2013-10-31 06:58
ちなみにこのタイトルはちょっと失礼なものかもしれない。まだMotorolaのこれがどんなものがわかっていないからだ。
それはなぜか。このGoogle子会社は今日(米国時間10/29)の午前、Project Araなるものに取り組んでいることを発表した。モジュラー・スマートフォンとそこにはめ込むパーツから成るオープン・ハードウェア・プラットフォームだ。
via: Motorola、プロジェクトAraでモジュラー・スマートフォンを現実に | TechCrunch Japan
すごいと思う?多分実際に使おうと思うと問題がでてくる。
- はめ込み式にするということは、内部のスペースを最適化することと矛盾する。従って同性能の携帯電話より大きく、重くなることは避けられない。
- さらに、モジュール間の結合を、信頼のできる形で容易に取り外せるようにしなくてはならない。ホコリ、汚れ、などの対策も必要。
- モジュールの大きさはある程度規格化されなくてはならない。(そうでなくてははめ込めない)結果無駄なスペースがでたり、必要なスペースが得られなかったりする。
わあっと話題になったあと、「結局全部固めたほうがいいね」という当たり前の結論に回帰する、というのが今までのパターンだった。これはどうなるだろう。
別の言い方をしよう。今やほとんどの携帯プラットフォーム会社が垂直統合に移行しつつある。であれば、確かに「逆バリ」をやるのにいい時期かもしれない。このAraが失敗してもGoogleにとって痛くも痒くもない。この
"Me too"
式でない挑戦が成功すれば大儲け、といったところだ。
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ソフトウェアの世界でも「モジュール式で、どんどん取り替えられます」というのはよくある謳い文句だ。でもってまともに動いたのを見たことがない。(正確に言えば、宣伝どおり動いたのをみたことがない)
愚かな人間もしくは組織は、過去の失敗から何も学ばず「よくある思いつき」をそのまま実行し失敗する。Project Araがそうしたものの一つではないことを祈る。
2013-10-30 06:39
去年は三木谷氏が基調講演を行った。英語はそれなりに上手だったが、内容は残念ながらほとんどなかった。
理由はわからないが、今年は三木谷氏が急遽キャンセル。(壁にはられた時間割りは、手描きで修正されていた)終了後のビアバッシュでは
「きっと日本シリーズで仙台に行ったんだ」
とか言われていたが、本当のところはわからん。
というわけで、急遽登板したのが「まつもとひろゆき氏」何年か前に情報処理学会HCI研究会で講演を聞いたことがある。あのときはまだRuby on Rails前だった。だからRubyは「玄人が選ぶ渋い言語」だった。
今回の講演の概要は、会社の表のブログに載せている。詳細はそちらをみてもらうとして、今日書きたいのは「エンジニアのモチベーションについて」
ひろゆき氏は、講演の最後のQ&Aでこう述べた。
Q:"失敗もOK"という風に会社のカルチャーをかえられるか?多くの会社ではなかなかそうはいかないが。
A:基本的にはそんな会社は辞めるべきだと思う。多くの大きな日本のIT企業は歯車を求めている。従業員に敬意を払っていない。エンジニアの動機の一つは自由度があることであり、自由を得るためにはリーダーになる必要がある。だから歯車を求めているような会社は辞めるべきだ。
via: 楽天テクノロジーカンファレンス2013でのMatz まつもとひろゆき氏の講演 - 株式会社ネクスト エンジニアBlog
氏の言っていることに同感する人は多かろう。しかし氏がおそらく知ってはいるが述べていない事柄がある。
自由を与えられた時に、それを活用できるエンジニアはそれほど多くない
ということだ。
私にとっては、行う仕事の自由度は実に重要だ。それは前職で実感した。会社で一緒に働く人たちは実に優秀だたった。しかしそれでも私はとても幸せではなかった。Sierという仕事は私の性に合っていない。おそらくMatz氏も同じだと思う。
先日中学の同級生と合っている時私はこう言った。
「世の中には、誰かが描いたぬりえを丁寧に塗る仕事と、自分の絵を描く仕事がある。俺は絵を描きたいんだ」
夏目漱石に「私の個人主義」という有名な講演がある。そこから引用しよう。
ああここにおれの進むべき道があった! ようやく掘り当てた! こういう感投詞を心の底から叫び出される時、あなたがたは始めて心を安んずる事ができるのでしょう。容易に打ち壊されない自信が、その叫び声とともにむくむく首を擡げて来るのではありませんか。すでにその域に達している方も多数のうちにはあるかも知れませんが、もし途中で霧か靄のために懊悩していられる方があるならば、どんな犠牲を払っても、ああここだという掘当てるところまで行ったらよろしかろうと思うのです。
via:
この言葉が、Jobsのそれとそっくりなことに気がつく人も多かろう。
たまらなく好きなことを見つけなければならない。そしてそれは仕事についても愛する人についても真実だ。仕事は人生の大きな部分を占めることになり、真に満足を得る唯一の方法は偉大な仕事だと信じることだ。そして偉大な仕事をする唯一の方法は自分がしていることをたまらなく好きになることだ。まだ見つけていないなら探し続けなさい。妥協は禁物だ。核心に触れることはすべてそうであるように、それを見つければ分かる。そして素晴らしい関係は常にそうであるように、それは年を経るにつけてどんどん良くなっていく。だから見つかるまで探し続けなさい。妥協は禁物だ。
via: スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチ - himazu archive 2.0
ここで漱石とJobsが言っていることは、Matz氏が言っていることより一段抽象的でメタであることに気がつく必要がある。Matz氏は自分のことしか語っていない。
私やMatz氏はおそらくSierに長く勤めることはできないだろう。窒息するからだ。しかし世の中にはSierで楽しく働いている人が何万人(ひょっとすると何十万人)もいる。
何にやりがいを求めるか、別の言い方をしよう。どれだけの自由度がその人にとって満足かは実に異なる。会社に対して不満を述べ続けるが、絶対やめようとしない人間がたくさんいることを知っている。私が見たところ、その人達はどこかその会社、仕事が好きなのだと思う。さらに言い換えれば、与えられている自由度-不自由度とも言えるーがその人にとって適当なのだと思う。
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などと書いているが、これはMatz氏の言葉に触発されてでてきた言葉だ。その意味でMatz氏の基調講演は実に面白かった。来年はまた三木谷氏がしゃべるんだろうか。また楽天がパリーグを制覇し、「急遽登板」があってもいっこうにかまわないのだが。
2013-10-29 07:10
私は基本的にこの反論は筋が通っていると思う。
So, when I see Apple drop the price of their struggling, lightweight productivity apps, I don't see a shot across our bow, I see an attempt to play catch up.
