2019-12-27 07:17
いっそのこと「量子教」でも作ろうかと考えている。
こういうことだ。量子力学の教えるところによれば、ある物理現象に関して人間は確率を知ることはできるが、ここの現象がいつ起きるか、起きないか、といったことについては絶対知ることができない。こういう特性があるから、ウランだのラジウムだのは、長期に渡って少しずつ崩壊し続ける。
どうやら人間の疾病というものもその性質を持っている。
肺がんと喫煙、肝臓がんと肝炎ウイルス感染のように、集団においては原因を特定できる場合もあるが、それにしたって「同じようにタバコを吸っていて肺がんにならない人はたくさんいるのにいったいなぜ私が肺がんになったのか」という疑問には答えられない。個々のケースではやはり原因は特定できないのだ。病気になる確率を減らすことはできるが、病気を確実に避ける方法はない。人が病気になるのは、何か悪いことをした報いではない。強いて言えば、運が悪い。
引用元:何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ
がんにはだれもかかりたくない。しかしそれはつまるところ「確率」で発生することである。どんなに注意深く生活を送っていてもがんになる場合がある。無茶苦茶な生活を送っていても長生きし、がん以外の原因で死ぬ場合もある。
つまり我々は確率の神様が肩を叩く、という行為から逃れることはできない。最近いつも思うのだ。こうやっている間も私の頭蓋骨の中で致命的な出血につながる病変が進行しているかもしれない。それはいつ破滅的な結果を及ぼすかもしれない。しかし私はそれを知ることができない。我々は「明日も概ね今日と同じ状況が続くだろう」という思い込みに基づいて、明日のことをあれこれ悩んだりする。しかしそれは完全に無駄かもしれない。明日はこないかもしれないのだ。
だったら明日のことで悩むのも悪くはないけどほどほどにね、という中庸の考えが重要ということになる。ほれ、ちょっと宗教というか「教え」っぽくなってきたでしょ?これで一山当てることはできないか。
2019-12-24 07:29
「ゴネ得」という言葉がある。とにかく「自分たちの権利」を主張し相手に何かを要求する態度だ。GMで働いている時、彼らが労働組合対策に大きな労力を割いていることを知った。あるGM社員はこう言った。労働組合は家族みたいなもんだ。選べないし、決別できないだろう、と。
私が学生の頃まではストで電車が止まっていた。今あれをやったら何が起こるのだろう。スト権ストのとき、朝日新聞は例によって「政府が悪い」といいたげだった記憶がある。事故で列車が止まっても大騒ぎになるのに賃上げのストとかやったら、、、何が起こるんだろうね。
と今の日本では思うが、隣の国は少し事情が異なる。
最大手の現代自動車労働組合は逆の変化が訪れている。現代自労組は年俸9000万ウォン(約823万円)が定年まで保証され、納税額は韓国労働者の上位3%以内、賃金10%以内という既得権を得ながらも、増額要求のストを繰り返し、貴族労組と揶揄されている。
(中略)
外資企業がいつ撤退を表明しても不思議ではない
世界の自動車メーカーが、生き残りをかけて労使が団結するなか、韓国の自動車産業は労働組合に阻まれている。
韓国経済研究院が2019年12月16日に発表した労使紛糾による労働損失日数は、韓国が最も多く、米国の7倍、日本の173倍にのぼっている。労働争議が最も多く発生した英国を1.8倍上回るなど、労組が足かせとなっている。
引用元:韓国の自動車が危ない? | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ストをやって自分たちの権利を主張するのも結構だが、多くの自動車メーカーが外資系となっている今、「じゃあ閉鎖ね」とあっさり言われるのではなかろうか。
こうした力関係は一旦発生すると、根絶するのが難しい。あまりに平和な労働組合で、なんのために組合費をとられているかわからないのも困るけど。
2019-12-23 07:11
人工知能という言葉を拡大解釈し、なんでもできる、と宣伝していた人工知能芸人たち。彼らの夏は終わり物理的な季節と併せ冬に突入しているのだと思う。
しかしその影響は思わぬところで社会に害をもたらしている。社長が人工知能芸人の言葉に己の願望をのせ演説をし、それを社員が聞かされるくらいはまあいつもの話。しかしこれは明らかに「害」だ。
学校図書館で子どもの読書や学習を支える学校司書の配置増を求める国会決議案に、与野党で唯一、日本維新の会が「近い将来、司書の仕事は人工知能(AI)で代替可能になる」と反対し、臨時国会(9日閉会)への提出が見送られていたことが19日分かった。
引用元:維新「司書はAIで代替可能」 唯一反対、増員決議できず | 共同通信
時を前後して、新しい大学入試で記述式の導入が見送られるという。その導入を無責任に進める一助となったのもAIだった。
こうした事態に人工知能芸人達は責任を感じるか?もちろんそんなことはしない。彼らは常に逃げ道を用意しながら世間を煽り金を巻き上げていた。
私はただ彼らの無責任な言葉を記録と記憶に留めておきたいと思う。おそらく20年後くらいにまた同じことが起こる。
2019-12-20 07:26
考えてみれば組織という言葉は「悪の組織」とだいたい悪い意味の言葉とくっついて使われるな。
