2017-07-28 07:32
私が年をとったせいか、あるいは世の中が変わったせいかはわからない。子供の頃にはわりと無邪気に「スポーツをすると心身ともに健康になる!」と聞かされた気がする。そして今ではそれが都市伝説の類であることを知っている。
米ボストン大学(Boston University)の研究チームが25日の米国医師会雑誌(JAMA)に発表した論文によると、研究のために死後に脳を提供した元NFL選手111人のうち、110人の脳に慢性外傷性脳症(CTE)の顕著な徴候が認められたという。
CTEは、記憶障害、めまい、うつ病、認知症などの症状を引き起こす。こうした症状は、選手が引退してから何年も経った後に現れる可能性がある。
引用元:亡くなった米NFL元選手、99%に脳疾患CTEの徴候 研究 (AFP=時事) - Yahoo!ニュース
アメリカでの高校生活は映画でしか知らない。しかし今だに「フットボールプレーヤー」というのは花形のようだ。高校で活躍し、大学に推薦入学が決まり、NFLにドラフトで選ばれ、、というのは一つのAmerican Dreamなのだろう。そして引退した後遅るべき高確率で「しっぺ返し」がやってくる。
こうした報道がなくても、引退したNFLプレーヤーは自分の孫を抱くことができな、と何かで読んだ気がする。つまり孫ができるころには様々な後遺症で赤ん坊を抱くことすらできなくなっている、というのだ。
しかし
子供の頃からTVで散々NFLやCollege Footballをみていれば「自分も是非プレーしたい」と思うのは当然のことのように思う。我々が毎晩プロ野球をTVでみて、公園でバットを振り回していたように。
日本だと相撲取りにこういう問題があってもよさそうだが、あまり聞いたことはない。そこまで生きていないのかもしれない。
こうした運命を知っていてもアメリカでフットボールをやる高校生の数はそう減っていないとも聞く。自分が道を決めたなら、そこでできる限りの力を世に問う。そうしたことの是非について私は何もコメントできない。
ふと自分が以前「ミリオンダラー・ベイビー」に関して書いたことを思い出す。
「人は皿を洗ったり(もう一つ忘れた)しながら死んでいく。I never had a shotと思いながら。しかしShe had a shot」
have a shotだかtake a shotだかよく覚えていないが、これは日本語にはない表現だと思う。どうやって訳せば良いのか(字幕を観るのを忘れていた)自分の力を世の中に問うこと か。私が愛するCheersで主人公のSam が言った I had my day under the sunとも関連する意味だろう。
引用元:映画評
Did I have a shot?
2017-07-27 08:04
最初にApple Carに関する情報に触れた時「自動運転?電気自動車?またえらく先の話になっているな」と思った。しかし例によって無知なのは私の方だ。
7月6日、フランスのユロ・エコロジー大臣(環境連帯移行大臣)は、2040年までに、二酸化炭素の排出削減のため、国内におけるガソリン車およびディーゼル車の販売を禁止すると発表した。
引用元:フランスがガソリン車の販売を禁止する真の理由:日経ビジネスオンライン
これには正直驚いた。2040年に自分が生きているか、生きていたとしても頭がちゃんと動いているかは別として驚いた。フランスは自前で車を作っている数少ない国の一つである。そこが「内燃機関の車はオワコン」と宣言したのである。
The baby boomer generation romanticizes cars. Most boomers can recite the horsepower and other engine specs of every car they have ever owned. For the tail end of Gen-X (my generation) and Millennials, a car is an interruption between Facebook and Twitter.
引用元:Market Watch: The Apple Car could run traditional automakers off the road
今の自動車会社は「馬力や、エンジンのスペック」に楽しさを感じる人間が支配している。問題はそういう人間は急速に数を減らし(この変化も驚くべきものだ)
「車はFacebookとTwitterの間にある邪魔者」
と考える人間が増えて行くこと。
そうした傾向を漠然と予測しながらも「まだ先の話だろう」と思っていた。しかしひょっとしたら変化は思ったより早く、そして劇的に訪れるかもしれない。
うねりはアジアにも及んでいる。インド政府は今年4月「30年までに販売する車をすべてEVにする」との目標を表明し、中国でも類似の政策が打ち出されている。一気にEVにシフトして自国の有力産業に育成しようとの思惑も働いている。
日本政府も30年までに新車販売に占めるEVやプラグインハイブリッド(PHV)などの割合を5~7割にする目標を掲げる。ただ従来型の燃料車向けの部品など多くの関連メーカーがあるだけに、大胆な政策変更をしにくい面もある。
引用元:欧州発、電気自動車シフト 「脱石油」世界の潮流に (写真=ロイター) :日本経済新聞
あるいはここに絵に描いたような「イノベーションのジレンマ」をみることができるかもしれない。現在「遅れている」国ほど大胆に方向を転換することができる。失うものが少ないから。逆に変化を拒絶したいのが今成功している国-ドイツと日本だ。(繰り返しになるがこの観点からもフランスが内燃機関自動車の廃止を宣言したのには驚く)
今膨大な市場を持っている二つの国-中国とインド-は両方とも自動車産業を育てたいと思っている。彼らが両方とも「内燃機関自動車は禁止」と打ち出した時、打撃を被るのはどこだろう?彼らが自動車産業における競争をリセットするためにそういう挙にでたら?いや、楽しい。(日本国民としては楽しいとか言っている場合でないのはわかっているが)