via: Apples and oranges - The Official Microsoft Blog - Site Home - TechNet Blogs
彼が言おうとしていることは「Surface, SurfaceProでは最初からOSの代金はなかったし、Officeも無料でつけていた。だからAppleがOSとiWorkを無料にしたのは"我々においつこう"としているだけだ」
筋は通っているのだが、おそらくいちばん大事なポイントに言及しないで済ませている。つまりMicrosoftは他のハードウェアメーカーに未だにOSを有償で提供しているということだ。
デヴァイスのハードウェアとソフトウェアの両方を作っている会社は、利ざやをどこに置くか選択することができる。
via: 「OS X無料化」が意味する新時代 « WIRED.jp
もちろんOSの開発にはものすごい費用がかかっている。その金はどこかで回収しなくてはならないが、それをどこで回収するかはAppleが自由に決められる。
残念ながらMicrosoftにはそれができない。こういうことだ。例えばSurfaceのテコ入れをするため、価格を赤字覚悟で$99に下げることを計画したとしよう。
ところが彼らにはそれができない。なぜならば、それ以上の値段を他の会社がPCを作るときにOS+Officeの代金として徴収しているからだ。つまり他の会社はどうがんばっても、(WIndowsとOfficeを搭載している限り)Microsoftにとられている以下の価格でハードウェアをうることはできない。もちろんMicorsoftが
「これからWIndows搭載のハードは全てMicrosoftだけが製造する!」
と決意すれば別だが。(実は最初にSurfaceが発表されたとき、Microsoftがそれをやるのではないか、とちらっと考えたのだが)
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しかしこれも何度も書いていることだが、Microsoftの反論ブログの「明確な論理」には感服せざるをえない。OSもOfficeも無料、SkypeやSkyDriveもついてくる。USBポートやSDカードスロットもありだ。そのうえ価格はiPadより高くない。
こう書かれるとグウの音もでない。しかし次の簡単な文章で論破されてしまうのが気の毒だ。
Shaw would do better by getting Microsoft to make a product that people actually want to buy.
via: Doubling down against the iPad
ShawはMicrosoftがみんなが実際に買う製品を作るようにしたほうがいいよ。
今頃Redmondでは一生懸命Surface3の設計が進められていると思う。多分彼らはいまある線を一生懸命延長してくるだろう。そしてソニーを打ち負かしたように相手が自滅するのを待つのだ。いつの日か無料Officeの価値をユーザが認めてくれることを願いながら。
2013-10-24 07:24
というわけで新しいiPadが発表された。いろいろな評価があるようだが、特に面白いと思ったのはこれだ。
They're breathing a sigh of relief at Microsoft today, because Apple's new iPad Air and iPad Mini are far from Windows 8 tablet killers.
via: New iPad Air, iPad Mini leave plenty of room for Windows 8 tablets to succeed | Computerworld Blogs
勝手な訳
Microsoftは今日安堵していることだろう。Appleが発表したiPad Air, IPad miniはWindows8 タブレットキラーからはほど遠いものだ。
Windows8タブレットキラーという言葉は初めて聞いたし、すごく斬新に響く。iPadキラーとかiPhoneキラーとかはよく聞いたけどね。
問題はWindows8タブレットは殺される前にまず実質的に生まれていない、というところにある。
If you're looking for innovative new tablet form factors, you'll need to look to Windows 8 tablets, not to Apple.
via: New iPad Air, iPad Mini leave plenty of room for Windows 8 tablets to succeed | Computerworld Blogs
もし革新的な形態のタブレットが欲しければ、Windows8タブレットを見るべきだ。Appleではない。
確かにそうだ。Ultrabookとしても使える。くるっと回すとタブレットに返信。すごいのだが、問題は誰もそれを買ってくれないところにある。何度も書いたことだが私はなぜこれが成功しないのか合理的な説明ができずにいる。それはおそらくMicrosoftの人たちも同じだろう。
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さて、我が国のジャーナリズムも想像力という点ではひけをとらない。この記事を読もう。
iPodがハイレゾ音源に対応しなければ、長期的に見るとウォークマンがiPodを追い詰めていく可能性はある。
ひさびさにソニーの本気を見た思いで、ポータブルオーディオの革新的な進化に感動しているユーザーは僕だけではないだろう。ハイレゾ対応ウォークマンは数年後に振り返ったとき、「あれがターニングポイントだった」と人々が思い出すような記念碑的な製品になる可能性があるのではないだろうか。
via: ソニー"高音質ハイレゾ"ウォークマン、iPodを追い詰める記念碑的製品となるか? (Business Journal) - Yahoo!ニュース
この「いまある線をどこまでも伸ばす」というのは日本企業の得意技で、社内の合意がとても取りやすい、というメリットがある。しかしなあ。どうせホラを吹くなら
「iPhoneを追い詰める!」
とでも書いてもらえないだろうか。もはや主戦場は携帯オーディオにはないのだ。
2013-10-23 06:32
今朝寝ぼけ眼でAppleのサイトにアクセスする。iPad Airという名前を事前に報道していたサイトはなかったのではないか。正直これには驚いた。iPad4を会社で使っていたが、その厚さ、重さにはいささか首をかしげていたのだ。これはすごい。
しかしもっと驚いたのは、Mac OS 10.9ことMarvericksが無料だったことだ。
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Android OSとiOSと比べた時、一つの大きな違いは「OSのアップグレードが容易」という点ではなかろうか。無料だし、対応機種であればほとんど何の問題もなくアップデートできる。かくしてたとえばこのブログにアクセスしてくれる人だと既に60%がiOS7になっている。
さて、iOSは毎年アップデートされる。最近はOS Xもそうだ。そしてこれまでもOS Xは十分安かったのだが、今回から無料になった。
ということはOSのアップグレードは、日々の「アプリのバージョンアップ」と同じくらい気軽にできるようになる、というわけだ。
これにより、まずAppleはOSのアップグレードから得てきた収益を失う。得るものはなんだろう?アプリ開発者からみれば、安心して新しいOSの機能を使ったアプリを作ることができる。先日「へやくる!」というアプリをリリースした。iOS7専用である。当初は
「リリース時期がiOS7のリリースと重なるから、まあiOS6で見た目だけiOS7っぽく作るかな」
と思っていたのだが、今から考えればiOS7専用にして正解だった。iOS6と7の共用は容易ではないし、そこまで手をかけずともほとんどの人はiOS7に移行するのだ。であれば新しいOS専用に作るのが賢明、ということになる。
おそらくこれからはOSX向けのアプリやサービスもそうした考えになると思う。これはAndroidやWindowsと比べた時に大きなアドバンテージとなる。つまりAppleが得るものは
