進撃のGoogle

2014-01-31 07:09

さて、私が「Googleが次に買収するのはキアだ」と書いた次の日、このニュースが流れた。

Google とレノボが、Google傘下の携帯機器メーカー Motorola Mobility のレノボへの売却で合意に達したことを明らかにしました。取引額は約29億1000万ドルになる見込み。

via: Google、モトローラ・モビリティをレノボに売却。総額約29億ドル (更新) - Engadget Japanese


GoogleがMotorolaを買収した時の金額と、売却したときの金額の差額についてはいろいろな議論があるようだ。いずれにしても推定値の争いにすぎないので、そこについては好きな人に議論してもらおう。

多分確かなことは、GoogleはMotorolaの特許と先端技術開発部門を飲み込み、あとの部分を吐き出した、ということだ。進撃の巨人のWikipediaにはこういう記述がある。


捕食した人間をほとんど未消化で吐き出す。

via: 進撃の巨人 - Wikipedia


今のGoogleは「巨人」だ。

という冗談はさておき、そもそもMotorolaを買収した時に彼らがどういう可能性を考えていたのかはわからない。Steve JobsがMotorolaが作った「iPod Phone」に切れたように、所詮自分たちで作らなくてはと考えたのかもしれないし、最初から単に特許が欲しかったのかもしれない。

今はGoogle、それにAppleは自動車会社と付き合っているが、そのうち「こいつらはどうしようもない」という事実に気がつくと思う。というか多分もう気がついているだろう。(ちなみに「どうしようもない」というのは文化の差異によるものであって、どちらが良い、悪い、という話ではない、と模範的な注を付記しておく。)

そうした時に、彼らが「ホビー」としてその「協力関係」を続けていくのは、「所詮自分たちでやるしかない」と考えるのかはわからない。特にGoogleは「自動運転」とかどうするんだろうね。


iPhoneアクセサリーとしての車

2014-01-29 07:32

iPhoneが登場した時、某日本の自動車部品メーカーの内部であれこれ議論した。「アップルには信者がいるし、宣伝がうまいから」と彼らは言っていた。

それから7年。この動画をみても彼らは同じことが言えるだろうか?(多分言うだろう)

この世の春を楽しんでいる自動車業界だが、少し妄想を書いてみよう。Googleが次に買収するのは韓国のキアだ。そしてAndroid Phoneと密接に連携できる"Nexus Car"を売り出す。もちろんGoogle +に登録すると大幅なディスカウントが得られる。Compact Carがなんと$999。あと

「サービス向上のため、ドライブデータをGoogleサーバーに送信することに同意する」

という使用許諾書にもOKをつける必要がある。もちろんほとんどの人は使用許諾書の内容なんか読んでいない。

車内にはHUDが標準装備され、Google Glassと同じアプリが使える。つまり車は拡大版Google Glassになる。装着に不自由さがないことに加え、バッテリの心配をする必要もない。もちろんスマートフォンをアップデートすれば、同時に車内で使えるシステムも新しくなる。少し待てば自動運転機能も手に入る。

キアの買収でうまく行かなければ、次はインドのタタ。日本の三菱自動車とかとにかく売りにでるであろう自動車メーカーはいくらでもある。つまり主体はGoogleのアプリで、車は「アクセサリー」なのだ。

もちろんAmazonとAppleも黙っていない。世界各国の「単独では生き残りがむづかしい」自動車メーカーはそれらの企業に買収され、スマホのアクセサリーとなる。Amazonカーのオーナーは、事前にwebであれこれ注文しておけばドライブインでお菓子とか飲み物とか受け取ることができる。Appleは、、どうするかね。BMWからロールスロイスのブランドを買い取って、どこかに作らせるか。iPod機能を使ったすばらしいオーディオを車内で楽しむことができる。今や疲れた父親にとって一人になれる空間は自動車内だけなのだ。そこに少しお金をかけたからといって誰が批難できるだろう。(奥さんには怒られるかな)

少したってからMicrosoftはNokiaに自動車を作らせ始める、というか自動車会社と合弁会社を作ったが、スマホである操作を行うと「ライブタイル」がフロントガラス一杯に表示され、スマホに操作を戻すためにはユーザがフロントガラスにタッチする必要がある、という「妥協しない操作系」を実現したおかげでシェアが伸びず苦しむのであった。

単なる妄想だろうか?多分そうだろう。しかし7年と数ヶ月前に

「日本の携帯電話売上Top10がApple社製品ばかりになる」

と言えば病院送りにされたに違いない。それくらい産業界の変遷は激しいのだ。

ちなみに世界のトヨタ自動車はiTron上で動くカーナビで「どんなスマホとも連携」を売り文句に独自の道を歩み続けるのであった。しかし今や購入層は「スマホって何?」という70代以上の人たちばかり。というわけでCMのキャッチコピーは

「いつかはクラウン」


成功した企業を凋落させる者達

2014-01-28 07:10

昨日非常に興味深い記事を見つけた。

任天堂は20インチタブレット出したらいいんじゃね?


テーブルに敷いて使う。
メインゲームはボードゲーム。

via: 任天堂が逆転できるハードを考えてみた - teruyastarはかく語りき


このideaには率直に感心した。私がWiiがPSX,XBOXと異なると思うのは、最初から「みんなでワイワイすること」を目的に作られているように思える点だ。この前我が家では子どもと友達4人が並んでゲームをやっていたが、楽しそうだし、見ているほうも楽しい。

これまで家庭用据え置きゲーム機というのは大画面TVを使うのが暗黙の前提だったわけだが、確かにボードゲームをメインにそうしたタブレットを出す、というのはとても良いideaのように思える。もはやTVは家族の中心にはないのだ。

しかしもっと興味深いのは「はてなブックマーク」についた「人気コメント」だ。いくつか引用しよう。

ゲーム機としてのiPadの最大の弱点は物理ボタンが無いことなんで、Wii Uは正しいと思うんだよなー。スマホあっても3DSは売れてるんだし、商品名をNintendo GameTabletにすべきだった。商品画像に本体を出すべきじゃなかった。

via: はてなブックマーク - 任天堂が逆転できるハードを考えてみた - teruyastarはかく語りき

そもそも、ボードゲームってそんなにやる?

via: はてなブックマーク - 任天堂が逆転できるハードを考えてみた - teruyastarはかく語りき

これやるんだったら複数台のタブレット端末用意すりゃいいんだよね。

via: はてなブックマーク - 任天堂が逆転できるハードを考えてみた - teruyastarはかく語りき


いまあるハードでもうできている、という言説。◯◯の本質は××だから駄目、という決め付け。今そんなにやっている人いない、という「将来を想像する」のではなく「現在の延長」でしかものを考えない態度。

笑っちゃうのは、iPhoneが登場したときに「物を知った人」からでたコメントも概ねこんな感じだったんだよね。思うに過去に革新的な製品を生み出した企業が凋落する、というのはこういう「賢い人」がはびこるところに原因があるのではなかろうか。

ということは、このidea本当にいいのではないだろうか。任天堂は3期連続赤字だった。去年岩田社長が「黒字1000億はコミットメント」といったとき、彼は本当に赤字なら退陣を考えていたと思う。結局続投することになったようだが、おそらく「変わりがいない」という理由ではないかと推測する。JALとは違う。経営を合理的に行えるトップがつけば業績回復する、といった状況ではないのだ。

