高い地位にバカがいるのは

2016-12-29 09:24

馬鹿が出世するのか、あるいは高い地位にいると馬鹿になるのか。いずれにせよ、これは予想された結果だった。

「昨年度に比べて会社の組織風土は改善してきたか」という問いに対して、そう思うと回答した人の割合はマネジメント層で67%だったのに対し、管理職層で51%、非管理職の役職者で38%、一般社員で30%にとどまったというのだ。

東芝は2015年に巨額の会計不正が発覚したが、経営トップが発してきた「チャレンジ」という言葉を受けて、様々な部門で利益のかさ上げが行われていた。その「組織風土」が現場に近いほど、今になっても「変わっていない」と捉えられている、ということだ。社内改革の旗を振って来た経営層と、現場との認識ギャップがあまりにも大きい事に、経営幹部の間では衝撃が走っているという。

引用元:東芝に激震が走った「社内アンケート」驚きの結果(磯山 友幸) | 現代ビジネス | 講談社(1/2)

戦争では指揮官は戦場を視察しなければならない。実際に現場で何が起きているかその目で確かめねばならない、と何かで読んだ。不思議なことに会社で「高級指揮官」になると現場を視察しなくてもいいと思うようだ。

自分たちにも過ちはあったが、もう十分に反省し改善策もうった、と安心できるメンタリティでなければ日本の大企業では出世できないようだ。三菱自動車でもリコール隠しの後に「現場が疲弊する」ほどコンプライアンス研修とかやったらしいが、そんなのは無駄。

悪いことをやっちゃいけない、ってのは誰でも分かってるんだよ(DeNAとかはそうじゃないだろうけどね)問題は

「今まで嘘をつくことで出世してきた人間が、そのまま高い地位にとどまっている」

状況において、誰が「組織風土は改善した」と思えるのか?結局今までと何も変わっていない。じゃあ今まで通り嘘をつき続けよう。事実を歪曲しよう、と思うのがサラリーマンである。企業において「正しいこと」とは上司が「正しいという」ことであり、それがコンプライアンス研修を請け負ったコンサルのいうことと整合しようが反対に位置しようがどうでもいいことだ。

このニュースで一番笑えるのは最後の一文

「社内改革の旗を振って来た経営層と、現場との認識ギャップがあまりにも大きい事に、経営幹部の間では衝撃が走っているという」

東芝の経営幹部といえば、日本を代表する一流企業で大出世した超エリート。その人たちは自分たちがやっていることが現場からどう見られているかも知らない。どうやったら人間はここまで愚かになれるのだろう。


企業体質・企業文化

2016-12-28 06:55

人間の質は変わらない。それと同じように企業体質とか企業文化というものもまず変わりようがない。だから今は誰も騒がなくなったPCデポも喉元過ぎればなんとやらで、今でも同じことをしているのだろう。

そして今日このニュースを知る。

東芝、
8月、9月、10月、11月と、連続で上方修正連発してきて、
https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/index_j.htm …
そして、今日こんな展開とか、ひどいな。

引用元:RING@単なる個人投資家。さんのツイート

この「上方修正連発」はチャレンジと同じ線上にあると思う。ご心配をおかけしましたが、東芝は生まれ変わりました。もう大丈夫です。おそらく最前線では「何も変わっていない」ことがわかっていたのだろう。達成不可能な利益目標を「達成」するのと同じように、何も変わっていない企業を「生まれ変わりました」と発表する。そのための上方修正。

買収時のリスクの見積もりや子会社の監視体制の甘さも露わになった。WECから綱川社長に報告があったのは12月中旬になってから。「WECがチェックした時期が遅かった」と綱川社長は唇をかんだ。

WECを管理する困難さ、そして内部管理体制の欠如。名門・東芝が抱える病巣は想像以上に深いのかもしれない。

引用元:突然の減損リスク、東芝「上場廃止」に現実味 | 素材・機械・重電 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

仮にこの社長の言葉が真実だったとしても、途中のあらゆる段階で

「こんなことが言えるわけないだろう。なんとかしろ」

という「チャレンジ」が発生したんだろうな。差し戻しを何度もやり「こんなこと言えるわけないだろう」を黙らせている間に「敵空母15隻を撃沈せり」という大本営発表が響き渡る。そりゃ社長の耳に入れるのも遅くなるよね。

そもそも「文化」とは何か。それは現実にどう対処するかの不文律。だからいくら「これからは正しくやりましょう」といったところで意味はない。三菱自動車の時も書いたがそう言われた時に何が起こるかといえば

