Welcome to USA

2017-08-31 07:14

これはいつものアメリカの「災害時の風景」

市民の生活を脅かしているものは洪水だけではない。混乱の極地にあるヒューストンでは、警察になりすました人々による略奪や武装強盗が多発しているという。


ヒューストン警察は「不要不急の車の運転、またいかなる公共の場所に出かけることも禁じます。現在、銃で武装した強盗の被害が多数報告されています。善良な市民を危険から遠ざけ、犯人の追跡に注力するため、一時捜索および救出活動を休止します」と発表。事態は深刻を極めているようだ。

引用元:ハリケーン被害甚大のヒューストンに夜間外出禁止令――強盗が多発 - エキサイトニュース(1/2)

何度か書いたが、自然災害が起こるとアメリカの場合警察やら軍隊が動員される。理由は災害救助ではなく治安維持。もちろん日本の被災地にもこうした憎むべき悪党どもは存在する。しかし彼の国はスケールが違う。捜索、救出活動を中止してまでも治安維持を優先させなければならないのだ。

でもってこれは「昨今特有のアメリカの風景」

問題は、2人が被災地に向かう飛行機に乗り込むために報道陣の前に姿を現したときから始まった。そう、メラニアの足元がどうもおかしい。隣のトランプはいつもの赤ネクタイを封印。被災地訪問にふさわしい、黒のフード付きレインコート、茶色のブーツという地味な出で立ちなのに、メラニアはこの日、ピンヒールできめていた。

メディアは一斉に、このメラニアの「ピンヒール問題」を報じた。AFPは、ライターのマリア・デルルッソのツイートを引用し、メラニアのスタイルを「洪水パトロール・バービー」と揶揄した。

引用元:ハリケーン被災地にピンヒールで向かったメラニア | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

まあしょうがないよね。頭の狂った人間を「合衆国大統領」に選んじゃったんだから。狂った人間の家族がまともな人間だと期待するほうが間違ってるよね。稲田もヒールを履き、潜水艦の視察にいって非難されたらしいがやはり米国はケタが違う。


愚かな人間が組織でできること

2017-08-30 07:10

最近は世の中が落ち着いてきたから、聞かないが昔はよくこういう話を聞いた。

The NYPD has to scrap the 36,000 smartphones it gave cops over the past two years because they’re already obsolete and can’t be upgraded,

引用元:NYPD needs to replace 36K useless smartphones | New York Post

ニューヨーク警察が、愚かにも2年前に「全警官にWindows Phoneを配布する」ことを決定したのだそうな。でもってMicrosoftが先日アナウンスした「Windows Phoneサポート中止の決定」に伴い全部ゴミ箱行きになった、と。

こういう狂った決断をしたのがこの人

Law enforcement sources blamed the boondoggle on NYPD Deputy Commissioner for Information Technology Jessica Tisch, with one saying, “She drove the whole process.”

引用元:NYPD needs to replace 36K useless smartphones | New York Post

リンク先の写真を見てもらえばわかるが、確かに「あまりこの人とは関わりたくない」といった顔をしている。

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私が三菱重工に勤めていた頃、同じくらいバカなひとがいてNECが「これはEngineering Work Stationです!」といって売れ残りのACOSというゴミのような巨大パーソナルコンピュータを大量に売りつけた。これはWindowsですらなかった(フェアに書けば、当時Windowsは1.0とかのひどい状態だったのだが)そして大きな組織は、絶対に自分の過ちを認めることはしない。それが役にたたなければ

「現場の努力が足りない」

ということにされる。NYPDと違うのは、そうしたプロセスは全て会社の中に秘匿され、世間の笑い者になることがなかった点か。このお姉さんも三菱重工の中でこういうことやれば、誰にもバカにされなかったのにね。NECはMicrosoftとはちがい日本企業だから「先進IDEAシステム」まで三菱重工に売り込んだ。それは速やかにゴミになったが現場の苦闘は何年にも渡って続いた。

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とはいえこういう決定がされる背景もなんとなく想像できる。NYPDはMicrosoft製のビデオ監視システムを導入していた。だから「親和性がよい」(これが曲者なのだが)とかあるいは間違いなくMicrosoftはとんでもない値引きを提案したのだろう。頭の悪い人がそういう餌に騙されるのは理解できる。

表にでないだけで、こういう「頭の悪い狂った決断」は世の中のいたるところに存在するんだろうな、とぼんやり想像する。人ごとのように。



Moron

2017-08-29 07:14

ミサイルが飛んだり気が滅入ることが多いこの頃。何か明るい話題はないかと探して見たが見当たらない。というわけで本日は短く。

この度、当社が著作権侵害による削除申請を行った件に関しまして、ご説明申し上げます。
一部ブログ記事で利用されていた画像に関しまして、有識者に意見をいただきながら社内で協議した結果、
当社が著作権を有する画像の無断使用はやめていただきたいとの判断に至りました。
当社からGoogle、Twitterに著作権侵害による削除申請を行った次第です。
多くの皆さまに、ご迷惑とご不安をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます。

引用元:Wantedly, Inc. (ウォンテッドリー株式会社) | 当社が行った著作権侵害による削除申請につきまして

株式の上場を控えた大事な時期に、自分たちのIPOに少し批判的な記事がでた。反論のコメントでも出せばいいものを、その記事や、それに言及したTweetをかたっぱしから