「常に最新の機能を盛り込んだOSをほとんどの人が使えるようになる。そのことによるプラットフォームとしての優位性」
ということだ。いや、びっくりしました。
2013-10-22 06:56
そりゃもちろん「iアプリ」でしょう。(遠い目)
という冗談はさておき(少し前までは冗談じゃなかったんですよ)シェアだけみればAndroidということになる。ちょっと前までPC用のアプリ開発といえばWindowsだった。Mac/Objective-Cなんか使っていると変人と思われたものだ。
しかしながら何度も書いているようにMac OS V.S. Windowsの図式をiOS V.S. Androidに持ち込むことは間違っているようだ。
iOS is still far ahead when we take into account the relationship between development costs and available financing
via: Why Android First is a Myth | steve cheney - technology, business & strategy
モバイルアプリで一山当てよう、というスタートアップ企業が何のプラットフォームを選ぶか?開発コスト、それに資金を得る、という観点からはiOSが好まれているとこの記事は主張している。
不思議なことに「アプリといえばWindows」というPCのような声はあまり聞かれない。未だに残っている「iOSには自由がないからだめだ」という「オープンプラットフォーム原理主義」が正しければ、とうの昔にiOS+iPhoneはMac以下の存在になっているはずなのだが。
「イノベーションのジレンマ」のクリステンセン教授の説が正しければ、新しいプラットフォームが生まれた当初は垂直統合が有利で、その後水平統合が有利になるはず。その理論が正しければ、そろそろAndroidがiPhoneを駆逐してもいいはずなのだが、そうはなっていない。(もちろんシェアを基にして「駆逐している」と主張する人もいるだろう)
かくして私は「理論というのは常に昨日までの現実を説明するのに長けている」というFRB議長の言葉を思い出すことになる。必要なのはリスクを負い、決断することだってここで自分としては耳が痛くなっちゃうんだけど。
2013-10-21 06:53
多分これで言及するのは最後になると思うが、「勉強してない学部4年生の作品」enchantmoonである。
Microsoftがシャカリキになって目指した、デスクトップとモバイルの融合は、Windows8によって派手に失敗しましたが、NO UIならば完璧に実現できます。この差は非常に大きいと思います。
via: enchantMOONのこれまでとこれから - UEI shi3zの日記
この言葉から、これを作った人が過去の失敗例について何も学んでいないし、学ぼうという気もないことがわかる。「相対性理論は間違っていた」という理論が尽きることはないが、それには共通した特徴があって
「自分が倒そうとしている相手について何も学んでいない。またそれがなぜ権威をして認められたか、どのような攻撃をはねかえしてきたかについても何も学ばない」
という点だ。「誰もが簡単に思いつくが、うまくいかない」パターンというのは無数にある。この後半の「うまくいかない」というのは、過去の事例について調べたり、考えたりしないとわからないのだが、それをやらないと
「みんな難しく考え過ぎなんだよ。こんな簡単な解法があるじゃないか!」
ということになり、無知をもって自分の無知を正当化することができる。それで幸せになれる人は私が思っているよりも多いようだ。
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さて、松本なんとかという人がR-100という映画を作ったのだそうな。でもってその感想
芸人から抜け出せずに映画から逃げただけのクセに
「映画を破壊するため」「未踏の島を見つけるため」とか
恥ずかしい言い訳して、客と乱闘して捨てセリフを吐いて退場
どうしてこうなった
via: 【ネタバレ】「R100」感想・評判・解説・考察・口コミ・レビュー | えいがちゃんねる
この映画の感想には「陳腐」という言葉がよくでてくる。それはenchantmoonのNO UIにも通じる。そんなUIは過去にいくらでもあったんだよ。でもって山ほどある「絶対性理論」と同じくらうまくいかなかったわけ。でも松本某と清水某だけは
「これは新しい!画期的だ!」
とご満悦。
「客と乱闘して捨てセリフを吐いて退場」という結末もおなじになるのだろうか。あとはここも両者で共通。
結局ドエムにならなきゃいけないのは、大森なおではなく客の方である。
via: 【ネタバレ】「R100」感想・評判・解説・考察・口コミ・レビュー | えいがちゃんねる
2013-10-18 06:48
私はApple原理主義者だが、現実主義者でもある。そして例えばこんな「現実」をみれば、おそらくiPhone5CがAppleが当初想定したよりも売れなかったであろうことはわかる。
もちろん5Sが売れすぎているという議論もできるわけだが、
国内でアップル製品に人気があるかどうかは販売チャンネル価格から見て取れる。iPhone 5S のネット通販「淘宝」の価格はまだ比較的安定しているが、iPhone 5C の国行[?]は、アップルの正規価格 4488 元から 3500 元にすでに下落している。
via: やっぱり iPhone 5C は売れていない? | maclalala2
これをみても売れ行きが好調とは言えないようだ。
5Cは5とほぼおなじ機能をプラスティック筐体に詰め込んだものだ。価格は米国のSIMフリー版で比較すれば5Cのほうが$99安い。そして現在iPhoneに興味を持つ人は$100の差を気にしなかったということなのだろう。
初期に購入するのは
「iPhoneを買うためなら腎臓でも売り払う」
という人が多いだろうことを考えると、5Sに人気が集中するのはわかるが、どうもその傾向は変わらないようだ。
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現在Androidのシェアは世界でみれば8割。この比率は私のような古い人間からみると「見慣れた」ものだ。一時はWindows8割、Mac1.5割りとかそんなシェアが続いていた。
しかしどうもPC業界の構図をそのままスマートフォンに持ち込むのは間違っているようだ。
A study of more than 200 billion ads on Facebook says that mobile ads on iPhone generate 1,790 percent more return on investment than ads on Android. Even worse, advertising on Android actually costs more than it returns.
via: Facebook ad profit a staggering 1,790% more on iPhone than Android | VentureBeat
Facebook上の広告での話だが、iOS端末からのリターンはAndroidからのそれよりも17.9倍も大きいという。それどころかAndroidに広告だしても「原価割れ」なのだそうな。
というわけで、AndroidはOSなのだが、iOSは良質なプラットフォームとして機能している。ではシェアをどう考えるか、プラットフォームの質を落としてもシェアを狙う必要があるのか、とかそんなことを考える必要がある。
では5Cの狙いはなんだったのだろうか。美しいカラフルな筐体が価値を持つ、それを証明しようとしたのだろうか。
もう少し時間がたってみないと分からない、、とは言っていられないのだろうな。しかしイエローだけが在庫がないのだが、これがやっぱり人気なのかな。おれが6Cを買うとすると何色を買おうかな。
2013-10-17 06:53
寝ぼけ眼でiPhone発表のビデオを見た時の衝撃は今も忘れない。スイスイ動いている画面をみても
「これはきっとデモだ」
と思っていた。しかしSteve Jobsが本当に実機でそれを操作していたのだ。
それからたった6年しかたっていないがiPhoneは本当に激震だった。その舞台裏がかいま見られるようになったのはうれしいことだ。