糸井さんにこれ聞かれた時点で、

「あ、これは見た目やコンセプトで
全く何も伝わらないハードだな。」


ということがわかります。

via: 任天堂が逆転できるハードを考えてみた - teruyastarはかく語りき


短く言えば、Wii Uには「うわっ」がなかった。確かにいまある問題のいくつかを解決はしていたのだが。

「取り囲むインタフェース」というのは、今までのように「上下左右」が決まっていたものとは明らかに異なる。難しいのだが、きっと任天堂なら何かだしてくれる、という期待がある。これいいですよ。やりましょう。はてなブックマークでコメントしている「評論家」が多いのが何よりもその正しさを示している。


ユーザビリティの歌

2014-01-27 09:45

Microsoftは優れたソフトウェアを生み出すことができる企業だ。批判をするのは簡単だが、例えばNECのACOS(そんなものがあったことを誰か覚えているだろうか?)上のスプレッドシートを使ったことがある人であれば、NECのほうがMicrosoftよりソフトウェア開発能力が上だとは言わないだろう。

前にも書いたがここしばらくWindows8を使っている。なんとか使っている。企業が馬鹿げた製品をリリースするのはこれが初めてではない。いや、これよりひどいものはいくらでもある。

私はユーザビリティ原理主義者ではない。だから教条的にモードがどうのこうのということはしないが、先日来ある動作には特に苛立っている。

Windows8には全画面のMetroとかmodernとかいう画面モードが有り、それとは異なる従来型の画面モードがある。全画面は主にタブレットの使用を想定したのだと思う。従来のユーザを切り捨ているわけにはいかないから、従来画面も「残す」けど将来はみんな全画面を使ってね、というのがMicrosoftの元の意図だったのだと思う。

しかし

今のところ私には全画面モードは無用の長物だ。だからほとんど常に従来のウィンドウがたくさんあるモードで使っている。ところが

PDFの書類をダブルクリックした途端、いきなり画面が全画面モードに移行するのだ。更に悪いことにそこからどうやってさっきの従来の画面モードに戻るのかわからない。

私の考えでは、PCを使うのが苦手な人にとってこの「突然画面が変わる」というのは一番恐ろしいものの一つだと思う。え?今何が起こったの?さっきの画面どこにいったの?でもってパニックに陥る。

あれこれ調べて「タッチ画面を左から右にスワイプすれば、元の仕事に戻る」ということを知る。それをやると周りの人が感心してくれるが、「普通」のユーザはいつまでたってもこの操作にはたどり着かんだろうな。(画面にしつこく矢印がでていたのは覚えている。今から思えばあれはこの操作を「教える」ためのものだったかもしれんが、その時は「消し方」がわからず苛立っただけだった)

こんなのは、「よくある些細なユーザビリティ上の問題」なのかもしれない。繰り返しになるがこれよりひどいものは世の中にいくつもある。しかし私が不思議に思うのは

一方Microsoftは、127カ国超でユーザビリティテストを実施し、ユーザーにとって最も適切な情報を見つけられるOSに磨き上げたとしている。

via: 「Windows 8」ユーザビリティへの批判は時代遅れか--大幅な変更の妥当性を考える - CNET Japan


さすが金持ちMicorosoft.世界中でユーザビリティテストを行うのにいくらかかるか想像もつかない。しかし一体彼らは世界127カ国でのユーザビリティテストで何を発見し何を改善したのだろう?これが不思議でしょうがない。

これは私が「ユーザビリティ原理主義」を毛嫌いする理由の一つになっているかもしれない。ユーザビリティテストが重要だ。ユーザセントリックがどうのこうのと言ったところで結果としてこんな奇妙なものがでてくる。

Windows 8も最初ダメだったところは8.1で大量に片付いて、今はだいぶ使いやすくなってます。チュートリアルもできて、UIの細かいところも直ったし、みんな誰かの受け売りで悪口言ってるだけなんじゃ…。

VistaよりXPを宣伝するのならまだ理解できるんですが、Vistaと違ってWindows 8が消えることはありません。サポート期間も7よりずっと長いです。

それにタッチUI、モバイルとデスクトップのコンバーティブル…というのは全体的な潮流であって、1社で後戻りできるようなものでもないですからね。

via: HPがWindows 7復活キャンペーン。未来から逃げても… : ギズモード・ジャパン


まさかとは思うが、Microsoft内部でもこんなレベルの意見が大声で語られている、ということはないよね。

Microsoftが如何にユーザビリティ評価予算を無駄に使ったか、ということに関して是非知りたいと思うのだ。おそらくその物語からは多くの人がいろいろなことを学べるに違いない。



家電メーカーへの提案:Street Fight

2014-01-24 08:16

ハードウェアの世界では最近クラウドファンディングという言葉を聞くことが多い。Webに代表されるソフトウェアと異なり、ハードウェアのideaを形にして世の中に出すためにはある程度の資金が必要になる。どんなによいアイディアがあっても、その資金が得られなければいつまでも埋もれたまま。

問題は「誰が資金を出す判断を行うのか」。不幸にして金を持っている人が未来を見通す力を持っているとは限らない。そこで一つの選択肢として「この製品欲しいですか?欲しければ前金ください」とインターネット上の多くの人に問いかけることが可能なわけだ。

さて、昨日こういう記事を読んだ。

高度なデザインと低価格のHiddenRadioのような製品を見ると、新しい方向も見えてくる。例えば、SonyやSamsungが自社製品をクラウドファンディングに出すことを、私は心から望んでいる。多くの関心を呼ぶことは間違いなく、大きく成功する可能性がある。

via: 美しいスピーカー、HiddenRadio 2は美しい音を生む(Kickstarter募集中) | TechCrunch Japan


これは提案だが、日本の家電メーカーはこうした「オープンな場での競争」に参加してはどうだろうか。彼らと彼女たちが出してくる狂ったとしか思えない製品群を見ていると社内での意思決定プロセスに問題があると思う。

もし家電メーカーに本当に実力があるならば、誰もが参加できるKickstarterに「社内で検討され、厳選された」提案を出して「素人」を簡単に蹴散らすことができるはずだ。いわば「プロの格闘家」なのだから、素人とStreetで喧嘩して負けるわけがないよね。

社内でわけのわからない会議とか、審査とかやっている時間と金があるなら、プロトとビデオ作って実際にエンドユーザに問いかけてみればいいんじゃないか?いや、社内の秘密を、、なんて言っている間は彼らの復活の目はない。今や誰も日本の家電メーカーに注目なんかしていない。その事実から目をそらさないことが最初の一歩だと思うんけどね。


プロ野球はビジネスではない

2014-01-24 08:16

「マネーボール」という本を何度も読み返している。その中にこんな言葉があった。(うろ覚え)

メジャーリーグベースボールというのはビジネスではなく、社交クラブのようなものだ。

これを読んで納得できた。おそらく日本の「プロ野球」というのはもっと社交クラブなのだろう、と。

なんどか書いたことだが、私が子供の頃、子供がやるスポーツは野球だった。それしかなかったのだ。なぜオリンピックに野球がないのかとても不思議だった。TVでは毎日野球を放映していた。

そんな時代は遠い昔の話になった。プロ野球の中継など誰も目にしなくなり、そもそもどこが優勝したか話題になることすらない。不思議なことにTVニュースのスポーツコーナーでは未だにプロ野球が取り上げられるが、そもそもそこに映しだされている選手を誰もしらないのではないか。

プロ野球の放映がなくなる、ということは放映権料が入らなくなる、ということでもあるらしい。つまり収入は減る。観客動員が伸びた、という話は聞かない。なのに年俸は高騰を続ける。