昭和のじじいがほざく「走りにスリルを求める」などというのは、私の考えでは傷害未遂と同義語である。そういう人間は金をはらってサーキットで巨大なガソリンエンジン車を思う存分走らせる、そんな時代がくるまで生きていたいと思う。
2017-07-26 07:26
多くの企業が「ビジョン」とか「行動規範」というのを掲げている。それ自体はとくに咎められるようなことではないが、現実と並べるとギャグになったりする。
(1)私たちは、関係法令及び社会規範並びに社内規程を遵守します。
(2)私たちは、個性と人格を尊重します。
(3)私たちは、社会の一員として環境問題への取組みを積極的に推進します。
(4)私たちは、公平・公正かつ透明な関係を維持し、公正な取引を行います。
(5)私たちは、親密なコミュニケーションを推進し真実を交信します。
引用元:UKCホールディングス : 行動規範
これが行動規範。でもってこれが現実。
「あずさ監査法人による監査の際に、当社滞留売掛金につき貸倒引当金計上などの指摘がなされることを危惧した当社の財務管理部門の管理本部C氏及び経理部門D氏は、こうした事態を会計処理に反映させるべく動いたが、当社グループによるC社支援の下で新たな事業展開を押し進めるA社長及びE氏を動かすところとはならず、むしろ、管理部門D氏においては、既に滞留していた売掛金の他にも滞留しがちであったC社グループに対する売掛金の回収につき、UKC香港の経理部門に対し、強いプレッシャーを与えざるをえない事態へ進展していくこととなった」
引用元:売掛金の回収偽造のUKCホールディングス、第三者委員会の調査報告書が「プレッシャー」まみれ : 市況かぶ全力2階建
私はおそらくアスペルガースペクトラムのどこかにいるので、文字に書かれた言葉や口から発せられた言葉を文字通り取り、その背後の解釈を怠ることが多い。そのアスペルガーが言うのだが、こういう現実がありながら、「行動規範」を掲げる神経というのはどういうものなんだろうね。
いや、もちろん企業における「行動規範」というのはお経のようなものだと誰もが思っているし、知っている。お経を唱えることに意味を見出す人が多いのと同様に、行動規範を掲げることは企業の常と考える人が多いのだろう。
私はおそらく一生経営者の立場に立つことはないだろうが、こういう無駄なことをやって楽しいというのはどういう心持ちなのだろう、ととても不思議に思う。経営者になると脳の構造が変化して、こういうことが楽しくなるのだろうか。
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というわけで、私は「ヒラ」の立場からこういう状況に巻き込まれたときのことを考えなくてはならない。最近山岳ベース事件のWikipediaを読んだのだが
メンバーの多くはこれらの虐殺を嫌がったが、「革命」のためには我慢しなければならないという意識で虐殺にかかわり続けたことが、関係者による回想からうかがわれる。
引用元:山岳ベース事件 - Wikipedia
読めば読むほどの虐殺の理由がわからない。それは東芝の粉飾決算と同じくらい理由がわからない。トップの動機がわからないとともに、ヒラとしてはこうした状況でどうやったら生き延びることができるのか、と暗澹たる気持ちになる。離れた安全な場所から批判することは容易だが、自分がこのグループにはいってしまったらどうやったら生き延びられるのだろう。
今のところの結論は「不真面目と無責任」である。後先とか仲間のこととか考えず「ちょっとトイレ」とかいって走り出すしか方法はないように思う。こういうことを考えるたび、幼い頃父がよく歌っていた「植木等の歌」が思い出されるのだが。つまるところヒラのサラリーマンの処世術とは植木等に尽きているのかもしれない。
2017-07-25 07:33
今朝こんな記事を読んだ。
ダイアナ元妃がフランスのパリで事故死したのは1997年8月31日。英スコットランドのバルモラル城にいた王子2人が母と電話で話をしたのは、そのわずか数時間前だった。
引用元:CNN.co.jp : ダイアナ元妃死去から20年、王子2人が振り返る最後の会話 - (1/3)
あれから20年か(正確には19年と11ヶ月だが)。このニュースを聞いた時自分がどこにいたかを覚えている。週末で一人ドライブ旅行にでていた(Wao!独身だねえ)どこかのモーテルに入りTVをつけたらこのニュースが流れていた。
その時の私は、勤務していた会社から「3年アメリカ勤務(多分もっと長く)」と言われ、初めて会社を辞めることを決断した時だった。
20年前と言われると、もっと長かったような気がする。いろいろあったがなんとか生き延びているからいいとしよう。
振り返って思うことだが、「社会人のキャリア」というものは偶然だけで出来上がっている。当時まさか自分が20年後このような会社でこんな仕事をしているとは夢にも思っていなかった。
今朝もう一つ記事を見つけた。人類の月着陸は当時の幼かった私でもなんとなく覚えているほど大きなイベントだった。着陸船とアポロ11号のプラモデルを作ったことを覚えている。しかしその結果も偶然によるものだった。月に着陸を試みた二人が死亡した場合のスピーチも用意されていたのだ。
Fate has ordained that the men who went to the moon to explore in peace will stay on the moon to rest in peace.
These brave men, Neil Armstrong and Edwin Aldrin, know that there is no hope for their recovery. But they also know that there is hope for mankind in their sacrifice.