2007 年1月の iPhone を発表はギャンブルだったといっても過言ではない。今までとは異なった電話 -- アップルがこれまで作ったことのないもの -- という意味だけでなく、まだほとんど動かないプロトタイプで発表しようとしていたからだ。実際の発売はまだ半年ほど先だったが、ジョブズはみんながすぐ欲しがることを望んだのだ。
via: オリジナル iPhone のデビューは大きな賭けだった -- iPhone 開発秘話 | maclalala2
私が思った以上に「薄氷を踏む」発表だったとのこと。それでありながら、あれだけ落ち着いてプレゼンテーションをしていたSteve Jobsというのは(いい意味でも悪い意味でも)普通の神経ではないと思う。
こういう状況であれば、担当したエンジニアがこうやって祝ったのも当然のこと。
「自分たちは -- エンジニアもマネージャーもみんな -- 5列目あたりに座っていた。それぞれのデモ部分が終わるたびにスコッチを一杯やった。自分たちの仲間は5〜6人いた。それぞれが自分の担当するデモが終わるたびに一杯やった。すべてが順調に進んでフィナーレになったとき、誰のフラスク・ボトルもカラッポだった。これまでやったうちでいちばん素晴らしいデモだった。その日は iPhone チーム全員にとって最高の日だった。街に繰り出して終日飲みまくった。もうメチャメチャだったが、すこぶるいい気分だった。」
via: オリジナル iPhone のデビューは大きな賭けだった -- iPhone 開発秘話 | maclalala2
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ここには書かれていないことだが、彼らはこの6ヶ月あとには製品を発売しなくてはならなかったのだ!これは考えようによってはもっと恐ろしいこと。デモは慎重に設計することで惨劇をさけることができる。そんな事情の通用しない普通の人が、アラをさがそうと触りまくる。それに耐えるだけの製品に仕上げなくてはならないのだ。
二日酔いが冷めた頃に、彼らと彼女たちは次の山に向かっていったことだろう。原文にはストレスのひどさから多くの人間が会社を去ったことが書かれている。当然だと思う。
「世の中を変革する製品を開発した!」
と言える栄誉がどれだけの犠牲を正当化するのかは、人によって異なる。
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私が勤めている会社には「携帯電話からwebサイトをみたとき」の検証用端末が何台もある。昨日それらを手にとってみていた。今や誰も振り向かないガラケーの山。しかしそれぞれに工夫をこらし、知恵を絞って作ったことだけは私にも伝わってくる。そしてその影には膨大な犠牲があった。
俺たちは、仕様も知らされぬまま横須賀に送り込まれた。
依頼主も孫請けらしく、正確な情報はかなり伝言ゲーム的にそれも口頭でしか伝えられない。
俺たちは、経験5年の軍曹1人と、経験2年の上等兵1人と、新人の2等兵3人の小隊だった。
現地に就くなり、現場は火を噴いた有様だった。果てしないデバッグの果てに
納期を過ぎてペナルティなのか要求項目が倍増したらしいのだ。俺たちが
派遣された場所の前任者(というより部隊)は全員ウツになって戦線離脱した
らしい。
via: ねもすぎ雑記 【軍曹が】携帯電話開発の現状【語る】
彼らが払った犠牲を、Apple社のエンジニア達がはらったそれと比べることは簡単ではない。しかし明確な違いが1点ある。
Apple社エンジニアたちの犠牲はすばらしい製品を生み出し、それは世界を信じられないほど変えた。
横須賀に送り込まれうつ病になった人たち。彼らの犠牲はどこにいったのだろう。何かの役にたったのだろうか。先日中学の同級生にあったとき
「ガラケーってガラクタケータイの略?」
と言われた。彼らと彼女たちは人生を犠牲にしてガラクタを作っていたのだろうか。そんなことを考えながら、ガラケーを一台一台眺めていた。
2013-10-16 06:45
仕事では結果を出せという。しかし結果に作用する要素はあまりにも多く、自分にコントロールできることとできないことがあるのも確かである。
だから今景気が悪いといって、そこで働いている人たちが特別無能と結論づけるのは間違いだし、彼らがやっていることが間違いとも限らない。
今や話題にも登らないソニー。ホソボソと終焉の道をたどっているが、それは他の家電メーカーも同じこと。ソニーが特別間抜けというわけではない。
しかし
1つだけ確かなことがある。1970−90年代にあれほど輝いたソニーはもはや戻らないということだ。なぜそう言えるか。彼ら自信がそれを目指していないから。
ソニーの創業者盛田昭夫は、消費者が片付けようとしている用事を見抜き、その洞察と、その用事をうまくこなすのに役立つ解決策を結びつける名人だった。(中略)
新製品開発の決定は全て、盛田自身と5名ほどの腹心が下していた。彼らは、人々を観察したり彼らと言葉を交わしたりしながら、本当は何を片付けようとしているのか考えることによって、破壊の足がかりを探し求めた。小型化や固体電子工学の技術を駆使して、スキルや金を持たない多くの人が、不手際な満足できない方法で片付けていた用事を、金をかけずに手軽にこなす手助けができないか考えたのだ。
イノベーションへの解:翔泳社刊 p99
ソニーが連続して破壊的テクノロジーを開発するという快挙を成し遂げたのは、こうした「問題の本質を見抜き、解決策を結びつける」能力が傑出していたからだった。では現在のソニー経営者はどう考えているか。
鈴木氏は、過去におけるソニーの強さを次のように表現する。
「ソニーだけでなく家電メーカーがうまく回っていた頃は、自社技術を中心にして、第三者の参入を許さないほど、速いサイクルでの製品開発と投入を繰り返すことで利益を上げてきた。ソニーに関して言えば、IT化が進む以前は記録メディアにおける強さがあり、自分たちの持つ知財を軸にしてあらゆる商品を作れていたことが大きい。基本部分を押さえているので、比較的少ない投資で先頭を走ることができた」
via: ソニーが掘り当てたエレキのサバイバル術 | 企業 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
記録メディアをしっかり抑えていたから楽して製品が作れた、これが盛田氏が目指したソニーの姿と大きくかけはなれていることは論をまたない。
「速いサイクルでの製品開発と投入を繰り返す」とか寝ぼけたことを言っている間に、iPodとiPhoneにすべてもっていかれた現実も彼らの前では無意味のようだ。うん。確かにソニーははやかったよ。あの頃、わけのわからないプレーヤーを他種類量産していたから。全部ゴミだったけど。
ソニーにプレイステーションから派生したSEN(ソニー・エンターテインメント・ネットワーク)があることが強みなのだという。
via: 「Now or Never(今でしょ)」で攻めるソニー | 企業 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
もうここまでくると「日本には大和魂がある!」といっていた帝国陸軍と対して変わりがない。SENなんてことばはこの記事を読むまで聞いたことがなかったが、ソニー内部では「ソニーが苦境に陥っても、SENがある」と思ってるんだろうな。
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私は今後ソニーはゆるやかな解体と、家電消滅(カメラ部門は独立して残る)と思っているが、この記事を読んでその確信が高まった。
というわけでこの「ごんざれふ」でしつこく繰り返してきたソニーに対する記事もこれで終わりにしたい。今後はいいことしか書かないよ。
2013-10-15 07:27
をを、はてなブックマークがかせげそうな標題だ(棒読み)
Docomoはサービスを順次キャリアフリーにしていくのだそうな。そりゃAmazonに対抗する存在になるためには、(世界的にみれば)小さなDocomo携帯という枠に安住している場合ではない。らでぃっしゅぼーやでみんなが野菜を買ってくれなくちゃね。
でもってとうとう新しいメールサービスがリリースされるのだという。
迷惑メールブロック付きのクラウド型メールサービスとして使うには、合計して毎月525円がかかる計算になります。
