日付:2003/6/30
焼きカレー(チキン)-伽哩本舗[店舗](2003/8/23)
ここもヨコハマカレーミュージアムの中の店。メニューをみただけではそれほど心惹かれないのだが、いつ来てもここには行列ができている。そうなると食べてみたくなる。
今日は平日の夕方だからさすがに待ち時間0。二人がけの机を一人でのんびり占拠して、さてとメニューをみるとカレーは基本的に3種類しかない。焼きカレー(チキン) 昔の焼きカレー(ビーフ)それに新作野菜カレーである。初めての店だから一番基本的とおぼしきチキン焼きカレーを頼もう。しばらくしてでてきたのがこれである。
器が熱くなっているからお気をつけて、とのこと。私は猫舌だし舌をやけどするのはいやだから少しづつ食べようとする。全体をかき回すと中心にあった卵が割れて黄身がでてきた。端から少しづつ食べる。
カレー、卵、チーズ、それにご飯が絶妙に混ざっていることに気がつく。全体が熱いからチーズは溶けたままで粘りすぎることもない。混ざり方は場所によって違うから配分も異なり、それぞれ少しずつ味が異なる。今から思えば全体が熱かったのは幸いだった。もし食べやすければ私は一気に全部食べてしまったかもしれない。
最後の方は先ほど書いた要素にチキンが加わりこれまた面白い味になる。そろそろ冷めてきた器にくっついていたようなチーズ、卵まで根こそぎさらって食べる。きれいにさらえたところでごちそうさまでした。なるほど、いつも列ができているだけの理由はあるわけだ。
久々に横浜カレーミュージアムである。マジックスパイスが卒業した後にはいった店にも興味はあるが、今日は別の店にしよう。同じ8階にあるハヌマーンのメニューをじっと見る。
すると期間限定新メニューということで、野菜がたくさんはいった冷カレーがあるらしい。ここ数日野菜が不足していたこともあって、これにしよう、と決める。ただし冷たいカレーは気が進まないからHotにしてもらおう。メニューにそうできると書いてあるし。
オーダーするとしばし待つ。まず最初にご飯とサービスであるところのチキンカレーが来る。メインであるところのニラミシがすぐ次に来るかと思えばなかなかこない。ただ待ち続ける。このサービスとご飯で先に食べていろ、ということだろうか。
ぶつぶつ考えているうちにニラミシが運ばれてきた。
さっそく食べてみる。するとニラミシが「Hot」ではなく「生ぬるい」という事に気がつく。部分的に冷たいままだし。我慢して食べ続ける。ぬるいのは温度だけではなく味もだ。悪くはないが良くもない。ばくばくとニラミシを片づけ、サービスのチキンは、と思って食べてみる。こちらはさすがに生ぬるくはないが味は私の好みにあっているとは言い難い。沈んだ心でとにかく食べてしまう。
味は好みだからいいとしても、ぬるいってのは反則だよなあ。おまけにメインはなかなかこなかったし、と思っていると店員が傘を届けてくれた。というわけで店員の態度について文句を書くのはやめにするが味への文句まで撤回するわけではない。
少し前にカレーミュージアムで買ってきたスパイスセットである。なんのかんのと言って作らないでいるうちにずいぶん日にちがたった。
さて今日は何にしようか、という会話をしているうちにふいにこのカレーが浮上した。では、ということで足りない材料を買いに行くとさっそく調理にかかる。もっとも調理しているのは私ではない。子供の相手をするのが仕事である。
いくばくかの時間の後カレーができあがった。
本来「用意するもの」の中に豆ははいっていないのだが、独自の判断で追加である。チキンもごろごろはいっており観ているだけでご機嫌な気分になる。
さて、ということでスプーンをつける。まずチキンを食べる。チキン自体の味があり、カレーの味もあり、「この時点でおいしいと思う」と言う。そこからばくばくと食べる。辛すぎず薄すぎず。はたと気がつくと全部食べてしまっていた。
私ははら八分目でありここらへんがいいとこかな、と思う。しかし相手はまだ食べたいと言う。結局二人で3人前ほど食べてしまいました。
近くのホテル横にカレーを売る移動販売がいくつもあることを知り
「やあ。ここには一体何種類のカレーがあるのだろう」
と期待に胸をふくらませたのはいつのことだったか。その数に限りがあることがわかり、おいしい物もそうでないものもあることがわかり、今日は最後に残った弁当屋のカレーに挑戦である。
車には「日替わりカレー始めました」と札が出ている。となると最初からあったメニューではあるまい。日本人がカレーを愛する心に押されて追加したのだろうか。その理由はともかく今日のカレーはなんだろう。500円差し出すとカレーを受け取る。
ごらんの通り何の変哲もないカレーである。サラダがついており、ドレッシングを入れている容器が昔つとめていた会社で使われていたのと同じ、、くらいしか思うところはない。さっそくスプーンを握る。
どうもこれは夏野菜カレーらしい。巨大なキュウリのようなものが二切れほどはいっている。具がそれだけということはなく、ちゃんと肉もある。他には何を書こう?食べているうちに、
「とりあえずカレーもメニューに追加しました」
という作り手の声が聞こえてくるようである。つまり特徴がない。特別おいしくもまずくもない。私は少し静かな心持ちになるとスプーンを置く。常に勝つことが貴いのではない。チャレンジし続けることにこそ価値がある、などとわけのわからない理屈を頭の中でこねくりながら。
