日付:1998/1/25
まえがき 1章 2章 3章 おしまい おしまいの後に 4章 終章 蛇足編 あとがき 追加編 あとがき+登場人物のその後
10月20日の金曜日、ある飲み会が催された。発案者はS(♂)。この飲み会の経緯については若干説明を加えねばなるまい。
S(♂)が国語教師と会っていたことは前述した。その後S(♂)が逃げ腰だったことも述べた。しかし黙ってさよならもどうかと思ったのだろう。彼は国語教師に電話をしたのである。その時国語教師は「10月X日は私の誕生日で、あいてるんですよね。」と言った。ここで「ふーん。それで」と言える奴は、よっぽど神経の太い奴か、とてつもない間ぬけであろう。彼はその瞬間に、1対1ではなく、他人を巻き込んで大騒ぎにしてやろうと考えた。すなわち水で薄めようと考えたのである。そして水になったのがティーチャーYZと私であった。(自慢じゃないが、私の人畜無害さには定評がある。この場合の水の役目としては誠に適当であっただろう。)
金曜日、待ち合わせ場所はヒルトンホテルであった。いやーけんらんごうか。お兄さんびびっちゃったよ。と言ってもヒルトンで何かしたわけではなく、単に待ち合わせただけである。ほどなくメンバがそろって飲みに行った。
私はこの飲み会では努めて明るく振る舞っていた。もっと正確に言えばバカのように騒いでいた。だって話が深刻になると困るんだもん。しかし酒が回るにつれて、時々我に帰ってみると話はまずい方向に進んでいたのである。その度に、私は「ま、それはそれとしてー」といって話をそらそうと試みた。しかしいつか気づいてみると話は元に戻っているのであった。(ところがS(♂)はこのような状況に全く気づいていなかったらしい)
S(♂)がおしっこに行った隙を縫って、「そんじゃここらで場所を換えまして」と言って2次会に向かった。2次会の場所はケントス。この話のきっかけとなったケントスとは同じ系列だが別の店で、ここは踊るスペースが狭いのである。
とてつもなく混んでいたので、待たされた挙げ句案内された席は狭かった。なんとなく国語教師&S(♂)ペアと、大坪&ティーチャーYZペア、とほとんど別れて座ることとなった。中はうるさいので、向こう側が何をしゃべっているのかはわからない。私がティーチャーYZとたあいもない会話をしていると、いきなり踊る時間になった。
自慢じゃないが私は踊るのが好きである。この時も周りなど気にせずに踊っていた。(とっても混んでいたから周りの迷惑だったかも知れない)いつしか音楽が止って席に戻ってみると、S(♂)は完ぺきに寝ていた。となりで国語教師が不服そうな顔をして座っている。かといって私になにか出来るはずもない。
再び踊る時間となった。あと3曲とバンドのお兄さんが言った。私はチークタイムがあるのではないかと思った。
3曲目が終わって。チークタイムになった。後ろを振り向いたらYZ先生がいた。私は半年たって、ようやくYZ先生と踊ることが出来たのである。
とてつもない間ぬけ: 蛇足だが、私ならなんのためらいもなく「ふーん。それで」と言ってしまうと思う。本文に戻る