「著作権侵害だから、検索結果から削除しろ」

と申請を出しまくったのだ。「愚か」という以外に言葉がない。行為も愚かならば、

「そうやって隠そうとするとますます話題になる」

ことすら理解できていない。これが三菱重工がやることなら驚かないが、Wantedlyはインターネットで飯を食べている企業だ。

Wantedlyについては何度か言及してきた。

お客様に迷惑をかけてもチャットボット

空虚なスローガンの振り回し

この会社のCTOは昔の知り合いである。学会などで何度かお話しし、六本木にランチを食べに言ったことがある。だから「あの人が変なところで働くことはないだろう」と自分に言い聞かせていた。

変なところかどうかはわからない。しかし気の毒なほど愚かな会社で働いているようだ。今回の株式公開がどのような結果になるかわからない。

(昔)お、なんか上がってる ⇒ 公式HP更新チェック&ニュースチェック

(今)お、なんか上がっとる ⇒ twitterで誰か呟いてるか検索

もう今の相場、頭おかしいわ
材料とかホント何も無いんだぜ…(´・ω・`)

引用元:ざら速(ザラ場速報)さんのツイート

冗談ではなく、本当に「雰囲気で株をやっている」のが現実のようだ。だから社長が若い女性というだけで、良い値段がつくだろう。私の友達も億万長者になれる。よかったね。

というわけで、Wantedlyは私の中では終わった話となる。今後は何かとってもいいことがない限り言及しない。R.I.P.


Sherlockの第一話と最終話に関するある仮説

2017-08-28 07:11

というわけで、今日書くことはNHKで放映していたBBC制作のSherlockに関するある仮説である。ネタバレをたくさん含んでいるので、「未見だけどこれから見るかもなあ」という人は読まないでね。


シーズン1、第一話「ピンク色の研究」において犯人は全く同じに見えるボトルを二つだし「一つには無害の薬が、もう一つには毒薬が入っている。好きな方を選んでください。残りを私が同時に飲みます」という勝負を仕掛ける。

犯人はこの方法で、すでに四人「殺して」いる。(形の上では自殺だが)だから偶然ではありえない、と犯人は主張する。ではどうやったのか?シャーロックは一つ瓶を選ぶのだが、それは正しい選択だったのか否か?それは最後までわからない。

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さて話は最終話に飛ぶ。East Windという名前の人物は会話によって他人の行動を操ることに長けている。5歳の頃からそれができた、というセリフがある。その能力の恐ろしさは最終話を見た人には説明の必要がないと思うし、最終話を見ずに彼女の恐ろしさを説明することはできない。

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昨日第一話の謎についてどういう意見があるのだろう、と検索していてふと思いついた。East Windは人づてに(誰経由かは書かないよ)1話の犯人に

「自分が狙った瓶を取らせる方法。あるいは無害な瓶を選んだとしても、そのあと決心を変更させる方法」

だけを伝授したのではないか?East Windにとってそんなことは朝飯前。そしてその能力の一部だけを伝えることにより、Serial KillerをSherlockの元に送り届けたのではないか。そう考えれば筋が通る。

というわけで、おそらくSherlockがどちらの瓶を選んだかは問題ではなかったのだと思う。犯人の意図は「どちらを取っても、最終的に自分が狙った薬を飲ませる」ことにあったのだ、と。そしてEast Windにとってみればそれはほんの「遠まわしの挨拶」だったに過ぎない。

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全話をとおしてなんども笑わせられたり、驚かされたり、しんみりしたり、「もう見たくない」という気持ちにさせられた。その面白さには脱帽する。

それとともに

日本にこんな面白いドラマがあるのだろうか?とふと考える。あまちゃんおもしろかったし、真田丸も良かった。しかしSherlockのように視聴者を先の見えないジェットコースータにくくりつけるようなドラマは存在するのだろうか?

ひょっとしてだが、IT企業の実力において、日米で顎が外れるほどの差異が生じているように、「面白いドラマを作る」ことに関しても日英(おそらく米でも)でとんでもない差異が生じているのではないか?英語の勉強にこれほどいいものはないと長年信じている私にとっては、海外ドラマがどんどん普及して日本のドラマを隅っこにおいやってくれても全く問題ないのだけどね。



次の合衆国大統領

2017-08-25 07:14

私はまだトランプが再選される可能性があるとみている。だって投票した人の支持ゆらいでないもん。

それでも熱狂的な支持基盤は揺らいでおらず、大統領選でトランプに投票した人の80%は就任後の実績を高く評価している。

引用元:白人至上主義の扱いめぐり共和党もじわり「トランプ離れ」 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

「評価」ではなく「高く評価」しかも8割。ということは前回トランプに投票した人は今後何が起ころうとトランプに投票する。ISにはいろうっていう人だっているくらいだから、これからトランプ支持に回る人だっているだろう。

結局それは「どれくらい有力な対抗馬がでてくるか」に依存する。前回の選挙は本当にみていて気が滅入るものだった。それくらいロクな候補者がいなかった。その中で「一番マシ」と判断され、トランプと大統領選を戦った人はこんなことを言っている。

クリントン氏はトランプ大統領と激突したテレビ討論会を振り返り、「私がステージ上でどこへ動こうが、彼はぴったりと私につきまとって凝視していた。身の毛がよだった」とトランプ氏の「戦術」を批判している。回顧録は9月12日に発売される。