「じゃあ、これからはどこまで嘘をつくのか」

という暗黙の線の引き直しである。

三菱自動車は日産に叩き売られた。東芝はどうなるんだろうね。面倒を見られるとしたら日立くらいか?最後に少し気になった言葉を引用しておく。

東芝がアレなのは事実だけど、今の日本の大企業で薄氷の上でタップダンスしてるところは他にも一杯あると思うわ。

引用元:焼き魚@Long&Longさんのツイート



自分で製品を作る大変さ

2016-12-26 06:38

こんな製品が発表されたようだ。

■Gateboxとは
Gateboxは、好きなキャラクターと一緒に暮らせる世界初のバーチャルホームロボットです。最新のプロジェクション技術とセンシング技術を組み合わせることで、キャラクターをボックス内に呼び出してコミュニケーションをとることができます。朝になると主人を起こし、夜に主人が帰宅すると優しく出迎えるといった、一緒に暮らしているからこそのリアルなコミュニケーションを楽しめるだけでなく、インターネットや家電等との通信により、天気情報を伝えてくれたりテレビをつけてくれたりといった、日常生活のサポートをしてくれます。

引用元:バーチャルホームロボット「Gatebox」、予約販売5日で200台突破!(株式会社ウィンクル プレスリリース)

まだ誰も触ったことがない製品に30万円弱投じる人間が200人いるというのは正直驚きだ。300台売れれば9000万円の売り上げ。立派な商売である。

こういう製品を思いつくのは誰でもできるが、実行に移すのは大変だ。その点は確かに驚嘆に値する。しかし文句ばかりいって手を動かさない研究者としての私はその構想のあまりの陳腐さにゲンナリする。

そりゃ確かに売ろうとすれば、萌え萌え美少女を出してオタクの小金を搾り取るしかないのは理解できる。しかしこれが

だからウィンクルは、クレイジーなものを作ることでクレイジーな人たちを応援する、
世界一クレイジーな会社を目指します。

引用元:ABOUT - 株式会社ウィンクル

こう言われるとなあ。真面目な日本人の限界ということなのかもしれない。

この商品が成功して、次こそ、いやいつかはきっと「おっと、こんなクレイジーな製品がでてきたか」と驚かせてもらえることを期待しよう。とはいえ仮に私が独身だったとしてもこの製品に30万払う気はしない。そんな金があれば自分で作る。顔があるようで、ないような、、観ている人間の想像力を無駄に引き出すような顔を。


接続の終着駅

2016-12-22 07:32

先日大学構内になるゴミ捨て場所のようなところを通りがかった。PC-9801RXとかいうパソコンがすててあり、背面にはいくつもの「接続コネクター」が存在している。そのうちのいくつかは幅5cmもあろうかという偉大な代物。あれはプリンタ接続用のパラレルポートとかいったかな。

Macの状況は伝統的にそれよりましだったが、それでもSCSIなる巨大なコネクタから逃れることはできない。それに接続を切り替えるときには電源をOFFしなければならなかったのだ。未だにUSB HDを接続するときそのときのことがふと頭をよぎる。

USBの登場により話はだいぶ簡単になった。とはいえApple原理主義者だから一時はFireWireに希望を託したこともあった。まもなく「シリアルポート全盛時代」を迎える。

しかし問題は常に存在している。まず誰だこのUSBを設計したやつは、というくらいに上下の区別が面倒。おまけにminiだのmicroだのにたような大きさの規格がいくつも存在している。ディスプレイのほうは少しずつ動いている。VGAは長らく統一規格として君臨していたが、これには「巨大」というディメリットがある。HDMIはそれより多少マシだが、幅は同じくらい大きい。建前上Display Port+アダプタで対応できるはずなのだが、ただのDisplay Portとサンダーボルト兼用のがあると話はややこしくなる。最近HDMIしか提供しない勉強会も増えてきた。

こうした状況はThunderbolt + USB-TypeCの登場によりようやく終わりを告げるのかもしれない。特にプロジェクターが全てUSB-TypeCを備えるようになるまであと10年はかかると思うので、アダプタは存在し続けるだろう。しかしそれも、プロジェクタを提供する側がアダプタを提供してくれるようになるかもしれない。

しかし問題はまだ残っている。親愛なるAppleのLightningコネクタだ。

妄想するのはただだから、Macを変え、iPadをかえ、周辺機器を買い換えとあれこれ考える。新しいMacをみれば、ポートがUSB Type-Cになるのは明白。もうそれでいいじゃないか。(実は今度はケーブルという厄介な問題が生じるのだがそれは問わないで)外付けハードディスクも何もかもUSB Type-Cにしてしまおう!ところがそこに厳然としてLightningが存在する。iPhone/iPadを所有している限りそこから離れられない。

といったところで、こんな記事を読む。

That might suggest that Lightning will hang in there for another year. But I don’t think it will be longer than that – and I’d say there’s at least a chance that USB-C will take its place in 2017.

