年に一度のお楽しみ

2014-08-29 06:59

というわけで、Appleが9月9日に新製品発表会を行うことが公になった。それとともに発表会場で「謎の建築物」が作られているとのこと。

Image of mysterious structure taken on August 20
Apple has not held an event at the Flint Center in many years, so the company's return to via: Apple Building Massive Structure at Flint Center for iPhone 6 Event - MacRumors Forums


いや、楽しい。こういうのがあるからApple原理主義はやめられない。開発者としては「うぎゃー。なんだこの解像度は!なんだこの画面は!」となることが眼に見えているのだが、まあそれはそれ。私はユーザでもあるのだ。

毎度Appleの発表会の前には「これが発表されるんじゃないか」という予想が10くらい挙げられ、実際に発表されるのは6くらいだったりする。だからiPhone6, 6L, iWatchのどれが実際に発表されるのかはわからない。確実なのはiPhone6(仮名)だけか。

iPhone6(4.7inch)については秋葉原に行けば怪しげなモックアップを買う事ができる。触ってみてその大きさに驚いた。Androidの人はこんなのを毎日使っているのだな。しかし私が次に乗り換えるとすれば、5.5inchになるのではないかとぼんやり考えている。根拠はないが5.5inchはバッテリーの持ちがとてもよいような気がするのだ。最近老眼でもあるしね。

さて、特別な建物まで作っているくらいだから、今回の発表は期待ができるというものだ。もちろん古参Apple原理主義者としては、ここで発表されるものがIIvx, IIviだったとしても泣かないよ。ところでiTV(仮称)はどこへいったのか。最近噂すら出ないようになった。もう一つ。iWatchに関してハードウェアのリークが全くないのはどういうことか。未だ製造工程に入っていないのだろうか。iPhone6に関しては様々なパーツが漏れてきているというのに。

iWatchについてだが、iPhoneと連携するデバイスになるのは間違いがないだろう。問題はそれがAndroid Gearのような「そもそも腕につける必要があるのか」という製品になるのか、あるいは何か「腕につけたデバイスが解くべき問題はこれだ」という意思の提示になるのか。これは今まで誰も解いていない問題なのだ。


旧態依然のビジネス

2014-08-28 06:48

例えばプロ野球とか、新聞とかとっくの昔に滅んでしまっているべきなのにいつまでもそのままの形で残っているビジネスはある。

そうした状況を見る度嘆いていたが、先日「そうした滅びるべきビジネスの集大成」を見つけた。坊主である。

しかし、俗名もそうですが、自分で自分の名前をつけることはできません。戒名は、死後に仏の弟子として歩んでいくときの名前で、「授戒」という儀式をすることによって与えられます。この儀式ができるのが僧侶なのです。また、戒名には使って良い文字と使ってはいけない文字があります。柔軟性がないと言われようが、僧侶として譲ってはいけない一線なのですから仕方ありません。

via: 事前に話し合いを:呼んでもいないのにお坊さんが4人……請求額500万円! 戒名と布施のトラブル事例 (2/2) - Business Media 誠


ここには私が忌み嫌っている「意味のない規則を作り上げ、それによって利益を得る」仕組みが見事に主張されている。ゴータマが何を言ったか知らないが「死後自分の弟子として歩むためにはこうした儀式が必要でそれは坊主しか行えない」とは言っていないだろう。つまりこれは仏教をビジネスとする人たちが勝手に作り上げ、それを強制することにより利益を上げる構造なのである。

私の祖母が亡くなった時は、イオンのなんとかパックで10万円以下ですませたという。多分戒名はつけていないと思うが、それで祖母が化けて出たという話も聞かない。

そうした「消費行動の変化」によっておそらくは坊主業界にも変革の波が訪れるべきなのだが、どうなんだろうね。プロ野球や新聞と同じようにずっと生き延びていくのかな。


自社について語ること

2014-08-27 06:53

なぜこれほど多くの企業が同じ過ちをするのだろうか、と考え始めた。

先日来「これがSONYの病か」と書いている新生VAIOの「記事の洪水」である。どうやらそうした感想を抱いているのは私だけではないようだ。

だが、関取氏が会見で語ったのは「本質の追求、制約の排除、VAIOのDNA継承」などの企業理念と、VAIO上位モデルは長野県安曇野市内の本社工場で開発から製造まで社員全員が関わる「全社一体の物づくり」を行い、標準モデルは台湾などのEMS(電子機器受託製造サービス)メーカーで生産するが、仕上げと検品は本社工場で行う「安曇野フィニッシュ」で品質を保証するなどの「物づくり体制」の2点だけ。肝心の商品戦略や成長戦略に関しては、記者たちから質問されても「それはこれから」と口を濁すばかりで、具体的に答える場面はなかった。

via: 新生VAIO本格始動、なぜ早くも失望感広がる?曖昧な商品&販売戦略に疑問続出 (Business Journal) - Yahoo!ニュース BUSINESS


あまりにも多くの企業が勘違いしていることだが、「言葉」でいくら自社について語ってもその会社に対する印象は1mmたりとも変化しない。企業というのは社会と関わりあってなんらかの価値を生み出す組織であるからして、その企業に対する印象は提供するサービス、製品で決まる。

リッツカールトンのクレドはなぜ有名なのか?それはリッツカールトンのサービスがすばらしいからだ。その裏にはクレドがある、これが物の順番である。しかし不思議なことにこの順番を間違える企業があまりにも多い。

「僕は高学歴です。高収入です。しかもイケメンで女性には常に礼儀と尊敬の念をもって接しています」

と言えば自分がモテると思っている男性も多分世の中にはいるのだと思う。しかし大多数の人は「こんなことを言っても何の役にも立たない」どころか「逆効果」だということを知っている。なのになんで会社のこととなるとこれを忘れるかね。


No One Cares About Me

2014-08-26 07:04

GREEとミクシィの取締役がいかがなものか、ということについて書こうかと思ったがやめた。つまらなんことに関わっているような暇を持ってはいけない。

というわけで先日見つけた文章。

女優シャーリー・マクレーンもこのルールを信奉しています。「20歳のころは、他人が自分をどう思うかばかりを心配する。40歳では、ようやく目覚めてこう言う『他の人がどう思うかなんて気にするもんですか』 60歳になると、誰も自分のことなど考えていないことがわかる」最後のパートが一番重要です、とロイゼン氏。「最初から、誰もあなたのことなど考えていません

via: 米Appleの元副社長が説く、人生とキャリアを充実させる8カ条 | ライフハッカー[日本版]


子供達に伝えらればいいな、と思っていることはいくつかある。これはそのうちの一つだ。誰も他人の事等気にかけていない。覚えてもいない。だから思うようにやっていいのだ。