 米大統領選後に敗者が勝者をこれほど口汚くののしるのは珍しく、泥仕合ぶりを思い起こさせる内容だ。

引用元:「つきまとわれ身の毛よだった」=回顧録でトランプ氏批判―クリントン氏 (時事通信) - Yahoo!ニュース

つまり同じレベルにいって殴り合っているのである。そんなふうだからトランプに負けるんだよ。次回もこんなのしかいないとなればトランプは無事再選し、世界中にとっての悪夢がまた続くことになる。

誰もが「オバマがまたやってくれないかな」と思っている。憲法の規定でそれはできない。私はトランプが核ミサイルを発射しないことをいつも祈っている。祈るしかできないからだ。


ビジョンの欠如

2017-08-24 07:22

「ビジョンを持つ」とは「何かいいことをしよう!」と叫ぶことではない。考えられる作業項目に明確なプライオリティをつけ、やることと、やらないことを明確にすることだ。信じがたいことだが、これを理解しない人の多さには驚く(このブログの内容は個人の意見であり、私が所属している団体とはなんの関係もありません)

Apple even looked into reinventing the wheel. A team within Titan investigated the possibility of using spherical wheels

引用元:Apple Scales Back Its Ambitions for a Self-Driving Car - NYTimes.com

Appleの自動車プロジェクトが一時頓挫したことは知られている。この記事が正しいとしてだが、それは「革新性の欠如」によるものではない。「ビジョンの欠如」によるものだ。プロジェクトTitanでは、何から何まで革新しようとしたと書かれている。車輪を平たいものから、球形のものに置き換えることまで検討したという。

こういう「新しいものをなんでも取り入れるプロジェクト」の末路は決まっている。崩壊だ。私のような古参のApple原理主義者ならば、CoplandというMacintoshのOS開発時にこういうセリフを聞いたことがあるだろう。「Coplandは新しいものをなんでもいれるゆりかごのようなものです」そしてそのOSは世にでることはなかった。

このプロジェクトに責任を持っていたのが誰か知らないが、この単純な原理を知らなかったのには驚く。全く新しい「上物」を試すのならば「土台」は実績があり、ちょっと古いけど信頼できるものにしなければならない。そうしないと爪先立ちで上物を作っている時に、その立っている土台が揺らいでしまう。Appleも過去にNewtonで痛い目に遭っているはずだが。

というわけで、Bob Mansfileldを引退生活から呼び戻し、自動運転にフォーカスさせることにしたのは正しい決断だった。というか最初からそのように「ビジョンを持った人間」をプロジェクト責任者にしろよ、と思うがそういう人はAppleでさえも滅多に見つけることができないだろうな。

My understanding is that it’s more like “Let’s get the autonomous shit down first, and worry about designing vehicles to put it in after that.” Eat the steak one bite at a time rather than all at once.

引用元:Daring Fireball: Some Comments Regarding The New York Times’s Report on Apple’s Titan Project

Appleは自動運転技術に対して投資を続けている。ということは車を作ることを完全に諦めたわけではない。Appleが自動運転技術を他社にライセンスするというのは考えがたい。となるといつの日かTitanはまた「四つの車輪をもった電気自動車」として復活し、世の中にでるかもしれない。そのころ「自動車業界」はどんな形になっているのだろう。

メルケル首相はドイツの週刊誌の最新号で、ガソリン車やディーゼル車の販売終了期限の設定について、「まだ具体的な年月を定めることはできない。だが電気自動車の充電インフラや技術に迅速に投資すれば、全面的な転換は構造的に可能だ」と指摘した。

引用元:CNN.co.jp : メルケル独首相、ガソリン・ディーゼル車の販売禁止を示唆

ドイツの首相がこんなことを言い出した。安倍くんも何か言ってみてはどうかな?自動車業界から強烈な反発を喰らうけど、ここで何もしない、というのは間違った態度のように思うよ。


感動をありがとう!

2017-08-23 07:28

多分そういう文脈でこのニュースを語る人間もいたのではないかな。

 仙台育英の逆転サヨナラ劇が、地元楽天の試合を止めた。

 仙台育英が9回裏に逆転サヨナラ勝ちを収めた瞬間、Koboパーク宮城のスタンド全体がざわつき、石山球審がタイムを宣告。場内が静まり返るまでの約10秒間、試合を止めた。

引用元:仙台育英の逆転サヨナラ影響? 楽天の試合止まる - 野球 : 日刊スポーツ

でもってその試合でどうやって劇的なサヨナラ勝ちがなされたか。

7回に足を蹴ってしまった後、9回二死から大阪桐蔭の一塁手の足がベースを踏んでいなかったことで試合終了とならず、直後に仙台育英がサヨナラ勝ちを決めた。

引用元:痛いニュース(ノ∀`) : 大炎上中のネットに仙台育英の選手が反論 「足蹴りくらい高校野球ではありえること」 - ライブドアブログ

おそらく昔なら、NHKがビデオを封印すればそれで「ちょっと走塁の際によろけたようにも見えたが」で済んだ話だったと思う。しかし今は繰り返し繰り返し誰もがみられる形で再生される。誰がみてもこれは「勝利を得るための懸命なプレー」である。

さすがにこの本人は発言していないようだが、こうした弁護の声がある。

仙台育英のムードメーカーで佐藤世那投手(現オリックス)の弟・佐藤令央(3年)は「いろいろ騒ぎになってるらしいですけど、渡部も一生懸命にプレーした上でああなったわけで、別にわざとやったわけではないんで。いろいろ書きたがる人はいるかもしれないけど、高校野球ではこういうことはあり得ることなので渡部を責めることはおかしい。」という。