引用元:Opinion: Will Apple switch from Lightning to USB-C for future iPhones, and if so, when? | 9to5Mac

USB Type-Cは確かにLightningより少し厚い。しかしディメリットはそれだけ。LightningでできることはUSB Type-Cでなんでもできる。であれば果たしてAppleはそこにしがみついている必要があるのだろうか?と問いかけている。もっともだ。

こうした「標準の切り替え」はいつも難しい。そしてAppleは必要だと自らが考えれば断固としてそれを実行する。冷静に考えれば、それは「起こるか起こらないか」ではなく「いつ起こるか」の問題のように思える。

さて、我々はUSB Type-Cによる「大統一」を見ることがあるのだろうか。起こるとすればそれはいつ頃なのだろうか?


いつ新製品に乗り換えるか(again)

2016-12-21 07:05

何度か買いたことだが、2010年末に購入したMac Book Air, iPhone 4S, iPad2のどれもが更新を必要としている。それはわかっている。

問題はいつ変えるか。予定ではiPhone7で大きな設計変更があるからそれに乗り換え、2016年のMac Bookアップデートに乗り換えるはずだった。それにあわせApple Watchも購入するという明確な計画が存在したのだ。

ところが

ご存知の通りiPhone7はiPhone6++だし、Mac Book Proは発表されたもののいまひとつ革新性に(私にとっての)欠け、そうこうしているうちに虎の子の貯金はどんんどん目減りして、という状態である。そして今朝また一つのニュースを見る。

Mac fans shouldn't hold their breath for radical new designs in 2017 though. Instead, the company is preparing modest updates: USB-C ports and a new Advanced Micro Devices Inc. graphics processor for the iMac, and minor bumps in processing power for the 12-inch MacBook and MacBook Pro. Cue the outrage.

引用元:How Apple Alienated Mac Loyalists - Bloomberg

情報の出元は定かではない。しかし言っていることは「2017年はあまりMacのアップデートはないよ」である。12-inch MacBookはちょっとCPUが早くなるだけ。せめてもう一個USBポートつけてくれたらなあ。私が妄想する14inch Mac Book with touch barは発売される気配がない。

噂は噂であって、噂でしかないことは身にしみて知っているのだが、はてこれはどうしたものか。私の中に少し存在している「常識的な考え」は

「春にMacBookを買い、iPhone SEに乗り換えOLEDへの全面切り替えを待つべきだ」

と語っている。そんなことをだらだら考えながら2010 Mac Book AirとiPhone4Sで日々を暮らしている。


ハードウェアとしての車

2016-12-20 06:52

Appleが自動運転ソフトウェアの開発に専念するという噂が流れたのと時を前後してこんな噂も流れて来た。

一部の報道では、Googleは長年取り組んできた自動運転車の開発計画を棚上げし、既存の自動車メーカーとのパートナーシップの道を選ぶ、という。

引用元:Googleは自動運転車の自社開発をやめたらしい、今後は自動車メーカーとのパートナーシップを重視 | TechCrunch Japan

こうなるとTeslaの成功が珍しく思えて来る。自動車を作る、ということはなかなか難しく割りに合わないことのようだ。

一方Trumpがわけのわからないことを言っている。

テリー・ゴウ会長は「あなたは私を知らないかもしれないが、あなたのiPhoneを製造する男です。」との書き出しで始まり、ドナルド・トランプ氏が、公約通りに、iPhoneの製造をアメリカ国内に移すべきという主張に対して、中国だけでなく、インドネシア、インド、中国の半分の省で製造しており、インドネシアでiPhone製造を行うために100億ドルの投資を行ったと述べています。

引用元:Bloomberg:Foxconnのテリー・ゴウ会長、ドナルド・トランプ氏にiPhone製造に関する質問状を公開 | NEWS | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)

妥協案としてこういうのはどうだろうねえ。Foxconnがアメリカの自動車会社を買収し、労働組合とか解体した上でアメリカでApple Carを作る、というのは。それでトランプも満足だろう。

今の自動車を取り巻く環境というのは「最初から設計すれば絶対こうはならなかった」代物。それでもできてしまったものはしょうがない。トランプもなってしまったものはしょうがない。それを認めた上で大乗的な解決策を図るのが大人というものだ(わけがわかってません)


iPhone@2017について

2016-12-19 06:55

結局ここらへんになるんだろうなあ、と思う。

This report reaffirms the idea of Apple introducing three new phones in 2017: one flagship OLED-display device and two less-radical models (iPhone 7s?) that resemble the existing iPhone 7 and iPhone 7 Plus.