昨今狂ったような政治家の言動が取りざたされることが多い。しかし何よりも驚くべきは

「自分で悪いと思っていなければ、どれだけ非難されようがたいしたことはない」

という事実。その事実を教えてもらっただけでも鳩山君には感謝せねばなるまい。逆にそれほどおかしなことをしていないのに、非難を理解できる知性があると自ら命を絶ってしまったりするのは実に痛々しいが事実である。

「好きでない仕事をしていても、それを変えられるのは自分だけです。オフィスに座っているだけで、誰かが答えを持ってきてくれるなんてことは起こりません」

via: 米Appleの元副社長が説く、人生とキャリアを充実させる8カ条 | ライフハッカー[日本版]


何度も自分に言い聞かせたことだが、何か不満があるのならそれを解消する責任は自分にある。さて、どうするかね。


サムソンの広報担当

2014-08-25 07:13

まあ、いろいろな事情があるのだろうが。

昨今話題になっているIce Bucketチャレンジであるが、やはりここはサムソンがネタにするべきだろう、というわけで作成されたのがこの動画。


最初みたときは「このセンスのなさとチープさはなんなんだ」と思った。しかし話はそこでは止まっていなかった。

Daring Fireballをみて気がついたのが、よーく見ると氷水をかけているところで画面が左に切り替わっている。そのタイミングで最上部のステータス表示が黒くなり、かつ時計の表示がいきなりジャンプしている。

詩子

大きく表示されている時計は2:16のままなのだが、画面右上端の時計は2:16からいきなり2:50になっている。

まあきっと

「おい、ALSチャレンジをネタにしたビデオを作れ!こういうのはすぐすたれるからとにかく急げ!」

とか誰かが言ったのだろうなあ。せめて撮り直しくらいすればいいのに、と思うがそうはいかない「サラリーマンの事情」があったのだろう。

そして毎度の事ではあるが、「嫌ってももらえないし、話題にもしてもらえない」日本の家電メーカーの事を少し考えるのであった。


十把一絡げ

2014-08-22 06:58

人間が自分からはなれた地域をどこまで「人つのもの」として見なすかはなかなか興味深い研究課題だと思う。関東は放射能で危険だから沖縄に移住する人もいるし、そもそも日本全体がだめだ、という人もいるだろう。うちの奥様は「福島産の野菜は買いたくないわ」と真面目顔で主張する。これは恥ずべき事だが事実である。彼女の中では「福島県とそれ以外」と線を引いているようだ。

さて、遠いアフリカのエボラ出血熱である。おそらく世界中で一番多い反応は「アフリカにはエボラが蔓延している」というものだろう。西アフリカと他の国がどれだけ離れていようがおかまい無しである。

昨日興味深いグラフを見つけた。

WHOエボラ集計(2014/08/18時点)の感染者数及び、WHOが把握している感染者数の増加を、一週間単位に振り分けた値は、以下のように推移している
Ebola_20140818gn.PNG

人口1000万人のギニア(1人あたりGDP 1000ドル)の新規感染者数をそこそこに抑えこんでいる。人口600万人のシエラレオネ(1人あたりGDP724ドル)は新規感染者数が次第に増大しており、事態は悪化している。それでも指数関数的に増大しているわけではない。これに対して、人口420万人のリベリア(1人あたりGDP 372ドル)はアンコントロール状態で、感染者数が増大している。

via: 深刻化するリベリアのエボラアウトブレイク: 忘却からの帰還


国によってその感染拡大度合いは大きく異なっているようだ。一番状況が悪いのはリベリアらしい。先日エボラ隔離施設が襲撃された場所はこの国にある。

しかし私はリベリアという国について何も知らない。Wikipediaを調べて驚いた。なぜ今回のエボラ関連のニュースに「星条旗のような旗」があるのか不思議に思っていたが、リベリアという国はアメリカの黒人を「逆輸入」して作られた国なのだな。

EbolaIsReal_Liberia.jpg
[Ahmed Jallanzo, EPA on [USA Today (2014/07/27)]

via: "Ebola is real": 忘却からの帰還


こういう状況を知ると、いったいなぜこんなことに、と考える。彼らと我々を隔てているものはなんなのだろう、と。いろいろな国に見られることだが一番恐ろしいのは「無秩序」ではなかろうか。「無政府状態」と「独裁者による支配」のどちらをとるかと言われれば、後者であるとしか答えようが無い。そしてもっと恐ろしいのは、「独裁者から解放された」筈の国のいくつかが「無政府状態」になっているように思われるところだ。

東西冷戦が終結したとき、知り合いの奥様は「これで世界が平和になるのね」と言った。どうも世界はそれほど単純な場所ではないようだ。


社内アンケート

2014-08-21 06:51

今働いている会社ではあまりないが「社内アンケート」なるものが回ってくることがある。あるいは

「会社の改善に役立てたいと思います。忌憚のない意見を聞かせてください」

とかね。

長年サラリーマンをやっているとわかることだが、こういう「忌憚のない意見」は全部自分に戻ってくる。会社のなんかについて意見を述べれば「それは君の問題だろう。もっとできることがあるんじゃないか」と必ずなる。

ディルバートとか読むと別にこういうのは日本独自というわけではないらしい。しかしながらそこに日米の差を認めることもできるのかもしれない。

言い換えると、この文書には戦争のできるような戦略立案能力がはっきりあらわれているわけ。5万人くらい殺してもこういうメリットがある、というのをとりあえず考えられるという能力。そしていざとなったら実際にそれだけ殺すことも辞さない能力。効果があがらなければどこかでやめる判断力。そしてその殺したことに対して責任がとれる覚悟と能力。たかが一企業に、それだけのものがあるんだ。

 日本でも人が死ぬような判断は下される。いやむしろ、判断を下さないが故に人が死ぬ場合のほうが多いだろうね。あるいは、人が死ぬのは別に意図したことじゃなくて、ただの副作用だとか。そしてそこでは、人はいつまでたっても殺され続けて、それでもだれもなにもしようとしないで責任のがれに終始するだろう。そして事態は改善されずに終わる。

via: The Halloween Document: Japanese


こういう傾向は、やはりあるのだろう。「人が死ぬのはただの副作用」とはユニクロやワタミやゼンショーが繰り返し述べていることだ。

前になんかのシンポジウムでも感じた事だが、日本の学校とかお役所は「あたり障りのないことを滔々と述べる」ことができる人間が上に立つ。逆に言えば、上にたつ人間は明確な意図を示してはいけないのだ。なぜこうなるのかは私にはよくわからない。

話を戻そう。「アンケート結果」を社員に投げ返す、というのは「責任逃れ」と「事態が改善されない」ことの説明になる。つまり「何も決断しない」トップが悪いわけがない、というロジックだ。そりゃ確かにそうだわな。


