日付:2003/9/9
チキンとじゃがいもと豆のカレー[おうち](2003/10/13)
今晩はカレーだという。わーいと思っていると声がかかる。カレーのビンの写真をとってはどうかと言うのだ。
最近大坪家御用達のカレー瓶である。好きな物を入れて煮込めばおいしいカレーができあがり。今日はチキンとじゃがいもと豆がはいっているとのこと。
いただーきまーす、と言うとスプーンを握る。ちょっと酸味があり、じゃがいも、チキン、のほにゃらんとした味わいとよくあっておりご機嫌な気分になる。
昨日食べたカレーも数度スプーンを動かしただけで皿は空になった。しかしその後大変虚しい気分になった。今日もはっと気がつくと皿は空になっている。しかし大変ご機嫌だ。ああ、やはりカレーの神は私を見放してはいなかった。
この日の午後はずっと立ちっぱなしであった。展示会で説明をしていていて、それは結構楽しかったのだが足はよれよれである。さて、何を食べよう。こういう時こそカレーを食べるべきではないだろうか。
足は自然とカレーミュージアムに向かう。以前私が「何だこれは」と思った山小屋は「卒業」しており、その後に新しい店がはいっている。そちらにも心惹かれるがもう1分たりとも列に並びたくはない。待ち時間0の「ハマカレー」店に向かう。しかし今こうして考えれば「待ち時間0」という事実から私は何かを予想すべきだったのに。
ここにはなんとかプロジェクトグランプリのハマ新カレーなるものがあるのだが、牛乳粥と聞いただけで食べたくなくなる。もう一つあるのは明治18年にどうたらこうたらのカレー・オン・ザ・ライスだ。いつも隣に服部某という男の写真が載っているが、それは気にせずこれを食べよう。というわけででてきたのがこのカレー
このカレーは消費税抜きで850円。じっと皿を見つめる。私の頭の中には「貧相」という言葉が回り続ける。今日はとても疲れた一日だった。その私の前に差し出された貧相なカレー。いや、これはきっと「素朴」なカレーなのだ。
そう自分に言い聞かせスプーンを握る。味は確かに悪くはない。しかし特筆すべきところは何もない。いや、あるとすればそれは値段だ。駅で立ち食いできる300円台のカレーだってもうちょっとしっかりとしているぞ。なのにこれは850円。
数回スプーンを動かすと皿は空になってしまった。まあ、こういう日もあるさ。
今日はカレーだと言う。わーい。一日何事もせずごろごろしていただけだったが、最後にうれしいことが来た。子供の相手をしながらまつことしばらく。食卓にカレーが並ぶ。
前回と同じ瓶詰めカレーシリーズ。今日のは「印度カレー」と書かれているが、成分をよく見ると「昆布エキス、しいたけエキス」などと書かれている。印度の人も昆布やらしいたけやら食べるのだろうか。
スプーンをつっこんでぱくっと食べる。薄味で、少し甘みさえ感じるほどだが悪くない。「チキンより、豚かビーフのほうがよかったかしらねね」「そうかなあ、これはこれでいいと思うけど。」などと会話をしているうちにばくばくと食べ終わってしまった。今日はめずらしく少しおかわりもしたので椅子に座ってぎゃーぎゃー泣いている子供をあやすのは後になった。いや、カレーと向き合っているときは泣いている子供にも少し待ってもらわねばならぬのだ。
オムライスビーフカレー:サンアロハ[店舗](2003/9/18)
ネットでふらふらとしているうちにカツカレーについてあれこれ述べたサイトにでくわす。読んでいるうち私の通勤経路上においしそうな店があることを知る。しかしここに行こうと思うと晩になってしまうなあ。普通晩ご飯はおうちで食べるし。
などと思いながらその店のサイトを観る。すると私の勤務地である渋谷にも支店があるではないか。これなら昼にちょこっと行くことも可能だ。
というわけで暑い中をてくてくあるいて店にたどり着く。目あてはカツカレーなのだが、ランチタイムはオムライスチーズカレーとオムライスビーフカレー、他一品しか選べないようだ。ビーフカレーを注文する。
まず最初にサラダとドリンクが運ばれてくる。ウエィトレスは「こちらがサラダとドリンクになります」と言うが、言葉の後半は既に横を向き帰る体勢になっている。日本では店員が客の顔を全く見ないことは少なくないが、ここまで言葉と態度が乖離している例は珍しい。感心しているとそのうちカレーが運ばれてくる。例によって彼女は言葉が終わる前に足を一歩踏み出し帰りかけている。
運ばれてきたのがこのカレー。さて、どんな味かと思いスプーンをつっこむ、オムライスの部分にはちょっとどろっとした卵がふんわりとかかっている。かきまぜて食べると卵の柔らかさとカレーのからさがうまく調和し、なんともご機嫌。ごろごろ転がっているビーフも柔らかいし。