引用元:9to5Mac: Apple iPhone, Mac and iPad News Breaking All Day

OLEDを使った全く新しいデザインのが一つ。それに7s, 7 plus sの三種類ということ。名前をどうするかは依然として考えなければならないところだが、まあそれはなんとでもなる。新しいモデルなしでもう一年過ごすのは無理だから、7s 7plus sが発売される、と。これなら全く新しいモデルをプレミアム価格にすればそう台数も出ない。万事丸く収まるわけだ。

問題は個人的なものになる。いつかは新しいものにしたいが、どうもこのタイミングでは無理そう。であればiPhoneSEにするか、あるいは今ポケモンGo専用機となっているiPhone5にのりかえるか。ビンテージモデルとなった4Sは最近さすがにくたびれてきた。お金ないからまずは5に乗り換えかなあ。


仕事に必要な英語力について

2016-12-13 06:46

それは場合による、としかいいようがない。なぜこんなことを書くかといえば、この前のApple EventでSuper Mario Runを発表した時の宮本氏の「英語のできなさ」に愕然としたからだ。

最初のちょこっとだけ英語で喋ったのだが、何を言っているかよくわからなかった。しかしそれでも彼はApple Eventの舞台上でプレゼンをして大喝采を浴びている。

In a recent interview with Wenner Media’s Glixel, Mario-creator Shigeru Miyamoto opens up about the creative development process, working with Apple, and the upcoming Super Mario Run for iOS. Miyamoto describes approaching Apple on the idea for the game, and working with Cupertino leadership that was willing to listen.

引用元:Mario-creator Shigeru Miyamoto talks about working with Apple ahead of Super Mario Run launch | 9to5Mac

このインタビューも間違いなく通訳を介して行われたものだろうが、そんなことは誰も気にしちゃいない。そうすると結局「仕事に必要な英語力」は仕事の種類によりますねえ、としか言いようがない。

いろいろな人の英語力を見ていると、「海外ドラマをみた」だけでベラベラ上手な英語を喋る人もいれば、何年もアメリカに住んでいるのに「日本語ですか?英語ですか?」と聞きたくなるような英語を喋る人もいる。おそらく確かなことは

・語学の才能というのは存在する

・語学の才能というのは、他の知性、知能とは独立の才能

ということのようだ。後者は北杜夫の本にあった「旅行しているとなんか国語もしゃべる火星人のような人に会うが、そういう人が人間として上等かというとそうでもない」というくだりがあった。きっとここらへんについて誰か研究した人もいるとは思うのだが、不幸にして私は知らない。

そもそも「社会的知性」というのが怪しげな捉えどころのない代物である。というわけで結論は

「英語が勉強したかったらしなさい」

ということになる。一周回ってたどり着いた結果だからこの無意味な言説にも存在価値がある、と考えよう。


現実を直視しよう

2016-12-12 06:50

私が使っているのはiPhone4S. iOS9が動いている。iOS10は動かない。CoolなiMessageの機能も使えない。Pokemon Goがろくに動かないのは我慢するとしても、先日GoogleがリリースしたPhoto Scanのアプリをいれたはいいが、わくわくしながら起動させたら

「この機種には対応していません」

と言われたのには悲しかった。しかしこれからこういうことは多くなるだろう。強くならなくては。

これもそれも、来年発売されると聞いていた新しいデザインのiPhoneを待つため。iPhone 6++みたいなiPhone7に投資するきはどうしてもおこらないのだ。しかし先日不穏な噂を目にした。

台湾サプライヤーの情報として、2017年に発売される予定のiPhoneは、iPhone 7・iPhone 7 Plusのアップデート版であるiPhone 7s・iPhone 7s Plusとなるようだと話しています。

基本的デザインなどは変わらず、A11チップ搭載するなどのアップデートのみになるようで、ワイヤレス充電でも、ガラス筐体でもないようだと話しています。

引用元:2017年のiPhoneはiPhone 7s・iPhone 7s Plusモデル? | Rumor | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)

この噂話の恐ろしいところは、本当のことのように思える点。iPhone8ではOLEDを使うと言われているが、同時に「2017年にはOLEDの生産が間に合わない」というニュースも何度も流れてくる。現時点で生産できるのはサムソンだけで、彼らは自社製品が第一の顧客。もしAppleがあくまでiPhone7はiPhone6++でないといいはるならば、iPHone7Sがでてもなんの不思議もない。いや、理屈でそう理解はできるんだけどね。