SONYという病

2014-08-20 07:18

というわけで「製品の質は知らないけど、日本メディアとの癒着度ならどこにも負けません!」の元SONY VAIOである。またも製品も何もないのにインタビュー記事が登場だ。とはいえ面白い部分がないわけではない。

――それはどんなものになるのですか。

赤羽氏:非凡な製品であり、突出したものを持った製品になります。

関取氏:いや、非凡じゃ、弱いんじゃないかな(笑)。「きたか!」という感じの製品になりますよ。お客様が驚くぐらいのものを出したいですね。

――「きたか!」と言わせる商品は、年度内発売予定の商品でいけますか?

via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】いま、新生VAIOのすべてを語ろう!【後編】 ~「オリジナルモデルは『きたか!』という製品になりますよ」 - PC Watch


今は8月も後半。製品発売まで4ヶ月弱。それで「お客様が驚くぐらいのものを出したい」という「遠い未来の抱負」を語っているかのような悠然とした態度。

実はこの「どこか他人事」というのが現在のSONYに蔓延している病ではないかと思うのだ。これは別に今に始まった話ではない。

ユーザーエクスペリエンス中心型の製品は、常に進化をしています。まずは80で製品を出しても、サードパーティーのアプリケーションによって、100に到達し、さらに120にも、130にもある。2画面タブレット端末はそういう発想で進化させたいですね。

via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】 Sony Tabletは『ソニーらしさ』を最も表現する製品 ~業務執行役員SVPの鈴木国正氏に、ソニーのタブレット戦略を聞く


「デザインは意図である」という言葉を当てはめれば、この時のSONYの態度は「わかりません。適当に線を引いておくから誰か何か考えてください」というものだ。つまり「思考放棄」が彼らの意図だった。

このVAIO社長の言葉にも同じような「思考放棄」を感じるのだ。この時期に「出したい」みたいな他人だのみじゃいかんだろう。

「すごい製品をお知らせできます。今から発表の時が待ち遠しくてたまりません」

くらい言わないと。どうせ誰も期待してないんだから。

この「思考を放棄した経営者」というのは多くの日本企業に当てはまる疾病ではないかと思うのだ。

これを受けて、実際にこの戦略をやるかどうかは経営判断になる。かれらは「これはあとで総スカンにあいそうだ」と思うかもしれない。でも「総スカンにあったところでその時点で相手が叩きつぶせればわれわれのメリットになる」という判断だってできる。そしていったん後者の判断が下されたら、総力をあげてこれが実行に移される。こわいよ。そういうオプションをはなから考えられなかった連中なんか、ひとたまりもないよ。
 そしてそれが失敗に終わったら、責任者(経営陣)がきちんと責任をとってやめるだろう。

 日本では、まずそういうことにはならない。といっても、日本のこの手の報告書がないわけではない。たくさんある。しかしながら、それは似て非なるものなんだ

via: The Halloween Document: Japanese


これについてはまた書く機会があると思うので今日はここで唐突に終わる。



スケジュールがなんだ

2014-08-19 07:18

去年、今年と続けて「9月末リリース」のアプリ開発をしている。この「期限」というのは実にバカバカしい。もちろん意味がある期限もあるのだが、私がやっている仕事に関してはこれがひと月や二月のびたところで会社の業績にもなんの影響も無い。ただ

「業績評価」

で評価する尺度がないから設定されているだけのことだ。

「工数の計算」と口では言えるが、「見積もりと実施の精度を高める」ことは「新しい事をいっさいやらないこと」である。過去に一度やったことの変形版ならかなりの確信度をもって期日を告げることができる。「今までにやったことがなく」「やってみなければわからない」ことの期日を断言できる人間は嘘つきである。

しかしながら不幸にしてこの「言い訳」はほとんどの会社では受け入れられない。かくして私としてはこの記事を読んでため息をつくしかない。

But the theory that Apple doesn’t have deadlines isn’t just slightly inaccurate, it couldn’t be further from the truth.

Not only does the company set internal deadlines, it also creates deadlines for deadlines that have their own deadlines. Every aspect of the company’s production cycle, from conception to ship date, is calculated. But — and this is a big “but” — what makes Apple different is that it is a company that is willing to move those deadlines. If a product in development isn’t ready to be released, the deadline is pushed back. If an idea isn’t perfect, or isn’t considered truly magical and delightful internally, it’s held back, revised, and the product given an entirely new launch date.

via: Daring Fireball: On Apple and Deadlines


期限は設定される。しかしその時点でAppleが定める品質に達していなければ、どの段階でも期限はのばされる。この単純な理屈がなぜ通らないのだろう。

理由は簡単で、管理者に「結果とプロセスを評価する自信」がないからだ。ところが期限を設定すれば「期限からおくれたから一点減点」と自信をもって(!)従業員の評価ができる。逆にゴミのようなアプリでも「リリース1ヶ月前倒し!」といえば「スケジュール短縮したから一点追加」となる。ああ、バカバカしい。

この「従業員の業績評価」というのは、そーろそろ見直してもいいんじゃないだろうか。いろいろな人や組織が「定量的評価」を掲げているが、誰もそれにまともに成功していない。無理に「定量評価尺度」を持ち込めばこんなことになる。じゃあどうすればいいのだろうか?


いくつかの断片

2014-08-18 06:57

今日は断片的に

 VAIO株式会社のスタートから1カ月半はどんなことに取り組んだのか、そして、今後、VAIO株式会社はどう発展していくのか。同社の関取高行社長と赤羽良介副社長にざっくばらんに語ってもらった。

via: 【大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」】いま、新生VAIOのすべてを語ろう!【前編】 ~関取社長、赤羽副社長インタビュー - PC Watch


裏の事情はわからないが、この「記事を書かせる」力には本当に感心する。「発足一ヶ月半インタビュー」だけで前後編の大作である。読んだところで何が書いてあるわけでもない。

仕事だからいろいろあるのはわかるけど、こんなことばかりしていていいんだろうかと他人事ながら心配になる。まあ私は読まなくなるだけだが。

米国のSNSで盛り上がっているALSサポート運動「Ice Bucket Challenge」に、IT企業のCEOや幹部が次々と参加し、TwitterやYouTubeで氷水を頭から浴びる動画を公開している。

via: クックCEO、ナデラCEO、コストロCEOも“氷バケツ”動画を公開 ビル・ゲイツ氏は? - ITmedia ニュース


この動画群の楽しさは「さすがアメリカ」という気がする。しかしふと思うのだ。Bill Gatesは指名してもらえるのに、私が愛するスティーブバルマーは誰からも声をかけてもらえない。彼の話は全く聞かなくなってしまった。CEO交代後のMicrosoftの動きをみると、確かにCEOを交代した意味はあったと思うのだが。

この襲撃は「『エボラはWest Point(Monroviaの地区名)にはエボラは存在しない』と叫ぶ数百名の地元の群集が、首都のスラムでエボラ感染が疑われる死体を収集しに来た埋葬チーム及び護衛警官隊を追い出した」というReutersの報道があった翌日に起きた。群集はエボラ隔離施設に押入り、患者を連れ出した。多くがエボラ流行はホラだと言っていた。

via: リベリアのエボラ隔離施設が襲撃され、感染が疑われる20~29人が逃走し、血まみれベッドが略奪された: 忘却からの帰還


こういう情報はもっと広く知られるべきだと思うのだ。「学校の勉強なんて役にたたない!」と言う意見がある。もちろんそれに一面の真理はあるにせよ、「ではこれでいいのか?」と問う事は有益だと思う。


ふともらす本音

2014-08-15 07:19

好意的に考えれば「記事の書き方が悪い」という事なのだと思うのだが。はたしてこれは美談なのか?