引用元:Nixon would have read this speech if NASA's Apollo 11 astronauts died - Business Insider
人智を尽くしても、天命がどちらに転ぶかは誰にもわからない。一つだけ確かなことはこれからもそれが続く、ということ。サイコロころころ。
2017-07-24 07:08
先日こんな文章を見つけた。
iPhone を見て、日本の携帯電話メーカーのエンジニアたちは口を揃えたように、「うちだってあんなデバイスは簡単に作れる」「うちも前から同じようなデバイスを計画していた」と言いましたが、結局は Apple に大きく市場を奪われてしまいました。
そして、その一番の原因は、現場の技術力でも発想力でもなく、トップのビジョンにあった事実は未だにちゃんと理解されていないと思います。Tesla の Model S/X が自動車業にとっての iPhone であると私が感じる一番の理由は、高らかなビジョンを掲げてエンジニアたちを引っ張り、消費者たちを虜にする Elon Musk にあるのです。
引用元:Life is beautiful: Tesla は自動車業界にとっての iPhone か
この人の言うことには(誰に対しても同じだが)賛同できる部分と鼻で笑う部分がある。これは前者。文科省は「分野横断」とか「協創」とかくだらないキーワードにご執心のようだが、日本が冴えない原因はただ一つ。リーダーがいないことによる。
ソニーの盛田氏とか、松下幸之助とか、稲盛氏とかそういう名前が聞こえなくなって久しい。海外のニュースフィードをみていてでてくる名前は孫氏だけ。
まずはこの現状を見つめようではないか。文科省が作った小さなゴールをうまくゲットしていく人間をいくら集めたところで何もできんのだよ。
次の問題は、なぜかつては強力なリーダーを生み出すことができたこの国に、それができなくなったのか、と言う点。今ぼんやり考えているのは「型の呪い」と言うやつである。
日本人は様式美が大好きだ。例えばデンソーでは「デンソー流」という言葉がよく使われる。それが何かを誰も説明できない。自分たちの奇妙な行動様式に合理性を与えること以外の意味を持たない言葉だ。
しかし
一旦「デンソー流」という「型」ができると、それが唯一絶対の基準となる。そしてそれへのハマり具合をもって人の評価がなされ、そのうち
型にはまることに全精力を費やす
ことになる。そして会社と国が衰退する。太平洋戦争末期に行われた理不尽な行為の多くはそれで説明がつく。とにかく死ぬことが「型」になる。だから民間人に自決を強要したり、戦艦大和を出撃させたりする。そもそも戦争の目的はなんなのか、という本質論はどこかへ消え「死ぬ」という型にはまることが重要になる。
とかなんとか
分析してもなんともならんのだよね。本でも書けば金になるかもしれんが、これだけのネタで数を出せるのは有名な人だけだしなあ。
2017-07-20 07:23
なぜかサラリーマン人生で「音声認識」に関わることがある。私自身はとってもその技術を嫌っているのに。
高い金出してViaVoiceというIBMのソフトを買い、それを動かすための小さな東芝製のコンピュータまで買い、かなり長い間訓練用の音声を吹き込んだのは少し前のこと。今ではクラウド上の処理により何も訓練しなくても「相当な」精度で音声を認識してくれる。じゃあコンピュータに音声で語りかければいいじゃないか。
とはならない。今もなっていない
VIDEO
これは車の中でAndroidとiPhoneのSiri(本当はちょっと違うけど、まあ説明のために簡略化する)を対決させた時のビデオである。結果はAndroidの圧勝。しかしそのAndroidを使う時であってもユーザがどれくらい緊張しているかを見て欲しい。発音した住所が正しく認識されるか否かは未だに神頼みの状態だ。
そして
仮に「音声」をちゃんと認識してくれたとしても、その次に「相手が何を言っているか理解する」というもっと巨大な難問がそびえている。こちらは簡単な「一問一答型」の会話以外では全く解決の見込みが立っていない。人力で大量の「問答パターン」を定義する以外方法がないのだ。
昨今の「人工知能ブーム」は楽しいが、この後者の問題、すなわち「人間が何をいっているか理解する」という問題はほったらかしになったままである。もちろんちゃんと取り組んでいる人はいると思うのだけど。
そして、ヘビーユーザーの属性は52歳の女性で、音声アシスタントを月に平均1.5時間使っている、ということが分かりました。
一般に、年配の女性は電子機器類の操作が苦手、というイメージを持たれがちですが、話しかけるだけで操作できるというSiriなど音声アシスタントの手軽さにより、端末の操作を手軽に感じているのかもしれません。
引用元:Siriの利用者数が前年比16%減、ヘビーユーザーは意外な属性 - iPhone Mania
ちょっと記事の書き方に疑問はあるが、現状音声認識をよく使っているのは40歳以上の女性なのだそうな。これは意外な結果だった。もっとちゃんと内容を調べて見たいと思う。今の音声認識は前述した通り「幅広い問題に対して手軽に使える」ような代物ではない。しかし40歳以上の女性が使う、ということは目新しさとかそういう理由ではなくちゃんとしたメリットがあるはず。それはなんなのだ。その女性たちは多分私が考えつかないような「日常生活での便利な使い方」を見つけたらしい。
上記引用記事でもう一つ面白かったのは、今だに音声インタフェースで一番よく使われているのがSiriということ。これも意外だった。端末の数からいったらAndroidの方が多いはずなのだが。。。って書いていくとこの調査大丈夫か、という気もしてくる。
とにかく
音声認識はまだまだ未来に存在している。共産主義のユートピアと同じくそれがいつ現実世界に現れるのかは誰にもわからない。
2017-07-19 07:30
先日某研究会で「情報の信頼性評価を支える批判的思考と情報リテラシー」という講演を聞いた。日本の選挙について
「政治に関する基本的な知識と、支持政党の関係を調べたら、公明党支持者だけダントツで知識の点数が低かった」
という結果が紹介されていた。彼らが「間違った政治的”事実”」を教え込まれているか、あるいはハナから何も調べずに「とにかく公明党支持」をしているのかが興味深いところだが、おそらくそれ以上は誰も突っ込めないのだろう。
そうやって「何も考えず党のいうことに従う」人が政権を1/4くらい握っているというのが我が国の実態。これだけでも十分気が滅入る結果だが、やはり自由とデモクラシーを掲げるアメリカは一味違う。
only 45% of Trump voters think Donald Trump Jr. met with Russians last year to discuss their offer to help his father win the election.
And 32% say it didn’t happen at all.
This is after Donald Trump Jr. already admitted publicly that he met with the Russians, and Donald Trump Sr. tweeted the fact that his son met with the Russians.