via: ドコモメールは10月24日開始。「Gmailよりドコモメール」の理由を聞く。docomo IDは4つのフリーを導入 - Engadget Japanese
月525円払うと、1GBの容量がわりあてられるんだと。でもってどんなデバイスからも使用できると。(iOS版は12月だそうだが)
なぜ無料で使えるGMailを使わずに、docomoメールを使うのか?理由は簡単で
ドコモに抱く安心感が1つの売りなると考えているようです。
長く使われてきたキャリアメールへの信頼感は厚く、設定の手間もほとんどありません。メールアドレスを変更したくないから他の携帯電話会社に移行したくないというユーザーもいるぐらいです。
via: ドコモメールは10月24日開始。「Gmailよりドコモメール」の理由を聞く。docomo IDは4つのフリーを導入 - Engadget Japanese
そりゃ、うちの父や母はgmailなんて知らないし、母は昔選択肢がなかったころに作ったNiftyのアドレスを使い続けるためだけに毎月Niftyに金を払っている。変えさせようとしても、母にとってその金は微々たるものだし、アドレス変更の手間を考えれば、母が首を縦に振らないのは容易に想像できる。
そういう人にとってはdocomo様のメールアドレスは月525円の価値が十分にある、ということなのだろ。
大胆に要約しよう。
「Docomo様の高貴なアドレスを使わせていただくのだから月525円などタダ同然」
とユーザが考えることを期待しているんだろうな。
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というわけでその考え方自体には異論はないが、それで「4っつのフリー」で戦っていけるのだろうか、と人事ながら心配になる。
「パソコンでも、タブレットでも、スマホでも、Docomo様の文字をみれば安心!」
と皆が余計な金を払ってくれる世界を想像しているのだとすれば、「NTTらしい」としか言い様がない。資金もあるし、優秀な人材もたくさんいるんだから
「をを、これなら確かにキャリア縛りがなくても、勝負できそうだ!」
という面白いものを見せてくれんだろうか。
2013-10-11 06:48
株式会社NTTドコモは10日、2013年冬モデル新製品発表会を開催した。
via: ドコモスマホ新製品中5製品は3日間駆動 ~1.7GHz帯LTEに対応し150Mbpsでの通信が可能に - PC Watch
というわけで、仕事の傍らだらだらと動画を流しておいた。
良い点からいこう。「一生懸命やっている」のは伝わってきた。Docomoの社長にとって、より重要なイベントはいくつもあるから、リハーサル不足は目をつぶろう。スライドを進めるのが自分ではやらずに、誰かにやらせていたようだけど、それも
「社長が間違って押してはいけない」
からなんだろうな。
後ろに表示している「チャート」でまだ説明しすぎているのは改善点の一つだと思う。(こういうの出しちゃだめだよ)基本的なことだが「みっつございます」といってチャートでもう3つだしていたら誰も聞かないよ。それをしゃべるタイミングに合わせて出すくらいはしてもいいかなあ、と。
あと意味のない動画をやたらと挟んでプレゼンの流れを切るのはやめたほうがいいと思う。
しかしまだ9機種もスマートフォンを出すんだなあ、と感心してしまった。Tizenは、、どうするんだろうね。
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これは別項としてかくべきことだが、先日Surface2の発表プレゼンを見た。私が好きなデザイナーの人がプレゼンをしていた。
Docomoの社長との一番の差異は
「むき出しの熱」
である。Surfaceが売れていないことは彼が一番よくわかっていると思う。しかしプレゼンの端々から
「これはすごくいい製品なんだ。是非手にとってみてくれ。使いもしないで勝手なことを行っている(私のような)連中のいうことなんかきくことない」
という心からの気持ちが伝わってきた。それに比べるとDocomoの社長は、そして途中でdなんとかを説明していたより現場に近いはずの社員もいかにも「サラリーマンが仕事をしています」という印象しか受けなかった。
きっとDocomoにも熱をもった管理職はいると思う。そういう人間に喋らせてはどうかな。熱は人に伝わるよ。
2013-10-10 06:50
サムソンが今のように「強大な家電メーカー」として認識される以前から、彼らは「とにかく妙なものを作る」ので有名だった記憶がある。
家電メーカー世界一になった今でもその体質は変わっていないようだ。
サムスンは、曲面ディスプレイ搭載スマートフォンを発表する最初の携帯電話メーカーになる競争に勝利した。
via: サムスン、「GALAXY ROUND」を発表--世界初の曲面ディスプレイ搭載スマートフォン - CNET Japan
確かに「曲面ディスプレイを最初に発表する競争」には勝った。そしてそれだけだ。
Samsung built and launched it so that it would be the first company in the world to build and launch a smartphone with a curved display. That's it. The
via: Samsung Galaxy Round Curved Display: Why does it exist? | BGR
このGALAXY ROUNDは「競争に勝つため」に作られたデバイスで、ただそれだけ。別にこれはサムソンの専売特許というわけではない。ぼんやりと覚えている。どのPCメーカーが最初に1GHzを超えるCPUをのせたPCをだすか競っていた時のことを。
Glaxy Gearも同じ製品だ。「Appleより先にスマートウォッチを出した!」と主張するのが唯一の存在理由。それ以外には何もない。
The Bad
- It makes no single part of your smartphone usage easier
via: Death by incompatibility: A Samsung Galaxy Gear review | Ars Technica
「これを使っても、スマートフォンの使い勝手がよくなるわけではない」
思えば元気だったころの日本メーカーもこういうことをやっていたような気がする。当時携帯電話にはいろいろな形のものがあった。中には女性が使うコンパクト型のようなものもあった。あるいは薄さとか軽さを競ったりね。
深く考えずにとにかく「日本初!」「世界初!」だけを目指す。その姿勢を批判することは簡単だが、今の日本メーカーにはその元気すらなさそうなのが悲しい。
2013-10-09 07:00
自分が全く何も知らない分野だと、「実はこうなんだよ」と語られると「そういうものか」とも思う。ゴルゴ13がその典型例だ。実はダイヤモンド市場というのはこうなっているんだ、とか読むと「ほうほう」と思う。
しかし自分がよく知っている分野に関して「権威」が語るのを聞くとその人の程度が知れることが多い。もちろん逆に「知らないはずの分野なのに、これほどまでに慎重に調べ、コメントするとは」と驚くこともあるのだが。
さてなぜか有名な大前研一という人である。なぜか知らないが発言をあちこちで見かける。彼がDocomo+iPhoneについて語った言葉を聞こう。
実際、アップルの新しいiPhone2機種のうち低価格の「5c」は99ドルだ(携帯電話事業者と2年契約の場合)。これまでアップルは価格を維持できたから利益が出ていたが、今後は低価格競争に巻き込まれて、ブランド力と利益率の低下に苦しむことになるだろう。ドコモとの提携は、iPhoneのコモディティ化をさらに加速する可能性もある。
via: 大前研一氏 スマホ戦争注目は相乗効果大きいMS・ノキア連合 (NEWS ポストセブン) - Yahoo!ニュース
もうどこからつっこんだらいいかわからない状態だが、まず「5Cが$99」というのは2年契約縛りがあっての話。それがない状態では$549だ。これが高すぎるといって発表直後が話題になっていたのだが、それと正反対の「価格競争に巻き込まれ」とか寝ぼけているとしか思えない。「ドコモとの連携がiPhoneのコモディティ化」とか何の話だろう?
