題名:巡り巡って

五郎の 入り口に戻る

日付:2006/6/17


愛宕山大師: 愛知県(2006/5/3)

鳥取の旅から戻った私はまだ一日自由な時間があることに気が付く。さて、どこに行こう。もう遠出はイヤだから近場で。となると敬愛する珍 寺大道場に掲載された情報が気になる。愛知県に弘法大師像が点在するエリアがあるというのだ。よしここだ。

というわけで地下鉄に乗って大曽根駅へ。そこから名鉄にのり尾張旭駅にたどり着く。降りてみるととてもキレイに整理された場所だ。 人気はほとんど無いこともあいまってなにか不思議な雰囲気を持っている。さて、どちらに進むべきかと駅前の地図を観る。Yahooの地図には載っていな かった場所だが、ここの地図にはちゃんと載っている。それを観て適当に歩き出す。

大きな通りを北に向かい、交差点でちょっと斜め東にはいる。退養寺というところにつきあたったら東に折れればよい、と思っていたの だが例によって馬鹿なことをやった。早めに東に折れたのである。理論的にはこれでも着くはず、と考えたのは間違ってはいなかったがかなりの遠回りになっ た。本当にこの道でたどり着くだろうかと思い始めたき頃木々の間からこんな姿が見えた。

森の陰からお姿が

やれうれしや。というわけで像の方向を目指すがなかなかたどり着かない。そのうちいやな予感に襲われ始めた。像の回りに木が茂って いるのである。この季節、木があるところ毛虫がいる可能性がある。いや、そんなことを考えるべきではない。予感だけで逃げ出してどうする。なるべく木の下を避けながらようやく到着で ある。

斜めのお姿

青空をバックに弘法大師が立っている。珍寺大道場の記載によれば、これを作ったのは五色園関ヶ原ウォーランドを作った人 と同じとのこと。確かに作風が全く同じだ。脇に廻ってみればこんな文字が
昭和六年
色はキレイに塗られているが昭和6年製作だから相当古いことになる。右手にはこんなのがいる。

右手の像

金色はかなりはげているが緑色はつやつやしている。塗り替えるタイミングが違うのかあるいは持ちがちがうのか。そこから一旦正面に廻る。小さなお堂があり 中に四国88カ所巡りのスタンプ帳のようなものがある。シールを貼ったのは誰だろう。子供の背で届くとは思えぬ が。
八十八カ所
さて、というわけで左手にある不動明王像に近づこうとする。ここからみてもこの不動明王像が五色園にあった「大根不動」と同じような作風であることが見て 取れるではないか。

こちらは五色園の不動明王

しかしその瞬間私は恐怖感に立ちすくむ。像の上には桜の木が存在しており、かつその葉っぱは穴だらけなのである。穴が空いているということは何者かがそれ を食べたと言うことだ。いや、ここでびびってどうする、と歩を進めた途端私は恐るべき事実に気が付く。
頭上の木から糸をがたれ、その先に毛虫だか芋虫の類がぶらーんぶらーんとぶらさがっている。声にならぬ悲鳴を上げた私は180度方向を転換し足早にそこを 逃げようとする。その瞬間、前方に毛虫だか芋虫の類が道を這っている事に気が付く。声にならぬ悲鳴をより声高にあげながら(この記述が自己矛盾を来してい ようがそんなことはどうでもよい)お堂の脇まで走って逃げる。
しばしその場にたち呼吸を整える。うがぁ。なんということだ。長年の経験で私が思うほど桜の木に毛虫がたかっていないことは知っていた。全くの推測だがそ れは何かの手入れによるものではなかろうか。化学兵器を用いるとか。しかし誰がこの人気のない場所の桜の木に化学兵器を用いると言うのだろう。ぜいぜい。
一度その存在が確認された以上、一歩たりとも近づくことはできない。しょうがないから遠くからズームを一杯にして写真を撮る。
不動明王
この3体の像。左側に立ち手を合わせているのは誰なのだ、そして右側にいる褐色の肌をした像は。加えて足下に流れるコンクリートの滝。見所は一杯だが如何せん 近づくことができない。ええい、とりあえずこの場所を去ろう。しかし帰り道も安全ではない。一度頭にとりついた毛虫恐怖症はぬぐいがたい。なるべく木の下 をさけ足早に歩き去る。最後にもう一枚弘法大師のお姿を写真に収める。
お姿

この後もう一カ所弘法大師像を観るため小幡緑地というところに行く。しかしここにもあるのだ。桜が。私がいくべき道の上は桜の葉に覆われている。普段なら ば足早になるだけで通れる道も今日はだめだ。ええい、ここはまたの機会にしよう。

前の章 | 次の章  | 一覧に戻る | 県別Index


注釈