2018-09-25 07:29
年をとると自分が発見したことを得意げに語ることが愚かな行為であることを学ぶ。そして困ったことに私は学んだ大切なことをすぐに忘れる。
グーグルでは2007年から、「Googlegeist(グーグルガイスト)」という全従業員を対象にしたアンケート調査を毎年行っている。
(中略)
良い結果も悪い結果も、全従業員に公開される。これにより、各チームの従業員とマネジャーは次の年の評価に向け、調査の中でスコアが低かった部分を認識し、改善するよう取り組むことができる。とりわけマネジャー陣は真剣に毎年の調査結果を受け止めているし、それを見ながら会社をよりよくする策を練っていく。
引用元:グーグル流「なんとなく」の判断を避けるコツ | 組織を科学で強くする方法 | 週刊東洋経済プラス
確信はないが、世界中の国でアンケートをとれば最も幸福な国は北朝鮮ではないかと思う。アンケートが示すのは
「従業員がこういう状態にある」
ことではなく
「アンケートに対してこういう回答があった」
でしかない。不思議なことにこの単純な原理を忘れた方が人事担当者は幸せになれるようだ。
私は常に他人の幸せを願っている。だから会社が実施するアンケートに答える際には「ここは北朝鮮だ」と自分に言い聞かせる。
さて、グーグルの人事担当者はそこまで楽観的ではないようだ。
回答内容が真実かどうかを証明するのはなかなか難しいが、グーグルガイストを10年間運営する中で、2つの異なる調査方法で回答内容が変わるかを検証したことがある。一方は、100%匿名での調査。もう一方は、機密性の高い状態の調査だ。後者はつまり、個人までは特定できないものの、高度に分析すればどのグループが発言しているかはだいたいわかる、というレベルである。
2つの方法を試した結果、実は両者の間に回答の差は現われなかった。グーグルの従業員はそもそも、自分の意見をしっかり表明する傾向が強いのかもしれないが、どんな聞き方であっても、ある程度正直に話してくれると考えられる。一方で、グーグルガイストの結果は、それ以外の社内調査の結果ともつねに比較している。回答の傾向に差が出ていないか、従業員の声を正しい形で吸い上げられているかを確認するためだ。
引用元:グーグル流「なんとなく」の判断を避けるコツ | 組織を科学で強くする方法 | 週刊東洋経済プラス
彼らは自分たちのアンケート結果が「北朝鮮の世論調査」になっていないか常に検証しているという。もっと単純に幸せになればいいのにねえ。
従業員満足度を上げるのは簡単だ。従業員にアンケートをとり、その結果を従業員にフィードバックする。結果を教えるのではない。結果が「悪かった」部署に処罰を下すのだ。グループ内での「反省・改善」ミーティングを強制し、マネージャーに反省文を書かせ研修に何度も参加させる。そうすれば人間は偉大な学習機能を発揮し
「アンケートには満額回答をした方がよい」
ということを学ぶ。
もちろんこれは私が友人から聞いた話であり、私が体験したことではない。想像だが、三菱自動車内でもこんなことが起こっていたんじゃなかろうか。問題はトップにあるのだが「コンプライアンス遵守意識が低い」とアンケートの結果診断された部署には「コンプライアンス研修」への参加を強制する。そうすれば皆「アンケートにどう回答すれば点数があがるか」だけを考えるようになる。
今日もアンケートが飛び交う。私は常に満額回答。時々期限が悪い時に筆が滑る時がある。そしてすぐ後悔して結果を修正する。
2018-09-21 07:14
異常なUPQ押しで見切りをつけたEngadget。Techcrunchは異常なログバー押しがあったから一時は見切りをつけた。しかし時々有益な情報が乗るので、購読を再開した。しかしやはりこんな記事が掲載される。