今年、日本テレビの巨人戦・地上波中継は昨年より1試合少ない計22試合(ナイター7試合・デーゲーム15試合)。ナイター7試合って……。
1試合平均の観客動員数を見ても、セ・リーグは2009年の2万9380人をピークに3年連続で減少。パ・リーグも2010年の2万2762人から2年連続の減少。震災年だった2011年よりも減ってしまった、ということが「プロ野球人気のかげり」が深刻であることを物語っている。

via: 赤字だらけのプロ野球経営を斬る『日本プロ野球改造論』(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース(1/3)


落合が1億円を突破した86年の大卒初任給は14万5000円、2011年の上場企業の大卒初任給の平均は20万5000円。25年で約1.41倍。プロ野球の最高年俸は約3.85倍。この数字を比較しただけでもプロ野球の年俸が急激に高騰していることがわかるはずである。

via: ここがヘンだよプロ野球 右肩上がりで上昇する選手の年俸に疑問あり(1/2) - OCNスポーツ 野球コラム


売上が下がっているのに人件費が上がる、などというのはどこの世界でも聞いたことがない。しかし「プロ野球」ではそれが当然の如く行われるのだ。今年中日に落合がGMとして就任し、大胆なコストカットを行ったと聞く。しかし「普通に」考えればこれが当たり前。しかしその行為に対して向けられたコメントには「社交クラブ的体質」が端的に現れている。

「これが落合流なんですかね。ルーキーまで25%ダウンさせる球団なんてありませんよ。プロの厳しさとはいえないでしょう。そんな球団に誰が大事な息子を預けようと思いますか? 
アマチュア球界の中でもうドラゴンズを敬遠する声があがっている。これは大変なことです」

via: 落合GMは逃げたのか…“落合流コストカット”で失ったものとは : ジョイナス速報


これはどう考えても馬鹿げている。しかし「夢を売る」商売という大義名分のもと、いろいろな人達が「社交クラブ」のごとく仲良くやっている集団、というのが一番ぴったりくる説明である。つまり

「夢は金で買えない」

のだ。年俸は上がるべきだ。なぜなら「子どもたちに夢を与える」ため。そういう「産業」だから人気の低下も収入の低下もかまわない、と。

私はプロ野球自体には興味がないが、こうした「歪んだ構造」が一気に崩壊する瞬間を見たいとは思う。こういう馬鹿げた「社交クラブ」のつけを払わされているのは一体誰なんだろうね。


Apple原理主義者、Windows8に触る

2014-01-22 07:32

ここしばらく、表の仕事でWindows8.1上でC#のプログラムなど書いている。何故こんなことをしているかといえば、それはゴニョゴニョ。最初はApple原理主義者らしくMac上で開発を始めたのだが、いかんせんあれこれの問題がある。しかたない。私はApple原理主義者だが現実主義者でもあるのだ。

Windows8は巷であれこれ言われているようだが、良い所もある。特にctrl+alt+deleteを押す必要がなくなったのはいいと思う。あとは、、、いいところはあったかな。

プログラムを作る立場からすると、とにかくバリエーションが多いことに驚く。ネットでサンプルプログラムを探すと必ずC#とVisual Basic両方のコードが出てくる。そもそもWindows Applicationの作り方、という扉を開くキーワードはなんなのだ。ずいぶん探しまわった末、WPFというキーワードが必要なことがわかった。しかしそれは同じ文脈で使われることが多いWinFormと何が違うのだ。をを、これはやりたいことをやってくれるコードだと思ってよく見ればSilverlightだったり、Windows Phoneだったりする。よく似ているのだが、微妙に異なるところが鬱陶しい。

などとわけのわからないキーワードばかり並べられても困ると思うので、どんなユーザにも関係があるであろう、選択肢の多さを以下に引用する。

 Windows 8.1 でWebをブラウズするためには、3つの方法が用意されている。

  1. Windowsストアアプリ
  2. 従来型デスクトップブラウザ
  3. 没入型デスクトップブラウザ
via: 【Windows 8.1ユーザーズ・ワークベンチ】ストアアプリのIEなんて存在しない - PC Watch


Webをブラウズするためになんで3つも方法があるんだ?このあともこの3つの違いについて述べる文章は延々と続くが正直読む気が起こらないし、使う気もおきない。

なぜこんな「選択肢だらけ」の環境になったしまったのか。これがMicrosoftの言う「妥協しない!」判断の結果なのだろう。

なぜ、ゼロから作り直さないのか。なぜ、デスクトップ機能をすべて外してMetro体験だけを出荷しないのか。なぜ、すべてをMetroに「変換」しないのか。「白紙」の議論は賛否両論よく知られています。われわれは、妥協なきデザインを作るアプローチを選択したのです。

そして、

Windows 8は、今日あなたののPCが持つパワーと順応性をすべて備えながら、ユーザーをMetroスタイルの体験に没頭させます。みなさんが妥協する必要はありません。

via: マイクロソフトの「妥協しない」の解釈は、「妥協」の定義そのもの | TechCrunch Japan


彼らの「妥協しない!」はつまるところ「両方の選択肢を残しておく」ことではなく、「両方の選択肢を残しておき、かつその両方どちらも切り捨てられないようにする」ことのようだ。

かくして、Windowsは選択肢だらけの(つまり過去を捨てられない)環境になった。いや、もちろんMicrosoftはユーザの声にも真摯に耳を傾けている。

開封した時、PCにセットされていたのはWindows8だった。そのあと8.1にアップデートした。確かに「スタートメニュー」のようなものは追加されたのだが、その「やっつけ感」はすさまじい。まるでソフトの受託開発を請け負った会社が

「ご要望に応じて、スタートメニューをつけました!」

と言い訳するために作ったかのようだ。かくして各種設定をいじるのはどこをどうするんだったっけな、と何度もあちこち探しまわることになる。それどころか、電源の切り方さえ最初はわからなかった。HPがWindows8ではなくWindows7を推薦するのも頷ける。

HPは二股をかけているのだが、今のところはWindows 7機を推している。つまり、消費者にとって使いやすいマシンを量販し、サポート費用を抑えたいのだ。OEMの仕事をしている友人たちによると、今どきのパソコンは利幅がとても薄いので、サポートに足をすくわれると、その薄い利幅が消えてしまうのだ。

via: Windows 8が出てから早くも1年, 依然としてWindows 7を推すHPの真意は? | TechCrunch Japan


そりゃ、会社のPCをWindows8にしたいシステム管理者なんていないと思う。メリットは一つもなく、(失礼。ctrl+alt+deleteがあった)サポートのコストが急上昇するのは目に見えている。もっと具体的に言おう。私の母はwindows7を使っている。間違っても母にWindows8PCを買おうとは思わない。これならChromebookのほうがはるかにマシだ。

Microsoftは一体何がしたいのか。どこへ行こうとしているのか不安になるのは私だけではあるまい。誰がなるのか知らないけど、次のCEOは一体どうするんだろうね。


カーナビの最終進化系

2014-01-21 07:11

主に個人的な理由から、私は日本のメーカーが制作しているカーナビが大嫌いである。まず第一に馬鹿げているほど高い。次にデータの更新を行おうと思えばこれまた信じられない程の手間と金を要求される。そして何よりも(今となっては)冗談のように使いにくい。さらにさらにスマートフォンは年々進化していくのに、カーナビの進化は牛歩のようなもので、かつ更新しようと思えばこれまた目が飛び出る程の金を要求される。

正直に言えば、私がカーナビを嫌っているのは作り手としての理由も少しある。今まで何度か書いたがiOS上でアプリケーションを開発するのと日本メーカーのカーナビの上でアプリケーションを開発するのは、、、なんというかものすごく違う。未だに良い比喩を思いつかないのだが縄文式土器とエルメルのティーカップくらい違う。ライト兄弟の複葉機と、F-35くらい違う。とにかく違う。