私はずっとサラリーマンで多分一生サラリーマンだろう。というわけで会社という組織に所属しているわけだ。でもって組織が馬鹿なことをやったときに、自分がどう処するかというのはなかなか悩ましい。一番賢明なのは「ノーコメント」だろう。不祥事を起こした会社に勤める人が通勤途中にマイクをつきつけられるとやることだ。とはいえそうした態度がいつもとれるとは限らない。
トランプ大統領と共和党の関係というのはよくわからない。日本だと党首が一番偉く、政権を担当していれば首相になる。(多くの場合)なのだがトランプはそもそも出馬時から共和党の幹部に嫌われていたと聞く。しかしいざ弾劾となると違うのだな。
米下院本会議がドナルド・トランプ大統領の弾劾決議を可決した18日、トランプ氏はミシガン州バトル・クリークでの支持者集会に登場した。
トランプ氏は、共和党の票はひとつも失わず、むしろ民主党から3票も獲得したと強調。
さらに、「共和党が今ほど団結したことはない」と述べた。
引用元:トランプ氏、弾劾決議されても「共和党は団結」と強調 - BBCニュース
一致団結して認知症患者を支援する。どうやらその道しかないらしい。ニクソンはあまりにあれこれでてくるので最終的には共和党にも見放されたが、トランプはそこには遠い状況にあるようだ。
というわけで、今後あっと驚く「国民受けする事実」がでてこない限り、上院で弾劾決は否決される。そして来年の選挙はどうなるんだろうね。私は結果に悲観的だが。
2019-12-18 07:45
私自身は広報という仕事についたことはないが、隣にいたことはあるので、その仕事ぶりはなんとなく知ったような気になっている。そしてこれは悪夢の一つだろう。
Sohn氏は、ベルリンで開催された「Tech Crunch Disrupt」カンファレンスで現地時間12月12日、「この2000ドル(約22万円)の製品を使いたいと思う人々が100万人いる」と発言していた。
引用元:サムスン、「Galaxy Fold」が100万台売れたとする幹部の発言を訂正 - CNET Japan
このニュースは私も目にしていた。そして「ふーん。結構売れたんだ」と思っていた。そしてこの発言がなされた瞬間、広報担当は頭を抱えたに違いない。なぜならこれは嘘だったからだ。
サムスンは「Galaxy Fold」の販売台数について、すでに100万台も売れた可能性があるとする幹部の発言を訂正した。サムスンの広報担当者はYonhap News Agencyに対し、サムスン電子のプレジデントを務めるYoung Sohn氏が述べた台数は当初の2019年度販売目標だった可能性があると語った。実際の販売台数はまだ100万台に達していないという。
引用元:サムスン、「Galaxy Fold」が100万台売れたとする幹部の発言を訂正 - CNET Japan
別の記事によれば、目標の50万台に到達しているかどうかもサムソンは明らかにしていない。つまり多分到達していないのだ。
まあどの会社にもこれくらいのホラをふきまくる「困った幹部」はいると思う。私が知っている男で、三菱重工で出世した人間もこれくらいは楽にいいかねない。とはいえ哀れな広報担当の気持ちを思うと胸が痛む。
実際折り畳みスマホはどうなんだろうね。典型的な「技術オタクの話題になり全く売れない製品」のように思えるのだが。
2019-12-17 07:31
第3次人工知能ブームは過ぎ去り、今や地に足がついた機械学習についての競争が起こっている、、はずだ。多分。しかしまだその名残でこんな記事もでる。
【12月14日 AFP】2020年にドイツの作曲家ルートウィヒ・ベートーベン(Ludwig van Beethoven)の生誕250年を迎えるに当たり、人工知能(AI)を使って未完の交響曲第10番を完成させるプロジェクトが進められている。
引用元:AIがベートーベンの未完の交響曲第10番を完成へ 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
しかしこの短い記事であっても、内容は示唆に富んでいる。2012年以降AIと呼ばれているものは、細かい範囲でのパターン当てはめだ。そのため長い曲を作曲させようとするとこうなる。
プロジェクトチームによると、AIが数か月前に完成させた最初の作品は機械的過ぎる上に反復が多過ぎるものだったが、最新版はそれよりは期待できそうだという。
(中略)
これまでにも、ヨハン・セバスチャン・バッハ(Johann Sebastian Bach)やグスタフ・マーラー(Gustav Mahler)、フランツ・シューベルト(Franz Schubert)の作品を基に同様の試みが行われてきたが、見事な出来栄えと言えるものではなかった。今年完成したシューベルトの交響曲第8番については、複数の批評家がシューベルト作品というよりむしろ米映画のサウンドトラックみたいだと評していた。
引用元:AIがベートーベンの未完の交響曲第10番を完成へ 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
今の機械学習では、大きな構造を理解することができない。それゆえ何度も同じパターンを繰り返す。あるいは映画音楽を学習させたのなら、そのようになる。
もっとも的確な批判はこのブックマークコメント。
そもそもベートーベンの交響曲1-8から交響曲9番が作れるのかな?合唱を入れようぜ的発想に至れるんかね?