最後に、気になっている読者もいることと思うがテックビューロは仮想通貨取引所Zaifの運営元でもある。この2018年1月26日に発生したコインチェックからのNEM(XEM)大量盗難事件を受けて金融庁は仮想通貨取引所の監督を強化。この3月8日にはZaifのシステム障害や不正出金事案・不正取引事案への対処が不十分として同社も行政処分を受けた。同社は「深く反省」とのコメントを出している。ただし、Zaifとmijinは事業ドメインが異なりチームも顧客も違う点には注意したい。またNEM盗難事件に関してはテックビューロやNEM財団は警察の捜査協力などを理由に最近は発言を控えており今回の取材でも「コメントできない」とのことだった。盗難事件や規制強化は仮想通貨ビジネスにとって逆風に見えるかもしれないが、NEMの知名度を高めたこと、仮想通貨分野の健全化を促進する可能性があることは付け加えておきたい。そしてブロックチェーンのビジネスは、まだまだ始まったばかりだ。
引用元:2年ごしでコア再構築、プライベートブロックチェーンmijin v.2開発者向けプレビューを開始 | TechCrunch Japan
私も狂信的Apple原理主義者だからわかるが、この記事を書いたAkio Hoshiという人は狂信的ブロックチェーン・仮想通貨原理主義者のようだ。NEMという仮想通貨が大量に盗難にあった事件は
「NEMの知名度を高めたこと、仮想通貨分野の健全化を促進する可能性がある」
のだそうな。さて、彼が力一杯擁護したmijinを開発したテックビューローだが
テックビューロは9月20日、同社が運営する仮想通貨取引所「Zaif」においてハッキング被害により総額67億円相当の仮想通貨が流出したと発表した。
引用元:仮想通貨取引所「Zaif」から仮想通貨約67億円流出、フィスコGが50億円支援で株式過半数取得へ | TechCrunch Japan
この記事を書いたのはTakuya Kimura氏である。
原理主義者であること自体は罪ではない。自分の意見をもって現実を歪曲し、記事をかくのもまあいいだろう。しかしそれならば
「仮想通貨の記事は俺に書かせろ」
と最後まで矜持をもって行動すべきではないか。
「今回の盗難事件により、より仮想通貨の知名度はたかまり、仮想通貨分野の健全化が期待できる」
と書いてこそ原理主義者と言えるのではないか。まあたんに編集長が止めたのかもしれないけどね。
どの組織にも一人や二人は頭のおかしい人がいる。Techcrunchには有用な記事がたまに掲載されるから、購読をやめはしない。Akio Hoshi氏が次に何を書いてくれるかも楽しみだしね。
2018-09-20 07:24
Techcrunch Japanなどを見ていると、記事の見出しをみただけで「ああ、これは日本のベンチャーだ」とわかる。お手軽な
「ネット上でマッチング」
の話ばかりだからだ。スピードは重要だが、「長年にわたる努力の積み重ね」という言葉を日本の企業は忘れてしまったのではないかと錯覚することがある。
そこにこのニュースである。
このため、老人ホームに住んでいるお年寄りなど、実際に転倒の危険性が高い人たちにセンサーを取り付けて生活してもらい、長い時間をかけてサンプルを集め、検出アルゴリズムを磨いてきたのだとアップルはいいます。
引用元:ひと足先にApple Watch Series 4を触って確信。予想を大幅に上回るフルモデルチェンジだった(本田雅一) - Engadget 日本版
Apple WatchのSeries 4には転倒検知機能もついているのだそうな。長い間蓄積したデータをもとに磨かれた機能を提供する。なんか久しぶりに聞いたような気がするのはきのせいか。
これをうちの親に持たせることは可能だろうか。というかあれだね。遠からず自分がこの機能を使うようになる。その頃には私はこの機能がついたApple Watchを購入できているといいのだが。
誰もが忘れてることだが、かのソニーもスマートウォッチを販売している。今サイトを見て見たが。。なんというか。。。志の差はなんともしがたいものだね。
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こうなるとますます
「Apple Watchだけ使わせろ」
と思わずにはいられない。娘と母に持たせるのだ。簡単な連絡と危険の連絡にだけ使ってもらいたい。でも現状では3キャリアのどこかと契約し、iPhoneを購入しその上でWatchを使わなければならない。いくらなんでも金がかかりすぎである。