引用元:Only 45% of Trump voters believe Don Jr. met with the Russians, after Junior admitted it - AMERICAblog News
いい加減な訳:トランプに投票した人のうち、ドナルド・トランプ・Jrがトランプの選挙支援に関連してロシア人に会ったと考えている人は45%。32%はそんなことは決して起こっていないと考えている。
これはトランプJrが公にロシア人と会ったと認め、トランプ大統領自身が、Jrがロシア人と会ったとTweetした後の調査での結果である。
大統領も本人も「ロシア人にあった」と認めているのに「そんなことは起こっていない」という人が32%もいる。つまりこの32%の人間はトランプの発言すら信じていない。つまり彼らと彼女たちは「自分が信じたいものを信じる」こういう人間の1票も、どんな問題についても、両方の意見を批判的に吟味し、慎重に考慮した上で自分の意見を決める人も一票。全く同じ扱い、というのが民主主義である。
こうなると「批判的思考」などというものは民主主義を考える上で「悪い冗談」としか思えなくなってくる。今の段階でもトランプの支持率は30%を上回っているようで、誰が支持しているのかと不思議に思っていたが
「何があってもトランプを支持する」
という人間の数は私が思うよりはるかに多いようだ。
世の中の形がこうなっている、という事実を、私のような理屈っぽい人間はすぐ忘れる。何度も書いているが、私はトランプが再選されても驚かない。
2017-07-18 07:13
例えば私の前で「Appleはもうおしまいだ。Steve Jobsは死に、最近の製品には革新性が感じられない」と力説すれば、「そうですね」という私のニヤニヤ顔が見られるだろう。何が言いたいかといえば、
「狂信的原理主義者に道理をといても無駄」
ということである。
同じような理屈でAI馬鹿につける薬はない、ということも知っている。少し勉強すれば簡単にわかるようなことを、勉強しないことによってあえて空想の世界に浸る人はとても多い。これは別に最近の風潮というわけではなく、30年前の第二次AIブームのときもそうだった。こういう人は騒ぐだけ騒いで、熱がさめるとすっかりそこから手を引く、という性質を持っている。それはかなりハタ迷惑なことだが。
さて
第二次AIブームが去った後もしつこくAIの研究(彼らの言葉を使えば「コグニティブコンピューティング」だが)を続けていたIBMである。
近年IBMは、重要な成長部門のひとつとしてWatsonをますます重視していた。それがまるで、IBMの未来を投射する影絵人形であるかのように。
引用元:IBM Watsonはウォール街の今の基準から見ると不評、Jefferiesが酷評レポートを発表 | TechCrunch Japan
「IBMはサービスである」というのは、有名なビジョンだが、最近私が触れる(つまり遠いところからつまみ食いするという意味だが)IBMのビジョンは
「IBMはセールスである」
ではないかと思わせるようなものだった。ソフトバンクと組んで、あやしげなプレゼンをやりまくる。金儲け至上主義のソフトバンクと実に最近ウマが合っているように思える。
でもって
そろそろ第三次AIブームも終息の気配が見えてきている。そうした「秋の虫の声」を一つ紹介しよう。
。MD AndersonはWatsonのプロジェクトに6000万ドルを浪費した挙句にIBMとの縁を切り、“人への治験や臨床的利用にはまだ適していない”、と断じた。
MD Andersonの悪夢は特例ではない。AI系のスタートアップのファウンダーの多くが、顧客である金融サービスやバイオテック企業がIBMと同様の経験をしている、と語っている。
しかしそれは特定の不具合に関する話ではなくむしろ、誇大なマーケティングや、ディープラーニングとGPUの稼働の欠陥、そしてデータ準備の要求が厳しすぎることを指している。
引用元:IBM Watsonはウォール街の今の基準から見ると不評、Jefferiesが酷評レポートを発表 | TechCrunch Japan
私なりに要約すると
・大規模がんセンターが、IBMのWatsonを使ったプロジェクトに60億円を投資した結果として「まだこの技術は使えない」という結論を出した。
・そうした「実際に商用化しようとして、困難につきあたっている」AIプロジェクトは多い。
・「なんでも人工知能のおまかせ」という言葉が誇大広告であり、AIをビジネスに応用して収益を上げるのは、「人工知能がやってくれる」ことではなく人間の粘り強い努力が必要なことが(またもや)明白になった。
AIは、大量の非定型データを吸い込んでインサイトを吐き出す、摩訶不思議なブラックホールではない。堅実なデータパイプラインと、AIに対する自己の業務レベルでの正しい理解が、利用者の最低限の必要条件だ。
引用元:IBM Watsonはウォール街の今の基準から見ると不評、Jefferiesが酷評レポートを発表 | TechCrunch Japan
このセリフは、第二次AIブームが終焉に向かう頃に発せられた言葉とそっくりである。そして過去の事例が何かを私たちに教えてくれるとすれば、こういう馬鹿騒ぎにうかれることなく、騒ぎが終焉した後も地道に研究・開発を続けなければ収益をあげることなどできない、ということ。あ、詐欺的商売は別ですよ。
ただ、いずれにしてもどの会社も大きな障害にぶち当たるのは分かっています。インタフェースをAIと統合するテクノロジーを成功させるためには、長い時間、何度も繰り返して取り組むことしか解決策はありません。
そして日経ビジネスの読者の皆さんに特に申し上げたいことがあります。次の10年間を主導していく企業の話の中で、日本企業がこうした議論に列挙されることがありません。この背景を特に私は主張したいのです。
引用元:日本人は「ロボットの心」を創れますか? (3ページ目):日経ビジネスオンライン
2017-07-14 07:45
だめな文章にいちいち突っかかっていてはインターネットなど触っていられない。しかしこうまで突っ込みどころが満載だと何か書きたくなる。