引用元:[B! 人工知能] AIがベートーベンの未完の交響曲第10番を完成へ 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News
1−8を学習させて、9番を作れば「1−8をなんとなく混ぜたようなもの」ができるのがセキノヤマである。こういう試みをやるのは意義があるかもしれないが、真面目に受け取るのは勉強不足であり、人間の創造性というものをなめているとしか思えない。
ブルックスのエッセイを読んでいておもしろい表現にであった。イルカが作る人工知能という表現。イルカが、「ここまでできれば知能の再現ができるじゃね?」と思ってあれこれ努力するというもの。人間からみればそれはあまりに無知で無謀な試みとしか思えない。
しかし今人間がやろうとしていることが、それと同列でないと誰がいえよう。そもそも知能がなんであり、そこにたどり着くまでどれだけの道のりがあるか誰にもわかっていないのだ。しかしそれについて書くと金がもらえるというのはどういう構造なのだろうね。そうした問題について真面目に書いた(つもり)の私の本でも千円にはなったか。
2019-12-12 07:29
企業というのは国のようなものだ。その中には独自の文化があり、言語があり、習慣がある。国から一歩も出たことがない人にとっては国の文化が全てであり、正しい。もちろんTVや小説でよその世界のことを見聞きはするのだが、それは他人事だと思っている。
それゆえ時々こんなことがおこる。
今日はかなりヤバイ。大戸屋の密着。社長は現場のバイト上がり。発言も「本気なの?目が死んでるけど」から始まり
店長もバイトに「はぁー。。遊びじゃないんだから」とか平気で言ってるし、「残業代減ったら生活出来ない」とか典型的に末期な状況。密着されてメリットあるの??
#ガイアの夜明け
引用元:1roomさんはTwitterを使っています
大戸屋というレストランチェーンに密着取材した結果が放映されたのだそうな。密着取材というからには会社の全面バックアップがあったに違いない。おそらく彼らと彼女たちは
「自分たちの真の姿が放映されれば、皆感動してくれるに違いない」
と思ったのだろう。実際公式twitterアカウントはこう言っていた。
あ~!放送直前の今、とってもドキドキしています
ぜひご覧ください。
引用元:大戸屋ごはん処さんはTwitterを使っています
この騒動をみていて思った。こういうことは本当にたくさんこの世界に存在するに違いない。小さな世界の裸の王様たちは、自分が服を着ていないことに気がつかない。パレードは国内だけにしておけばいいのに。
「業務効率が上がったことは評価する。だがしかし、」
「受注データをいただくのにコンピュータに任せきりというのはどうか」
「早朝に来て、陽の光を浴びて感謝しながら作業をすることに意味がある」
「お前は(雑誌名)や(冊子名)で何を学んでいたんだ」
その数日後に私は社長に呼び出され「会社をやめてくれないか」といわれることになるのです。
引用元:業務ハックしてクビにならないために|ふらふら|note
これは簡単な自動化を職場に導入することで、画期的な業務効率化を達成した人に、小さな国の王様が投げかけた言葉である。
完全に気が狂っているとしか思えないが、これくらいの言葉はざらに存在する。小さな国の中の話だからどうでもいいのだ。
こういうメンタリティをもった社長が、ガイアの夜明けに「密着取材、どんどんやってください!」と真顔で語ったりするのだろうな。
2019-12-11 07:44
私はデザイン思考とかそういうものを毛嫌いしている。しかしその理由については自分でもよくわかっていない。とはいえ最近自ら体験することでいくつかわかってきたことはある。
ペルソナとかカスタマージャーニーとかいうものがある。あれは正に
「もっと早い馬」
を作るための方法だ。馬に乗っているユーザをいくら綿密に分析したところで自動車がでてくるわけがない。むしろ
「自動車なんて、信頼性がないし、手間がかかるし、人間中心じゃない!」
と罵倒するのが正しい反応。
とはいえ
「もっと早い馬車」「もっと手間がかからない馬車」を作ることはできると思う。あと関係者がとりあえず合意することも達成できる。そしてほとんどの企業はそれしか求めていない。