であるからして、専用カーナビなどというものは今後数年以内に特殊用途を除いて絶滅するだろうと思っている(というより願っている)そしてそう考えるのが私だけではないことに最近自信をもつことができた。

The last and best feature of the car is Honda's GPS solution: it's your phone. You can order the car with navigation for something around $1500, or you can download the HondaLink app from Honda for $59.99 and get something better. With the app, the car will display your phone's GPS on its seven-inch display. That means as you upgrade your phone, you'll be upgrading your GPS, too. I can't think of a better system.

via: The 2015 Honda Fit Is How To Do A Hatchback Right
最後に、そして一番よい2015年型Honda Fitの特徴はGPS(カーナビの意味か?)である。ケータイ電話を使うのだ。15万円くらいだしてカーナ付きの車を注文することもできるが、6000円でHondaLinkアプリをダウンロードするほうがずっと良い。このアプリを使うと、スマホのナビアプリの画面を7インチ画面に表示してくれる。つまり携帯電話を取り替えれば、自動的にカーナビもアップグレードされるわけ。これ以上いいシステムは思いつかないね。


米国で発売される新型Honda Fitに関する記事である。多分日本で提供されている「ディスプレイオーディオ+スマートフォン」のことだと思う。他の各社が同じようなシステムを日本で提供するかどうかはわからない。

・日本では米国と違ってカーナビが広く受け入れられている

・専用カーナビにはスマホアプリにはない価値を提供できるし、安全性の面からも優っている

とか表向き並べ立て、実際には消費者には理解できない「大人の理由」で販売しないことも多いにあり得る。そしてトランクにゴルフバッグがはいることだけを気にするクラウンオーナーから「20万むしりとってゴミを売りつける」商売を続けるかもしれない。

あるいはここで取り上げられているシステムが年会費必要、という変な壁のおかげで使われないかもしれない。でも年会費3700円を10年払ったってナビの値段の1/4以下なんだよね。それどころか私の家のように「ナビ画面は4インチで十分」と判断すれば、使っているiPhoneに追加コストなしでカーナビ機能が得られる。

となると未だにカーナビなんか15万もつけて装着している人はよっぽど金が余っている人だ、、ということになると思うんだけどね。


卵が先か鶏が先か-Dellの場合

2014-01-20 07:06

最近Dellでディスプレイを購入した。会社で使うものなので領収書を発行してもらわなくてはならない。まずチャットで問い合わせる。

すると相手の名前が「ジャン」となっている。あれ?いつからDellは中国でカスタマーサポートをするようになったんだ?

それまでに、Dellのサイトの酷さは身にしみていた。例えばトップページの検索窓に「領収書」と入れて検索キーを押すとこの画面が表示される。(ちなみに「領収書 発行」ではちゃんと結果を返してくる)Serverエラーか。しょうがない。というわけでチャットしてみたわけだ。そこで教えてもらったURLにアクセスして領収書発行の依頼を出す。期限はいつか。早めにFAXなどで領収書のコピーを貰うことはできないか。メールと電話で問い合わせた。メールに対しては私が不在の時に電話があり、メッセージが残っていただけ。電話では少しアクセントが違う女性が対応してくれた。

領収書発行部門と相談して、可能ならFAXします。FAX番号を教えて下さい。といって相手は電話を切ろうとする。ちょっと待ってください。それが不可能な場合はどうするんですか?電話します、と言われたが未だ電話はこない。

最近DELLが再び非公開企業になったという、ニュースは聞いていた。こんなことやってちゃなあと思ったが、中国にサポートセンターを移したのは、ずっと前だったのだな。

2003年に大連でテクニカルサポートを開始した当初も、その体制を生かすとともに、大連の拠点のスタッフが高い対応スキルを持ち、顧客満足度においても高い評価を得ていた。

 だが、ある時期から、デルの顧客満足度が一気に落ち込むことになった。その要因の1つが、大連のジャパン・コンシューマ・カスタマーサービス部門にあったことは否定できない事実だ。

 2004年頃から、デルは日本でのシェアを急速な勢いで拡大しはじめた。その勢いは加速度的であり、NEC、富士通に次いで、国内第3位のシェアを獲得した時期もあったほどだ。

via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】デルは、なぜ中国・大連からサポートを行なうのか? ~大連のジャパン・コンシューマ・カスタマーサービスを初公開 - PC Watch


つまりDELLは日本のシェアを急拡大する直前におそらくはコストの安い中国にカスタマーサポートを移したことになる。前掲の記事にはいかにDELLが大連で立派にサポートセンターを運用しているかが「これでもか」と記述されているが、DELLのサイトに載っているこの言葉に対する言及はない。

お客様の声: テクニカルサポートは日本で対応してほしい!

⇒ 法人向けサービスはすべて国内のサポートセンターで対応

現在、法人としてご購入いただいた製品のサポートは
100 %国内のサポートセンターで行っております。

via: デルお客様満足度調査 | Dell 日本


つまるところ、個人としてDELLで買うのは避けた方が賢明、ということらしい。

そりゃ運用コストを下げようと思えば、中国にカスタマーサポートを移したほうがいい。それはある観点からすれば合理的で正しい判断なのだが、合理的で正しい判断を積み重ねていった結果、衰退することが多いのもこの世の事実だ。

一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったDELLは今やこのような状態。彼らが絶好調だったころに「DELLのやり方はすごい!」という記事をあれこれ読んでいた身であれば、別の会社が「このやり方はすごい」と持ち上げられても身構えてしまうのは避けられない。そして今絶好調の会社もいつかそうした運命を辿らないとは誰にもいえないのだ。


家庭にGoogleが入り込む日

2014-01-17 07:25

Nestというネットにつながるサーモスタットなどを作っているメーカーがGoogleに買収されたのだそうな。

Googleはインターネットに接続される各種スマート・デバイスのメーカー、Nestを32億ドルのキャッシュで買収する。

via: Google、スマート・サーモスタットなどインターネット接続家庭用品のNestを32億ドルのキャッシュで買収 | TechCrunch Japan


おもしろいのはそのニュースに対する(英語圏での)ネットの反応である。

Googleの脅威

ありとあらゆる機器がネットから乗っ取られる、というのはSF映画のお約束だが、冗談でなくその可能性がでてきた。

Nest Labsは「Nest Protectから収集したユーザーデータはGoogleに譲渡されない」と明言していますが、それがいつ変更されてもおかしくないとのこと。Ars Technicaは、Nest Labsが最終的にはユーザーデータをGoogleと共有するとみており、Nest Protectを1段階上のデバイスにするには仕方のないことでもある、としています。

via: Googleが家庭用スマートデバイス市場に参入、予想される今後の展開は? - ライブドアニュース


Googleがこのコミックに書いてあるようなことを考えているのか、あるいは人材獲得が目的なのかはよくわからない。あるいは単なる気まぐれなのかもしれないが、こういう観測もあるようだ。

Ars Technicaは「ペイジ氏はNest Labsを買収した後、Googleにスマートホーム部門なる新しい部署を設立するのではないか」と予想しています。

via: Googleが家庭用スマートデバイス市場に参入、予想される今後の展開は? - ライブドアニュース


スマートホーム、スマート家電。それは「4K」とならび日本の家電メーカー、住宅メーカーがここ数年すがってきた幻想。名だたる一流企業が長年にわたってきて取り組み、一体何が生まれたというのだろう。

Googleが家電に本格的に取り組むとして、例えばPanasonicを買収することはあるだろうか?そんなことはありそうにない。企業規模がどうの、とかではなくそのメリットがないからだ。