日本のプロ野球においても、この10年の地域密着革命にパ・リーグ球団が火をつけたのは必然だったかもしれません。そして、プロ野球界にとって明るい材料は、巨人戦の全国生中継という鉄板の商品を持っていたがゆえの「イノベーションのジレンマ」に陥っていたセ・リーグ各球団も、来場客を中心に据えたビジネスに本格的に取り組み、成果が出てきていることでしょう。
(中略)
スマートフォン、漫画、ごろ寝、映画……これらはライバルにもなりますが、アライアンスを組むことで、魅力を高め合う仲間にもなり得ます。市場も日本に留まらず、スマホでの視聴を想定し、世界の津々浦々まで広げられる可能性が生まれています。そんな77億人(編集部注:国連の推計では2020年に世界の人口は77億人に達する)の余暇の争奪戦において、球界としての経営戦略が見えてきたとき、野球界の未来はより明るいものになると思います。
引用元:プロ野球が密かに復活していたことをご存じ? (4ページ目):日経ビジネスオンライン
なんというか、こういう「耳障りのよいデタラメ」を並べると仕事がもらえることもあるのだろう。
彼の四ページにわたる文章は、「私はプロ野球でプレーしたし、経営にも携わりました!」という自己顕示欲の塊をそぎ落とせば
「結構売り上げあがってます」
という一文で済ませられる。
なんども書いているが最近の若者は野球のルールを知らない。「ダブルプレー」が日常語として注釈なしで利用可能だった我々の世代とは違うのだ。現在野球場に通っているファンが、どうやって野球を覚えたかは定かではない。
出場チーム数はこれまでの8から6へと減少したが、大会関係者からは「1次リーグから緊迫感のある試合が展開されるだろう」との期待がある。
引用元:東京五輪野球は決勝トーナメント3チームの新ルール…1次Lからメダル争い緊迫感UP : スポーツ報知
スマホで視聴できるから、市場は世界中に広がっている、なんてのはインターネット普及期によく言われたデマだ。未だにそんなことを言われて「そうか!」と膝をうつ人間は私が思うより多いのだろうな。
野球というのは、ルールが変更されない競技でもある。最近ようやく高校野球での延長戦での規定が変更になるらしいが、それくらい。バレーボールは私が子供の頃とは全くルールが変わっているし、柔道も少しずつ大きな変化を遂げている。
その結果が「出場国が8から6に減少」であり、もはや一つの競技として成立が危ぶまれるようなレベル。
そうした現実から目をそらし「野球の未来は明るい」とは今の野球関係者が聞きたがっている言葉。「ちはやふる」という漫画のセリフだが
「人間は自分が聞きたがっている言葉に簡単にあやつられる」
そう考えれば、小林氏は見事なコンサル。商売上手とは思うが、真似したくはない。
野球はプロレスと同じく縮小均衡で生き残るのだと思う。(生き残るとすればだが)未だに過去の惰性でスポーツニュースといえば野球だがあれも早晩変わる時が来る。つまり野球は「知る人ぞ知るスポーツ」になる。つまり普通に生活を送っており、親が野球ファンでなければ
「野球って何?」
という人が大多数になる。それでも熱心なファンは球場に足を運び、鐘や太鼓を打ち鳴らし、奇妙な歌を合唱する。その収入の範囲内で生き残ろるのだろう。
私は別に野球に恨みはない。しかし他のスポーツと同じくフェアであってほしいとは願っている。暴力団に脅され、何億円も支払った人間 がそのまま何事もなかったように監督を続ける、なんてデタラメな話は私の世代で終わりにしてほしい。
2017-07-13 07:32
トランプが立候補してから、数年の出来事が後世どのように評価されるのだろう。私は未だトランプが核兵器をつかうのではないかという懸念をもっているが、彼がアメリカの武力を意味のないことに用いなければ、
「ホワイトハウスを舞台にしたリアリティショウ」
となるのではないか。
まるでアフリカの奥地の部族のような、「親族の登用」にはじまり、すぐバレる嘘の連続、はてまた特定のニュースメディアを相手にした動画をTweetなどとにかくネタに困らない。Sitcomの作家でもこれほどまでに滑稽な「大統領一族」を描くことはできまい。
その華麗な一族の最新作がこれである。
「ヒラリーにとって不利益となり、ヒラリーがロシアと関わりがわかる文書と情報をトランプ陣営に提供できる」
「あなたのお父さんにとってとても有益となるだろう」
「これは、高いレベルの機密情報で、取り扱いを十分に注意しなければいけない。ロシアの一部とロシア政府はトランプ氏をサポートしている」
といった、ロシアがトランプ陣営にとって有益な情報を持っていることを示す内容がメールには書かれている。
これに対し、トランプ・ジュニア氏は「君が言っている通りなら、素晴らしい情報だ」と返事をしている。
引用元:トランプ氏の長男「ロシア弁護士との会合は父親には伝えていない」
話はこうだ。大統領選のさなかに、ロシア政府と関係のある弁護士と、トランプの娘婿が会っていたのだそうな。事前にかわされたメールが上記の引用文である。
今までトランプは「我々はロシア政府と一切接触をもっていない」とか公言していた。例によってこれは嘘。そしておそらくアメリカ人のプライドを傷つけることだが、世界に冠たるアメリカの民主主義は、バカな候補者一族と、ロシアによって簡単に操作され、ねじ曲げられるようなものだった。
形の上ではトランプの娘婿は、自分でこのメールを公開している。理由はただ一つ。そうしなければ、ニューヨークタイムスに公開されていただろうから。
なぜこれが日本で大きなニュースにならないのかわけがわからない。こういうことだ。日本に多数の軍事基地を有する、もっとも重要かつ親密な同盟国は、ロシアに支配されている。ロシアは一発でトランプを弾劾に追い込むネタを山ほど用意にしているに違い無い。具体的に言おう。おそらくこの時ロシア政府からトランプ陣営に情報が渡され、かつそれに対して謝礼が支払われている。もちろんトランプは否定するだろうが、その「証拠」は間違いなくプーチンの手元にある。それをチラっとみせただけでトランプはプーチンのいいなりである。
トランプを大統領にしてしまった過ちは過ちとして、早く弾劾しないと米国にとって大変なことになる、と思うんだけどねえ。もともとトランプに投票する人はそんなこと考えないか。そして例によって日本人は自らの生活にとっても影響がある地位に就く人を選ぶことができないのであった。ああ、民主主義はすばらしい。