つまり
イノベーションと一口に言っているものには種類がある。持続的イノベーションと破壊的イノベーションとかまあいろいろ言い方はあるが。それを十把一絡げにするのが間違っている。
じゃあ
平和な前進ではないものはなんと呼ばれるか、Ground BreakingとかRule changerとか呼ばれるものだ。それはどうやって生み出されるのか。その方法論はなんなのか。多分世の中にはそういう点を解いている人もいるのだろうけど、私はまだ知らない。
とはいえ
いくつかの性質があることは言えると思う。現状をいくら分析してもそれは生まれない。現状からいくら線を伸ばしてもそれは生まれない。そういう時に頼りになるのは、非定量的で情緒的な要素を含むリベラルアーツ、ではなかろうか。この最後のところが論理が飛躍しており、そこをなんとか埋める、というのが最近の課題である。でも大枠これが正しいと思うのだよね。
2019-12-10 07:35
先日アイディア出し会に参加した。そこで子供を持つ母親たちが「最近近所で不審者がたくさんでて。今は子供だけでは外出できない時代なのよ!」と力説していた。
そうした恐ろしいことは事実である。問題はじゃああなたや私が子供だった時代はそんなに平和だったのか、ということだ。こうした問題は定量評価が難しい。しかし私が子供の頃は「子供の身代金目当ての誘拐」が起こっていた。ここしばらくは聞かない。おそらく犯罪の件数は減っているのだが、それを通報する手段が発達したのではなかろうか。
その結果は「今は昔より治安が悪化している」という固い信念である。これには何を言っても無駄だ。例えばこの人。
再犯宣言とか怖すぎて。
模範囚なら…以下略、
みんな体鍛えて空手や護身術を身につけるべき世の中になってゆくのかな
引用元:羽生 理恵🐰🐰さんはTwitterを使っています
新幹線で恐ろしい犯罪を起こした人間が再犯を宣言している。それは確かに恐ろしいことだ。しかし彼が次に人を殺すにしても20年以上先である。(多分)それは確かに恐ろしく危険だ。
しかし私が理解できないのはこの人は平気で車を運転していること。自動車事故では毎年4000人弱の人が死んでいる。そうした行為に加担することは平気だが、一人の再犯宣言に対しては「体を鍛えて護身術を身につけよう」と主張する。この思考回路がどうにも私にはわからない。
わからなくても、これが現実だ、ということくらいは知っている。そしtその中で生きていくしかない。
2019-12-09 07:52
今朝VR/AR関連のニュースを2本読んだ。
Facebookは、クリエーター向けの3Dバーチャルリアリティ彫刻ツール「Oculus Medium」をAdobe(アドビ)に売却した。Facebook傘下のOculusは、このチームに多大なエネルギーを注ぎ込んできた。それを売却することは、Facebookが社内でのVRプロジェクトの取り組み対し、広範囲に再考中であることを意味している。
引用元;Techcrunch
Magic Leapは同社の2300ドル(約25万円)のヘッドセット「Magic Leap One」を発売後6カ月で6000台売ることはできたが、その数字の与える印象は、CEOのRony Abovitz(ロニー・アボビッツ)氏が初年度の売上目標として言っていた100万台に比べてあまりにも小さすぎる
引用元:Techcrunch
私は確信しているが、VR/MR/ARは愉快なデモ展示用のおもちゃの域を脱していないし、脱する気配もない。
おもしろいのは
GAFAと呼ばれる企業が、Amazonを除いてAR/VR/MRに結構な投資をしていることだ。そしていまだ製品がでてこないAppleを除けばどこも成功していない。
つまり
VR/AR/MRにはなぜか人の幻想を掻き立てる力があるようなのだ。名だたるIT界の巨人を軒並み騙すんだからねえ。
なぜこうなるのか。私にはよくわからない。
2019-12-06 07:33
Toyotaは「自動車がネットにつながるサーピスなら、自分たちの方がはるかに先輩だ!」という幻想に長い間しがみついていた。Carplayを提供し始めるまで随分時間がかかった。