なんとかならんもんかな。
2018-09-19 07:27
iPhoneが発表されてから11年たつ。思えば、あの瞬間こうなることは予想できたのではないか。
Googleが、車の売上ベースでは世界最大の自動車メーカー連合であるRenault-Nissan-Mitsubishiとパートナーして、Androidベースのインフォテインメントシステムを数百万台の自動車に搭載していく。彼らはWall Street Journalにそう語った。その次世代型インフォテインメントシステムとダッシュボードディスプレイはAndroidを使用し、2021年にローンチする。
(中略)
連合の役員たちはWSJに、多くの顧客がすでにGoogle Mapsなどのアプリを使い慣れているので、運転時には連合が自分たちで独自開発したソフトウェアよりも、Googleのアプリが好まれる、と語っている。
引用元:ルノー・日産・三菱連合がGoogleとパートナーして車載システムをAndroidベースに | TechCrunch Japan
2007年1月まで、カーナビを作っている会社は
「組み込みはPCとは別の世界だから」
という幻想の中で安住していた。そしてiTronというOSとも呼びたくないような何かの上で作られた掘っ建て小屋の増改築を毎年繰り返していたのだ。
iPhoneが示したもの。それはポケットに入る情報端末の上でフルのOSが動かせるということ。それによってiTron上の掘っ建て小屋とは次元が異なるアプリが、次元がことなる生産性で開発可能だということ。
ルノー・日産は11年たってようやくその明白な事実を認めた。彼らが長年培ってきた
「組み込みソフトウェア技術」
はGoogle/Appleがその何分の一かで開発したソフトウェアに完敗したのだ。
さて
これは地球上の話であり、惑星トヨタはまだその敗北を認めようとはしない。こうした動きがかの惑星に到達するまでにあと10年はかかるかもしれない。
ほとんどの消費者はそれでハッピー。自動車会社はいつのまにか
「スマホのバッテリー(移動・発電機能つき)メーカー」
のになっていることに気がつくだろうが、それにはあと20年かかるかもしれない。
その間、私はかつてケータイと呼ばれた電話の開発に無駄な心血を注いだエンジニア達とともに、カーナビの上の掘っ建て小屋と無駄に格闘し健康を損ない、人生を棒にふったエンジニア達のことを思い出していよう。あれはいったいなんだったのだろう。
2018-09-18 07:22
先日こんな記事を目にした。
会社はおっさんが定年退職するときに、半年くらい「今までの会社での肩書は世間では知られておらず、自宅や会社で払われてきた敬意に似たものや優遇措置は特にこの先、自宅の外では発生しない」みたいな研修をしてから世に放つべきなんだよな。なお重役の入院に際しても似たような研修が必要だと思う
引用元:会社は定年退職や重役が入院するときに「今までの会社での肩書は世間では知られておらず~」という研修をしてから世に放つべき→すでに行っている会社もある - Togetter
私に自慢できるような肩書きがつくことはあり得ないので、こういう件に関しては徹底的に人ごととしてコメントできる。
しかし
人間は悲しいほどに愚かだということも知っている。ナチス第三帝国華やかなりし頃、パレードに同行した記者がいたのだそうな。沿道から浴びせられる熱狂的な声援を聞いているうち自分が身長3mの巨人のような錯覚に陥ったと書いていた。
それが自分に向けられたものではない、と明白に認識していてこれである。人間は自分が褒められたり賞賛されることに貪欲だが、その事象に対してとても弱い。
デンソーでは毎年4月に「新製品展示会」なる催しが行われる。そこにトヨタの役員様(彼らにとっては神様だ)が来ると、専属の人間がずっとつきしたがい、何を発言したかをこと細かいに記録する。それはまるで神の言葉を聞き漏らすまいとする熱心な信者のよう。
その話を父にしたところ(父も電力会社でえらくなった人だから同じような待遇にあったことがあるのだろう)