いやね、iPhone8がでても、最初のモデルにはあれこれ問題があるだろうから、iPHone8sまで待とうかと思ってはいたんだよ。となるとあれかな。結局iPhoneSEを買って、iPhone8の新デザインが成熟するまで待てということなのだろうか。さすがにiPhone4Sであと2年がんばるのには無理がある。最近普通のソフトも起動にやたら時間がかかるようになってきたし。

Tim.ここはMac Book 14inchを出してくれれば、iPhone7Sも許容しようじゃないか(何様?)iPhone SEも3d touchをつけてくれれば、もうあれこれ贅沢言わないからさ。というわけで、春のイベントは期待してるよ。(半分涙目)


南場信者につける薬

2016-12-09 07:00

狂信的なApple原理主義者を自称している私であるから、並大抵なことではAppleを見放すことはない。なんたってIIvx,IIviの時代にも見捨てなかったくらいだから筋金入だよ。

だから世の中にあまた存在しているらしいDeNA創業者の南場を信奉する人間にもつける薬がないことはぼんやりと想像できる。信仰心があつい者たちはこのくだりも読み流すのだろう。

私は日々もちろん情報を探しておりますけれども、基本的には、家族の闘病が始まった時から、インターネット情報を徹底的に調べまして、インターネット上の情報がそれほど役に立たないとか、その先にガンに効くキノコとかそういう話が出てきて、信頼できないと2011年時点で思いまして、私の情報収集は論文と専門家からのレクチャーを受けるということを中心にしていました。ただ毎日、同じ病気の患者さんのブログはチェックしていました。
そして、この件を知ったのは、実は報道されてからなんですけれども、「がん」という言葉でWELQのなかで検索をしてみて、いくつか記事が出てきたときには、「いつこういう重い情報を、医療情報を扱うようになったのか」ということで愕然としたという事実は実際ございまして、それは経営者として非常に不覚であったと反省しております。

引用元:DeNA南場氏「経営者として非常に不覚だった」WELQの記事内容とネット上の医療情報について回答 - ログミー

全ての経営者が自社サービスを使うべきだ、というつもりはない。三菱重工の社長はF-2の操縦桿を握らなくてもよい。

でもさあ、あんたWebサービス提供している会社の創業者で元経営者だろう?MacとiPhoneを使わないJobs,Windowsを使わないGates、楽天しか使わないジェフ・ベゾスって想像できる?

忙しいとは思うよ。でもさあ自社サービス使うなんてのはそれこそトイレでしゃがんでいる間にでもできることだろう?なんでそんなことすらしないでペラペラと経営について語るんだ?

ではここで、マリさんの経歴を少しご紹介しましょう。これがマリさんの略歴です。私はマリさんの大ファンなんですが、その理由の1つに、日本での数少ない女性シリアルアントレプレナー(連続起業家)の1人だということが挙げられます。
日本の女性シリアルアントレプレナーとしては、私が知る限り唯一の方ですね。もちろんそれだけが理由ではなくて、マリさんからはたくさんのワクワクする刺激を受けています。

引用元:iemo村田マリ氏とDeNA南場智子氏による女性起業家対談 - ログミー

今になって「知らなかった」とどの口で言うのか。これだけ責任者として持ち上げて起きながら。(この対談は2016年5月に行われた。たった半年前である)

梅田氏は「インターネットには”早い技術”と”深い技術”があり、日本には”早い”しかない」と喝破した。私はそれに

「”内輪受け”と”せこい”しかない」

を付け加えたい。というわけでSONYと同じくDeNAも「余裕と哀れみをもって生暖かく眺めるフェーズ」に移行しよう。これからはいいことをした時しか書かないよ。


コンサルタントの嘘

2016-12-07 06:57

何事も過度の一般化は間違っている。コンサルタントと名刺に書いてある人もいろいろな人がいる。G.M.ワインバーグだってコンサルタントだ。

しかしその「ラベル」特有の行動様式はやはり笑いのタネにしてもいいのではなかろうか。2年前に南場はこう言っている。

――最近ではキュレーションメディアを買収されました。キュレーションメディアは、画像とか映像をアグリゲーションで拾ってきます。コピーライト(著作権)の問題についてはどのようにお考えですか。

それは最も重要な課題です。一番そこを気を付けています。(買収した企業は)我々のような一部上場企業ではなかったところですので、同じスタンダードではオペレーションをしていませんでした。もちろん、そこを変えてもらっています。そういう方向で大きく変更をかけています。十分に意識しています。