2017-07-12 07:20
戦国時代だったら、とっくに人生終わっている年齢である。とはいえ世の中のほんのごく一部しか知らないで人生を終わることを最近確信している。
いきなりなんの話かといえば、お馬さんである。今日こんな記事を見た。
セレクトセール2017(両日)
購買者トップ10
1.里見治 16億9700万円(16頭)
2.近藤利一 11億4500万円(13頭)
3.ダノックス 9億5200万円(11頭)
4.DMM.com 6億7500万円(3頭)
5.金子真人HD 6億500万円(11頭)
引用元:馬・写・道さんのツイート
競走馬の購入が行われたんだそうな。でもってセガサミーの経営者が16億円。エロが一番有名なDMMが7億弱を払っている。
DMMというのは面白い会社で、一番有名なのはエロ動画だが、他にもいろいろなことに手を出している。トラブルばかりおこし、全く売り物がないUPQが倒産しないのもDMMの資金が元になっているから、と2chで報じられている。私は2chに書いてあることを真に受ける人間なのでその前提で話をする。
そもそもなんでそんなことをするのか不思議だったが、おそらくDMMにとっては競走馬と同じ扱いなのだろう。競走馬は購入もさることながら、その飼育にとんでもない金がかかる。UPQなんぞそれに比べれば「誤差」の範囲ということか。
これだけ金をはらって誰が競走馬で「投資のリターン」をえることができるか?多分誰もできない。目的は別のところにあるらしい。
「馬主なんてものは採算で考えられるものではない栄誉、社交界におけるステータスを巡る争いである」と考えれば、「セレクトセールの億馬を競り落とす行為」が必要。
引用元:メジロマイさんのツイート
こうなると私のような貧乏人には全く想像もつかない世界があるのだな、としかいいようがない。自らの生活を振り返って「採算を度外視して金をつぎ込んでいるもの」といえば、、、なんだろう。映画かなあ。でも暇つぶしに感動、を考えればトータルでは採算が取れている気もするし。お馬さんにお金をつぎ込む人は、何億円分の「感動」を得られるんだろうかなあ。想像もつかないが。
自分たちのかせいだ金が、こうやってお馬さんに消えて行くのを知りながら、その会社の社員がどうやって働くのかはよくわからない。「そういうもの」と割り切っているのだろう。そう考えれば、LINEで会社自体はちょっと赤字だが、韓国人の取締役がものすごい報酬を得ているのも社員にとっては「そういうもの」ということなんだろうなあ。
2017-07-11 07:13
何度か書いたことだが、日本では商品とか映画の発表にとにかく芸人をつけなくてはならない、という法律があるらしい。少なくとも暗黙のうちにそれは了解されている事項のように思える。
会社で今広報部の隣に座っているからそこの人に聞けば何か教えてくれるのかもしれないが、聞きたくないような気もする。さて、なんで改めてこんなことを書き出したかといえば、この二人である。
Amazon.co.jpは、7月11日に開催するプライム会員向け大型セール「プライムデー 2017」の特別企画として、剛力彩芽さん、千原ジュニアさんが配達員として「Fire TV Stick」を届ける「プライムデー 2017 Fire TV Stickを有名人がお届けキャンペーン」を展開する。
引用元:Fire TV Stickを買うと剛力彩芽と千原Jrが配達員に。プライムデー2017 - AV Watch
NHKしか見ない人なので、千原なんとか氏は、すご技対決にでてくる顔の四角い人。剛力某はゴリ推しの人である。でもってこの二人がなぜかAmazonのセールスにでてくるのだな。
「うわー。剛力さんがFire TV Stickを届けてくれるんだ。じゃあ申し込まなくちゃ」
と思う人が果たして銀河系に何人いるのだろう。そもそもなぜAmazonはこの微妙な立ち位置の二人を選ぶのか、と不思議に思っていた。しかし選んだのではないのかもしれない。
配達員となる剛力さんは、プライムビデオ新番組「フェイス -サイバー犯罪特捜班-(7月11日配信開始)」に出演、千原ジュニアさんは「千原○ニアの〇〇-1GP」(7月14日配信開始)に出演。同番組を視聴できるFire TV Stickを出演者自ら届けるという企画となる。
引用元:Fire TV Stickを買うと剛力彩芽と千原Jrが配達員に。プライムデー2017 - AV Watch
つまり彼と彼女が宣伝するのは「Amazonプライムデー」ではなく、自らが出演するTV番組なのでは、という推測である。となるとAmazonは選んだのではなく、どこかに押し付けられた、というのが妥当な推測ではなかろうか。そもそもそんな芸能人(彼らに何の芸があるかは知らないが)などなくても、プライムデーは私が今まで見たことがない
「Amazonの404ワンちゃん」
を見せてくれるほど人を集めている。(つまりAmazonのトップページがアクセス集中により、エラーを起こした、ということ)まさか生きている間にAmazonが陥落するところを見られるとは思わなかった。
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そう考えると、私の記憶に残っている限りAppleは芸能人をこうした「イメージキャラクター」として起用していない。それはとても賢明なことだと思う。
2017-07-10 07:07
日本の「ベンチャー業界」と呼ばれるものの気持ち悪さには何度か言及してきた。でもってちょっと会社員的に微妙な点もあるIVSでこんな事業が5位になったとのこと。
Facebook Messenger のボットとのやりとりで、イベントの2次会に女子を呼び出すことができる「キャバクラ版 UBER」を展開。
客単価 2.7 万円、30日以内のリピート率68%。今年の2月のローンチ以降、MoM の成長率は40%。820名以上の女性が登録している。
引用元:IVS 2017 Spring Kobeのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、VRソーシャルルームアプリ「cluster.」が獲得 #IVS10 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