「そうやって偉い人扱いされてもな、家に帰る途中でスーパーで買い物してこいと命令されたりするんだよ」
この「偉い人扱いされた帰り道で、スーパーの買い物を命ぜられる」というのは大変良いことだと思う。人間はそれほど弱く、愚かだから、果てしない愚昧化を防ぐためなんらかの仕掛けを用意しておく必要があるのだ。
お年寄りにパソコンの使い方を教えるボランティアで、一番厄介なのがこの類の人だった。人の話を聞くより
「自分が過去にいかに偉い人だった」
を語るおじいさんは教えようがなかった。ただ彼らはそうやって本当に幸せだったのだろうか。過去について語るより、パソコンの使い方を学んで楽しくやったほうがいい、と頭のどこかで気が付いていたのではないだろうか。そんなことをふと考える。
2018-09-14 07:42
昔からPCにはウィルスとかそういうものがつきまとっている。Macにディスクをつっこむと"Don't Panic"とか言われたこともあったが、あのように何かしてくれるウィルスは話が深刻にならない。黙っているウィルスはより問題が大きい。さらに大きいのは「セキュリティソフトを自称していながら、実はウィルス」というものだ。
創業者が殺人で指名手配されたマカフィー、米国で使用禁止になったカルペルスキー、社員が個人情報をバラまいたエフセキュア、不正な証明書を発行したシマンテック、スパイウェア入りだったトレンドマイクロ…
引用元:かげかげさんのツイート
いや、もちろんまともなセキュリティソフトもあるのだろうけど、このトラブルの多さは一体なんなのだ。違法薬物の売人が、いつか自分でも使い出すとかそういうあれなのだろうか。
特に先日発見されたトレンドマイクロのトラブルは重大だ。セキュリティ企業がブラウザ履歴を勝手に収集しサーバーに送信するソフトをばら撒いていたのだ。
トレンドマイクロのmacOS向け製品であるDr. Cleaner(国内製品名:ライトクリーナー LE)、Dr. Cleaner Pro(国内製品名:ライトクリーナー)、Dr. Antivirus、Dr. Unarchiver、Dr. Battery、Duplicate Finder は、アプリをインストールする直前の24時間以内のブラウザ履歴を一度だけ取得します。
これらのデータを取得するのは、ユーザがアドウェアやその他の脅威に遭遇したかを分析するなど、セキュリティの目的及び製品やサービスの品質改善のためです。
引用元:macOS、iOS向け当社アプリに関する重要なお知らせ | トレンドマイクロ
いや、百歩譲ってAntivirusがそういうデータを見るってのは理解できなくもないけど、バッテリーの面倒をみるユーティリティとか圧縮ファイルを解凍するアプリがそんなデータを送るのっておかしいでしょう。
それともう一つ驚くのが、日本国内のメディアの報道が、トレンドマイクロの言い分をそのままコピーしたものばかりだ、ということ。どんな方法を使うとこうした「報道制限」が実現できるのだろう。ぜひご教示願いたいものだ。
結果としてトレンドマイクロのサイトをみてもこの件に関する情報にはなかなかたどり着けない。会社のトップページにはいまだに誇らしげに
「導入事例」
が載っている。ここに名前を乗せられるとうことは
「弊社はウィルス入りソフトをばらまく会社の製品を使用して”セキュリティは万全”を安心している間抜け企業です」
と宣言しているようなものだ。普通なら上を下への大騒ぎになるところだが、確かに中電シーティーアイとか自然科学研究機構とかそんなことは気にしなそうな企業ばかりだな。
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ちなみに英語でのブログにはより詳細な「回答」がでている。
9/11には「問題になったのは、これこれのアプリで、他は大丈夫だよ」と宣言し