マイクロソフトの幹部や役員など80人が集まるとある社員合宿のことだった。夕飯時に、誰かが冗談をかました。――「俺たちさ! 悪いことをやってうらまれちゃっているのは、やっぱり勝ち組だからしょうがないよね! 俺たち、ワルだもんね」。

 その瞬間、ビルゲイツは烈火のごとく怒るかと思いきや、見たことない状態で泣きじゃくったという。「それがうちの会社のカルチャーだったのか。本当に情けない」と、皆の前でギャーギャーワンワン泣いたそうだ。肩を叩いても何をしてもゲイツ氏は全く動かず、その合宿に参加していた古川氏ら80人はチームに分かれて約3時間(午後11時ごろまで)、「マイクロソフトのカルチャーはどういうものか」「俺たちのマイクロソフトの愛すべきカルチャーとは何だったのか」ということを討議し、それをゲイツ氏に提出した。これを見てようやくゲイツ氏は顔を上げたという。

via: ビル・ゲイツが起こした4つの事件とこの上なく誠実で熱い物語 - ねとらぼ


古川氏がどういうつもりでこのエピソードを紹介したのかわからないが、少なくとも私には「ふともらした本音」のほうが「3時間かけて作り上げた言葉」より真実に近いと思われる。

こうした「会社が作りあげた自分たちの姿を表す言葉」ほどばかばかしい物は無い。ワタミとかゼンショーとかウェザーニュースとかみんな美しい理念を掲げている。例えばワタミはこんなことを書いている。

「人間は本来持っている誠実さ、思いやり、感謝する心、そのような美しい資質を高めるために生まれてきた。企業活動においても人間性を向上できる環境をつくっていきたい」

via: ワタミ - 会社案内


おそらく実態を知っている人からすれば冗談としか思えないような内容だ。

「ブラックだ」なんて声は関係ない。会社に必要とされているかすらわからない週休2日の悠々自適の人生もいいでしょう。

via: ワタミ店長実名告発!「僕は目の前の焼き鳥が冷めていくのが耐えられない」:PRESIDENT Online - プレジデント


ワタミという会社を的確に表しているのは「週二日休む人は、会社から必要とされてないんだ!」と断言できるこの店長の声であり、企業サイトのトップに掲げられている言葉ではない。つまりマイクロソフトは

「圧倒的シェアで市場を支配しているから、ワルいことしてもいいよね」

と公言できる企業文化を持っていると考えるべきなのだ。

古川氏やワタミ店長のようにこうした「外部からの見方」を理解できないほど企業文化に染まった人、というのはきっとその企業で幸せにやっていけると思う。

コレ、本当に凄い内容だよ。カルトの信者が一生懸命に自分の教団と教えを擁護するんだけど、完全に思考が染まっているので外部からドン引きされる事に全く気づいてない。

via: Twitter / xxmaka__: コレ、本当に凄い内容だよ。カルトの信者が一生懸命に自分の教団 ...



TV局というところ

2014-08-14 06:51

高校時代の友人が、TVの制作会社に勤めている。先日彼にこう言った

「この年にしてようやく理解したが、AKBにしろビッグダディにしろ亀田にしろ、TVというのは視聴者の都合ではなく、制作者側の都合で作られているのだな」

彼は黙っていた。

そうした行動の根底にあるのは、このようなメンタリティだと思う。

まぁ、マスメディアの人間なんてこんなもんだよ。
浮世離れした勘違い野郎ばっかり。

報道という高尚な仕事を任された特権階級」だと思ってるんだよ、あいつらは。

via: 【炎上】テレビ朝日が始めた “動画投稿サイト” の『利用規約』が酷すぎると大炎上wwwwwwwwwwww : オレ的VIPPRE速報@2ch


NTTが通信を下賎な民に使わせてやる慈悲深い貴族だとすれば、TV局は「電波という貴重な公共財の番人を自負する貴族」なのだと思う。そんな貴重な電波にコンテンツをのせてやろう、というのだから全ての責任は下賤な民が持つのが当然だ。

投稿者は、投稿データの利用に関して第三者からテレビ朝日に何らかの異議・請求等があった場合、テレビ朝日からの要求に従い、投稿者の責任と費用において解決します。また、投稿データの利用が第三者の権利を侵害したとして、テレビ朝日が損害を被った場合は、これを賠償します」

via: 【炎上】テレビ朝日が始めた “動画投稿サイト” の『利用規約』が酷すぎると大炎上wwwwwwwwwwww : オレ的VIPPRE速報@2ch


TV局様。どうぞ我々のゴミのような動画をお使いください。もちろん何が問題があった場合にTV局様にご迷惑をおかけするようなことはいたしません。 

冗談ではなく彼らは本当に民はこう考えると信じているらしい。

こうした「利用規約の炎上事件」がなぜこうも繰り返されるのかは実に興味深い問題だ。一番大きな理由は「企業」というものが、外部からみるほど合理的にも理性的にもできていない、という点だろう。

彼らは電波を独占している特権階級だから、何を放映するかは常に自分たちで決める。視聴者がどう考えようと関係はない。

長谷川 芸能事務所から素敵な接待を受けて、その事務所の利権のために動く人間が多すぎるという点です。残念なことですが、そこに視聴者への思いやりはない。気が付いたら、帯番組の司会者もこの事務所のタレントで、フジの代名詞でもある“月9ドラマ”(毎週月曜夜9時放送の連続ドラマ)の女優まで、みんな同じ事務所なの? ということになってしまう。

via: フジテレビ、上層部と某有力芸能事務所のズブズブの関係が、視聴率低迷の元凶? (Business Journal) - Yahoo!ニュース BUSINESS


こうした問題は今に始まったことではない。私は過去に何度も「こうした腐った階層構造の崩壊」を予想したが、未だにTV局はぴんぴんしている。今回のような利用規約を堂々と出してくるところをみると、内部に何の変化もないようだ。

