2015-07-31 07:36
いろいろな意味で面白いイベントだった。会場についてまず気がつくのは、スーツをきた若者たちがそこかしこに立っていること。思うに彼らと彼女たちはSoftbankの営業で、お得意様がきたらすぐに挨拶しよう、と身構えているのだろう。
この一事をもって全体を律するのはどうかと思うが、このイベント全体が営業主体で作られているように感じた。展示も技術的に面白い、というよりはとにかく売り込み売り込み。カラーでできたコードを読み取るスタンプラリーのようなイベントがあるのだが、私のiPHone4Sでは読み取りに異常に時間がかかってしまった。他の人の新しい機種だとあっというまに読み取れるのにな。(嘆息)
軽食やペットボトルのお茶、アリナミンが無料で景気良く振舞われているのもこの類のイベントとしては珍しい。無料となると体重のことも忘れてがっついてしまうのは昭和中頃生まれの悲しい性か。
さて、今日のおめあては講演である。まず「実践!Surface 3×Office 365導入」というのを聞く。これはHDEとかいう会社の役員が講演してくれたのだが、とてもそうは思えなかった。端的に言えばマイクロソフトのセールスマンの営業トークを40分聞かされているかのように感じた。彼は一体何がしたかったのだろう。
次に聞いたのはIBM Watsonの話。これは面白かった。Watsonというのは私が理解している限り、自然文解析と、膨大なデータを食わせてやってそれの検索を行い、結果をランクづけして返してくれるようなものだ。最初に医療診断のシステムを作ったときは学習に数千時間かかったとのこと。それだけ投資しないと結果は得られない。そして用途は昔懐かしい「エキスパートシステム」が適用されていた物のようだ。思うにエキスパートシステムはいつまでたってもデモシステムの域をでなかったがそれが最近のコンピューティングパワーで、大量の「知識」を食わせそれに対する解釈を行えるようにすることで「知識獲得を効率化した」とみるのかな、とかそんなことを考えていた。今や医療の論文を全部読める人はいない。そこをWatsonがサポートするだけでも大きな成果があるに違いない、というのは説得力のある主張に思える。デモを見る限り「特定分野に使える便利な検索エンジン」のようにも見える。
最後に聞いたのが「ヤマダ電気の売り場にWatsonとPepperを使った」話。これは別の意味で面白かった。まず最初にヤマダ電気のCIOがでてきて「今日講演させていただいてありがとうございます」と聴衆には全く興味のない謝辞を延々と述べる。なんだか素人向けの宣伝文句のようなことを述べる。
次にIBMの誰かが出てくる。この人が真打かと思えば、この人も営業スローガンをいくつか述べるだけ。3人目にようやくエンジニアに近い人がでてきた。
なんでもヤマダ電気からTVを売る時のQAパターンを650ほどいただいてそれをWatsonに食わせたのだそうな。そんな数で足りるはずがない。かくしてPepper君は「今おつかいのTVのサイズは何インチですか?」と聞き相手が答えると「もっと大きいをお勧めします」と決め打ちのシナリオにそって会話を進める。そもそもWatsonは聞かれたことに対して精度の高い答えを返せるのだが、こうした「売りこみの組み立て」は全く別の問題だ。
見ているうちに「ああ、こういうのは何度も見たなあ」と思う。10年以上も前にデモされた「サツキ」と同じく「決められたシナリオに沿っている限り、それなりに動くように見えるデモ」だ。正直なエンジニアは「トイレはどこ?」と聞かれてPepper君が凍るところもビデオで見せてくれる。「こういうのは随時追加すればいいんです」とはいうが、そういう言い訳も聞き飽きた。人間の問いかけパターンは無数に存在しており、それに対処できる方法を見つけた人はまだいない。(私が知っている限り)
最後に再びヤマダ電気のCIOがでてくる。この人はどうもいい人らしく冬にはさらに実証実験。来年には店舗を増やす、という宣伝スライドを一通り述べたあと「Q&Aのデータが少ない。この通りいけばいいのですが」と本音を吐いてしまう。とはいえさすがCIO。こういう類のデモは決して予定されたロードマップ通り進まず消えるという特徴を持っている。来年のSoftbankWorldでどんなアナウンスがあるか楽しみにしていよう。