確かに現在までのGoogleはハードウェアで碌なものを作っていない。それが彼らの「不治の病」なのかこうした積極的な人材獲得によって克服できるものなのかはわからない。いずれにせよ、このニュースとPanasonicの「スマート家電」のページを見比べ、ため息をつくのは私だけではないと思う。



Pixarの復活はいつのことだろう(遠い目)

2014-01-16 07:03

Monster's Universityを見て「我々が愛したPixarは死んだ」と嘆いたのは今年の夏のこと。そして(予想通りと言うべきか)問題はまだ続いているように思える。

今年の夏まで、Pixarの「今後の公開予定」はこうだった。

今後の公開スケジュールを見よう。

  • ザ・グッド・ダイナソー(原題) / The Good Dinasaur(2014年公開予定)
  • インサイド・アウト(原題) / Inside Out(2015年公開予定)
  • ファインディング・ドリー(2015年公開予定)
  • デイオブザデッド(日本公開未定)
via: ごんざれふ

ところが現在Pixarの"Upcoming"のページを見ても、載っているのはInside Outとデイ・オブ・ザ・デッドだけだ。

来年公開されるはずだったザ・グッド・ダイナソーはどこへ行ったのか?

The L.A. Times confirms that Pixar has removed Bob Peterson as director of The Good Dinosaur.

via: Pixar Removes Original 'Good Dinosaur' Director

これを見る限り、監督がBraveと同様にクビになったらしい。同じブログには、Pixarが長編アニメの監督を交代させるのはこれが4回目だと書いてある。

ラタトゥイユ
Cars2
Brave
The Good Dinosaur

興行成績は知らないが、ラタトゥイユを除いた2作はひどい出来だった。この交代のおかげで、The Good Sinosaurの公開時期は2015年に伸び、それと関係あるかどうかわからないが、Finding Nemoの続編、ファインディングドリーは2016年に延期ということになっている。結果として今年はPixarの作品が公開されない。

好意的に考えればこれは「終わりの始まり」なのかもしれない。少なくとも一年一本というサイクルを守るため、Car2のようにファイディングドリーを一年前倒しする、なんてことよりはマシだ、、と思いたい。本当のところは出来上がった作品を見てみないとわからない。

というわけで現在の公開予定はこうなっている。

・Inside out : 2015/6/19
・The Good Dinosaur:2015/11/25
・Finding Dory : 2016 夏
・デイ・オブ・ザ・デッド:未定

2015年にInside outとThe Good Dinosaurが公開されることになっているが、過去の例からしてこれは信じ難い。私はInside outがキャンセルされると思っているが、どうだろうか。PixarのUpcomingのページに載っているから、案外ちゃんと製作が進行しているのかもしれない。いずれにせよPixarの復活があるにせよ無いにせよ、それは2015年の6月まではわからない、ということになった。すっかり弱気になった私は

「失望が遠ざかった」

と安堵したりしている。


4k TV = ソ連を介した終戦工作

2014-01-15 07:20

毎年恒例のCESがあったわけだ。それに関してこんな記事があるようだ。

From 3D to 4K to curved screens to Sony’s strange “wedge-shaped” sets (don’t ask), we are witnessing an industry out of ideas, a business desperately casting about in the dark for something—anything—that might persuade us to part with our money.

via: TV makers are out of ideas


Loop経由引用したWSJの記事である。少し前は猫も杓子も「3D」と言っていた。昨今は4Kであり、今年は曲がった液晶TVが「話題」になった。

それらここの「技術」については考慮する必要がない。そこに見るのはこの記事にあるように「TVメーカーは新しいideaを持っていない」という事実。ひたすら製造を効率化し、大画面化を果たしと努力しているうちにTVは誰もが儲からないビジネスになった。

いや、そんなことはない。4Kにさえなれば、、って

同じ値段で4Kテレビと2Kテレビが並んでりゃ客は4Kテレビを選ぶのはあたりまえなわけで、その点では4Kの価値ってのは無いわけじゃないんだが、4Kになったところで部品を買ってきて組み立てれば簡単にテレビを作ることができるのは今回のVizioの発表が証明している。

via: Vizioの50型4Kテレビが10万円以下: 無指向な嗜好


米国では50インチの4kTVが10万円以下で買えるんだってさ。そりゃもちろん「日本メーカー得意の高画質技術」にはおいつかないと思うよ。TVの評論家だけはきっと日本メーカーの高額TVを買ってくれるよ!よかったね。

というわけで、ネタのない気の毒なメーカーはこういうことをやる。

もう1つ注目なしたいのが新しいディスプレイ技術だ。「Magical Mystery Mirror」は、鏡に情報を浮かび上がらせて情報端末の1つとして活用するもので、例えば化粧台や洗面台の鏡などにこの装置を仕掛け、ふだんは普通の鏡だが、人物が立つと情報ディスプレイとしての機能がオンとなり、今日のニュースや天気予報などの情報が表示される。鏡の上にうっすらと情報が浮かび上がる半透明ディスプレイのような仕掛けのため、例えば髪をとかしたり服を着替える合間にリアルタイム情報も確認できるといった趣向だ。

via: 2014 International CES:4Kテレビのカタチはさまざま、生活密着型のディスプレイも多数展示した東芝 - ITmedia LifeStyle


「新しいディスプレイ技術」って、、おまえはインタラクション2006のデモセッションか?というかこんなものを記事にするほどネタが無い、ということなのだろう。

溺れるものは藁でもなんでもつかむ。行き詰まったTV業界が欲しているのは「救いの幻想を見せてくれるバズワード」。それは昭和20年の日本にとっての「ソ連を介した終戦工作」と何ら変わるところはない。

というわけで今年最も注目を集めたTV技術は、LGのWeb OSとMichael bay のプレゼンだった。来年のCESでどんな「革新的なTV技術」が見られるか今から楽しみだ。


思考停止を誘う言葉

2014-01-14 06:53

我が家では小学校2年の娘が

「ビミョー」

という言葉を使い始めた。すると私と奥様が揃って

「そういう意味のない言葉で全てをすましてはいけない」

とツッコミを入れる。理由はわからないが、こうした「駄目な言葉」は少女から広まっていくようだ。「カワイー」もそうだし、と挙げていけばきりがない。

というわけで、以下に引用する文章も「突っ込んだら負けだ」と思いながらも、あまりに見事なので取り上げずにはいられない。

ビジネスパーソンで「一般的」「差別化」「グローバル」「フレームワーク」などの言葉を聞いたことがない人はいないはずだ。これらの言葉をよく使う人もいるかもしれない。こういった言葉は、物事を簡単に言い表せる気がするが、実は定義があいまいなため、同じ言葉でも話し手と聞き手のイメージする内容が異なる場合がある。意味が分かるようで分からない、なんとなく使ってしまいがちな言葉は、それ以上思考することを阻む障害となっているかもしれないので、要注意だ。

via: [ブックレビュー]よく使う言葉にこそ隠されている障害--「思考停止ワード44」 - CNET Japan


あのー、最初の「ビジネスパーソン」がまさにそうした「駄目な言葉」だと思うのですが。この文章を書いた人が意図的にギャグとして使っているのだとすれば私は見事にひっかかったことになる。

私見ではこうした「無駄語」(今作った造語)満載の文章というのは企業が自らをアピールする文章によく現れる。適当にでっち上げるが

「株式会社◯◯は、皆様の明るい未来と、子どもたちのすこやかな成長を育む豊かな環境のため、絶えずイノベーションにチャレンジしています。」

ほら、なんとなくそれっぽいでしょ。(上の文章をGoogle先生に放り込んでみるとでるわでるわ。無駄文章が)