9/12には「ごめん。‘Open Any Files’ appも同じの使ってた」と言い訳している。とはいえ少なくとも日本語の企業サイトより正直なことは確かだ。先ほど私が書いた「なんで解凍ソフトがブラウザ履歴を収集するんだ」という問いに対しては「いやー、共通ライブラリ何も考えずに使ったんだよね」という回答がでており、間抜けなエンジニアとしてはそれで納得してしまう。(もちろん嘘という可能性は残るが)
いずれにせよ「ウィルスをばらまく、セキュリティ企業」がこのあとどう生き延びていくかには要注目である。おそらくいくつかの「言い訳のテクニック」を学ぶことができるだろう。
2018-09-13 07:05
ITバブルはなやかなりしころ、ビットバレーなる名前があった。物理的には渋谷のことだ。先日それに関するイベントがあったのだそうな。
カンファレンスの目玉となるのが、DeNA代表取締役会長の南場智子氏、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏、GMOインターネット代表取締役会長 兼 社長 グループ代表の熊谷正寿氏によるトークセッション。渋谷を拠点に、20年近くIT業界を第一線で引っ張ってきた3名が、渋谷という街に対する思いや、SHIBUYA BIT VALLEYへの期待を語った。なお、ミクシィ取締役会長である笠原健治氏は同日は都合がつかず欠席したが、ビデオメッセージでコメントを寄せた。
引用元:南場氏、藤田氏、熊谷氏が見てきた「渋谷」の20年--ビットバレー再興への思い語る - CNET Japan
DeNA,サイバーエージェント、GMOインターネットにミクシィ。この名前をならべて何を語ろうというのか。そう思うのは私だけではないようでこの記事を書いた記者さんは簡潔に彼らのことをまとめている。
当時はビットバレーのIT企業への投資は過熱したものの、そこから世の中を変えるようなサービスは生まれず、ITバブルの崩壊とともにその名を聞くこともなくなっていった。
引用元:南場氏、藤田氏、熊谷氏が見てきた「渋谷」の20年--ビットバレー再興への思い語る - CNET Japan
「そこから世の中を変えるようなサービスは生まれず」
確かに何人かの金持ちは産んだ。私個人は世の中になんの雇用も生み出していないから、私と比べれば彼らは日本の雇用情勢にいい影響を与えている。それは認めなくてはならない。
ビットバレーの再興を目指す。それは結構だが、「世の中を変えるようなサービスは生まれず」の面子を集めて何をしようというのか。いつまで彼らは大きな顔をして闊歩し続けるのだろう。
2018-09-12 07:02
さて、あと20時間ほどで今月Appleが何を発表するかがわかる。
事前のスクープを見るたび思うのだ。あと数日すればこの情報にはなんの価値もなくなる。それどころか事前に知ることで金を儲ける方法も限られている。
なのに何かリークがあると私のような人間は必ず読む。これが狂信的Apple原理主義者の楽しみというものである。
3種類のiPhoneが発表されることは間違いない。おもしろいのは名前がいまだにわからないことだ。3種類程度の噂が混在しており、どれが正解か、そもそも正解があるのかないのかもわからない。
もう一つの楽しみは「では明日どの製品が発表され、どれが1ヶ月先送りされるのか」である。iPhone,AirPods2(もしあるとすれば)それと充電マットは1セットで発表だろう。Mac Bookは多分先送りで、iPadがよくわからない。今回iPadからもホームボタンが消えるということなので、iPhoneと同時だろうか。でもそうすると10月のイベントがMac Book + Mac miniだけでちょっと寂しいか。。うーん。でもそうするかもしれない。iOS+Watch OSで1イベント、Mac OSで1イベントというくくりで。
というように
20時間経てば正解がわかることを、あーでもない、こーでもないと想像するのが原理主義者の喜び。最近夜中の2時に目がさめる。そのあとまた寝るのだが、問題は明日だ。
「あれ、そろそろキーノート始まるんじゃないか」
と気が付けば私は明日1日寝不足で過ごすことになる。どれを買おうかとにやにやしながら。お金もないのに。
2018-09-11 07:08
今朝まで知らなかったのだが、デンソーの子会社が話題になっていたようだ。