おそらく類似の幻想にしがみついていたのが、BMWである。Appleは料金を徴収していないのだが、BMWはCarplayを使う客に毎年料金を徴収していた。おそらく「偉大な自動車メーカー」にはそうした権利があると信じこんでいたのだろう。しかしいかに「偉大な自動車メーカー」であっても現実に直面する時が来る。
BMWはこれまで、CarPlay対応車種の顧客が1年間無料でCarPlayを使った後、サブスクリプション料を請求していた。BMWはAutocarに対し、今後はすべての車種でサブスクリプション料をなくすと語った。
引用元:BMW、CarPlayのサブスク料金制を中止 - ITmedia NEWS
とうとうBMWも現実を直視するようになったか、と感慨深く読んでいたが、この引用記事の後半を読み腰が抜けそうになった。調べてみれば確かにそうらしい。
CarPlayを利用するには、TVとセットオプション(3万円)が必要(契約時に、5年間無料のT-Connect契約が必要)。
引用元:カローラとiPhoneがつながる トヨタ、ついに国内でもCarPlay対応 - ITmedia NEWS
ちなみにうちの車はマツダである。Carplay対応キットを装着するのに4万円弱かかる予定だが、まあそれはしょうがない。Toyotaの「3万円」もちょっと納得しがたいがまあいいとしよう。問題はその後についている
「5年間無料のT-Connect契約が必要」である。
5年は無料だが、6年目からは料金をとる。5年もたてばほとんどの人が自分が何を契約していたか忘れるだろうから、6年目からは豊田様は小銭を徴収し放題。
そして
繰り返しになるがAppleは一切年間料金を徴収していない。BMWはそうした状況でユーザから年間料金をとることを諦めたが、トヨタ様はまだ継続している。いやはや。さすが世界一の自動車会社はやることが違う。
2019-12-05 07:36
私の考えでは「マーケティング」というのは、ある製品に綺麗な包装紙を貼ったりリボンをかけたりする行為だ。
それは確かに重要な要素だが、本質ではない。つまりゴミにリボンをかけたとしても、ゴミはゴミである。何を言っているかと言えばこれ。
Twitter上で複数の漫画家がディズニー映画「アナと雪の女王2」を宣伝する漫画を一斉に投稿し、一部のユーザーからステルスマーケティングが疑われていた問題で、同作品の国内展開を手掛けるウォルト・ディズニー・ジャパンは12月4日、ITmedia NEWSの取材に対し、「依頼の段階で伝達ミスがあり、広告表示がなされなかった。意図して起きたものではない」と回答した
引用元:「伝達ミスだった」「ステマではないと認識」 アナ雪2の“ステマ疑惑”にディズニーがコメント - ITmedia NEWS
ディズニーの言い訳を信じる人は少ないと思うが、そこも問題ではない。問題は彼らと彼女たちが売ろうとしている映画がゴミだ、という事実。
長年映画をみてきて、映画のできと興行成績は必ずしも相関しない、ということを学んだ。いい映画でもうれないことはあるし、一作目のできがよく、続編を作るとゴミなのだが人がたくさん観に来る、というのもよくあること。アナ雪2はまさにそれである。
そうはいっても世の中には「マーケティング部門」というものがあり、日銭を稼ぐためには仕事をしなければならない。かくしていろいろな売り方を考えるのであり、試写会に漫画屋を招きステマ漫画をかかせる、と誰かが思い付いたんだろう。
彼か彼女かしらないが、マーケティング担当の努力は称えるがこうやって提灯漫画を量産したとこころで肝心の映画のできがよくなるわけでもない。そういう状況をさして「ゴミにリボン」と呼ぶこととしよう。
2019-12-04 07:31
「終身雇用は崩壊した」などと訳知り顔で語るのは簡単だが、世の中はそう均一ではない。
主な上場企業の希望退職募集2019(調子がいいうちではない上場企業も含む)
・エーザイ
45歳以上 100名(→応募300名)
・LIXILグループ
50歳以上 人数定めず
・キリンホールディングス
45歳以上(管理職) 人数定めず
・アルペン
45歳以上64歳未満 300名(→応募355名)
・光村印刷(子会社の新村印刷)
44歳以上 30名(→応募33名)
(以下省略)
引用元:上場企業各社、続々と「調子がいいうちに希望退職募集」 : 市況かぶ全力2階建