引用元:痛いニュース(ノ∀`) : 大炎上中のネットに仙台育英の選手が反論 「足蹴りくらい高校野球ではありえること」 - ライブドアブログ

これはとても正直な意見だ。「あれくらいのプレーは当たり前だ」。少年野球兵にとっては試合とは殺し合いなのだ。

全国大会にでるようなスポーツ選手には相当の割合でロクでもない人間が含まれていることは、誰でも知っている。だから「あれくらいで非難されるのはおかしい」ということ。それはもっともなのだが、それを美談にしたて「感動をありがとう」とか寝言をいうのは詐欺ではなかろうか。かつて日本軍の戦争を美化し、聖戦だの軍神、とか言っていた。その実態がどのようなものだったかは今の我々はよく知っている。戦争が避けられないものならば、せめて現実を正直に報道すべき。しかしこの高校野球という戦場において我々はまた太平洋戦争との時と同じ間違いを繰り返している。

前にも書いたが、この悪習を断つ唯一の方法は、メディアが異常な取り上げ方をやめることにある。スポーツ新聞は部数を稼がなければならないからしかたがないとして、NHKは遠い昔、地元だけで試合を放映していた頃に戻すべき。あるいは国体と同じ扱いにすべきだ。それで多くの少年野球兵は仕事を失い、あるものは勉学にあるものは勤労に勤しみ、そしてあるものは野球を続けることとなる。それでいいではないか。



自動車産業の将来

2017-08-22 07:05

ゴーンくんはなかなか優秀な経営者だが、不幸にして自動車産業の未来に関して私と意見が合わないようだ。というわけで、彼のコメントを引用しよう。

AppleやGoogleのような企業が自動車の生産に関心を持っていないという客観的な理由は、彼らは自動車の生産で得られるよりも多くのお金をIT産業で得ているからです。わざわざ見返りの少ない分野に投資するというのは、あり得ないのです。
通常は逆でしょう。つまり自動車メーカーがIT産業に参入するべきです。しかしIT企業が自動車メーカーになるのはあり得ません。まずこれが第1です。

引用元:カルロス・ゴーン「今後、自動車産業は2つのマーケットに分かれる」自動運転で変わる未来を語る - ログミー

「普通に」考えれば彼のいうことは正しい。しかしたとえばスマートフォンも全く利益をうまないビジネスになっている。サムソンとAppleを除いては。そのことに留意する必要がある。つまり今もうかっていないからといて未来永劫儲からない、と判断するのは間違っている。

次に「自動車メーカーがIT産業に参入するべき」とかいっているが、彼らはそうした試みを10年以上にわたって続けている。そして何も成果をあげていない。Toyotaが出したG-Bookという情報端末について何か知っている人はいるだろうか?そういえば日産もカーウィングスとかだしてましたねえ。誰か知っている人います?

これは、IT企業にとって非常にワクワクするものになるでしょう。彼らが自動車メーカーになるという意味でなく、自動車メーカーとともにこの変革に加わることになります。

引用元:カルロス・ゴーン「今後、自動車産業は2つのマーケットに分かれる」自動運転で変わる未来を語る - ログミー

彼は非常に微妙な表現で「ともに変革に加わる」と言っている。ここに欺瞞がある。ビジネスでは仕切る企業は一つ。連合とか同盟とかは生まれた瞬間に失敗が運命付けられている。おそらくゴーン君もそれは認識しているだろう。

そして彼は「自動車メーカーが、IT企業をベンダーとして取り込む」ことを考えているに違いない。偉大な自動車企業が、君たちを車のIT化というワクワクするプロジェクトに「参画させてあげるよ」と思っているのだろう。

私の予想では起こることは逆である。理由は簡単。ユーザは何に対して金を払うのか?と問えばよい。ユーザはAppleやGoogleがもたらす体験に金を払う。エンジンとかハンドルがついたシャーシは「安くて事故を起こさず、壊れなくて、iPhoneに電源を供給してくれればばよい」ものになる。今なぜ自動車産業がもうからないものになっているかといえば、ユーザが金を払わないから。つまり「日産の車だから、少し高くても買おう」という人がいなくなっているから。そうした「安値の叩き合い」を回避して利益をあげているのがIT企業である。

つまり自動車産業はIT企業に買い叩かれる「下請け」になる、というのが私の予想だ。ゴーン君にとっては悪夢かもしれないが、私にとってこれはワクワクする未来図なのだけどね。


大きな会社で偉くなる人

2017-08-21 07:24

大きな会社で偉くなる人は、顔も赤らめずにこういうことが言えなければならない、という見本である。

なぜ情報が経営トップまで上がってこなかったのでしょうか。

益子:事を荒立てたくない。今やっていることを否定したくない。事なかれ主義。こうした考え方を生んでいたのが、MMCの中で長い時間をかけて形成されてきた「たこつぼ文化」だったのではないかと思います。若い時から「上司には『できない』ではなく『答え』を持ってこい」と教育されてきたと聞いています。

 このこと自体は全面否定できません。部下が常に「できない」と言っていたら、何も進歩しませんから。ただ、「工夫して答えを探してみなさい」は分かるけど、「できないとは絶対に言うな」になってしまうのが良くなかった。

