題名:巡り巡って
五郎の入り口に戻る
珍しく1日自由な時間ができた。なのにというべきか、幸運というべきか見たい映画もない。さて、どこへ行きましょう。気候もいいことだし。
とはいっても遠出するほどの気力は残っていない。近場でどこかないかしらとレトロ商店街を呼ばれる場所を探す。しかしレトロでも賑わっているところにはあまりいく気がしない。しかし書いていて思うのだが、流行っていない商店街は閉鎖されてしまう。つまり私が言っていることは矛盾しておりそもそも解が存在しなくても文句は言えない。
しかし
天はまだ私を見捨ててはいなかった。あれこれ探すと近場でかつあまり流行っていないレトロな商店街の情報がでてくる。ここにしよう。
というわけで家をでて電車に乗る。いつも通る駅だが滅多に下車しない駅で下車し、初めてのる路線を探す。あるホームにでて「ここだろう」と思っていたらどうも様子がおかしい。慌てて別のホームを探す。
電車が来たので乗り込みかたこんと揺られる。他にあまり人も降りない駅で一人降りる。ここからしばらく歩くことになる。一年の間にそうたくさんはない「暑くも寒くもない日」なので外を歩くのは苦ではない。しかしほどなく日陰を探し回るようになる。
勘とApple Mapの導きにより多分目的地の近くについたはずだが、と思うがなかなか目的とする場所が見えない。というかそもそも本日の目的地がどのくらいの大きさかもわかっていない。きょろきょろしているうち以下のような光景が目に入る。
ここに違いない。さっそく入り口に立つ。
こんな状況である。電話番号が古い。いろいろなブログを読むと数年前まではもっと営業している店があったようだが、少なくとも本日はほぼ閉まっている。中に入る。天井にはこのように店の看板が並んでいる。
この日「生存」が感じられた唯一の店がこの豆腐屋。何か買って帰ろうかとも思ったが、確かに中に電気はついているのだが、開けていいものかどうかもわからない。
なので写真を撮りながら中を進む。つきあたりの壁はこんなである。
かつてはこの非難通路表示板にあるような店が営業していたのだろう。"EMERGENCY ROUTE"と英語表記があるのに気が付く。短い商店街なのですぐ反対側の外にでてしまう。
反対側はこんな様子。右側手前の区画は中身が存在していない。ここから左手に回っていって住居エリアを眺める。
このようになっており、平家+屋根裏のような構造なのだろうか。間隔をおいて出っ張りがあり、昔懐かし洗濯物干し台がある家ではそこへの入り口となっているように見える。
ブログによっては「もうここに人は住んでいない」と書いてあるのだが、洗濯物が干されているということは誰かが住んでいる。しかし洗濯物干し台って最近みないなあ。
再度中を通る。
なぜ古い店の看板?を取り外さず、その上に看板をとりつけたのだろう。
本日この場所を訪れることができたのは幸運だったかもしれない。
そう考えながら駅に戻る。もう1箇所行きたい場所があるのだ。この写真はくる時に撮ったもの。
この道沿いには大きな東芝の研究所があったり、高校があったり住宅があったり、という風景なのだがこのように非常に古く見える建物が二つある。
一つがこれ。他の建物とは明らかに建てられた時代が違うように思える。少し周りを観てみるが現在どのように使われているかはわからない。帰りによらねばと思いこちらと思しき方角に歩き続ける。するとこんな建物が目にはいる。
どうどうたる洋館。正面は一部門が壊れているが、では人が住んでいないのか?よくみると1箇所街灯に明かりがついている。ということはここはまだ生きている。
側面に回ってみる。
この邸宅はどういういわれがあるのだろう。なぜ一部壊れているのだろう。そんなことを考えながら多摩川に向かう。土手からは別の角度で写真を撮ることができた。
こうしてみると人がちゃんと生活しているような。そんなことを考えながら駅に向かう。