風俗営業もスマホをかませると、たちまち「素晴らしいベンチャービジネス」に早変わり。でもってこのイベントの審査員がまたすばらしい。
ディー・エヌ・エー 顧問 川田尚吾氏
楽天 執行役員 北川拓也氏
Skyland Ventures 代表パートナー 木下慶彦氏
gumi 代表取締役社長 國光宏尚氏
セプテーニ・ホールディングス 代表取締役 佐藤光紀氏
KLab 代表取締役社長 CEO 真田哲弥氏
スマートニュース 代表取締役会長共同 CEO 鈴木健氏
グリー 代表取締役会長兼社長 田中良和氏
投資家 / The Ryokan Tokyo 代表取締役 CEO 千葉功太郎氏
ウォンテッドリー 代表取締役社長 仲暁子氏
YJ キャピタル 代表取締役 堀新一郎氏
フリークアウト・ホールディングス 代表取締役 Global CEO 本田謙氏
慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長 山岸広太郎氏
500 Startups Japan Head & Managing Partner James Riney 氏
スペシャルコメンテーターとして、堀江貴文氏が参加した。
引用元:IVS 2017 Spring Kobeのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、VRソーシャルルームアプリ「cluster.」が獲得 #IVS10 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
私が給料をもらっている会社の、大株主がはいっているところだけはちょっとスキップして、あとは「日本駄目ベンチャー列伝」の目次をみているようである。
思うにこのIVSというのは、彼らにとって大変居心地のいい空間なのだろう。それとともに、一歩離れた位置から見るとどれくらい異様に見えるか何も考えてないんだろうな。
そういう人間がひとまとまりになっているのはありがたいことだ。願わくば彼らを収集に出す日を間違えないようにしたい。というか「ベンチャー」ではなく「ウェーイ系」とか「ゴロツキ」とか新しい言葉を普及させる必要があると思う。
2017-07-06 07:33
その昔サッカー場で暴れまわるフーリガンなる人の映像を見ていた。「英国といえば紳士の国ではないか。なぜこんなことが起こるのか」というと友達は「階級の差が激しいから」といった。
もちろんその時の私(20台後半だったと思う)は物事を単純に捉えすぎていた。「●◯の国」などという表現は全て間違っている。それはスローガンからもしれないが実態とは異なる。
さて
とかなんとか自分が悟りを開いたようなことを言っているが、現実はそれより複雑である。そもそもセクハラという言葉が英語ベースであるように日本ではそうした言葉すら生まれなかった。宴会の席で女性が不快ないやがらせを受けるのは「当然」と見なされていたのだ。
そこにアメリカから「セクハラ」という概念が輸入された。でもって一時はなんでもセクハラだった時期もあるように思う。それでなくても「アメリカは訴訟の国」だから、そんなことすればすぐ訴えられるに違い無い、と頭のどこかで思い込んでいた。そこにUberのスキャンダルが報じられ、さらにはこんな報道も眼にする。
先週、マクルーアは500を襲った嵐の中心だった。 ニューヨークタイムズの記事でファウンダーのSarah Kunstに対してマクルーアが不適切な性的ほのめかしを行ったことが報じられた。マクルーアは500の運営中、女性に対して不適切な行動を取ったことが複数回あることを公開状で認め、謝罪した。昨夜、500 Startupsはオーストラリアの投資パートナー、LauchVicに対し、マクルーアのセクハラの苦情に対する社内調査を隠していたことについて謝罪した。
引用元:デイブ・マクルーア、500 Startupsのゼネラル・パートナーも辞任 | TechCrunch Japan
このスキンヘッドの男には会ったことがある。500 startupに見学に行った時"Hi"といって座っていた。
私が未だに理解できないのが、アメリカ的「なんでも訴訟」とこうしたセクハラの蔓延がどうして両立しうるのか、ということ。そもそもUberがそんなひどいところだったら働くべきではないし、Uberで職を得られるひとだったら他の会社でも働けるはず(と書いていたら、知り合いがUberで働き始めた)ではなぜこうした問題が放置されるのか。GMに駐在していたとき、長く駐在している人から「ちょっとまて、そんなことを言ったらセクハラで訴えられるぞ」と注意されたこともあったように思うのだが。その発言の内容は忘れたが、日本的感覚では問題ないものだったことは確かだ。
アメリカでは会議で自分の意見を言わないと評価されない、と読んだこともあるし、聞いたこともある。
その一方、「リーマンブラザーズ・コンフィデンシャル」にはこんな記述がでてくる。暑い中皆がCEOの家で会議をしている。奥さんが「何か飲みますか?」と聞くとCEOが「いや、彼らは何も飲みたく無い」と答える。奥さんは冷水を出すが、誰もそれに手をつけない。こうした「親分にひたすら追従する」態度と先ほどの「自分の意見を言え」をどう両立させるのかもわからない。
結局どこの国でも同じことだが「ボスのご機嫌を損ねない範囲の中で、独自の意見を言え」ということなのかもしれない。その場に存在しているが、眼には見えない「ここから外は危険地帯」を見極めるのはどこでもとても難しい。
2017-07-05 07:20
東京都議会選挙が行われた。私の母は選挙開票を見るのが大好きで
「面白いから、毎週選挙をやりなさい」
と言う人である。私は初めてテレビ東京の速報をみていたけど、あれ面白い。どこから集めてきたのか、という「素手で林檎をつぶせる」とかいうどうでもいいエピソード紹介が楽しい。そこで、私の勤めている会社があるところの選挙区で自民党から出ている人が、「ちょっとこれは」という人であることも知った。だいたい「若さと性別」を前面に打ち出した候補はロクな人間だったためしがない。27歳女性で慶應大学出身とくれば、これは数え役満である。(この表現わかりますか?)