一歩外にでると次の講演を待っている人で通路は大混雑。イベント主催者側がベストを尽くしていることは伝わってくるが、いかんせん場所が狭いのではないかと思う。とはいえ都心でアクセス便利でもうちょっと広い場所、というと、、どこかあるんだろうか。
社長の意識は投資案件にしかないようだが、ソフトバンクの社員はそれぞれいろいろなことを試みている。その熱気だけは十分伝わってきたし、来年もいくのではないか、と思う。
2015-07-30 06:52
前の会社で働いていたときのこと「インターン志望ですが」という電話をうけた。大学名は東洋大学だという。私は
「ああ、あの駅伝の大学ですが」
と答えた。
失礼なことだと思うが実際そうだからしょうがない。箱根駅伝以外学会で東洋大学という大学名を聞いたことがないのだ。かくしてスポーツというのは経営上大変重要な概念になっている。それは米国においても同様だ。
ただ
この点において日米で著しく違うのは、日本は「スポーツしかできない青年」を量産するところにある。いつか日本人の金メダリストのドキュメンタリーをやっていた。彼と競ったアメリカ人選手がいるのだが、その人は弁護士になっていた。つまり彼はスポーツだけやっていたわけではないのだ。StanfordのFootballチームもAcademic All Americanとかごろごろいるのだよ。
先日こんな記事を読んだ。
「君たちは親元を離れて、ここに来て厳しい寮生活をしている。それだけでも、大きな価値がある」と話しています。
引用元:野球留学校の実態:前編「野球留学=ほぼ逃げ道がない」
これは大リーグ養成ギプスと同じく「つらいことは鍛錬になる」というそれこそ野球脳的な考え方だ。そうやって育成された野球エリートたちの哀れな末路は誰もが目にしている。
ずっと野球しかやってこなかったので、まだ手探りですけど…。
引用元:【球界ここだけの話(250)】元楽天・一場さんが生きる第2の人生…夢は「甲子園」 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)
彼の人生において「野球という大きな価値」はなんの意味を持ったのだろう。
私が子供の頃はスポーツ=野球だった。いま少し離れたところから野球を見る時、そのいびつな構造が目につく。甲子園に出場すればNHKがもれなく全試合放送してくれる。その広報効果は学校関係者にしてみれば喉から手が出るほど欲しいものだろう。それがいつまで続くのかはわからない。プロ野球の中継はほぼ消滅した今、そうした「習慣」が続いているのはかなり変なことのように思えるし、「野球しかしらない」少年兵のような人間の量産を見直してもいい時期ではないのか。
2015-07-29 08:18
何度も書いたトピックだが、ネタがつきないのも事実である。
富士通やシャープがなぜスマートフォンを作り続けるのだろう、という疑問は何度も書いた。しかしそういうことをやるからこそ日本の大企業という気もする。富士通のArrowsというスマートフォンがある。発売以来富士通の宣伝以外では高く評価されたのを見たことがない。なのに作り続けられる。初代はひどいものだったらしい。それに対して2012年夏には「反省のもとに開発した」新機種を発表する。
一方で、冬モデルで頻発した不具合については、同社執行役員の髙田克美氏が「ウェブ上でいろいろご指摘いただいている声は聞いている。ソフトウェアに起因する不具合などがあったのは事実。今回の夏モデルについては、開発プロセスの中での品質基準を高めた」と語った。
引用元:ASCII.jp:色々あった冬モデルとは違う? 富士通が夏スマホ発表会
2012年夏段階で、こう誇らしげに語っていた「高田克美」氏の名前を覚えておこう。
ここでEXILEが手に持って宣伝していた機種の一つ、ARROWS X F-10Dはこういう評価を得たらしい。
発熱や再起動病など、数々の悪評をを持つ、 昨年夏モデルの問題児、「ARROWS X F-10D」
引用元:ARROWS X F-10Dでリコールレベルの不具合発生!?-バッテリー熱でプラスチックが溶けたとの報告 : スマホ口コミ評価速報