というか多分自分で物を調べずに、耳にはいった情報だけを元に憶測を重ねているんだろうな。忙しい売れっ子というのはこういうものかもしれない。不思議なのは、この人が発言したり講演したりすることで多額の金を得ている点だ。世の中「金を儲ける方法」と「正しく賢明であること」とはなーんの関係もないのではないか、と思うことがある。いや、多分彼は「金を稼ぐ」という点においては「正しく賢明」なのだと思う。
2013-10-08 07:17
さて、今年はCEATECでみもしなかったSONYとPanasonic.Panasonicはぐずぐずとスマホ撤退の決断を遅らせたと思ったが、実はまだ「撤退」はしていない。「転進」しただけなのだ。転身先は「海外を中心とした法人向けスマホ」なのだそうな。
これを聞いた時多くの人が「?」とおもっただろう。それは一体なんのことだ?パナソニックのコメントを聞こう。
同社は、「法人向けスマホの開発は新規事業で、商品性も含め現在検討中です」と話す。生産や販売目標なども「まだ、わかりません」としながらも、「法人向けスマホ市場は有望市場」という。
(中略)。
法人向けスマホついて現在わかっていることは、屋外などでの利用を想定した「頑丈で堅牢性に優れた機種の開発を目指す」ということだけだ。
via: 法人向けスマホってどんな製品? パナソニックは「有望市場」だというが... (1/2) : J-CASTニュース
「まだ本土決戦がある!」と騒いではいるが、それをどうやって戦うかは全く白紙の状態ということ。米軍が関東に上陸してきたら、どうするんでしょうね。。
想像だが、これもおそらくは「パナソニック社内を平和に保つため」の方便なのだと思う。「まだ本土決戦が残っている!」といえば何か手があるような気がしてくる。
問題は敵はそんなことを全く考慮してくれない、ということだ。
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さて、スマホは見事に世界市場で「生き延びている」ソニー。このニュースを初めて観たときは「久しぶりに変なものをだしたな」(褒め言葉)と思った。しかしやはり内容はソニーだったようだ。
被写体を見つけて実際に写真を撮影するまで...つまり、電話と接続してから撮影できるまでに約30秒ほどかかります。
via: ソニー「QX100」ギズレビュー:画質は最高、でも使用感は苦痛そのもの : ギズモード・ジャパン
日常デジカメ(あるいはスマホ)を持ち歩くようになってから気がついたのだが、写したいものは突然現れるのだな。それが30秒!もちろん頭のいいソニー社員はこうした指摘に対する完璧な回答をもっているのだろうが。
操作が爆遅...
ちょっとズームしたいなと思っても暫~ら~く考えている...
ちょっと引きたいなと思ってもまた一緒...
多分こういうことにイライラする人には向いていないモノなんだと思います。
あの中年の夫婦みたいに焦らない。後ろでどんなに待っていても我関せず
関係ないとできる人でないと扱えない 「おとなのカメラ」なんだな!と思いました。
via: 価格.com - SONY サイバーショット DSC-QX100 のクチコミ掲示板
なかなか会社生活というのは大変だ。
2013-10-07 07:07
CEATEC2013に行ってきた。最大の驚きは、会場の1/3がトヨタと日産の走行デモ用のコースになっていることだった。
一昔まえはこういう展示会はもっとたくさんあった。ところがここ数年、出展者が減り、衰退の一途をたどっている。
というわけで家電メーカーは衰退しているのだが、通信会社はまだ儲けているらしい。というわけでDocomoのブースに行く。デモで
「スマホから新鮮な野菜が買えたらいいと思いませんか?」
とかいう「それでうれしいのはドコモだけだろ」と突っ込みたくなるような説明をきき切れかかる。しかし結論から言えばここで切れなくて正解だった。
DocomoはHMDを数種類展示しており、ものすごい待ち時間になっていた。それに並ぶ気はないから、コンパニオンのお姉さんがやってくれたデモを見る。これが爆笑ものだった。
例えば
「スマホ画面が、HMDに映し出されるので、手元をみなくても操作でき、新幹線の中でも動画をみることができる」というデモ。
このHMDがものすごく巨大で、おまけに既成品のUSBカメラそのものが真ん中についている。こんな変なものを装着させられるコンパニオンさんが気の毒になる。というか展示会に出すんだからもうちょっと外観なんとかならんのかね。こんな変なもの装着するくらいなら、素直にスマホを使うよ。誰だって。
次が「人の顔を認識して、その人の情報をクラウドからもってくる」というもの。これはまた別のHMD。というか今回デモごとに全て違うHMDを持ってきていた。そしてこのデモのものだけはまともな外観だった。しかしこんなデモ10年前にやっていたら少しは受けたかもしれないけどねえ。
自分の手を認識し、ドコモダケをふわふわ動かすデモのHMDには、「これで距離を測定します!」というデバイスが「どん」とついている。いやコンパニオンさんのプロ根性は凄まじい。
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この「スマホでいいじゃん」というのは今の家電メーカーにとって悪魔の呪文のようなものだと思う。カーナビもいくつか展示があった。カーナビからスマホをつかってネットに接続詞、HTML5のアプリを動かす、とかスマホとカーナビ画面を連動させるとか。
あれこれやっているのだが、「最初から素直にスマホ使えばいいじゃん」としか思えない。特にクラリオンが展示していた「カーナビ上にスマホ画面を表示し、カーナビから操作させる」はひどかった。タイムラグがあるため、一昔前のWindows Phoneのようながくがくがした操作性なのだ。これで「カーナビ操作だから安全です!」とか言われてもねえ。
クラリオンブースで、別の形態のスマホ連携をやっている。聞けばカーナビは15万なのだそうな。既に存在しているスマホに加えて15万も誰が払うというのか。そもそもiPhoneが6−7万で購入できるのに、なぜカーナビは15万もするのか(できることははるかに少ないのに)そうした疑問をぶつけてみると
「いや、カーナビは耐環境性とかありますから」
という。そりゃ確かに炎天下の社内に放置されたら駄目だろうね。でもスマホなら使用するひとが持って歩くからそんな問題もないし。
デンソーのArpeggioも初めて実物をみることができた。ここでも同じ疑問-なんでわざわざカーナビでやる必要があるのか-をぶつけてみたが(あたりまえだが)まともな答えは帰ってこなかった。ただ昔やっていた頃と同じ画面部品がまだ残っているのはちょっと懐かしかった。
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東芝のブースには、去年Panasonicが「実現できていない」と認めた冷蔵庫内カメラがちゃんと展示されていた。いろいろ文句をつけたいところはあるが、少なくとも正しい方向への第一歩だと思う。スマート家電というか、
「TVから電灯とか、エアコンの制御ができます!」
という展示もある。しかし不幸なことに同じ場所にタブレットも置いてあるのだった。これをみれば誰だって
「Tv上でリモコンなんか使って変な操作するより、タブレット上でさわればいいじゃん」と思うわけだ。かくして私は「10フィートUIなどというものは存在しない」という従来からの意見を繰り返すことになる。
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というわけで、今年はPanasonic, Sonyのブースはろくに見ていない。それらのメーカーについてはまた別の機会に書くことがあるだろう。
2013-10-04 06:31
ビジネスは結果を出せば良い、と言われる。逆に言えば駄目な製品でも売れなければ「お前のせいだ」と言われかねない。
かくしてMicrosoftジャパンの人間は「マーケティング」に知恵を絞ることになる。彼らの編み出した理論は
「Surfaceは売れている!値下げしたのは決して売れていないからではない」