というわけで例によってはっと気がつけば食べ終わっていました。お金を払うと消費税込みで525円。この値段であの味というのは大変すばらしい。あの横向き投げやりウェイトレスがいると知っていてもまた行ってしまいそうな気がする。
おうちに帰ると今日はカレーよと言われる。途端にそれまでよれよれしていたことも忘れて機嫌になる。もともとおうちにかえってご飯を食べられるというのは有り難いことだが、カレーであれば感謝の念もひとしお
でてきたのはこのカレー。向こう側にあるビンに元がつまっていて、好きなお肉と野菜をいれてちょっと煮込めばはいできあがり、というすぐれものらしい。いただきまーすと食べてみればビンに
「クリームとココナッツをふんだんに使用した」
と書いてあるとおりの味。大変ご機嫌である。そしてふと我にかえればもう食べ終わってしまっていたのであった。今日も大変おいしくいただきました。
チキンカレー-カレーショップC&C[店舗](2003/9/8)
ああ、お腹が減った。そうだ。今日はあそこにある定食屋にしよう。何を注文しようか。牛丼にしようか、チキン南蛮丼にしようか。
などと期待に胸をふくらませお腹を減らしながらたどり着いてみればいつのまにかその店はラーメン屋になっている。ええい、今はラーメンを食べる気分ではないのだ。さてどうしよう。
などと肩を落としながらとぼとぼと歩くとカレー屋がある。やれうれしや。さっそく中にはいると自動販売機のボタンをじっと眺める。よし、これ。チキンカレー。私はカレーが好きだし鶏肉も好きだ。そして同じ値段であればチキンのほうが豚や牛よりもでかいという経験則もある。
チケットをおいて待つこと幾ばくか。チキンカレーがやってきた。
スプーンを握りしめしばし沈思黙考する。なんだ、この安っぽい黄色さは。なんだこの重量感のある衣は。いや、考えていてどうする、とスプーンをカレーにつっこむ。
カレーは確かに辛い。ぴりぴりする。しかしそれはおいしさとは何の関連もない。業務用の缶詰から出したカレーってこんな味かなあと考え続ける。チキンカツの厚みのうち衣はどうみても60%には達しているのではなかろうか。食べるとチキンよりも油の味がしみてくる。
ふと気がつけばまだ全体の1/4を食べたばかり。ああ、私がカレーを前にひるむとは。残り3/4を食べている間私は実に幸せではなかった。店を出た後、数m先にもっとましなカレー屋があったことを知った時には更にみじめな気分になった。いや、希望は常に前方にある。今度はあの店に行ってやるぞ。
さて、今日のお昼は何を食べようか、と考えながら道玄坂をぶらぶら歩く。とんかつの写真が目にはいるが今日私が食べようとしているのはカレーなのだ。トンカツも好きだが今日に限って言えば興味はない。そう思った瞬間こんな写真が目にはいる。
トンカツ屋のカレー。ここまできっぱり言われると食べたくなるではないか。ふらふらと階段を下りカウンターに座る。カツカレーと注文すると「ご飯おかわりできませんが、普通盛りでいいですか?」と聞かれる。他のカツ定食は全てみそ汁、キャベツ、ご飯おかわり自由なのだ。メニューをみればカツカレーにみそ汁はつきませんと書いてある。ご飯とみそ汁を捨ててでもカレーを欲する物は己の道にすすまねばならぬ。しかしこんなカツ屋でカレー注文する人間いるのだろうか、などと考えていると別のテーブルからカツカレーという声が聞こえる。ああ、ここにもカレーを愛する同士が。そんなことを考えているうちにカレーが届く。
別の皿に盛られたキャベツはお代わり自由らしい。カレーが一面にかかっているように見えるがカツはその下に存在しているのだろう。
では、いただきますとスプーンを握る。ルーの味はなかなかである。感動を呼ぶほどではないが、上と呼ぶラインには達していると思う。具がよく煮込まれており柔らかい。そしてその中にカツが渾然一体となって存在している。これには感心した。
カツとカレーの取り合わせ。これは私の心のどこかに訴えかける物がある。しかし「おいしい」カツカレーとなるとそう滅多にお目にかかれない。カレーの上にのっているカツをスプーンで無理矢理切ろうとしているうちに衣から肉がにゅるん。分離した肉と衣をみてため息をついたことも一度や二度ではない。
しかしここのカツはちゃんと一口大に切られ、最初からルーの中に存在している。唯一文句をつけるとすれば少し脂身が多かったかもしれない。しかし全体としてみれば実に幸せなうちに食べ終わる。