理由を想像するに

・実態はないが、なんとなく良い事を言っている気がする

・定義が曖昧なので、どういう意味にもとれ、社内の合意が得やすい

・何も意味しないので、実務の邪魔にならない。

というところからではなかろうか。

逆に言えば、堂々とこういう「無駄語」を企業紹介に並べている会社ほど駄目会社ということができまいか。カヤックは企業の経営理念を調べこんなページを作っている。これをベースに一つ「無駄文章チェッカー」でも作るか。身の危険を顧みずに書くが

「あらゆる」

という言葉を使った瞬間、それを含む文はゴミと断定しても構わないと思う。


プレゼンの「スライド」に何を出すか

2014-01-10 07:25

CESで行われたSonyのプレゼンを適当に流し見した。なぜかといえば、もちろん他にやることがあるし、もっと重要な理由として退屈だったからだ。

しかし以前「もうソニーの悪口は書かない」と書いたからには、その根本的な問題点については書かない。(といいつつ一つだけ書くと、平井氏はWao! 感動 について何度も、そしてかなり長時間に渡って語ったがプレゼンにおいて一つもWao!を示せなかったことだ。Life Space UXってなんだよ。インタラクション2006のデモ発表か?)

その代わりに、一つプレゼンテーション上の些細な点-よくある話なのでおそらく言及する価値がある-について書いておく。

CESでのプレゼンテーションは、間違いなく「売り込み」であって「説明」の場ではない。従って目的は「ソニーの素晴らしい製品、コンセプト」を聞いている人に売り込むことだ。

平井氏の後ろに表示されているのは、舞台全面に広がったスクリーンである。どうやらこのスタイルは最近の偉い人のプレゼンでの流行らしい。多くのビジュアルエイドはなかなかよかった。特にごちゃごちゃした写真を出すのではなく、スケッチ風の手書きにし、強調したいところを明確にしたのは良いと思う。

また一部は動画になっていた。見ているほうははらはらする。後ろの表示が動画、ということは平井氏は時間のコントロール権を持っていない。それにぴったり合わせて喋らなくてはならないのだ。少なくともこの点においてもなかなかスムーズにしゃべっていた。

問題はこのチャートである。

ソニーのスライド

これは明らかに「説明」用のチャートだ。イメージセンサーによって人間の血管の情報までとれるんだよー、というもの(だと思う。多分)問題はここに書かれたごちゃごちゃした情報に平井氏が全く触れなかったこと。

聞いているほう(見ているほうでもある)は不安になる。あの97.7とか5.5mMという数字はなんなのだろう?それが素晴らしいものならなぜ平井氏は言及しないのか?このように「後でハンドアウトを見てください」とばかり、受け取れる以上の情報を「スライド」に詰め込むのは日本の会社でよく行われていることだが、なぜかそれがここで顔を出している。

こうしたやり方が全て悪いとは言わない。「説明」の時には有効な場合もある。しかし「売り込み」の場であるCESでそれをやるのは間違っている。

多分このプレゼンのビジュアルエイドは複数のソースから得た情報を並べたものなのだろう。多分これは真面目なエンジニアがいる部門から来たもので、それをそのまま(多少綺麗にして)出してしまったのではないか、と想像する。

「売り込み」として平井氏のプレゼンを観た時「そもそも売り込むものが何もない」という根本的な欠陥があるのだが、それについては触れまい。しかし少なくともこの「スライド」はもっと良く出来たはずだと思うよ。


1月9日は何の日?

2014-01-09 06:35

2007年1月9日の朝、Appleのサイトに掲載されたiPhoneを見て私はこう思った

「これはドレッドノートだ」

その日は仕事が手につかなかった。あまりの衝撃に、呆然としながらその日プレゼンテーションのビデオを何度観たことだろう。

しかし周りは驚くほど冷静だった。インタフェースに詳しい人達は「タッチパネルで文字入力ができないことは立証されている」とか言って平然としている。だってあんな反応のタッチパネルを観た事があるか?Jobsのプレゼンをみただろう。指の動きに合わせてするする動いてるんだ。

なぜそんなに冷静でいられるのか?私が過剰反応しているのだろうか。しかしそれから7年たった今、衝撃を受けたのは私だけでなかったことを自信をもって語ることができる。GoogleでAndroid Phoneを開発していた人たちはどう考えたか。

By January 2007, they’d all worked sixty-to-eighty-hour weeks for fifteen months—some for more than two years—writing and testing code, negotiating soft­ware licenses, and flying all over the world to find the right parts, suppliers, and manufacturers. They had been working with proto­types for six months and had planned a launch by the end of the year . . . until Jobs took the stage to unveil the iPhone. 

Chris DeSalvo’s reaction to the iPhone was immediate and visceral. “As a consumer I was blown away. I wanted one immediately. But as a Google engineer, I thought ‘We’re going to have to start over.’”

via: The Day Google Had to 'Start Over' on Android - Fred Vogelstein - The Atlantic


2007年の1月時点で、多くの者は週60-80時間労働を15ヶ月も続けていた。(何人かは2年間)コードを書き、テストし、ソフトウェア・ライセンス交渉に臨み、世界中飛び回って最適な部品、それにサプライヤーを探していた。プロトタイプは6ヶ月前に完成し、その年の終わりまでには製品を出荷する予定だった-JobsがiPhoneを披露するまでは。

Chiris DeSalvoのiPhoneに対する反応は素早く、そしてはっきりしていた。「一消費者としては、ぶっ飛ばされた思いだ。すぐにでも欲しい。しかしGoogleのエンジニアとしてはこう思った。”全部やり直し”だ。」

Googleのエンジニアは、iPhoneが意味するものをすぐに見てとったわけだが、全ての会社のエンジニアがそのように反応したわけではなかった。

At the time when the iPhone was launched, smartphone pioneers Nokia, Microsoft and Blackberry were all insistent that hardware keyboards and styluses were the way to go.

via: The iPhone forced Google to start over … or not, depending who you believe | 9to5Mac

iPhoneが発表されたとき、スマートフォンのパイオニア-Nokia,Microsoft,BlackBerry-は皆ハードウェアのキーボードと、スタイラスが有利だと主張した。

正直言えば私もそうではないか、と思っていた。だからiPhoneが登場してもBlackberryは独自の路線で生き残ると予想していた。私やNokia, Microsoft,そしてBlackberryは間違っていた。Googleはその点正しい判断をしたのだ。

ちなみに幾多存在した日本のケータイメーカーそれにキャリアも似たような反応だったように記憶している。一例を上げるが、こうした反応は当時とても多かったのだ。

Revolutionary Phoneと書いてありますが、どこらへんが、Revolutionaryなんだろう。サイトのプレゼンテーションを見る限りでは、全然わからない。これって、常にマイクとイヤホンで電話するんだろうか?そうでもなければ、通話中にいちいち画面みて、キャッチとるとかあほらし過ぎないか?

電話とるときは、どうするんだ?いちいち液晶みて、通話ボタンを押すのだろうか?