となると追い出し部屋を作って首にするか、「希望退職制度」を作るしかないわけだ。私が昔勤めていた三菱重工のエアコン部門でも一時追い出し部屋があったと聞く。長机をあてがわれ「自分で仕事を探せ」といわれるんだったかな。
希望退職を募ると真っ先に辞めるのは「やめて欲しくない人」だと聞いたこともある。そうだろうなと思う。いまだに「終身雇用絶対大丈夫」という会社はいくつもあり、そこの人と話していると「ああ、この人たち何も考えていないな」と驚かされることになる。そういう人が希望退職に手をあげるわけもないよね。
自分が「追い出し部屋」に入れられたことは今のところないし、今はいつそうなっても文句が言えない年だ。さて、今後数年間で何が起こるんだろうね。
2019-12-03 07:30
父が亡くなる1っヶ月前に言った。「五郎は何か言いたいことがあるのはわかる。でも男なんだから(はっきりといいなさい)」
というわけで私は自分の意見をはっきりと言わない。しかし時々口が滑って自分でも驚くようなことを口にする。先日社内の勉強会でこう言った。
「お前らその場の思いつきを付箋に書いてペタペタ貼ればイノベーションが起こると思ってんのか!」
いや、実際の口調はもっと穏やかだったけど言いたことはこれだ。
ペルソナとかカスタマージャーニーが大嫌いだ。その有用性はわかる。しかしそれは「現在の顧客像」を明らかにするだけ。イノベーションとは世の中を変革するものであり、いくら現在の姿を定義し、多くの人間の間で共有しやすくしたところで、何の役にもたたない。
なのに「デザインなんちゃら」といえば、とにかく付箋に思いつきを書いて貼りまくり、それをまとめて投票すれば「さあ、これがイノベーションです」ということになっている。もっとも肝心な要素については滅多に言及されない。
「何を付箋に書くのか。」
付箋に貴賎はない、とデザインなんちゃらの専門家ならいうだろう。批判禁止。じゃあなにか。適当な戯言を付箋に書いて並べればそれがイノベーションなのか?
「何を付箋に書くのか?」「いいアイディアとそうでないアイディアのの違いはなんなのか?」「いいアイディアを出せるようにするためには何が必要なのか?」
こうした問題を全て置き去りにしとにかく「さあ模造紙にアイディアを貼りましょう」と呼びかける人間が漏れなく嫌いである。
じゃあお前はどう考えているのか?そう考えてようやくSteve Jobsがプレゼンで言っていた「テクノロジーとリベラルアーツの交点」という意味がわかったような気がしたのだが、それについてはまた次回(次回があるのか)
2019-12-02 07:32
アメリカで見るスポーツ中継が好きだ。アナウンサー、解説者が実に淀みなく自分の考えを合理的、視聴者に伝わるように語る。
日本のスポーツ中継が嫌いだ。しゃべっているのは基本喋りの素人。あーだのえーだの無意味な言葉が多く、そもそも何を言っているのかわからない。
その落差に長年愕然としていたのだが、多分それは私の思い過ごしではないと思う。
まず、スポーツ解説者のしゃべりを研究しよう。トップクラスの解説者は、めったに間投詞を使わない。まず、何を伝えたいかを考えてから、正確かつ簡潔にコメントをする。ジム・ナンツのゴルフ大会を、ボブ・コスタスがオリンピックを、アル・マイケルズがアメフトの試合を解説するのを聞けば、多くのことを学べるはずだ。彼らは長年練習した結果、聴衆に聞いてほしいことをだけを的確に伝える技術を身につけた。
引用元:プレゼンに自信がなくても自信たっぷりに見せる方法 伝わる話し方の6つの原則 | HBR.org翻訳リーダーシップ記事|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
そもそも日本にこうした「●●の中継なら誰」と定評があるアナウンサーがいるだろうか。プロレス中継なら古舘。これだけは確かだが。
これはスポーツ中継にとどまらない。一般のニュースでも、原稿読み上げを外れた時のアナウンサーのぐだぐだぶりは聞いていてうんざりする。もっと言えば、911の時の「一般視聴者のコメント」ですら、日本の「災害に会った人」とは段違いだ。
どうしてこうなってしまうのか。これは長年の謎のままである。