今ぱっと思いつく「とっくの昔に崩壊していてもおかしくないのに、ぴんぴんしてます」という集団はプロ野球と、TV業界。あと日本の新聞もそうか。彼らがとても強固なことは何を意味しているのだろう。


Simplicity = Intent

2014-08-13 07:08

昔働いた会社のもと社長が、Facebookでこんなことを書いていた。

「Go Proが好調です。日本の家電メーカーの社長さんと話すと”うちの製品のほうが機能も性能も上だ。なのに売れない”とボヤいています」

多分そうなのだろう。前にも書いたが、日本の会社では「失敗し、反省しないものが出世する」仕組みになっている。別の記事を引用する。

しかし、同じ方向を向いて歩んでいても、大手メーカーのカメラとGoProは、スタート・ポイントとスマートフォンに対峙する立ち位置が大きく異なるように見える。

 一方は、開発者自身が「本当に欲しい」と考え、自分が使いたい機能を加えてきたら、いつの間にかプロにも見初められる機器が完成していた。これまでと同じ進化の方向にスマートフォンがパートナーとして存在する。

 もう一方は、従来の枠組みで機能を進化させてきたら、いつの間にかスマートフォンという強力なライバルが出現。そこから逃れるために新たな機能を加えている。

via: デジカメの革命児「GoPro」、300万台超を売った人気の秘密(page 5) - 家電・モバイル - 日経テクノロジーオンライン


簡潔にして状況をよくとらえた文章だと思う。この二つの姿勢には大きな違いがある。前者は「自分たちが何を作りたいのか」が明確であること。後者はそれが不明確である、という点だ。

デザインとは意図のことである、とは表のブログに書いたこと。「機能追加」というのは基本的に

「自分が何をしたらいいかわからない」

という無知、無意図の告白であり、

「自分たちはこんなにがんばっている」

という言い訳である。

話はいきなり飛ぶ。なぜデザインはシンプルでなければならないか?

NYTは、「Communicating at Apple」(Appleにおけるコミュニケーション)という講座を紹介している。その中で講師は、Picassoの「The Bull」を元にした11枚の絵を見せる。スライドが進むごとに、雄牛の細かい部分が取り除かれていき、最後には棒線画のみが残るという。

via: 「シンプル」を追求するアップルの社内教育「Apple University」--NYT報道 - CNET Japan


「シンプル」にするとは、たくさんある線の中から「必要なのはこの線だ」と一本を選び、そしてその結果を世に問う事である。すなわち「シンプル」にする、ということは「この製品はこのように使う物だ」という強い明確な意図と同義語なのである。

モニターを見たりファインダーを覗いたりしながら撮影することが難しい状況が多いからそれらははじめから不要であり、そうなるとだいたいの方向に向ければ撮りたいものが画面に入るように広角のレンズが必要になる。もちろんズーム機能は必要ない。ブレ防止機能はぜひとも欲しいところではあるものの、一般のビデオカメラについている手ブレ補正機能ではアクションカメラの利用シーンでの激しい動きに対応するには不十分であり、中途半端なものは搭載しない方がいいと割り切ってしまう。

via: SONYはなぜGoProを作れなかったか? 日本のモノづくりを考え直す時 WEDGE Infinity(ウェッジ)


これが「意図」というものだ。それは

「よくわからないけど、とりあえずつけておこう」

といったメンタリティとの決別でもある。

それゆえ「意図を持たないことで出世してきた」人たちが上にいる会社の製品はゴミになる。「うちの製品のほうが機能も性能も上だ」とかいっている人間がトップにいる限り、その会社の未来はB to Bにしかない。お客様のご機嫌を伺うことに熟達し、「意図」とは「お客様の意図」のことだ、と断言できるような業態にそうした人間は向いている。

というわけで今日は唐突に終わる。


朝三暮四

2014-08-12 07:13

って本当に機能するんだ。

その一方で「SIMロックを解除された高い端末をあえて欲しいというユーザーがそんなにいるとは思えない」との指摘も。現状ではキャリア各社が端末の販売価格にある程度の金額を補填したり、2年契約とともに安価または無料で端末を提供したりしているが、「現にAppleから販売されているSIMロックフリーのiPhoneはほとんど売れていない。わざわざ6~8万円も出してiPhoneを買いたいという人は日本にはいない……これは実績として出ている」(孫氏)。

via: SIMフリー端末は“需要がない”と孫社長--「実績として出ている」 - CNET Japan


あのー、それ本気で言っているんでしょうか?端末を見かけ上無料で提供。あとで通信料としてがっぽり取り返す。それで安いと思っている人が本当にいるんだ。

さすが希代の商売人は違う。こうでなければ大きな事業を作ることなどできないのだろう。「価格破壊者」として参入し、一旦肩を並べた後は「寡占による利益維持」への転身は見事としか言いようが無い。

MVNOの料金は、(細かい仕組みは知らないけど)キャリアの言い値では決まらないということになっているらしい。この仕組みを考えた総務省の人にはひとまずの感謝を捧げなくてはならない。

さて、私の問題は次にどのタイミングでどの端末を買うかだ。おそらく数週間以内に仕様が発表され、それがIIJでどの程度使えるかわかるのは、、とか楽しみだなあ。



失敗した者が出世する

2014-08-11 07:08

自分が年を取るにつれ

「年功序列システム」

に対する愛着がわく。なんたって年取るだけでえらくなれるんだから話は簡単だ。とはいえやはり弊害があることは認めなくてはならない。

「日本の半導体がダメなわけではなく、エレクトロニクスが日本人に向いてないのではなく、単にやり方が悪かっただけ。現に、東芝フラッシュメモリやソニーのイメージセンサは好調を維持しています。やり方さえ変えれば勝機がある。」

という話をすと、同業者の大先輩方から袋叩きに遭うのですよね。

やり方を変えるというのは、意思決定者を変えるということですから、自分の立場が危うくなる。

反発はほとんど感情的で、最後は「竹内は生意気だ」くらいで終わる。

via: 日本の半導体やエレクトロニクスが何故負けたか。皆がやっているから始める、皆が止めたから止める。こんなことの繰り返しでは勝ってこない。事業も人生も逆張りでなきゃ。 - 竹内研究室の日記


なんどか書いていることだが、ある産業が斜陽になった場合、その原因を作った「戦犯」はとっくの昔に出世して退職金をたんまりもらって「今の若い者はなっちゃいない」と寝言を言うことが許される。つまりこれは時限爆弾を抱えた椅子取りゲームのようなもので、爆弾を作った人間は次に座る人間に爆弾をなげ、自分は安全なところから他人を批判していればいいのだ。

