日付:2003/9/13
朝8時12分、小松駅発ハニベ行きのバスに乗る。珍スポットと言えばだいたい交通の不便なところが多く、どうどうとバス停および路線に名前を残しているのは五色園とここくらいであろうか、などと考えながらバスにゆられ続ける。小松駅から乗ったのは私一人。その後誰も乗ってこない。始発から終点まで貸し切り状態である。ある地点を越すと
「ここからは停留所がなくてもご要望の地点で停車します」
というアナウンスが流れる。をを、なんと鷹揚な。このシステムを使う機会がなかったのは残念にも思えてくる。
などと考えている間に前方に巨大な大仏の頭部が見えてきた。今日の目的地ハニベ厳窟院である。
チケット売り場のお姉さんが「バスで来たんですか?大変ですね。傘あるけど貸しましょうか?」などと親切に声をかけてくれる。いや、自分でもってますから大丈夫です、と行って中に入る。説明用の録音テープが流れ出す中あたりがいような彫刻で充満している事に気がつく。正面大仏の下に入れるようになっているのだが、その前のエリアを少し廻ってみる。
これはまあ現代的な彫刻と言えないこともないかもしれない。別のエリアには五百羅漢だか地蔵だかよくわからないものがばらばらと存在している。それぞれにユニークな外見だが中でもこの顔はとびぬけている。
この近くには厳窟王といった風情の彫刻もあるのだが、それ自体はまともなもの。ただ他の異様な彫刻と並ぶと何かがおかしいように思えてくる。頭を振って大仏の中に入ってみる。巨大な顔が迫ってくる。
中には水子地蔵が大量に配列されている。それはわからぬでもないのだが、この像は部分的に妙に写実的ではないだろうか。顔も妙に渋いし。
この大仏の下がすなわち変な彫刻群への入り口に違いない、と思っていたのだが、すぐ行き止まりになってしまった。ここには水子地蔵しかないらいしい。外に出るとさっきあった彫刻群の方に歩く。池に橋が架かっており、通ると鯉がうようよよってくる。その中に動かない影。
何かと思えばアザラシの彫刻であった。そこから上り坂になる。途中もう一つ水子地蔵を大量に納めた小屋がある。いつものことだがその群れを見ていると気が重くなる。先を急ぐ。するとこんな看板と崩れた何かがある。
自然陰石というが、どうやればそう見えるのだろう。見当をつけて写真を撮ってみたがはたして自分が正しい場所を撮影したかどうかもよくわからない。
まだ上り坂は続く。そのうち昔使っていた木造の校舎といった趣の建物が見えてくる。木造校舎かあ。床が抜けたりもしたしたけど、今となってはなんだかなつかしいなあ。ところでここはなんだろうと入り口に廻ってみる。
なんとここは「ハニベ道場」なのだ。空手をやってさんざんな目にあった私としては道場という言葉を聞いただけで背筋が寒くなるのだがその上に「ハニベ」がつけば裸足で逃げ出したくもなる。中では何が行われているのだろう。ハニベ道を極めるとはどういうことなのか。
更に坂を登ると少し開けたエリアにでた。