品質基準を高めた結果がこれである。そのあとしばらく「普通」の機種が続いたらしい。しかし今朝こういうニュースがあることを知る。
平素はNTTドコモのサービス・商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、弊社の携帯電話「ドコモ スマートフォン ARROWS NX F-04G」において、カメラが起動できない、電源が入らない、再起動を繰り返す、画面の表示が乱れる等の事象が発生する場合があることが確認されましたので、販売を一時見合わせさせていただきます。
引用元:ドコモからのお知らせ : 「ドコモ スマートフォン ARROWS NX F-04G」の一時販売停止のお知らせ | お知らせ | NTTドコモ
伝統的に富士通は「ソフトウェアの不具合は搭載するアプリのせいだ」と言い続けてきた。今度はどんな言い訳を開発するのか楽しみだ。
というのは長い前振りに過ぎない。富士通の役員紹介のページをみるとこういう文字がある。
高田 克美 (Katsumi Takada) モバイルフォン事業本部長
引用元:役員一覧 - Fujitsu Japan
おそらくこれが一番驚くべきことだろう。これだけ問題をおこした製品群をリリースしていながら、高田氏は役員であり続けているのだ。Apple Mapの不具合一発(もちろんそれだけじゃないけど)で首を飛ばされたフォーストールとは大きな違い。
別の観点で言うと、富士通は「成果主義」を初期に導入したことでも悪名高い。私が不思議に思うは、成果主義とこの人事がどうしても頭の中でマッチしないことだ。
とはいえ
同じ仲間の電気産業であるところの東芝の様子をみれば、こういうのもうなづける。電電公社グループ内で働いていた時、1+1の答えが虚数になる文化の中で正気を保つ難しさをいやというほど味わった。おそらく、東芝、富士通も似たようなもんなのだろうな。特に富士通は電電ファミリー企業でもあるし。
2015-07-28 07:32
WWDC2015に行ったのはもうだいぶ前のことになったが、まだ一つ書き忘れいていたことがあった。
前にデンソー様の元でカーナビの仕事をさせていただいたことは何度か述べた。カーナビのOS(と呼べるかどうかもわからないが)とiOSを比べると横穴式住居と2020年には出来上がるであろう新国立競技場ほどの差があることも書いた。
思うにこれは「組み込みソフトウェア」と「PC用ソフトウェア」という二つの異なるソフトウェアに根っこをもっているところからきているのかもしれない。トヨタ様が作られているエンジン制御のソフトウェアは、凄まじいことになっているらしいが、こういう声は厳然として存在する。
nekora トヨタ車の実際のフィールド品質は、犬や鯨画面出してもテヘペロのWebページよりも遥かに上なので当然何かそれなりの理由あっての事だろう。PGの技術力は、リアルタイムMC>MC>リアルタイム>>>>その他雑用面白HP等。
引用元:はてなブックマーク - トヨタの車のソースコードはスパゲッティコード山盛り? - YAMDAS現更新履歴
この議論をするためには、例えばロケットエンジンとか、ジェットエンジンの制御ソフトと比べるべきだと思うが不幸にして両方とも見たことがないのでその観点は忘れることにする。ただ私は「トヨタ様のなさることだからそれには理由があるはずだ」などと信じられるほど無邪気ではない。
問題は
この「スパゲティ上等。動けばいいんだよ」の組み込みソフトウェア文化が「みんなコード書いてね」のPC文化と交わる点で何がおこるかだ。私の考えではカーナビというのはそうした交点だと思う。
という長い前振りの後でようやく本題。WWDC前日の懇親会で某社の方と話をした。そしてその会社が出したiOS上のカーナビアプリを作っている人間の数を聞いて卒倒しそうになった。
3名。
驚愕する私をみて「いや、地図アプリも出していて、それとかぶってますから」とかなんとかその人は付け加えた。それは確かだろう。しかしかけてもいいのだが、カナービOS(のような掘建小屋じゃなくて横穴式住居)を使ってカーナビを作れば、、、、3人で何ができるんだろうね。仕様を記述したExcelシートの管理だけでそれくらい人間が必要な気がする。