引用元:三菱自動車・益子CEO、「燃費不正事件」を語る (2ページ目):日経ビジネスオンライン

この益子という人は、三菱商事から横滑りで入ってきた人である。したがって「長年にわたる三菱自動車の文化が問題だった」といえば自分の責任を回避することができる。しかし三菱自動車の第3者委員会の報告書にはこういう指摘がある。

経営陣は、会議の場で、専ら事業性の観点から競合車に勝つためのトップクラ スの燃費達成を求めるばかりであったと認められ、技術的観点からの実現可能性について 積極的に議論に参加したといえるような形跡は見当たらない。
結局、経営陣は、MMC の骨格である開発業務について、その開発の実情や実力を十分に把握していたとはいい難く、開発の現場にほぼ任せきりにしていたといわざるをえない。

(中略)

MMC が起こした問題は、MMC が、会社として起こした問題であり、その責任を、すべての経営 陣と役職員が自分の問題として受け止めるべきである。

引用元:第3者委員会報告書要約版

こうした指摘に関して、日経の記者は書いていないし、当然CEOから言及することもない。つまり

「できないとは言わず、答えをもってこい」

という東芝にも通じるような姿勢は三菱自動車の経営陣にあっても同様だったと考えられる。その点についてはなんの言及も反省もない。

「MMCは確かに悪かったかもしれないが、私は何も悪くありません。むしろ被害者ですから」

という姿勢が明確に伺える。偉い人はこうじゃなくちゃ。

というわけで、多分三菱自動車の内部は何も変わってないんだろうな、と推測する。古い知り合いがMMC務めているらしいのだが、人づてに聞いたところによると

「海外でもうかってるから、国内のトラブルなんかなんでもない」

と言っているんだそうな。多分みんなそう考えているんだろう。そもそもCEOも全く反省していないし。というわけで

今回の問題で、財政的な問題では見えなかった内なる問題点が浮き彫りにされました。その部分を今、相当の力を入れて改革しています。

引用元:三菱自動車・益子CEO、「燃費不正事件」を語る (2ページ目):日経ビジネスオンライン

ぜひこの「相当の力を入れて改革している」の中身を聞いて欲しかったところだ。前のリコール隠しでは現場が疲弊するほどコンプライアンス研修をやらせたがなんの意味もなかったと聞く。おそらくいまやっている「改革」も「こういう無駄なことをやってはいけません」という貴重な例として世の中の役にたつのではないかな。


サラリーマンの歌

2017-08-18 07:18

何かと話題の「レゴランド」であるが、先日こんな「景気のいい」ニュースが流れた。

名古屋市港区のテーマパーク「レゴランド・ジャパン」運営会社のトーベン・イェンセン社長が17日、4月の開業からの入場者が9月中に延べ100万人を超えるとの見通しを明らかにした。初年度目標の200万人が達成できる見込みという。

引用元:レゴランド「9月中に100万人突破」 社長が見通し (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

多分9月中に100万人を超えるのもホラだと思うが、そこは触れないでおこう。年度の前半で100万人はいったから年度全体では200万人というのは

「後半も前半以上のペースで客がくる」

というものすごい前提の上でのみなりたつ推論である。そりゃ口コミで「あそこはすごいよ!」という評判が広がれば別だけど、そういう場所じゃないみたいだしねえ。

この社長は英語名だが実は牟田口の子孫だとか、あるいは部下に牟田口の子孫がいるとか、どういうことかは部外者にはわからない。しかし一つだけ確実に言えることは、関係者が全員牟田口の子孫ではない、ということ。

つまり

「なわけないだろう」

と百も承知でありながら、社長の暴言を止められない。そして暴言でも妄想でも口にしてしまった以上

「必達目標」

を押し付けられた気の毒な人間がいることだけは間違いない。

サラリーマン生活が長くなると、そうした名も顔もしらない人に対して同情の念を禁じ得ない。今からできることは、さらなる「値段を下げない値引き策」の検討と(学校向けに大幅ディスカウントとか、幼稚園児はタダだとか)「夏の天候不順が客足に影響した」とかいう言い訳の整備ではないかな。そうだよ。不幸にして天候に恵まれなかったんだよ。うん。天候不順じゃしょうがないね。

とかなんとか今年度を乗り切ったとしよう。そして多分来年度は300万人とかいう目標が設定されているに違いない。サラリーマンの悲哀はまだまだ続く。


日本のテック系ベンチャー

2017-08-17 07:19

最近メアリーミーカーのレポートで知ったのだが、今や世界における「時価総額ランキング」ではトップ5がアメリカのいわゆるテック系企業なのだな。Apple,Amazon,Facebook,Alphabet,Microsoft.これは驚くべきことだ。

そして

我が国における「テック系企業」には一体なにがあるのだろう?ランキングにはかろうじてソフトバンクが顔を出すだけ。今朝我が国のテック系企業を端的に表す言葉を発見したので紹介する。

人様からカネ集めるって行為を簡単に出来る手段を提供したら「賢いと勘違いしてるアホ」が「本物のアホ」を騙して小銭巻き上げる手段に使われるのはいつものこと

引用元:大阪の人さんのツイート

この短い文章ほど、DeNA,グリー、サイバーエージェントを的確に表している言葉はない。というかなぜ我が国のテック系企業はこんなのばかりになってしまうのか。

私も年をとった。だからもう日本の

「賢いと勘違いしてるアホ」が「本物のアホ」を騙して小銭巻き上げる商売

には極力言及しないこととしたい。CTOが知り合い(とこちらは思っている)の某企業のIPOとかもう何も書きたくない。こうした企業について頭を使うのは、時間が無限にあると勘違いしている若者の特権だ。