引用元:南場智子さん「プログラミング教育で日本からザッカーバーグを」【DeNA創業者】

今となっては「どの口でそれを言うか」という内容だが、コンサルには迷いがない。あなたの指摘した問題は十分に理解して適切に対処しています。私は賢いのです。

ようやく露わになったDeNAの本性についてのコメントを読んでいると「南場様がここは出馬すべきときではないか」といったものを目にする。私は南場こそがDeNAそのものだと考えている。口では美しい理想をペラペラと述べるが、結局金儲けしか考えていないのだ。

 「『メルカリ』や『スマートニュース』といったスタートアップ企業が成長する中で、DeNAは新規事業の立ち上げが、うまくできていないという事実がありました。(買収後に)グレーから白にしていかなければいけないと思う一方で、成長も維持しなければならない。スタートアップの良さも残さなければ、当社に買収されずに独自に成長した方がよかった、となりかねない。今思えば、そのバランスの取り方を間違えたというのが、私の反省です」

 「これだけゲーム事業が落ち込んでいる中で、焦りやプレッシャーがないと言えば嘘になります。その中でバランスを失い、やり方が間違っていたことがあったのかもしれません」

引用元:「焦りはあった」、守安社長吐露:日経ビジネスDigital

南場が「一番こそを気をつけています」といった問題はお経で、つまるところゲーム事業の落ち込みをカバーする金儲けにしか興味はなかった、と。


唯一、救いがあるとすれば、それは過ちを率直に認め、戒め、改善してきたというDeNAのDNAだろう。SNS(交流サイト)が援助交際の温床となってしまった際、DeNAは業界で率先して撲滅に動いた。ソーシャルゲームで「コンプガチャ」が問題になった際もDeNAは大手で最初に撤廃を表明した。

引用元:「焦りはあった」、守安社長吐露:日経ビジネスDigital

記者は優しくこう書いているが、別の書き方をすれば

「社会問題化するまでは放置しておき、儲けるだけ儲ける。問題が露わになったら謝って、また別のグレー領域を攻める」

のがDeNAのDNA。この記事に乗っかる形でかけば、これでもう3度目である。今の経営者がいる限り彼らは何度でも同じことを繰り返す。

だから守安君、今すぐB to Cから手を引き、高級SIerになりなさい。岩田社長は正しかった。君たちはB to Bで良識ある企業のバックエンドを担当すべきなんだよ。



第3者委員会

2016-12-06 07:03

Techcrunchの必殺の記事が続く。対するDeNAも迷走が続く。韓国の大統領といい勝負かもしれない。

当初は子会社であるペロリが運営するファッション系キュレーションメディア「MERY」に関しては、運営体制も異なるため記事の非公開は行わないとしていたが、現時点ではかなりの割合の記事が非公開化されている状況だ。そして本日12月5日、DeNAはMERYに関しても12月7日に全記事非公開とすることを発表した。加えて取締役会の委嘱を受けた社外取締役を含む外部専門家による第三者調査委員会を設置し、事実関係の調査を行なうとしている。

(追記:12月5日19時25分)DeNA広報部に確認したところ、同社では12月4日に臨時取締役会を開催。そこで第三者委員会の設置を決定したという。「企業として信頼を失っている中で事実関係を整理しようとなった。調査委員会を設置するにあたり、サイトを公開しているままではよろしくない。(薬機法やコンテンツ作成フローの問題で全記事を非公開化した)9サイトを閉鎖するのは別の理由」(DeNA広報)

引用元:■追記あり■DeNA、ファッション系キュレーションメディアの「MERY」も12月7日より全記事非公開に | TechCrunch Japan

第三者委員会というのは最近のはやりだが、まず第一弾は「誰が第三者なのか」という問題。「社外取締役」を含んでいる時点で信頼度はどうなんだろう。今までDeNAの犯罪に加担してきた人間に何が言えるんだろうねえ。

今後の展開については「村田マリに全部責任をおっかぶせて放り出す」が一番妥当な線だったが、「MERYは独立して運用しているから大丈夫」とホラを吹いたことでそれだけでは済まなくなった。あの虚偽の声明で、CEOは自分の死刑宣告を書いたも同然である。

というのは、客観的なものの見方でまあそんな結論にはしないんだろうな。「信頼を取り戻す」ってモバゲーからこのかた信頼を勝ち取るようなことを何かしたと思っているのだろうか?そういう神経は実に羨ましいと思う。

