Skypeでもできる。Microsoftは両方ともがんばる。両方ともZoomにはるかに及ばない。

こういう「名目上はなんでもできるが、実際は使い物にならない」製品はMicrosoftのお家芸である。

今はTeamsという悪夢から解放されたことを喜ぼう。