連合とか同盟とかにロクなものはない

2017-08-16 07:09

今日の題名は、「沈黙の艦隊」のセリフである。妙に記憶に残っているし、こういうニュースを聞くたびに頭に蘇る。

テクノロジー業界の著名な企業数社がToyotaとチームを組んで、自動運転車と未来の高度な自動車技術をサポートするビッグデータシステムを開発することになった。

このたび日本の自動車大手と手を握るのは、Denso, Ericsson, Intel, そしてNTT Docomoだ。グループは今日(米国時間8/11)、Automotive Edge Computing Consortium(自動車用エッジコンピューティングのコンソーシアム)という共同事業体の立ち上げを発表した。

引用元:コネクテッドカーにおけるビッグデータ技術開発のためToyota、Intel、EricssonなどがRDコンソーシアムを立ち上げ | TechCrunch Japan

なんどもなんどもなんどもなんども同じことをやっても惑星トヨタでは罪に問われないようだ。Denso, Docomo,Toyotaとくれば、「IT関連で何もしないけど儲けられるダメな日本の大企業」筆頭ではないか。あとどこにでも顔を出すけど何の成果があるのかわからないIntelとかね。

コンソーシアムを結成すると、そこに出向させられるダメ社員がおり、たくさん会議をやってどうでもいい結論を会社に持ち帰り、ということが延々と続くのだろうな。そういう平和な茶飲み話とは別にTesla,Apple,Googleは熾烈な戦いを繰り広げる、と。いい加減この図式に何か問題がある、と誰も言えないんだろうな。トヨタ様のされることに間違いはない。


音楽という奇妙なもの

2017-08-15 07:20

あれこれの商売ネタを考え「これはこのようなメリットがあるからユーザはお金を払ってくれるはずだ」とか考える。そうした検討に疲れてふと考える

「音楽とは一体なんなのか」

音楽が産業として成り立つことがまずおかしい。だって音楽聴いても多少気分がよくなるだけではないか。ではなぜ人はそれに金を払うのか。しかもその額は半端なものではない。(AKBは音楽ではない。念のため)

もう一つ。音楽を演奏するための記号は、音符としてデータ化することができる。それは表層として正しいのだが、じゃあ音楽というのは音符なのか、と問われるとそうではない。映画アマデウスで、モーツァルトが書いた楽譜をみ、それを頭の中で音楽に変換しサリエリは敗北感とその美しさに打ちひしがれた。コンスタンツェはそれをみて無邪気に

「それだめですか?」

と言っている。つまり音符が音楽になり人間に認識されると、それはある種の感情を巻き起こすのだ。しかしなぜそうなる。おかしいじゃないか。我々は短調を聞くと悲しくなれ、とかいう教育を受けたわけではない。ではなぜそうなるのか。

さらには長い楽曲というのがどうして成立しうるのか。昨今の「人工知能」(笑)を使えば、バロック音楽をそれらしく作ることはできる。しかし長い音楽を構成をもって作ることはできない。これは文章も同じだが、ある程度の長さを構造をもったものの模倣にはまだ全く手がついていない。では人間はなぜその構造を認識できるのか。一旦聴いたフレーズは頭の中にある程度記憶として残っているようだが、そこらへんもさっぱりわからない。

そう考えると

「音楽」というものの得体の知れなさに絶望的な気持ちになる。そんなことを頭の片隅で考えているので

人間の脳の言語能力を超えて、もっと大きなかたちで人間存在を表現する何かのモデルを探し続け、多くの人がわけもわからずその一部を「人工知能」と呼んでいたが、彼にとってのそれは音楽だったのではないか? 

引用元:人工知能は「音楽」なのかもしれない:“AIの父”マーヴィン・ミンスキーが残した謎|WIRED.jp

こういう一節を読むと、なにやらヒントがあるかと一生懸命読むわけだ。しかし何が書いてあるのかさっぱりわからん。しかしあれだよね。AI(笑)が文章の構造も音楽の構造も理解できないことは間違いない。でもって音楽の方が、抽象化されているぶん、研究対象として取り組みやすいんではなかろうか。というか両者に同じ問題があるということは、言語の文法とか実は巨大なジョークということにならないだろうか。

というわけで、シンギュラリティ信奉者には、少し長さのある音楽とか文章をコンピュータに作らせて欲しいものだがそもそもシンギュラリティ信奉者にはそうしたロジカルな議論は意味を持たないのであった。


奇妙な発表

2017-08-09 07:52

我が国にはなぜ存在しているのかわからないベンチャー企業がたくさんあり、かつメディアと仲がよろしい。UPQもそうだったし、何を売っているのかさっぱりわからないが、TechCrunchに大変高く評価されているログバーもその一つである。

さて、今朝こんなニュースを見た。

ビジョンは8月8日、ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」を10日間無料で試せるレンタルを同日より開始したと発表した。

引用元:ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」を無料レンタル--宿泊施設など向けに - CNET Japan