村田マリは懲戒解雇。CEOと南場は辞職。B to Cは段階的に縮小し、本来のB to Bコンサル業務に戻るのが一番妥当な道。問題の根本は「お金儲けにしか興味がありません」という創業者の思想にあり、それを除かない限りなんともならない。とはいえ世の中には「南場がこのことを知ったら激怒する」とか南場に幻想を抱いている人間がたくさんいるから、彼女は残るんだろうな。そして同じ悪事を続ける、と。南場はiemoを買収した時点で「コンテンツの健全化に務める」とコメントしていた。つまり彼女は問題があることを認識していて、しかもそれを放置していたのだ。この単純な事実から目を背ける人が多いのには驚く。

第3者委員会なんてなんの意味もないよ。舛添君を見てご覧。不正が発覚した後も不正を続け、日産に買収された三菱自動車を見てご覧。あれがDeNAにふさわしい運命。


数は正義

2016-12-05 06:40

トランプが大統領になったと聞いた時、民主主義の面白さに気がついた。所得とか、社会的権力という点では人間には対数規模の差がある。

しかし「投票」という行為の前では同じ「一票」だ。トランプに投票した「アメリカはひどい国だ。トランプにかけるしかない」と信じている人も、一年で何十億円も給料をもらうウォール街の人間も同じ一票。その結果はご覧の通り。

さて、話は親愛なるDeNAである。

「記事の発注を行う部隊は配信本数がKPI(重要業績指標)として設定されており、毎日の配信本数はメディア間で競争させられていた。しかも、SEO対策として1本あたりの文字数の基準もある。長文で大量の記事を安く生産するために、一本一本の記事に対するチェックはおろそかになっていた」

引用元:炎上DeNA、粗悪メディアにとどまらない危機 | インターネット | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

彼らの考えでは人間は「ページを表示してくれる機械」でしかない。安倍総理が閲覧しようが、私が閲覧しようが1ページビューであり、広告の売り上げである。それが大きければ良いので、その結果人が喜ぶとかいうことはどうでもよろしい。検索エンジン向けに最適化し、検索結果の上位に表示されることが正義なわけだ。

ここでも「数は正義」を見て取る事ができる。私のようなマイナーサイトを長年作っている人間にはよくわかる。ああ、私もページビューさえあれば、そこらじゅう広告だらけにして憧れのアフィリエイト生活が送れるのになぁ。

DeNAは一文字一円以下の安い賃金でライターを大量に雇い記事を大量生産していたと聞く。彼らの「ビジネスモデル」で画期的な点は、私のように小難しい理屈を言わず、小金を持っており、かつツールがあれば文章を量産できるような人が日本にたくさん存在することに気がついたことにある。つまり彼らは「金になる数」を制することに長けていたのだ。

私からみてトランプの勝利が信じられないように、DeNAのような会社がなぜ生存しているかも信じられない。これは私が世の中の「数」というものを正しく認識していないからだと思う。おそらく世界は私が考えているのとはだいぶ違う姿をしている。そして時々それが露わになる。


Windowsの戦いはこれからだ!

2016-12-02 06:46

別にMicrosoftに限ったことではないが、賢人があまた存在しているはずの大企業がおかしなことをやるのは、いつも興味深い。

MicrosoftのOS「Windowsシリーズ」にはPCのさまざまな設定を行う「コントロールパネル」というメニューが長きに渡ってありましたが、最新の「Windows 10」にはコントロールパネルに加えて「設定」という項目が追加されています。この2つのメニューについて、Windowsの関係者が将来的に統合する可能性を明らかにしました。

引用元:Windows10から将来的にコントロールパネルが消滅する可能性 - GIGAZINE

Windows8はひどい代物だった。本当にこれでユーザテストをやったのか、と聞きたくなるような。どんな結果がでようと

「いや、PCは全てタッチ対応になる!」

というシノフスキーの一言でおしまいだったのだろうと想像する。でもってそのシノフスキーが追い出された後のWindows10は確かにまともになった。

しかし

何かやろうとすると「設定」と「コントロールパネル」の両方と格闘することになる。きっといろいろ歴史的な経緯があり、

「コントロールパネルと設定の統合」

のような「ユーザビリティ上の問題も些細な小さい問題」には誰もリソースを割く判断ができなかったんだろうな。なんとかとかんとかの統合、というのは一見すっきりしているようでありながら、作る側にとっては悪夢になるようなことが多く、かつ(作る側から見れば)メリットも少ない。だって機能はちゃんと存在しているわけだし。

かくして作る側の悪夢は、ユーザにとっての「イライラ」に変換される。こういうのを「企業文化」というのだと思う。

「論理的に正しい判断」

は実はいくつも存在している。それのどれを選ぶのか。AppleだったらSteve Jobsなり、誰かが「誰だ、このクソインタフェースを作ったのは」と言えば、問答無用で統合される。「統合」というのはトップダウンでしか行えないものではなかろうか。