先日、読み取りづらいQRコードに遭遇したため、いくつかのQRコードリーダーを試していたところ「公式」を謳うQRコードリーダーが起動時に位置情報の取得を要求してくることに気づいた。位置情報を要求してくるのは、QRコードの特許及び商標を保有している株式会社デンソーウェーブと、アララ株式会社が共同開発している「公式QRコードリーダー "Q"」。
引用元:「公式」QRコードリーダーを使うと読み取り時の位置情報がQRコード作成者に提供される | スラド Submission
つまり、デンソーウェーブの公式QRコード読み取りアプリが、ユーザに無断(外部の人からみれば)でQRコード利用者の位置情報を送信していた、という問題である。
この件に関して、セキュリティの専門家、ひろみつ先生はこう述べている。
それにしても、5年前(ドコモ地図ナビの頃)や7年前(カレログの頃)ならいざ知らず、こんなことが許されると思っちゃうデンソーウェーブって、新聞とかニュースとか全然見てないんだろうか。
引用元:Hiromitsu Takagiさんのツイート: "
2018-09-10 07:06
大阪なおみという人が全米オープンで優勝するという快挙を成し遂げた。
そもそも「日本人選手が初の全米制覇」という言葉に「誇らしさ」を感じる人は、その「誇らしさ」の意味について少し考えるべきだ。多分そうした栄光を手にした人が、自分との共通項が多いほど「誇らしさ」を感じるのではないかな。でも考えてみたら変な話だよね。
でもって
表彰式がこんな様子であったと伝えられている。
NEW YORK POSTはIt's shameful what US Open did to Naomi Osaka(全米OPが大坂なおみに対して行ったことは恥ずべきことだ)という記事を発表し、激しく糾弾している。
大坂にとってセレーナ・ウィリアムズに全米OPの舞台で勝つことは幼い頃からの夢だった。それにもかかわらず彼女は祝福されず、全米OPは彼女にスポーツマンシップに悖る仕打ちをした。
引用元:全米OPの大坂なおみへの恥ずべき仕打ち - A Successful Failure
私が驚いたのは、これが米国での出来事、ということ。例えばFootballでNotre Dameが日本から遠征してきた大学に負けたとしても"Notre Dameの圧勝を期待してきた観客”がこんな態度をとるとは思えない。Notre Dameに多少のブーイングが飛ぶかもしれないが、日本の大学の偉業を素直に讃えると思う。私が知るアメリカにおけるFootballの観客の態度はそうだ。
スポーツの見方は人によって様々であり、その趣味にあったものを選べばいいと思う。見世物がすきならばプロレスを見に行って騒げばいいし、真剣勝負がみたいならNFLをみればよい。ということは、やっぱり米国においてはテニスってプロレスの少し上、ボクシングとどっこいどっこいのところにあるのかな。セレーナが明らかに敗勢のなかで暴れまわってとられた反則にたいしてブーイングするのはまあプロレスならよくある事だしボクシングでそうなっても別に驚かない。
私にとっては「一つ勉強になった」というところか。
2018-09-06 07:02
先日不動産テックの講演会を聞きに行った。なんというか不動産業界は声の大きい人が多いなと思った。
その中で一人CTOの肩書きを持つ人がいた。メガネをかけ長髪で髭面。絵に描いたようなエンジニアである。講演内容はまるで支離滅裂だった。IOTについて述べているらしいのだが、「そんなのあたりまえだ」という話しかしない。極め付きはプレゼンの最後で、彼がいきなり発話をやめ、斜め上を凝視する。それがプレゼン終了の合図だったらしい。主催者は
「あの、終了ですか?」
と確認するまで彼は斜め上を凝視していた。
そんな彼でも、講演後には名刺交換をする人の列ができていた。CTOとはすごいものだなあと思っていた。
あんな人間にCTOが務まる会社とはどんな会社だ?と思って見てみる。サッカーの本田がキャラクターとして登場している。うーんなんだかなあ。
そう思っているうちこのニュースを知る。