この記事、およびそこからリンクされているサイトに飛んで何が奇妙かといえば、「ログバー」という言葉が一切でてこない。そしてログバーのサイトにも何のリリースもない。

これはどういうことなのか?成り立ちからして不明の会社だから何か私の想像も及ばないような事情があるのだと推測するが。


少年野球兵たちの戦い

2017-08-08 07:29

今年もバットとボールをもった少年兵たちが、言われるまま戦う季節がきた。戦争が終われば、少年兵は「人殺し以外何もしらない役立たず」として一生を終える。少年野球兵たちの戦争は終わらない。しかし兵隊は3年経つと強制除隊になる。多くの元少年野球兵はボールの扱い以外何もしらない人間としてそのあとの人生をすごす。

日本の高校野球は極めて特異な方向に進化し、結果、“プロ部活”のバケモノに育ってしまった。それは「スポーツ」と呼ぶには時代遅れで、「教育」と呼ぶには出鱈目だ。日本で生まれ育った“プロ部活”以外なにものでもない。しかし、100年以上をかけて醸成されたシステムは、ガチガチに組み合ってなかなか解けない。

引用元:“プロ部活”のための夏の甲子園──ますます空洞化する「教育の一環」(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

私はこのバケモノを退治することができるのはメディアだと思っている。メディアが-特にNHKが-報道をやめれば、自動的にこの化け物は死滅する。私は子供のころ甲子園を喜んで見ていた。解説者がいろいろいるなかで一人だけ「ホメホメ人間」と呼んでいた人がいた。その解説者はとにかくホメるのであった。アマチュア野球なんだから、貶すより褒めたほうが聞いている方も気分がよろしい。

ある夏の決勝戦、そのホメホメ人間が解説をした。試合後に

「気をつけないと、甲子園がこんな風に変わってしまった、ということにもなりかねない」

と言った。私は子供心に意外に思った。あのホメホメ人間がこうした厳しい言葉を吐くとは。

それから40年。彼の懸念は正しかった。その昔地元の高校の1回戦とか2回戦は地元だけで放映された。それがいつのまにか教育と総合を跨いで朝から晩まで放映するようになった。自分たちの高校の名前を天下のNHKが連呼してくれる!私が高校を授業として運営する立場なら間違いなく「甲子園を目指せ」と命令する。事業の面からは誰もその判断に文句はつけられない。

DeNAとかソフトバンクとか楽天とかも、社名をニュースのたびに連呼してもらえる。彼らの野球に対する投資は見事に身を結んだ。プロはそれでいいが、少年兵を戦争に駆り出す行為は許容されるのだろうか?


ハードウェア+ソフトウェア

2017-08-07 07:16

多くの人が「当然」と受け止めているのが驚きだが、近年急速にドローンなるものが発達した影には多くの技術的革新があった。バッテリ+モーターの効率改善もさることながら、安定して飛行させる制御ソフトウェアの発展なしに今日のドローンは存在しなかったはずだ。つまりハードウェア+ソフトウェアの革新が起こったということ。

ドローンを使ったビジネスを考えるのは、まあ他の人にまかせて私としてはまだまだ革新の余地があるように思う。

わずか2つのモーターと羽根で、通常のクアッドコプターと同レベルの安定性を実現したドローンが「DuoCopter」です。構成部品が少なくなると、全体の重量は軽く、電気消費量も少なくなり、より効率的な飛行が可能になるだけでなく、1台あたりのドローンの開発コストも削減できるなど、さまざまな利点を生み出しています。

引用元:縦長で上下に羽根が1枚ずつしかないドローン「DuoCopter」の画期的な点とは? - GIGAZINE

これをみて、子供のころ読んだ飛行機の本を思い出した。そもそもプロペラというのは、枚数が少ないほど効率が良い。だって他のプロペラが乱した気流の中を進むのではなく、一本だけ自由に空間を使えるから。というわけでかつて一本さけのプロペラが試みられた、と。反対側にはバランスをとるためただの重りがつけられていたのだそうな。

確かにプロペラの効率は上がったのだが、他の問題があれこれ生じて使えなかったとかなんとか。その「古く捨てられたアイディア」も現代のソフトウェア制御と組み合わさると新しい命を得る。

多分こうした「かつてはうまくいかなかったが、今ならできる」アイディアは他にもあるはずなのだ。B-2のような無尾翼機もそうかもしれない。いや、きっとまだまだ他にたくさんある。

こうしたハードウェアに基づいた「まともな」スタートアップがもっと我が国には存在するべきだと思う。「ものづくり大国」とかいう幻想にしがみつきたいなならなおさら。思いつきをすばやくサービス化するだけのスタートアップにはもううんざりしているのだ。


宗教趣味

2017-08-03 07:23

共産趣味なる言葉があるのを知ったのはだいぶ前のことである。共産主義に傾倒する気はまるでないが、そうした人たちを観察するのは興味深い。というわけで最近私は「宗教趣味」にはまっている。TEDではある人がこんなことを言っている。

私たちは聖なる宗教にたち戻り 全ての宗教に 暴力や原理主義を正当化する材料が 含まれていることに気づきました また共感や共存、優しさを 正当化する材料も 同時に含まれていました 誰かが憎しみや復讐の教えとして 経典を読む時に 私たちはその同じ経典から 愛や赦しの教えを 受け取ることも可能です

引用元:Sharon Brous: 今が宗教を取り戻す時 | TED Talk | TED.com

この人はユダヤ教の人だが、正直だなと感心する。私は旧約聖書と新約聖書の解説本と一部日本語訳を読んだだけだが、あの憎しみと妬みと差別と殺戮に満ちた文章の塊から

「ありがたい教え」

を抽出する努力には敬意を払わざるを得ない。多分彼らの努力をもってすれば、広辞苑を経典にすることなどたやすいことではなかろうか。

というわけで、ほとんどの人が経典を読むことなく、そこから各宗派が適当につまみ食いした言葉を頭から信じ込む。それゆえ喧嘩が絶えない。

「オーノー! 動物を殺して食べるなんてとんでもない。それなのに確か、ゴーリーさんは以前の座談会で、『インドの神様は日本までは見えていない』などと発言していました」
ーーそうでした!