というもの。そしてその主張を裏付けるやり方が変わっている。
虚構新聞より東スポより信用がおけないBCNに記事を載せる。そしてその内容がまたすばらしい。
それでは「Surface」の市場への影響力はどのぐらいだろうか。「第4世代iPad」と比べると、ビックカメラでは「iPadよりも売れている」(梅内主任)という。そこで、iPadの実売データをもとに、「Surface」のタブレット端末市場全体に及ぼす影響を探った。
「iPadよりも売れている」のはビックカメラ限定の情報なので、幅を取って「Surface」の販売台数をiPadの±20%と仮定する。この仮定の下、タブレット端末の2013年8月のメーカー別販売台数シェアを計算すると、日本マイクロソフトのシェアは7.5~11.3%となる。これはソニーを抑え、ASUS、アップルに次ぐ市場3位のシェアだ。
via: 実は「iPad(9.7インチ)」並みに売れている「Surface」、タブレット端末の新しい市場を開拓
ビックカメラの販売主任の「iPadより売れている」という一言を元に日本におけるシェアを推算している。このアクロバティックな技にはめまいがした。BCNとわかっていても。
ところがこの「販売店の一言で売れていることになる」ロジックは一回だけではない。どうやら今のMicrosoftのマーケティング戦略の重要なポイントらしい。
Surfaceは思っている以上に売れているというのが実態だと言えよう。そして、量販店でも重要な役割を果たす製品となっているのは間違いなさそうだ。発売半年の成果は、量販店においても合格点の成果だといえるだろう。
via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】SurfaceがノートPC販売の2割を占める ~ヨドバシカメラ・御代川店長にSurface発売半年の成果を聞く - PC Watch
この満点の評価も、根拠はすべてヨドバシカメラの店長のコメントだ。あちこちよくみたが「PR記事」という記述は認められない。つまり大河原克行という人は、真顔でこういう署名記事を書ける人、ということなのだろう。まあ人間食べていくのは大変だよね。
日本の情勢は世界の情勢と全く異なっていてもおかしくはない。だから「参考データ」でしかないのだが、直近のiPadとSurfaceの世界での販売台数を比べてみよう。
IDC estimated that Microsoft has shipped approximately 2.1 million Surface tablets of all kinds since the October 2012 debut of the Surface RT.
By comparison, Apple shipped nearly 57 million iPads in the last three quarters.
via: Windows tablets capture more share, but Surface suffers - Computerworld
世界中ではどうやらiPadのほうが25倍売れているらしいのだが、日本では「SurfaceのほうがiPadより売れている」こんな記事を読んで騙されるほうが悪い、ということなのかもしれないが。
2013-10-03 06:27
ほとんどの人は覚えていないだろうが、かつてガラケーにはそれに適した世界があった。
インターネットマシンとしてみたときに日本のケータイの便利さはまだまだ群を抜いている。これは端末だけがすごいんじゃなく、日本のケータイインフラにコンテンツ側もきちんと対応してきた結果生まれた状況だ。
私はSoftBank 911Tを愛用しているのだが、フルブラウザは契約していない。そして、このBlogをごらんの皆さんのように重度のPCサイト系ユーザーだ。でもほとんど不自由は感じないのである。はてなRSSリーダーを使ってBlogを読み、はてブの新着をチェックし、Gmailを確認・返信し、Googleカレンダーで予定管理する。場所がわからなければYahooモバイル地図を使い、Yahoo路線検索で乗り換え検索をする。mixiモバイルとMovaTwitterで外出先からコミュニケーションを取る。これぐらいの操作であればiPhone3Gよりも遥かに既存ケータイのほうが便利なのだ。便利というのは、具体的には『表示・操作にかかるトータルでの時間が少ない』ということ。なぜかといえば、これらのサイトはガラパゴスケータイの標準ブラウザに対応していて、ガラパゴスケータイで操作することを考えて作られているからだ。
via: iPhone 3Gはインターネットマシンとして見ても微妙? ガラパゴス・ケータイはやっぱりすごかった - キャズムを超えろ!
iPhoneなんていまいちだ!日本のガラケーワールドバンザイ!と「有識者」に叫ばせる程のすごいものだった(らしい。個人的には使ったことがないのだ)
でもって
今やガラケーからのアクセスなど誰も考慮しない。私の疑問はその人達はどこへ行ってしまったのか?ということ。あの下品なバナー広告でうめつくされた世界はどこへいってしまったんだろうね。
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話は変わる。
サムスンが一部のベンチマークテストで結果を「水増し」するために、CPUに「特別なモード」を設けている可能性があるとする話を伝えている。
via: サムスン、「Galaxy Note 3」の性能テストで小細工(Ars Technica報道) - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
ようやく日本語でも記事がでてきた。
きっとサムソン社内には、こういう結果に命と給料をかけている人がいるんだろうな、とぼんやり考える。
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さて、私の前の勤め先
UIEvolution, Inc.とToyota Motor Sales (TMS) U.S.A., Inc.は、UIEvolutionのソリューション「UIEngine」がソフトウェアプラットフォームとして採用されているToyota Motor Sales提供の車載マルチメディアシステム「Toyota Entune® App Suite」及び「Lexus Enform® App Suite」の開発のため、協業関係をさらに拡大することを発表します。
via: UIEvolution, Inc.とToyota Motor Sales (TMS) U.S.A., Inc.、協業拡大を発表|UIEvolution株式会社
どこをどう読んでも「協業関係の拡大」が何を意味するのか書いていない。こういう時はきっと何かがあるのだ。
世界の大トヨタからみれば、UIEvolutionをまるごと飲み込むなど「学校帰りの買い食い」と同じなのだが、どうするんだろうね。
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今日(米国時間10/1)、Twitterで@evleaksがLogitechのiPhone向けの新しいゲームパッドのリーク写真を公表した。
via: ロジテックのiPhone用ゲームパッドの写真がリーク―任天堂に脅威? | TechCrunch Japan
任天堂というか、ソニーにも脅威だ(というかそもそもVITAはなかったことにされてるんだろうか)この写真をみて一点気になるのは、iPhoneが5,5Sのサイズだけに対応しているように見えること。
あるいは4S,4でも対応できるのかもしれないけど、もしiPhoneが大きくなったらどうするんだろうね。あまり考えたくないけど、iPhoneが6で大きくなる、という噂は根強く存在している。
2013-10-02 06:35
受託開発が主体の会社では、仮にどんなに苦労したり、努力してだした製品であっても自社の名前を出すことができないことが多い。おそらく世の中には名前を知られていないすごい会社とか人がたくさんいるのだと思う。