かつて、パイオニアの全面液晶携帯のトラウマがあるためだろうか。こいつのせいで車運転しながら何度、事故りそうになったことか。指でまさぐれるボタンがないというのは、壮絶に使い勝手が悪いのです。

パイオニアのヤツの頃って、10年ぐらい前で、メールがあったかどうか、iModeとかはなかった時代だけど、今の若い子がすごい勢いでテンキーで、iModeやメールを操り、文字を入力するのを見てるとタッチパネルの入力は全くナンセンスにしか思えなかったりするわけです。

via:blog.tokyoace4.com


あれから7年たった。というか7年しか経っていないのだ。この間の変化は驚くほどだったし、これからもその変化は続く。というわけで1月9日を”iPhone記念日”(仮称)とすることを提案したい。この日を境に、携帯電話、カーナビ、デジカメ、書籍、音楽プレーヤーは避けられない大きな変化にさらされる事になったのだ。


Web OS on LG TV

2014-01-08 07:36

CESからはいろいろな情報が流れ込んでくる。Michael Bayがサムソンのプレゼンで「メルトダウン」したのは、話題にはなるが見ている方が気の毒になる。そもそも彼は監督/プロヂューサーであって、役者ではない。(サムソンがその人間をステージ上に出すためにいくら払うかは彼らの問題であってこちらは関知しない)去年のスタートレックのお姉さんとは問題のレベルが違う。

まだIntel, Sonyのキーノートは見ていないので彼らについては述べない。一つだけ書いておきたいのは、Web OSが今やLGの持ち物となり、LG のTVで新たな「人生」を歩み始めたというニュースだ。

スクリーンショット

上がスクリーンショット。今見ている範囲ではデモムービーしか存在していないようだ。だから実際にそれが「リモコン」と組み合わさったときに何ができるかはわからない。

しかし

スマートTVと呼ばれるものの画一的でゴミのようなインタフェースに比べ、上のスクリーンショットは印象的ではないか?私はApple 原理主義者だが、Apple TVのインタフェースには全く満足していない。あれよりはこのWeb OS on LG TVのほうがはるかに良く見える。

以前よくいく映画館にLGがスマートTVを展示していたことを思い出す。リモコン、それに画面のデザインは「駄目なデザイン」の典型例だった。少なくともLGはそのダメさを自覚はしたようだ。

などと他人のデザインをあれこれ言っている場合ではない。Goromi-Tube Ver3.0のインタフェースを何とかしなくてはならんのだ。もっとぐるりん、ぐるりんとならんのだろうか。


株価の無意味さ

2014-01-07 07:18

株価には何の意味もない、ということは多くの人が知っている。しかしそれに金が絡んでいるとなると、何故か意味を持たせる人が多くでてくる。

Appleにとって、2013年前半は意外と苦しい時間だったかもしれない。特に株価では、2012年に700ドル以上の価格を付けてから390ドル台まで落ち込んでしまった。競争の激化による収益性の低下が悪材料と見られたことはあるが、それでも競合他社とは比較にならないほどの高収益を確保することは間違いないと見られる。

via: 2014年のアップル、“顧客に愛される大きな計画”--松村太郎のApple一気読み - CNET Japan


実際株式会社の経営者は株価を気にしなくてはならない。株式公開しているのだから当然だ。あと株を保有している人間にとっては株価が上がったほうがよろしい。

しかしそれ以外の人間にとって何か意味があるのか?私が勤めている会社の株価は過去2年間に5倍になった。だから何だというのだ(以下記述を自粛)

などと書いても無能な人間が給料の安さを嘆いているだけだと思われるだろうからもう少しまともなデータを出す。Apple, Goolge, Amazonの株価比較である。

Apple,Google,Amazon株価比較

引用元:Wall Street vs AAPL in nine bar-charts

「株価収益率」がどうだから、割安だの割高だの語る人はそこらじゅうに存在する。しかしそれが何だというのだ?そうした人はこのチャートをみても、「Amazonの潜在成長力がどうのこうの」と語るのかもしれない。ではそうした曖昧で誰も定義しようがない言葉を数値に置き変えることができるのか?

前にもどこかで書いたが、2000年前後のドットコムバブルの頃には次々と新たな「指標」が発明され続けた。株価が理不尽な動きをしているわけはない。これは従来の指標が市場の変化に追従できないため、とでも誰かが言ったのだろう。それはバブルが崩壊するまで続いた。

株価というものに意味はないと思うし、それ自体に興味は持てなくても、それをめぐる人間の行動には興味を持たざるをえない。声の大きな「空疎な理論をわめきまくる」人たちと、黙ってしっかり儲ける人の組み合わせ、というのはいろいろなところに存在しているように思える。


私が「平均」を嫌うわけ

2014-01-06 07:01

お正月に甥と姪に依頼され、Book Offに行った。目的があったわけではないが(これ重要)目についた「マネーボール」という本を買った。たったの84円である。

この本を元に作られた映画は素晴らしかった。まだ最初の数ページを読んだだけだが、「電車の中で2chなど見ていた自分は馬鹿だった」と後悔するような面白さである。というわけでさっそく「まえがき」から引用しよう。

その対極に位置するのがオークランド・アスレチックス。総年俸は全チームのなかで下から数えたほうがよほど早いが、レギュラーシーズンの勝利数はここ数年常にトップレベルを保っている。(中略) 1999年はじめ、メジャーリーグ機構のコミッショナーであるアラン・H・セリングが、アスレチックスの成功は「異質な例外である」と発言した。要するに、理解不能で説明のつけようがないという意味らしい。

引用元:マネーボール 

「平均」から外れた値を「例外」として解析から除外すれば、美しく平均の周りにちらばった正規分布が得られる、というわけだ。

この本の作者はアスレチックスの成功を「異質な例外」とは考えなかった。値が飛び跳ねているからには、何か理由があるに違いないと考え、すばらしい本を一冊書いた。「平均」で均すことを忌み嫌っている私はさっそくこの一節に飛びついたわけだ。

この(私から見れば)異常な平均への回帰について考えるとき、それは生きていく上の知恵とも言える。G.M.ワインバーグの双子の法則を引用しよう。

ワインバーグのふたごの法則
たいていのとき、世界のたいていの部分では、人がどれほどがんばろうとも意味のあることは何も起きない。
via: ジェラルド・ワインバーグ - Wikipedia


つまり、ほとんどの場合明日は今日と同じような日で、同じような状況にあるというわけ。であれば、過去の平均値に従って何が悪いのか、というかそれが一番賢い方法と言える。

もう一つ「平均」に固執する理由というのは「自信の無さ」の表れ、というやつである。「平均的な人間」などどこにもいないにもかかわらず、それと比較したり、あるいはそれを目指すことで安心感を得る、という人は多いらしい。

ブログのタイトルに「嫌う理由」と書いておきながら自分で説明できないのだが私はこうした態度を忌み嫌っている。つまるところ日本が太平洋戦争に突入したのもそうした「みんなやっている」ことをしたためではないか。「バスに乗り遅れるな」という思考停止を誘う言葉と「みんなやってる」が組み合わさった結果があの始末だ。とかいきなり歴史の引用をしてみるのも

「みんな子供を塾にやっているから、うちもそうするべきだ」

としか言わない奥様の言葉にうんざりしているのを隠そうとしているからなのだけどね。と最後は家庭の愚痴になるのであった。


学生にプログラミングを教育する意味

2014-01-04 08:08

先日WISS2013で大学の先生とお話をする機会があった。そこで計算機学科に属している先生が

「プログラムに向かない学生っていますよね。それで頭が痛いんですよ」

と言った。よく言われることだが、ソフトウェアの生産性というのは人によって対数規模で異なる。向かない人は本当に向かない。他の知性が全く問題ないどころか優れていても駄目な人は全然駄目。しかしそれは実際にソフトウェアを作らせてみないことにはわからない。それ故このような「悲劇」が起こるのだろう。



That's Entertainment

2014-01-02 10:42

私の意見では、米国は疑いなくEntertainment超大国である。供給する側の質と量は圧倒的だが、その観客の側も合わせるとエンターテイメントに関して米国ほど「わかっている」国はないと考えている。