規模は違うかもしれませんが、東大発でロボット開発を手掛けるベンチャーのシャフトが日本で資金を得られず、グーグルに買収された(買収してもらった)という状況に似てるかもしれません。

海外企業に買収されてから、「日本の技術の海外流出」とか騒いでも手遅れです。もし日本に留めておきたい技術ならば、なぜ、今まで日本が支援しなかったのか。

via: 日本の半導体やエレクトロニクスが何故負けたか。皆がやっているから始める、皆が止めたから止める。こんなことの繰り返しでは勝ってこない。事業も人生も逆張りでなきゃ。 - 竹内研究室の日記


なぜこうなるのか?日本のお役所は「産学官連携プロジェクト」をいくつも立ち上げ、日本の産業振興に心を砕いているというのに。

理由は簡単で、そうした「由緒正しいプロジェクト」には「敗戦」の原因を作った権威者ばかりが、指導的役割で呼ばれるからだ。そして「失敗のフィードバック」はより強固な形でたくさんの失敗を生み出す。

日本の近代の歴史を眺め、その成功を失敗をみていて思うことがある。失敗したときに、例えばアドルフ・ヒトラーのような「失敗の親玉」のような人間が存在していないのだ。代わりに「そもそも誰が国を指導しているのか」という指導者不在の状態にあったことがわかる。

我が国の国民は真面目で優秀だと云うことは(もちろん比較級だが)おそらく云えるだろう。問題は指導者が無能な、あるいは存在しない状態が多く出現することだ。そうした際には、失敗者が指導的地位についていることが多い。これは我が国における要注意パターンとして認識しておいてもいいかもしれない。


劉備と孔明の戦い

2014-08-08 07:14

いきなり何を書き出したかというと、Microsoftのハードウェアビジネスである。MicrosoftがWindows Phoneを出す、と聞いたとき多くの人が

「これは三国志の始まりか」

と思ったことだろう。もちろんデスクトップOSの巨人Microsoftはこの図柄の中では蜀である。

もちろん

「2016年にはWindows PhoneがiOSを追い越す」

という予想もあったわけだし、実際シェアだけみればそうなるかもしれない。しかし問題は蜀がそもそも存続できるのか、という点になっているようだ。

Microsoft has portrayed early Surface Pro 3 sales as promising. "While it's still early, sales are outpacing earlier versions of Surface Pro," chief financial officer Amy Hood said two weeks ago.

"But if the Surface is one, not growing sales; two, losing money; and three, not creating a market, what's the point ultimately?" Dawson wondered.

via: Microsoft has lost about $1.7 billion on Surface so far | CITEworld


MicrosoftはSurfaceを売り始めてから1700億の損失を出したと見込まれている。この「今度のSurfaceは違う!成功間違いない!」という台詞はいい加減冗談のような響きを持ち始めている。

この1700億円という損失はMicrosoft帝国の中では「ちょっとしたことです。えへへへへ」ですませられるもののようだ。とはいえAmazonがAWSで赤字を出しているのとは訳が違う。今は赤字を出しているにせよ、これは新しいマーケットを作っているのです、もう少し我慢してください、と言えない限り金を注ぎ込み続けはしてくれまい。

一番の問題は

現状を打開する方法をまだMicrosoftが見いだせていない点にある。そもそもSurfaceはなんなのか。現状では

「キーボードが取り外せる出来の悪いノートPC」

でしかない。Surface Pro3でますますその傾向は強まっている。人脈だか何だかを使って提灯記事を書かせたところで、その状況は変えられない。

もうあれだ。Microsoft Japanは秋元某を雇うべきではないか。AKBなにがしという女性達をみる度いつも思うのだ。このルックスも歌も踊りも冗談としか思えない女性群を使って金を儲けた秋元某はマーケティングの天才だと。であれば、Surfaceを売りまくることだってできるかもしれない。

もちろんそんな方法で世界で成功するとは思えないが、少なくとも日本では短期的に成功するかもしれない。


いくつかの断片

2014-08-07 07:58

というわけで今日はいくつか断片的に。

しかし、CEOが変わって以降、Microsoftは論理的でかつ、GoogleやAppleの先を行く戦略を打ち出しつつある。Universal Windows Appsで打ち出された、スマートフォン、タブレット、PCの壁を取り払う新しいアプリケーションのプログラミングモデルはAppleやGoogleの先を行っているし、1つのOSカーネルで、PCも、スマートフォンも、タブレットもサポートできるという戦略も両社の先を行っている。

via: 【笠原一輝のユビキタス情報局】3つのキーワードに隠された次世代Windowsの目標 - PC Watch


だからさあ、「なぜ統一するのか?」「統一するとどういういいことがあるのか」が問題なのだと思うけど。PCもスマートフォンもタブレットもよく考えればUIは別個にしなければならない。そこでカーネルがどうのと言われても知らんよ。

最近考えている。記事を書く人がどういうスタンスで書いているか(提灯記事が多いのか、客観的なのか)投稿、共有できるサービスがあってもいいと思うのだ。組織票を防ぐ強力な仕組みが必要だと思うけどね。Stackoverflowのような評価システムが有効なのだろうか、と考えている。

ーーー

ゲーム事業におけるコイン消費の減少が顕著になっている。国内コイン消費は376億円(前四半期比23.8%減、前年同期比31.4%減)、海外のコイン消費は4億ドルだったが、主力タイトルでコイン消費の減少が続いている。ゲームの開発リソースの8割を占めるアプリゲームでは新規タイトルを複数準備しているそうだが、現時点ではメガヒットとなるタイトルにも恵まれておらず、苦しい状況が続いているようだ。

via: ゲームのコイン消費減少で厳しい決算となったDeNA、新事業と投資で活路を開けるのか - TechCrunch


というわけで東大生あこがれの「メガベンチャー」の顔色が冴えないようだ。最近「ガチャ」規制の話も聞こえない。顔色が冴えないというか、「本来あるべき位置」に戻りつつあるのだろう。

任天堂の山内社長が「2年前には皆さんソーシャルゲームをやれとおっしゃったが、今は誰も言わない」と言っていたその通りになった。さて、もう一つの「メガベンチャー」GREEだが

グリーは7月24日、個人向けの定額リフォームサービス「安心リフォーム いえプラス」(いえプラス)の提供を開始した。新たに立ち上げた暮らし領域に特化した子会社グリーユナイテッドライフが運営する。グリーはゲーム以外の新規事業にも注力しており、5月にはブランド品買取サービス「uttoku by GREE」を、6月にはホテル予約アプリ「Tonight」を公開している。

via: グリーがリフォーム事業に参入--全国の工務店と提携 - CNET Japan


ソニーも不動産業に参入するようだが、あれかね。不動産関連というのはそんなに「有望な未開拓の土地」にみえるのだろうかね。しかしGREEの名前がついている企業に、大事なリフォームを任せる人が果たしているんだろうか?