というわけで営業さんとかがいろいろ頑張ると、名前を誇らしげに出すことができるようになる。昨日以前勤めていた会社がこういうリリースを出した。
UIEvolution株式会社(東京都渋谷区、代表取締役:穂坂浩司、以下、UIEvolution)の提供する「UIE Microserver」がクラリオン株式会社(埼玉県さいたま市/社長:泉 龍彦、以下クラリオン)開発の自動車向けクラウド情報ネットワークサービス「Smart Access 4Car」に採用されました。
via: クラリオン、情報ネットワークサービス「Smart Access 4Car」に UIEvolution提供の「UIE Microserver」を採用 ―CEATEC JAPAN 2013クラリオンブースに出展―|UIEvolution株式会社
をを、これはすごい。というわけでSmart Access 4Carというアプリをさっそくダウンロードしてみる。iPhoneアプリだということは知っているがまずはiPadで実行してみる。普通のアプリならば、iPad上で2倍に引き伸ばされてちゃんと動くはずなのだ。
しかし起動直後から何かがおかしいことに気がつく。iPad上では画面のレイアウトがガタガタに崩れており、ろくに動かない。まあ本来iPhoneアプリだからしょうがない、ということでiPhoneにインストールする。
するとこれが目をむくほどひどい出来であることに気がつく。簡単なリストの遷移ですら動作が鈍く、おまけにアニメーションなしで動く。「普通」にUINavigationControllerを使っていればこんなことは起こらないはずなのに。
APPというタブがあり、そこを選択するとアプリケーションのリストがでるのだがどれを見ても「近日公開予定」のまま。これで何をしろというのか。
起動時の画面には右下隅に誇らしげに「Powered by UIE」という文字が見える。しかしこんなアプリに名前を載せていいものか?そもそもなんでUIEの名前がついたアプリがこんなにひどい出来なのか?と思いプレスリリースを読み返してみる。
今回「UIE Microserver」は、Smart Accessのスマートフォンアプリに採用され、スマートフォンとナビとの連携をサポートしています。
via: クラリオン、情報ネットワークサービス「Smart Access 4Car」に UIEvolution提供の「UIE Microserver」を採用 ―CEATEC JAPAN 2013クラリオンブースに出展―|UIEvolution株式会社
なるほど、、UIEvolutionはMicroserverを提供しただけなわけで、アプリ全体はおそらくClarionが作って(というかどこか下請けに作らせて)いたわけだな。おそらくアプリ全体もUIEvolutionでといわれ見積もりを出したが、もっと安く作る会社が、、とかそんな話だろう。(しかし何をどうしたらこんなひどいアプリが作れるのか聞いてみたい気もするが。俺に100万くれればもっとマシなものを作ってやる、、とかいってもこれきっと30万くらいで作ったんだろうな)
これが社名を出すことの難しさなのだと思う。成功したサービスに使われていれば
「ああ、あのサービスの!」
と言ってもらえるが、いかがなものか、というサービスだと
「ああ、あのサービスの,,」
ということになる。
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ということで突然宣伝です。昨日「へやくる!」というiPadアプリがリリースされました。これを使うと何が面白いといってあれですよ。山手線の駅を適当にいれてみて「家賃1万円」で検索。するとそこにはあなたが想像もしたことがない世界が広がってます。逆に「家賃200万円」で検索するとこれまた想像を絶する世界が。
なんなら「4LDK以上」&「家賃3万円」で検索するのも楽しい。日本は思ったより広いのです。少なくとも私個人は「暇つぶしに最適」と思っているアプリでございます。
先日WISS Tokyoで最後にデモビデオをみせたアプリがようやく世の中に出ました。これの裏話はまたいつか。
2013-10-01 06:40
面白い文章を読んだ。
歴史論争を見ればわかるように、世の中の論争の大半はなにが正しいのか決着をつけることができません。歴史文書が残っていても、事実が正確に記されているかどうかはわかりません。タイムマシンが発明され、過去に遡って事実を検証できるようになったとしても、それをどう解釈するかは(自分たちに都合のいい)イデオロギーで左右されるでしょう。
ところがそのなかで例外的に、白黒の決着がつく論争があります。「市場原理」が正しい者に富を与え、間違った者を市場から追い出すからです。
via: ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) | 橘玲 公式サイト
この「週刊プレイボーイ」というのも日本独自の進化をとげた面白い週刊誌である。もちろんプレイボーイだから水着の女の子とか載っているのだが、記事が面白い。
ガラパゴス化したひとたちの特徴は、「日本は特別だ」という肥大化した自我と、「世界では通用しない」という劣等感です。こうした錯覚をただすのはとても難しいのですが、市場は損得によってそれを見事に成し遂げることができるのです。
via: ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) | 橘玲 公式サイト
この記事を書いた方が喝破しているように、論戦というのは本質的に無意味なものだ。それによってどちらが正しいかなど決めることはできない。
肥大化した自我と、世界に対する劣等感というのは戦前の日本にも(あるいは日本という国に伝統的に)当てはまる。無敵皇軍という自ら作り上げた幻想と、それがコテンパンにやられっぱなし、という現実とに挟まれた日本人が何をしたかはよく知られている。
そう考えれば、iPhone発表以前から日本のケータイは滅びる運命にあったのだろう。あのころから日本のケータイは海外では全く売れていなかった。そしてこの記事に書いてあるとおり
2007年頃に、日本市場で独自の「進化」を遂げた携帯電話の仕様が世界標準からかけ離れているとして、"ガラパゴス化"と揶揄されました。それに対して一部の論者が、「ガラパゴスでいいじゃないか」と反論しました。「日本には日本のよさがあるのだから世界に合わせる必要はない」「日本ブランドはアジアではじゅうぶん戦える」というのです。
via: ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) | 橘玲 公式サイト
こういう「日本帝國バンザイ」という記事も枚挙に暇がなかった。iPhone + Androidによる日本ケータイメーカの駆逐は、仮にiPhoneとAndroidが登場しなかったとしても起こっていたことなのだろう。
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さて、物は決して悪くないのにさっぱり売れないWindows Phoneである。
Microsoftがプラットフォームに対してやるべきこと、それはWindows Everywhereを推進することではなく、個々のプラットフォームを魅力的にし、ユーザが熱狂するようなエキサイトメントを届けることです。もっと具体的にいうと、先ほども触れたように魅力的なアプリケーションを増やすことです。
via: ケン・デュレイニーさん、MicrosoftやIntelはモバイルで巻き返しができますか?(1/2):企業のIT・経営・ビジネスをつなぐ情報サイト EnterpriseZine (EZ)
つまるところ、糸井重里氏がいうところの
糸井 その答えならばちゃんと普段から用意しております。「わあっ」です。「わあっ」てモノが、売れる。
via: iPad、「アバター」から前川清まで――イトイ式「売れるモノ」の法則:日経ビジネスオンライン
「わあっ」がMicrosoftには作り出せていない。どこでもOfficeが使えます!なんてのは個人にとってみれば
「うげっ」
でしかないのだ。