ゴーリーさん
「はい言いました。今でも見えてないと思ってます。全然見えてない。日本の家の中ではさすがに見られてるかもしれないから肉は一切食べないけれど、家を出ちゃえば全然大丈夫。肉ばかり食べています」

引用元:インド人をココイチに連れて行ったら、スゴイことになった - Yahoo!ライフマガジン

牛でも豚でも好きなもの食えばいいと思うんだけどね。

※「ハラール(ハラル)」とはアラビア語で「合法の/許された」の意だが、ハラール(ハラル)フード認定機関には世界的な統一基準がない為、国や機関によって審査内容に差があるという問題もある。

引用元:【完全解説】ムスリム(イスラム教徒)が豚肉を食べない本当の理由! - サハラの風

お墨付き機関の意見が食い違う、とのこと。もう何がなんだかわけがわからない。仮に「統一見解」をだそうとすればまた殺し合いがおこるからやめてほしい。というか、もうこの時点で根本的に何かがおかしい、と気がつかないのが宗教というものである。観察しているぶんには面白いんだけどなあ。


テレビ電話をリリースするのは誰か

2017-08-02 07:19

ここで問いたい「テレビ電話」とは、携帯についているそれではなく専用のハードウェアを持ったものだ。

30年前、1987年なら間違いなく

「日本の家電メーカーが製品化する」

と答えただろう。20年前、1997年なら

「携帯電話のキャリア(とその背後にいる携帯電話メーカー)が製品化する」

と答えたにちがいない。実際Docomoは一時期テレビ電話に執着していた。携帯電話上の機能としてだが。

しかしそれらは皆間違っていた。

居間におくスピーカー、家の中に置かれるビデオチャット専用端末。これらはAmazon,Apple,そしてFacebookが製品化する。

Facebookはノートサイズのディスプレイを備えたビデオチャット専用ハードウェアの開発を行っているという。

引用元:Facebook、ビデオチャット・デバイス開発中――スマートスピーカーは一時棚上げか? | TechCrunch Japan

誰がこんな未来を想像しただろう。30年前、AmazonとFacebookは存在していなかった。Appleは存在していたが、「特徴はあるが、負け組のパソコンメーカー」でしかなかった。20年前AmazonとFacebookは存在していたが

「何かやっているインターネット企業」

でしかなかった。当時なら日本のDeNAやLivedoorとそう違わないように見えたかもしれない。Appleは滅亡の一歩手前にあった。

どうしてこんなことになってしまったのか。バブルの崩壊に伴う失われた20年だか30年というのは答えになっていない。問題はもっと根深い。


AIが幻想を生むわけ

2017-08-01 07:06

というわけで、2度のAIブームの勃興と衰退を目にした年寄りは「なぜAIブームは繰り返されるのか」という点について何かいう権利があると思うのだ(別に権利がなくても書くが)

一番の問題は

「AIって自分でなんでもやってくれるんでしょ」

という「誤解」ではなかろうか、と思う。これは全く違う。今AIと呼ばれているものはプログラムであり、自分では何もしない。

立田氏は「AIに限った話ではないが、ITの社内導入には3つの壁がある。順に『検討の壁』『構築の壁』『導入の壁』で、中でもAI導入で一番のポイントになるのが、最初の検討の壁だ」と強調した。

引用元:ソフトバンクもAI導入で失敗していた――「3+1の壁」を突破した今だからこそ言えること (1/2) - ITmedia エンタープライズ

この文章で一番重要なのは1行目。つまりAIと呼ばれているものは単なるIT技術なのだ。普通の「勤怠管理システム」の導入と全く変わるところはない。何をやらせるべきか人間が周到に計画し、その上で機械学習を使っているのであれば洗練された学習データを大量に揃える必要がある。

そいういうところを勝手にやってくれるのが人工知能だ、と何もしらない人はいうのかもしれない。そしてそうした幻想につけこみ金を稼ぐのはよい方法だが真実の姿からは遠いところにいる。

「営業が本当に困っていることを理解せず、実は検討の壁を乗り越えていなかったのが最大の問題だった。検討の壁が非常に大事で、極端に言えばAIでなくてもいいのではといえるくらい、本当に必要なのかを考えなければならない」と反省を踏まえて語る。

引用元:ソフトバンクもAI導入で失敗していた――「3+1の壁」を突破した今だからこそ言えること (1/2) - ITmedia エンタープライズ

しかしAIバカにつける薬はない。多分今年の夏がすぎ秋風が経つ頃にはそういうバカは綺麗にいなくなっているんじゃなかろうか。いや、来年の秋かな?自分が何を言っていたもすっかり忘れ。そして20年後にやってくる「第4次AIブーム」を待つのだ。