日付:2003/4/25
かご大仏-岐阜大仏 正法寺 : 岐阜県(2003/4/12)
考えてみれば珍スポットに行くとき雨に降られたことはない。危なかったことはあるが、いつもなんとか傘無しで巡ることができた。しかしその幸運も今日までのようだ。
名古屋から名鉄に乗り換え新岐阜で降りる。雨はじゃんじゃんというほどではないがきっちりと降っている。そこからバスにのり揺られることしばらく。「岐阜大仏700m」という看板が見えてきた。晴れだったらここから歩いてみようかとも思うが今日はそんなことをする気にならない。
岐阜公園歴史博物館という長い名前のバス停で降りる。しかし周りにはそれらしきものはない。前方にきれいな山と三重の塔が見えるのでそちらのほうに歩いていく。そのうち歴史博物館が見えてきた。さて、大仏殿はどこにあるのだ、と思い歩いているうちそれはいきなり現れた。
Mild Sevenの文字も鮮やかなたばこ屋の隣に大仏殿。角には誇らしげに「日本三大佛」という石柱もたっている。三大佛ねえ。「大」はかならずしもサイズのことではないと言えばなんとでも理屈はつくわな。
などと思いながら正面に回ってみる。何ともいえず変な建物だ。
三層になっており、たとえば同じ大仏殿である東大寺のそれとは似てもにつかない。では何に似ていると言われると言葉につまる。こんな建物を観たことがないような気がする。しばし写真など撮っていたがあまり感心していてもしょうがないから中に入る。
受付らしき小部屋があり、大人は150円。さて払おうとすると、中でおじいさんが居眠りしている。下半身には毛布が掛けられ目の前にはTVがある。起こすのはかわいそうと思いガラス戸を開け150円置こうとするとぱっと目を覚ました。
さて、中にはいると紛う方なき大仏様が座っている。
顔はほっそりしており、OKマークが決まっている。背後のなにやらもあわせちょっと前屈み。いつも
「背中が曲がってる」
と母親に怒られている猫背の私はちょっと親近感を覚える。なんだか窮屈そうだ。大仏殿いっぱいに大仏が充満していると考えればよいのかあるいは下から見上げる人間にお顔を見せていると考えればよいのか。
中にはこんな「断面解説図」がある。
真柱を背中に通し、ほかの部分はすべて竹、粘土、漆、金箔などでかためたモノコック構造である。それはいいのだが、頭と膝のあたりに「空胴」「暗黒」と書いてあるのは何の意味だろう。
壁際には五百羅漢が並んでいる。さて、写真を撮ろうとしたときに気がついた。雨が降る日は晴れの日よりも暗いのだ。そしてただでさえ薄暗い大仏殿の中で写真を撮ることはなかなか容易なことではない。ええい、と開き直りフラッシュを使って写真を撮る。
大仏の後ろに回るとこんな階段がある。
中を観ると小さな像があり、そこから階段が左右上方につながっている。はてこれは、と思い再び正面にでて構造を理解した。後ろから左右に分かれた階段は大仏の側面を上り正面でつながっているのだ。そしてそこからは大仏の顔を真正面から拝むことができるのだろう。理由はしらねど今はそこが閉鎖されているのが残念だ。落ちると危ないから金網でかこって、、などとやり出すとお金もかかるとかそんな理由だろうか。
大仏の側面にある登り階段
登り階段からつながる大仏正面の通路(床板が見えている)
感心しながら大仏の周りを3度くらい回ってみる。別に3度回ることに意味があると考えるのではなく、「ほほう。こうなっているのか」と感心していたらぐるぐるしてしまったわけだ。
すべからく不思議な構造の大仏殿を堪能すると外にでて今度は正面から離れていく。遠くから観ると金華山をバックにした大仏殿がやっぱり異様なその姿を見せている。