「ハイビジョンサウンド会議 sponsored by NIRO」に参加した-音編
2008-10-18 00:00
というわけで本日のエントリーは昨日の続きである。まだ読んでいない人はそちらから読んでね。
というわけで中道氏のプレゼンの後は、いよいよお待ちかね。Q:のデモがはじまる。会場の私とはちょうど反対のところに大きな薄型TVがおいてある。パールハーバーの一場面、日本の艦載機が真珠湾に攻撃を始めるところが流される。そういえばパールハーバーにこんな場面あったなあ。ああ、魚雷が着水したというのに、板は外れない、、とか思いながら観る。
次に別のスピーカーで聞く。なるほど迫力が違う。その後がお待ちかねのQ:の音。いよいよ音が聞けるかと思うとちょっとどきどきする。
おわっ。と思う。感想を端的に言えばこうだ。
液晶TVのスピーカー → ああ、何かDVD再生してるな。
Q: → おわっ。飛行機飛んでる。
当日の話題になっていたが、このような音響製品というのは所詮聞いてみないと違いがわからない。それをこのようなブログだのインターネットで伝えるというのは至難の技だ。どう伝えるかあれこれ考える。その間もデモは続く。続いてギャング・オブ・ニューヨークが流れる。
液晶TVのスピーカー → ディカプリオがんばってるな
Q: → おわっ。砲弾が飛んでくる。建物が崩れる。
エネミーラインとかいろいろなものが上映されるが、とにかくその差異は圧倒的だ。中道氏が「いや、このハイビジョンTVもがんばっていると思います」と言うと場内に笑いが広がる。それぐらい差は明白なのだ。
ここで上映されたパールハーバーもHeroも私にとっては「金返せ」の映画であることは、ちょっと皮肉なことだ。しかしデモ映えする派手な映像、音楽を使った映画が私にとってのゴミ映画である、という事実には何か意味があるのかもしれないし、ないのかもしれない。
その後も「この圧倒的な音の違いをどうやってブログで伝えればいいのか」という疑問は頭を周り続ける。たどりついた結論が「絵」で表すことだ。
液晶TVの音は(Q:に比較しての話だが)はこんなイメージである。
これに比較するとQ:の音はこれだ。
冗談抜きにこれくらいの差があるのだ。中道氏はプレゼンの中で
「ある音響の専門家に聞いたところ、映画の感動の70%は音から生まれる」
と言った。聞いたときは「ちょっと大げさではないか」と思ったが、これを聞く限り嘘とも思えない。映画館でよいなあと思った映画のDVDを家で再生してもそれほど感動しない事が多い。「もう一度観ているから」という事の他にも音の差が理由かもしれない。
さて、今回の参加者のうち希望者にはこのQ:を2週間無料で貸してもらえ、かつ3本ブログの記事を書けば定価の半額で購入できるとのこと。半額といっても44000円。貧乏な私にとっては大金だ。
しかしデモを聞いた後では、申し込む事に迷いはなかった。これに金を使わず何に金を使うというのか。くだらない宴会に出させられ、1万円撮られることを考えれば、安い物ではないか。
会場ででた質問に対する中道氏の回答の中でこんなものがあった。
「車への搭載を検討してもらい、なかなか良い評価をもらった。しかし既存メーカーが1/3に値段を下げたため、採用されなかった」
まったくなあ。そういう物作りしているから、日本で車が買ってもらえなくなるんだ。売るのは「感動」これに思わず金を払いたい、と思わせなくちゃ。コスト優先とかそんなことばかりしているから、、
と考えながら自宅に帰り着く。家で液晶TVがおいてあるところを改めて見直す。隙間という隙間にはものが充満しており、どこにあのQ:を置けばいいのか。置けたとしても奥様に殺されないだろうか。金は「貴重なへそくりをはたきますから」と言えば許してもらえるか。でも場所が、、会場で感じた感動もどこへやら、私は深く悩み続けるのであった。