会社員 名古屋市内のアパート物件を紹介される→自己資金0でOKとTATERU社員に言われる→残高23万円の通帳データを社員に渡す→社員問題無し→西京銀行の融資承認→会社員がTATERU社員に預金データの開示請求して23万円が623万円になっていることが発覚→融資は実行されず 他の融資も調査中と
引用元:満州中央銀行さんのツイート:
家にもよく電話がかかってくる「節税になり、相続税対策にもなるとってもおとくなアパート経営」である。売り込むだけではなく、預金通帳の改ざんまでしてローンを通してって。
あのCTOはいま何をしているのだろうか。今でも斜め上を凝視しているのだろうか、とふと考える。
2018-09-05 07:16
地道に少しずつあがっている成果となんの関係もなく、「なんでもAIで解決」の状況が続いてる日本である。
そうした無条件万歳記事も、「そんなことはないだろう」という冷笑する記事も平たくいえば周回遅れである。すでに実践し、その結果を冷静に分析する本が出版されているらしい。
ニューヨーク州立大学オールバニ校の政治学者ヴァージニア・ユーバンクスは、今年1月に出版された『Automating Inequality』(自動化された不平等)で、アルゴリズムを使った意思決定システムの失敗例をいくつか紹介している。なかでも胸が痛むのは、ペンシルヴェニア州アレゲニー郡の自治体が導入した、児童虐待に関する相談電話のモニタリングにデータを活用する事例だ。
(中略)
虐待のひとつにネグレクト(育児放棄)があるが、ネグレクトの危険性を示す兆候は貧困層の児童に見られる特徴と重なる部分が多い。例えば、極度の貧困で紙おむつを買えないからといって、それは育児の放棄には当たらない。しかし、アルゴリズムに判断を任せれば、そういった状況が虐待の恐れがあると見なされ、子供が公共の保護施設に入れられることが起こり得るのだ。
引用元:AIは未来を予測しない。いまを映す「鏡」である:伊藤穰一|WIRED.jp
お金がないからおむつが買えない。子供を愛して世話をする意欲は満々なのに。しかしAIにかかるとそれは「育児放棄」であり、親から子供を引き離すべき、と判断されるというわけだ。
ここ数年「AI」と呼ばれているものは、大量の学習データを利用したパターン認識システムである。つまり引用先の文章で伊藤氏が言っている通りそれは「現状の鏡」でしかない。それは確かに役立つ。正解集合が時間的に安定している場合に限ってだが。そうしたパターン認識がうまく動くためには滅多に言及されない暗黙の前提が必要となる。つまり
「学習データと現在とで”正解”の定義が変化しないこと」
が絶対に必要なのだ。そして過去幾多の人が喝破した通り「世界は変化し続ける」
更に言えば、前掲の例で示された通り「それは本当に問題の解決になっているのか」は人間が常に考えなければならない。こうしたパターンが抽出された、は誠に結構だがそれが何を意味しているか考えなければならない。
便利で強力なツールであることは確かなのだから、いい加減「うまくいかない例。失敗例」の報道がもっとあってもいいと思うのだけどね。
2018-09-04 07:07
面白い文章があった。同意できるところとそうでないところを交えつつ紹介したい。
筆者が編集長を務める、企業のイノベーション・チーム向けオンライン情報サービス『イノベーション・リーダー』では、2018年前半、大企業に多く見られるイノベーション阻害要因に関するアンケート調査を実施した
引用元:大企業のイノベーションを阻む5つの要因 | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
この後アンケート結果とそレに対する考察が続く。私が考えるところではここであげられている「イノベーションを阻む要素」はお互いに関連しあっており、独立事象ではない。だから個々について考察することは意味がない。しかし次の文章を読んでみよう。
大企業の文化は往々にして、オペレーショナル・エクセレンスと安定成長を基盤に成り立っている。そうした組織において、変革が大歓迎されることは、ほぼない。