Windowsからコントロールパネルがなくなるまで、ユーザが「あれ、これの設定って”設定”ではできないの?」と頭をかかえなくてもよくなるまで何年かかるだろう。ナデラは有能そうだが、あまりこうしたことに関心を持っているとは思えない。そしてそれはMicrosoftがいかに「すごい製品」を作ろうが、ユーザから愛されない理由の一つなのかもしれない。


KPIの弊害

2016-12-01 07:09

KPIを設定し、PDCAを高速で回すことの弊害について考えよう。もう聞き飽きたという人もいるだろうが、不幸なことにネタがつきない。売り上げと利益をKPIにするのは一般的だが、どれについてドラッカーはこう述べている。

の目標として利益を強調することは、事業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤らせる。今日の利益のために明日を犠牲にする。売りやすい製品に力を入れて、明日の製品をないがしろにする。(略)マネジメントとは、事業上の多様なニーズと目標をバランスさせることである。(現代の経営P.82)

引用元:「KPI」ってどういう意味?たった10分でざっくり把握する | マーケティングメトリックス研究所/MARKETING METRICS Lab.

ビジネスというのは複数の要素が複雑に関係し合ってなりたっている。KPIというのは、そのうちの一つの要素だけに集団の努力を集中させること。

「集中」の何が悪いのか?実際が複雑なモデルを過度に単純化し

「売り上げさえ上がればいいんだろ」

となってしまうから。その複雑な要素をバランスさせながらさらに「複雑な指標で」上を目指す、というのがマネージャーの仕事なのだが、KPIを設定することで大幅に単純化され、マネージャーの「負担が軽減される」つまりKPIをありがたがる組織というのは

「弊社のマネージャーは無能でございます」

と宣言しているようなものだ。

例えば現状でも、自分たちが大量投入したコンテンツによって検索結果がどれだけ酷い状況になっているのかは、DeNAの中の人でもわかっているはずだ。むしろ、中の人の方がよくわかっているだろう。

引用元:逃げ切り? DeNAパクリサービスを生んだ土壌は、あの韓国企業の再挑戦

私はDeNAの優秀な社員たちは、数字を把握はしているが「わかっていない」と思う。なぜなら彼らはSEOの順位とかをKPIに設定し、PDCAを高速で回しているから(想像だよ)

DeNAの社内表彰制度で、2016年上期(4〜9月)にこのグロースハック部が、さらにその前の期には、WELQの立ち上げに携わった社員も表彰されているという。

引用元:DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言

それが表彰されるのはなぜかといえば、「KPIをすばらしく達成したから!」である。誰の迷惑になろうがそんなことはKPIとして設定されていない。それゆえ考える必要はない。これが「集中の効果」である。

つまり、体制を立て直して、再出発をはかりたいとしているわけですが、もしDeNAが本気でヘルスケア情報サイトの再生に取り組もうというのならば、ぜひ、ヘルスケア事業全般を率いる南場会長自身に音頭を取ってもらいたいと思います。

引用元:DeNAのヘルスケア情報サイト「WELQ」は立ち直れるか? 南場智子会長に期待したい「原点回帰」

ことここにいたっても「南場が先頭にたてば大丈夫だ!」と言える人は幸せだ。こういう人間がDeNAやGREEのようなゴミ会社を生きながらえさせている。DeNAがやっていることは、最初期のネットオークションを除いて一貫している。コンプガチャにしろwelqにしろ

「自分たちの会社の利益が上がるのなら、社会がどうなろうが知ったことではない。」

である。そしてそれはDeNAの顔として都度登場する南場氏の(言葉にはしない)信念。

ヘルスケア事業にかける思いについて、南場会長はこんな風に熱っぽく語っています。

「『自分がやっておかなければいけないことだ』と、内から沸き起こる強い気持ちを初めて感じていた。もちろん私は事業家であって経営者だから、そこできちんと、事業として成功させなければいけない。ただ、最大のモチベーションは、『病気になる前にケアする社会をつくりたい』という個人的な強い思いだった」

引用元:DeNAのヘルスケア情報サイト「WELQ」は立ち直れるか? 南場智子会長に期待したい「原点回帰」

コンサルのホラを真に受ける人間がいるからこそ、コンサルタントは商売できる。ランディ・パウシュの言葉にもある。人間が何を「言う」かには全く意味がない。「行動」をみなければならない。そしてDeNAの行動は一貫している。それがDeNAのDNAなのだ。