とはいえやはり企業の「コア・コンピタンス」は維持しなければ。

GREE、あれだけ高給で人集めて、自社でオリジナル製品つくる能力ないのか・・・「グリーがホテル当日予約アプリ「Tonight」公開 米「HotelTonight」にそっくり?」 http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1406/17/news130.html …

出典:深津 貴之

丸パクリとしては定評のあるサイバーエージェントよりも先にリリースできたという点で、まだGREEはイケてる部分があるという好意的な評価で本稿を〆たいと思います。

via: GREEがホテル予約事業参入ということで久々にいろんな意味でいい感じのようです(山本 一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース


ああ、「メガベンチャー」だなあ。

ーーー

ZMappは31日午前、リベリアの病院に届いた。ブラントリーさんは「年下の私は自力で回復できる確率が高い」と話し、ライトボルさんが先に投与を受けるべきだと主張。ライトボルさんもこれに同意し、医師団が1人分の準備を始めた。

薬は指示に従って加熱せず、8~10時間かけて自然解凍することになった。ところがこの間に、ブラントリーさんの容体が突然悪化。呼吸困難に陥り、「死が近い」と自覚したブラントリーさんは、先に解凍したライトボルさん用の薬を自分に投与してもらえないかと提案した。

via: CNN.co.jp : エボラ感染の米医師、未承認薬で「奇跡的に」容体改善か - (2/3)


エボラ出血熱に関しては、今のところ「対岸の火事」のように思える。しかし映画の見過ぎかもしれないがニュースには気になる点がいくつかある。特に医療関係者に感染者がでている点が気になる。(私には現地の事情とかわからないけどね)

この奇跡の物語も、二人が医療関係者であるからの「提案」とかであろう。まるで映画のようだ。



行き着く先はB to B

2014-08-06 07:05

質問:最近一般ユーザ向けの製品の売れ行きが思わしくありません。どうすればいいでしょうか?

答え:B to Cをあきらめ、B to Bにしなさい。

Panasonicもそんなことを言っていたような気がする。一般ユーザに売り込むのは自動車メーカー様にまかせ、自分は部品供給に徹するとかなんとか。

そして一時は「変な会社」の代名詞だった「はてな」もそうなるようだ。

また直近では、社内でノウハウを培ったサーバー監視ツールを、ほかの企業様にもご利用いただけるようパッケージ化したMackerel(マカレル)の提供を開始するなど、これまでにない法人様向けの新規事業の創出にも取り組んでおります。

そうした中、はてなの価値の核であると考えておりますユーザー様向けのサービスにおいては、必ずしも期待したとおりの目覚ましいサービスの成長や、新サービスの創出ができていないという自覚もございます。

via: 株式会社はてなの代表取締役会長に就任いたしました - jkondoのはてなブログ


上場を目指しているそうだから、ちゃんと売り上げがなくちゃね。というわけで結局B to Bになる。幸い任天堂からも大きな仕事をもらえているようだし。

上場で経営者は大金持ちになるわけだが、私にとってここ数年「はてな」は死んだも同然の会社。社内は「ちゃんと」したのかもしれないが、一ユーザとしてみたとき、新しいサービス、価値が何一つ見えないからだ。

それでも社員をちゃんと雇用し、株主への義務を果たす「優良企業」になっていくのだろうな。

もちろんB to Bが簡単だとか、価値がないというつもりは無い。このB to BとB to Cの間を企業がどうして移行するのかを観察しているのはなかなか興味深い。よく聞く話としては

「言われたことをやっていてもつまらない」

からB to BからB to Cに移行し、

「B to Cでは売り上げがたたないから」

B to CからB to Bに移行する、というものがあるが。もっと広くみてみるとどうなんだろうね。



21世紀の帝国陸軍

2014-08-05 07:25

ゼンショーの報告書を読んで、そうした感想を持った人は多いに違いない。

多くの人が指摘していることだが、同じように話題になる企業、ワタミやユニクロと比べ、こうした外部機関に調査を依頼し、かつその内容を公表したことは率直にすばらしいと思う。しかし「なぜそんなことをしたのか」という疑問も残る。

そうした疑問に対する答えはおそらく以下の言葉に現れているのだろう。

目を覆うばかりの労基法違反が蔓延していることが明らかになりました。慢性的な長時間労働や、36協定違反、15分単位で労働時間を切り捨てる管理のずさんさなど、あげればキリがありません。まるで、労基法など『有って無いかの如く』のありさまです。

via: 「蟹工船や女工哀史に匹敵する」 すき家「調査報告書」を労働弁護士はどう読んだか?|弁護士ドットコムトピックス


こうした指摘に対する答えは

小川: 第三者委員会も言っているように、ブラックとかホワイトといった言葉は、人によって定義が違うわけですから、僕らとしては、そういったレッテルを貼られるということは非常に不本意です。真面目にやってきているのに、ブラックというレッテルを貼られて、社員たちも「非常に悔しい」という思いが強いです。

via: すき家は「ブラック企業」か? 小川会長「レッテル貼りはやめてほしい」【動画あり】|弁護士ドットコムトピックス


まじめにやっているんだから法令違反など問題ではない。いや、問題はあるのかもしれないけど改善していきます、という答え。つまりこれはゼンショーの

「これまでも、これからもブラック宣言」

なのだ。そしておそらくこの報告書の内容は、彼らの中ではそれほどの重みを持っていないのだろう。「時期はわかりませんが、改善をしていきます」といえばどんどん働き手が集まると本当に信じていると思える節がある。

一方で、ゼンショーホールディングスの小川賢太郎会長は、「『人手が足りないなら店を閉めろ』というのは乱暴な話だ。ひとつの店で、働く人は15人から20人いる。すき家は、彼らにとってかけがえのない職場でもある。従業員やその家族からは店を開けてくれという声もあり、店を閉めるのは我々にとっても断腸の思い。一日も早く採用をして、店を開けることが我々の責任だと考えている」と理解を求めた。

また、現状については、「基本的な考え方は、時間帯の入客数に応じた適正な労働力投入だ。それをやってきたが、(従業員が)採れないとか、採りにくいとか・・・」

via: すき家の「ワンオペ」解消はいつ? ゼンショー社長「決意」語るも時期は明言せず|弁護士ドットコムトピックス


人は増やせません。でも店は閉めません。この言い訳は

「血を流して得た土地からの撤退などあり得ない」

という帝国陸軍のロジックとぴったり重なる。補給も続かない。戦争終結の道筋も見えない。だけど中国から撤退はしない。

何度も実感することだが

「狂った組織では、もっとも狂った者が出世する」

おそらくいくつか考えるべき点がある。なぜ日本には帝国陸軍が何度も現れるのか?こうした事情が明らかになり、かつ「これからもブラック宣言」がでた企業で働こうというのはどういう人たちなのか?なぜ彼らと彼女達はそうせざるを得ないのか?