引用元:大企業のイノベーションを阻む5つの要因 | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
これは滅多に強調されることはないが、重要な事実である。端的に言えば
「世の中には新しいことを絶対にやらない、ことで商売している企業がたくさんある」
のである。三菱重工はその筆頭だろう。三菱重工は動きが鈍い。価格も高い。態度も横柄だ。なのになぜ仕事を頼まれるかと言えば
「硬い仕事をする」
から。つまり誰も三菱に画期的な新製品なんか期待していないのである。そしてそういう企業は三菱だけではない。多分世の中の仕事の9割はそういうものではないか。ほとんどの場合誰も変革なんか望んでいないのだ。
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さてこの調査はアメリカで行われたようだ。というわけで思わず微笑まざるをえない以下の文章を読もう。
航空宇宙産業やテクノロジー関連の大企業にとって、予算の枠がイノベーションを阻む要因にはならない。これらの業界では、過去数十年をかけて社内に構築した強固な研究開発体制があり、会社を優位に立たせる新規事業のアイデア創出が常に奨励されているからだ。
引用元:大企業のイノベーションを阻む5つの要因 | HBR.ORG翻訳マネジメント記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
テクノロジーについては同意するが、航空宇宙産業の前には「アメリカの」をつけるべき。日本の航空宇宙産業が「会社を優位に立たせる新規事業のアイディア創出を奨励する」とか冗談としか思えない。日本の航空宇宙産業で競争相手より優位に立とうと思えば
「防衛省の天下りを優遇する」
「防衛省担当部署専門の対策チームを置く」
とかそんなのばっかりだから。
私がその昔「航空宇宙産業で働きたい」といったら、アメリカかカナダ帰りの従兄弟が「飛行機作りたいならボーイングがいいと思うよ」と言った。私はその言葉を「そうだねえ。できたらいいねえ」と一笑に付したが、いまになってわかる。彼はとても正しかった。私はとんでもないアホだった。
先日新潟大学開発のドローン駆動用のガスタービン発電機の展示を見た。話を聞けば、イスラエルから「軍事用に使いたい」と打診があったとのこと。三菱重工がそんなことをやるとは想像すらできない。しかしあれだよ。航空宇宙産業がそうした「官の対応競争」をしているのはいいことだと思う。日本が戦争をしない国であることの証明だから。
2018-09-04 07:07
今やスマホを持っている人はたくさんいるのだから、これを導入すれば良い。
スマホ注文とは、この1年ほどで飲食店に普及をし始めた新しい利用スタイル。一般の食堂、レストランの場合、中に入り、スタッフの指示に従い、席に座る。ここまでは同じだ。テーブルにQRコードが貼り付けてあったり、テーブルに置かれたスタンド型ディスプレイにQRコードが印刷されているので、これをスマホで読み取る。すると、その店のメニューが表示されるので、タップして注文をするというもの。注文をすると、そのままスマホ決済「アリペイ」または「WeChatペイ」で決済もされる。
引用元:中国で急速に浸透する飲食店の「スマホ注文」 - 中華IT最新事情
日本でもタブレットで注文を取る店はあるが、もう客が持っているスマホでいいではないか。それこそ店に行く前に注文しておき、席についたらいきなりビールで乾杯だってできるかもしれない。注文を通し忘れることもないし、いつになったら注文取りに来てくれるんだといらいらすることもない。
でもって
これを日本に導入しようとするとまず決済のところがひっかかる。スマホで汎用的に使える決済がない。でもQRコードでメニュー画面に飛ばして各自のスマホで注文まではできると思うのだけどね。
問題はいたずらの防止か。隣の席の注文を勝手に増やすとか。そこだけなんとかクリアすれば外食産業の労働環境改善に役立つと思うのだけどね。日本でやろうとすると、何か他の問題があるのだろうか。