ここは横浜カレーミュージアムにありいつも待ち時間が長い。しかし今日は平日の夕方だからがらがらである。一緒のエレベーターに乗ったのは青年一人に中年二人。みな一人できている男性。ああ、カレーの道を歩むのはこのような者達であることよ。さて、今日は何を注文しようか。
この店の宣伝に載っているのはインデアンカレー、ガーリックステーキカレー、カレーオムライスの3種類。前来た時は「名物インデアンカレー」を食べた。そのカレーについては又別の機会に語るとして今日は別の物にしよう。そうだな、、ガーリックステーキなどいいかな、と思い値段を見れば1300円もするではないか。いや、それがどうした、という値段でもあるのだが、私は必要以上に小心者なのだ。もう少し安いのは、ということで1000円のカツカレーにした次第。この300円の違いが私の心に平穏をもたらす。こうやって文字にして読み返すと我ながらため息がでるような話だが事実だからしょうがない。
注文するとしばし待つ。となりではアベックがきゃあきゃあ言っているが今日の私は平穏な心持ちだ。ただひたすら待ち続ける。そのうちカレーが運ばれてきた。
みたところ普通のカレーである。では、ということでスプーンを握る。一口食べるとこれがなんとも深遠な味である。言葉ではちょっと形容しがたい複雑かつ深みのある味だ。一言で言えば大変おいしい。ここしばらく食べたルータイプのカレーの中ではぴかいちではなかろうか。
それに対してカツのほうはどうにもほめるわけにはいかない。肉は大して厚くなく、切れにくく。歯でかみ切ったつもりでも残りの部分は衣からつるんととれてしまう。しかしルーはそんなことを忘れさせるほどにうまい。もともとご飯が少なかったのか私がペース配分を間違えたのかどうか知らないが、最終的にカツ一切れとルーがあまった。最後までスプーンで丁寧にルーをすくって食べるとごちそうさまである。なかなか歴史のあるカレー屋とのことだが、味にもそれが反映されているかのよう。さて、こんど来たときはインデアンカレーにしよう。
スタミナカレー-とんかつ 美とん さくらい[店舗](2003/6/23)
会社からよろよろと歩き出ると私は電車に乗る。なんだか知らないが今日は疲れた。何をしたわけでもないのになあ。これが年というものか。
今日の晩ご飯どうしよう。カレーを食べに行くってのもいいけど、ちょっと疲れたなあ。もう帰り道のコンビニでサラダだけ買って家にあるもの適当に食べておしまいにしようかなあ。お腹空いている気もするけど、それよりとにかく疲れているし。
そんなことを考えていると、少し離れたところに立っている女性二人連れの声が耳に飛び込んでいる。いや、聞き耳を立てていたのではないのだ。少なくとも「カレー」という言葉が耳に飛び込んでくるまでは。彼女たちの声は車内に響き渡る(少なくとも私にとっては)会話はおおよそ以下のようなものである。
「あー、なんだかカレー食べたくなって来ちゃった。帰ってカレー作ろうかな。それとも関内で横浜カレーミュージアムいくとか。あれ、あなたのカレー好きなの?カレーミュージアムは2度行った。マジックスパイスってところがおいしかった。カレーとはちょっと別物って感じだけどねえ。あと焼きカレーも食べた。関内と言えばらっきょって店知ってる?あそこもおいしいよね。(この後カレー店に関する会話が延々と続く)マジックスパイス6月19日で閉まっちゃったのよ」
いや、こんなふざけたコンテンツで書いても誰も信じないかもしれないけど、本当にその女性達はこう語っていたのだ。
サリエリは神の声をモーツァルトを通して聞いた。そして私も悟ったのだ。カレーの神は彼女たちを通じて私に語りかけているのだ。カレーを食べなさいと。
そうと決まればやることは一つ。いつも降りる駅を越えて一つ先の上大岡という駅で降りる。ここの地下には小さなレストラン街がある。独身の頃は大変お世話になったものだが、ここにくるのは何ヶ月ぶりだろう。目的の店を見つけるとのれんをくぐる。
あまりに久しぶりなのでメニューが変わっている。あら、無くなっちゃったかな、、と思い一生懸命リストに目を走らせる。あったあった。安心して「スタミナカレー」と注文する。
待っている間店内を見渡す。ここは本来トンカツ屋。料理長は2度くらい引退したプロボクサーであり、それまでスタミナ丼と称していたメニューは彼が世界チャンピョンになったのを記念しチャンピョン丼と改名された。今日は見あたらないようだが(後で知った事だがこの日は世界タイトルマッチの日だった。完敗して引退するらしいが)
おまたせしましたー、という声と共にカレーが運ばれてくる。みそ汁はお代わり自由とのことだが、お代わりしたことは一度もない。
どーですこの偉大な構成。キャベツがてんこ盛りにポテトサラダ。奥の方に乗っているのはチャンピョン丼に乗っている豚肉と野菜とあれこれを炒めた物。それがあるからと言ってカレーの手を抜いたりはしない。大きく柔らかい豚肉がごろごろしているのだ。
さて、と食べ始める。私はまず野菜を全部片づけてから肉そのほかを食べる。これは幼い頃からの習慣で変えようがない。(会社の先輩には「お見合いでそれはやるな」と言われたが)豚肉をちょこっと混ぜてキャベツなど食べるとこれはまた乙なものである。さて、ようやく心静かにカレーの分に取りかかれるというものだ。
適当に混ぜながら一心不乱に食べ続ける。正直言えばかなり年老いた私にはこの量は少し多いのかもしれない。であるからして血糖値が上がる前にお腹に詰め込む必要がある。などとよけいな事は後から考えたこと。ひたすらスプーンを動かすとみそ汁をぐいっとのんではいおしまい。今日も大変おいしゅうございました。