個人としては、会社のすぐ近くにあるすき屋ではなく、少し離れた吉野家に行くことから始めたい。



なぜ教育が必要なのか

2014-08-04 07:03

アフリカでエボラ出血熱が流行しているとのこと。現在感染を防ぐ試みは先が見えない状態らしい。おそらくそれにはいくつかの理由があるのだろう。

私はそれについて語れるほどよく知ってはいない。しかし一つの側面に注目したい。

エボラのアウトブレイクは断続的に猛威をふるい、大きな集団が国間や都市間を移動し、人々は西洋医学に疑いの目を向け続けていて、地元及び国外からの医療関係者たちを苛立たせている。地元の宗教は、病気に感染した人を家族が看護し、埋葬の時には未だ感染力を持つ遺体に触れることを奨めている。・・・ 特に葬儀は感染の機会となっている。アフリカ西部のイスラム教徒たちの習慣では、遺体は24時間以内に家族の手で葬らなければならない。... 葬儀の方法を変更しようとしている政府は、愛する家族を防護服に身を固めた医師たちが取り扱うのを拒否するリベリア人からの抵抗に直面している。

via: なかなか感染防止できないリベリアのエボラ対策: 忘却からの帰還


宗教は大事だという人がいる。しかし現実から目を背けることに加担する傾向があるのは事実だろう。ウィルスとはなんなのか。それはどのように伝染するのか。宗教とはどういうものなのか。こういう記事を読むと改めて「教育」の必要性について思い当たる。

いや、そんなのはアフリカの一部の話であって、先進国ではそんなことはないよ、という人はこのページを見るべきだ。

本講座では、独特な波動理論から、生きとし生けるものの本体をなす水の本質を追究して来られた江本勝先生と、EM(有用微生物群)の開発でエントロピーという科学の常識を破壊し、環境汚染や体内汚染に決定的な解決策を呈示してこられた比嘉照夫先生、このお二人の世界的に著名な研究・実践者をお迎えて、地球進化の正しいサイクルを取り戻すことで、崩壊の文明から蘇生の文明への道を探りたいと思います

via: 「ガイア、この水と微生物の共鳴する世界」 | 江本 勝 | 明治大学リバティアカデミー


明治大学は堂々とこうした「講義」を一般に向けて提供しようとしていた。この講座の内容と、アフリカ西部イスラム教徒の主張はほぼ同レベルにある。

あるいは私がみた中で最も恐ろしい映画の一つ、コンテイジョンでジュード・ロウが演じていた「伝染病を治癒する方法を知っている男」を思い出してもいいかもしれない。

ジャーナリストのアランは、伝染病に関しての取材で注目を集めるようになる。だが、「自分はレンギョウによるホメオパシーで感染症が治った」などとデマを広め、それがウソであることが後に明らかになる。彼は、企業投資家のためにデマを広めていたのだった。

via: 「コンテイジョン」あらすじ・ネタバレ | 1分で分かるネタバレ


こういうことなのだろう。先進国だろうがなんだろうが、いくら教育を施そうが、こうした偽科学を根絶することはできない。あるのは絶えざる戦いであり、教育はそれを有利にするのに役立つにすぎない、と。

ちなみに前掲した明治大学の講座はいろいろな意見により見直しがなされているそうである。間違いが生じるのはさけられない。しかしそれを是正する動きが現実化するところがおそらくは西アフリカと日本の違いなのだと思う。しかしその「違い」は非常に危ういものであることは覚えておかなければならない。


なぜ美しさが必要なのか

2014-08-01 07:34

前にも書いたような気がするが、気にしない。

「研究補償説」という一部で有名な説がある。人間は自分が不得意な分野を研究分野として選ぶ、というものだ。将棋の羽生名人の本を読んだことがある。感想は

「この人に語らせても無駄だ」

というものだった。それが上手にできる人はそもそもなぜ自分がそうできるのが説明できないことが多い。研究というのは客観的な解析を行うものであるからして、それでは困る。というわけで自分に欠けているとそれを補おうと一生懸命研究する訳だ。

というわけで研究ではないが私は「美しいデザイン」に興味がある。このことから私は美しさに不自由している人だと言うことが導かれるがそれは本題ではない。

なぜデザインには美しさが必要なのだろうか?

例えばこんな文章がある。

====================================
デザインって、
『機能性』さえあれば、、、使い易ければ、
『美しさ』はいらないのか?
====================================
そんなわけ、ありませんね。

どんなに使い易かろうが、
美しくないものを人は持ちたくないものです。
美しい、、、という言い方が、
限定的であれば、、、

「気に入らないもの・愛着の湧かないもの」と言い換えましょう。
『愛着の全く湧かないもの』を誰だって持ちたくはないはずです。

via: デザインとは何か? | design door


使う人に愛着を持ってもらわなくてはならない。したがって美しさが必要である、というロジックのようだ。ふーんと思うがはたしてそういうものだろうか。私が子供の頃愛用していた「ゾーリンゲンのはさみ」があった。きりにくい紐もそれだと一発で切れるからだった。今から思えば確かにそのはさみは美しかったのだが、私がそのはさみを使っていたのは美しいが故ではない。

機能を極めると美しくなる、という言説もある。これもそうかもしれないし、反例がいくつもある。

「美しいが役にたたない」

という製品だ。いつか読んだ戦闘機の本には「めちゃくちゃかっこいいけど、性能がさっぱりだった戦闘機」の図が載っていた。というわけでここはIveの言葉を聞こう。

ジョナサンアイブはこう言っています。
「デザインとは、何かが見せるためだけの手段ではありません。それは全て、とても多くの異なるレベルで実際に動くものです。最終的には、もちろん、デザインは私たちの経験を定義づけるものです。深遠で永続的な美しさはシンプルさと明快さと効率性の中にあると思います。そしてそれらは複雑さの中に秩序をもたらします。」

via: iOS7ってなぜフラットデザインにする必要があったの?


例によってわかったようなわからないような言葉である。

「深淵で永続的な美しさは、シンプルさと明快さと効率性の中にある」

というのは彼の信条であり、誰も「証明」できるものではない。しかしこの言明は問題を少しクリアにしてくれる。「美しさ」というのは非常に曖昧な言葉で、例えば佐々木希とか、海老原なんとかというモデルの静止画は確かに美しいと思う。しかし動いている姿を見ると「なんだこれ」ということになる。

そのために「深淵で永続的な美しさ」という形容詞をつけるのはよいことだ。と一歩だけ前進したような気になって今日はおしまい。