さて
「崖から飛び降りた」小池氏は見事に勝利を収めた。ここでにこりともしないところがベテランだろう。仮に蓮舫がこの場所にいたとしたら、どんな顔をして何を言うかは想像もしたくない。その姿をみながら
「ああ、これは何度もみたな」
と思う。
政権与党は、まああれこれ問題がある。とはいってもそれに甘えきった抵抗野党にはもっとうんざりしている。しかたない。与党に投票しておくか、といったところで与党から分離して新党を立ち上げた人がでてくる。これはいいじゃないか、ということで一気に支持が集まる。
古くは新自由クラブもそうだったし、新党さきがけとかみんなの党とかこのパターンは飽きるほど見てきた。でもってそうしてできた新党は議席だけはあるけど、まともな人間がおらず腰砕けになり、いつか元の鞘に収まる。
というわけで年寄りは「まあがんばってください」と小池氏を生暖かく見守ることになる。彼女が今後どうなるかわからないが、少なくともリオ五輪閉会式で豪雨の中ものすごく高い着物をきて出演しただけでも歴史に名を残したのはないかな。
2017-07-04 07:15
詳細は本家の方にいつか書くつもりだが、5年にわたり使ったiPhone4Sは箱の中に鎮座し、私は今iPhone5Sを使っている。ちょっとまて、少し前に言っていた ことと違うではないか、と問わないでほしい。
iPhone4SのWIFI機能がお亡くなりになったのが、しばらく前。いや、これでも使えるのだが、Pokemon GOができないのが困る。というわけで急遽iPhone5Sの中古を買ったのだ。あちこち凹んでいるが十分使える。おまけに12500円である。
使ってみると
これが素敵に早い。4Sでは「うんこらしょ。どっこいしょ」といった感じで動いていたアプリがさくさく動く。さらにはTouch IDの便利さに今更気がつく。こりゃパスワードなんかいらないね。(今頃何を言っているのだ、と問わないように)
さて
問題はMacをどうするかである。いや、WWDCでMac Bookがでた、と聞いたときにはもうこれにしよう、と思ったのだよ。ところがそこから購入手続きが(ある理由により)さっぱり進まない。じりじりしているうち
「そういえば、MacBook ProにはTouch IDがついてるよな」
と思い出した。そう考えながら家でAppleのサイトをみている。横で息子が「何悩んでいるの」と聞く。いや、かくかくしかじか。お父さんは小さいのと大きいので悩んでいるのだ。
すると息子は「カバンにはいるんだったら、大きいのにすればいいんじゃないかな」と言う。
うーんそうだよねえ。そりゃ15inchのTouch ID付きは確かに高いけど、壊れたり無くしたりしない限り次に買い換えるのまた6年後とかだからなあ。となるとここで一発、、touch ID便利だし。
と思っていたところに今朝このニュースが流れる。
KGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏(郭明錤)は、5.2インチの有機ELディスプレイを採用したiPhone 8には仮想ホームボタンが搭載されるものの、液晶ディスプレイ一体型のTouch IDといった機能は搭載されないと予想していると伝えています。
引用元:KGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuo氏、iPhone 8からTouch ID機能は無くなる? | Rumor | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
がびーん。となるとTouch IDはあっというまに「捨てられた技術」の仲間入りをしてしまうのだろうか。いつの日かこれがMacにも搭載されればここで大枚払って、、いや、、、
そうこうしている間にも、購入手続きはさっぱり進まない。悶々としたまま湿度が向上し、夏がやってくる。夏がくると言うことは秋が遠くないということ。秋といえば「正解」が明らかになる季節でもある。ああ、悩ましい。
2017-07-03 07:40
昨日「本を書きたいけど、一人だとなかなか進まない」人が集まりひたすら書く、というイベントに行ってきた。アトラシアンという会社が場所を提供してくれ、参加費は無料である。ああ、なんと懐が広いことであるか。
技術関連の書籍という緩やかな縛りがあるなか、参加者が自己紹介+自分がやりたいことを語る。それを聞いていて
「そうか、技術関係の出版は誰を知っているかが何より重要なのだな」
と思った。ある会社の編集者の人が言っていた。On demandで出版するから、少ない部数でもいい。でも一番期待しているのは「執筆者の影響力」とのこと。ようするに「フォロワー数10万のTwitterアカウント」を持っている人に書いてもらえれば、それで売れるということなのだろう。
実に弁がたつコンサルタントの人の演説を聞き、その人が執筆した本を読み。なるほど、こういうビジネス書はこういう人が書いているのか。
私が書いている本には
「技術系イベントでお約束のように行われる自己紹介はクソだ」
という主張があり、それを話そうかと思ったのだが「こういう場所では必ず自己紹介をしていますので」といって自己紹介を一生懸命やっている人が二人いた。安易に人がやることにケチをつけるべきではない、と改めて思い直した。別のことを話してよかった。
というわけで、このブログの推定読者数が10万人くらいになったら今書いている本を出版社に持ち込むことにするか。アトラシアン社のオフィスは、座っている場所からポケストップにアクセスできるため、どんどんアイテムを貯めることができる。それがなくてもいろいろな勉強になったイベントであった。
帰り道にぼんやり思う。「をを、こんな視点があったか」という驚きには出会えなかったな、と。しかし次の瞬間その感想自体的外れだと気がつく。技術系の本だと「このツールをこうやって使います」で本になるし、世の中のためになる。出版社の人が、最近はやった言葉「マストドン」に関する本を一週間で書き、10日で出版したと言っていた。商売の上からそれは正しい。瞬間風速にのって売り上げを上げることができる。そういう世界に何を望むのかと言われれば、答えに詰まる。
とするとそもそも私は何をやろうとしているのだろうか。