昨今日本人もサッカーワールドカップに熱狂する。人々が熱狂するということは商売になる、ということだが一歩引いて考えてみよう。22人の男達がボールを蹴り、それが網に入ったとかはいらないとかが何の役に立つというのだろうか。何の役にも立ちはしない。公衆衛生を推進することにも、食物を得る事ができない人達の腹を膨らませることもできない。もっと言えば「サッカー日本代表」がワールドカップを制したところで、我々の貯金口座の額が1円たりとも増える訳ではない。

つまりスポーツ観戦というのは虚業なのである。しかし年末助け合い募金に投じるお金の何千倍の金をそのチケットを得る為に費やす人は少なくない。ではその虚業がどうすればそのように多くの金を集めることができるか。

まず第一に「フェア路線でいくのか、作り物路線でいくのか」を決めなくてはならない。前者が日本語で言うところのアメフト、後者がプロレスである。そしてもし大きく儲けようとすればどうも前者のほうがいいようだ。いずれにせよ決めたらそれを徹底しなくてはならない。プロのアメフトたるNFLではレフェリーに対して非常に厳しい公正性が求められる。NFLで最も重要な試合、スーパーボールで審判を勤めるのは例えばこんな人だ。

ジェラルド・オースティン  Gerald Austin  1941年生まれの最年長で、名審判の1人として尊敬を集めている。このほどNFL審判から引退することが発表されたばかり。スーパーボウルの主審を2回務め、パッカーズの勝った第31回スーパーボウルも彼だった。ノースカロライナ大の博士号を持ち、公立学校の運営に30年間たずさわっていた(今は引退)。アンダーソンと同じく、大学界ではカンファレンスUSAの審判コーディネーターを務めている。

via: NFL審判ってどんなひと : 2008年04月15日 - Packer Zone


「アンフェアな審判」
というのはフェア路線でいこうとするエンターテイメントの面白さを一番損なう要素である。短期的には大きな収益をもたらすことがあるが、長期的にみればマイナスだ。もちろん審判だけではなく、ルールを運用する人間が「公正」でなければ観ている方はしらけてしまう。観客は

ひいきチーム公正に戦って勝つ」

ことを望んでいる。そうしてこそまるで我が事のようにその勝利を祝うことができる。それであってこそ長期にわたり楽しさを提供する事ができる。

さて、そうした点から最も遠いところにいるのが、昨今の我が国における「プロボクシング」である。

3日に大阪で行われた亀田大毅と、リボリオ・ソリスのWBA、IBFの世界統一戦は前日にWBA王者のソリスが計量に失敗。失格となりWBAタイトルを剥奪された。前日のルールミーティングでは、大毅が敗れた場合にはIBF王座博は空位になることが確認されていた。だが、試合後、IBFの立会人が会見を行い、「負ければ空位」の前日の方針を撤回、「負けても王座は防衛。ルールではそうなっている」と発言して前代未聞の大騒動に発展していた。

via: JBCが亀田陣営に最後通告! (THE PAGE) - Yahoo!ニュース

別にこうした「ルール操作」が一概に悪いというのではない。しかしこういうことをやるならはっきりと「ボクシングは作り物のエンターテイメントです」と宣言すべきだ。

ボクシングというスポーツには、こうした「作り物」の雰囲気がつきまとっている。それ故かどうか知らないが、米国で暮らしていてもボクシングのニュースを見ることはほとんどない。ケーブルTVでPay per viewを注文すれば別だが。

ちなみに私はサッカーもこうした「作り物」の雰囲気から逃れられてはいないと思っている。

サッカーのくじ引きはガチャポンの玉のような丸いカプセルを引く。国名が書かれた紙はカプセルの中に入っているので、透けて見ることは不可能。不正の入る余地はないと思われていた。しかし今年8月にトルコの元国際審判が欧州チャンピオンズリーグにおける不正抽選の実態を告発した。
 それによるとカプセルにはバイブ機能が仕組まれており、引いてほしいカプセルを抽選者に伝えているそうだ。実際に放送された抽選会を見てみると、カプセルが微動していることが確認でき、欧州でちょっとした騒動となった。

via: ブッチNEWS - 来年のブラジルW杯、日本代表の予選突破に抽選会の闇


こうした不正は、仮にその結果がどうであれ、スポーツというエンターテイメントの面白さを削ぐものだ。しかしサッカーワールドカップという様々な国が係る競技で、そうした「公正性」を求めるのは難しいのだろう。不正であってもひいきチームの勝ちが見たい、という(私の価値観では)低俗な喜びに安住している国(我が国も含めて)は、おそらく多いに違いない。

ちなみに2002年のワールドカップで話題になった審判についてwikipediaから引用しておく。先ほどのNFLの審判と比較してもらうと、私が言いたいことがわかってもらえると思う。

2010年9月、米国ニューヨークのケネディ国際空港においてヘロインの大量所持容疑で逮捕され[7][8]、懲役30ヵ月となったが[9][10]、模範囚であったことから刑期が短縮されて2012年12月にエクアドルに送還された[11]

via: バイロン・モレノ - Wikipedia



独自ブログシステムに移行しました

2014-01-01 08:22

思えば[さくらのブログ]→[はてなブログ]→[Movable Type @ さくらライトプラン]と移動してきました。Movable Typeではできるかぎりいらないものを取り去りました。ほとんどのブログに存在している「巨大なヘッダー」をなくしたのは個人的に工夫のポイントです。

しかし

シンプルで美しいブログシステムが欲しい」で書きましたけど、それでも「余分なものが多すぎる」という強迫観念が日に日に強まる。なんとかならんか。Tech crunch Tokyoで聞いた"Weebly"に移行してみようとか、ghost試してみたり、とか。

でも結局自分が気に入るデザインに巡り会えない。もちろんカスタマイズもできるんだけど、そのためには覚えることが多すぎる。そもそもそんな凝ったことをやりたくもないのに。そのうち

「ええい、こうなったらもうローカルで全ファイル作ってアップロードしてやる!」

という概念にとりつかれたわけです。各ブログシステムの特徴覚えたり、パーミッションがどうだとか面倒だ。原稿のデータをローカルで編集し、HTML生成して、アップロードすればいいじゃないか。そう思ってみると、クライアント側のブログ編集アプリって結構存在しているんですね。しかしその多くは、サーバーに接続して編集する、、らしい。こちらはローカルで全部やりたいので、それでは今一。

とはいえ月ごとのまとめページどうする、カテゴリどうするなどと考えだすと既存のブログシステムって実にうまくできていることに気がつくわけです。なるほどなあ。だからデータベースとPHPとか使いたくなるわけだ、と何度も納得させられました。世の中にはFlat file blog systemってのがあるらしいけど、それぞれ工夫しているんだろうなあ。

しかしカテゴリとか実は真面目に設定したことないし、要らないと割り切れば簡単になる。そう考えてObjective-Cいじることしばらく。(一度はRubyで書こうかとか思ったんですけどね)なんとか動き始めたわけです。

公開する予定もないから、自分だけが使えればよい。とはいえあまり変なものを作ると自分でも使い方を忘れる。Server側に原稿がないと異なる場所から編集できないけどどうする、という問題はDropBoxの神様にお願いして解決したことにしました。つまり原稿側はDropBoxで同期し、複数のPCから変更できるようにする。サーバーには最終的に見せたいものだけを置く、ということで。

というわけで今年から新しいブログシステムに移行です。検証とかちゃんとやっていないので、妙なことがあれこれ起こるとは思いますが、生暖かく見守ってやっていただけると幸いです。