それでも専用ハードウェアの上でカーナビソフトを作り続ける会社は存在し続ける。少なくともあと数年は。しかしなんでこうなったんだろうねえ。
2015-07-27 06:56
定義によって「現在の私の上司」以外の上司は全員バカである。いや、今の私の上司はもちろん違いますよ。ちなみにこの定義に従えば、部下がいる時の私もバカなのだが、多分それは正しい。
でもって私のような人間は「あんなバカのしたで何ができる」とクダ巻いておしまいにするわけだが、そうではない人も時々存在している。
「2002年の立ち上げ以来、とにかくずっと会社から文句を言われてました(笑)。『いつやめるんだ?』とか『いつ儲かるんだ?』と。まあ儲かっていなかったから、当然ですけど(笑)。
でも、『あっ、もう来年には!』みたいな適当なことを言って、ごまかしごまかし、やり続けました。本格的に廃止対象リストに入れられて、詰められたこともありましたが」
大抵の人はここでシュンとしてしまうものだが、林さんは違った。サービスが黒字転換する2012年まで、デイリーポータルZの必要性を問いただす歴代上司に対峙し続けたのだ。
「ニフティのほかのサイトへの送客が大事と言われているときには、そう言いましたし、マネタイズが大事と言われている時期には、広告媒体としての価値を押しました。今はニフティのブランド価値の向上という価値を訴えています」
引用元:究極の「ダメサイト」を築いた男の、苦節10年 (東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
2chにアンチスレッドが立つということは、メジャーだということでもある。最近の私が感嘆してやまないデイリーポータルZ。特に感心するのがその「広告」のやり方である。完全にコンテンツと一体化しており、「騙された」とか「読んで損した」とかの感想を持ったことがない。例えばこれとか。
ネイティブアド議論が盛んなので、個人的に「最高」と思ったやつを置いておきますね。/上司の誕生日をパレードで祝う - デイリーポータルZ
引用元:ヨッピーさんはTwitterを使っています
先日社内の勉強会で、この「広告」の革新性についてといたが、どうもいまいちわかってもらえなかったようだ。
いや、こうしたサイトを作り、維持することに比べればその革新性を説くほうがはるかに容易なはず。というか林氏に比べてやはり自分に一番かけているのは粘りと「好きなことを貫く執念」だと認識する。
2015-07-24 06:54
あれこれ話題になっていた競技場の建設が白紙になった。とても良いことだと思う。関連するニュースで一番笑わせてもらったのがこのコメント。
新たな建設計画作成に入る前に、文科省内では「誰が責任をとらされ、処分を受けるのか」(中堅職員)という話題もささやかれている。
引用元:【新国立競技場】「今から間に合うのか」「責任はだれが」文科省内に戸惑い、見通しも「白紙」(2/2ページ) - 産経ニュース
「計画の見直しを再検討してみてほしい」
これに対し、文科省の回答はかたくなだった。
「できません」
文科省は、国際オリンピック委員会(IOC)での首相演説などを根拠に、建築家ザハ・ハディド氏のデザインは「国際公約」と見なしていた。下村博文文科相も公の場で「既存計画を進める以外ない」と表明していた。
引用元:新国立「白紙」 首相、森氏説得したA4文書…国交省に作成指示 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
こうした頑迷さは彼らなりの「保身の方法」なのだろう。こう言っておけば何かあった時も
「いや、私どもは完成に自信を持っておりましたが、、、」
と言い訳ができる。計画を続行して恐ろしい破綻が起こった時にの言い訳も抜かりはなかったのだろうな。
さすがエリート官僚は言うことが違う。とはいえこうしたメンタリティは別に今に限った話ではない。
ガダルカナルの戦況が絶望的なことは誰にもわかっていた。しかし「火をつけたのは海軍だ」「いや、そもそも陸軍がだらしないから」
と責任を押し付け合い、無駄に時間を過ごしていたのはそう遠い昔の話ではない。そうしたヨタ話で時間を浪費し、将兵を無駄な死に追いやっていたのも当時の
エリート官僚達だった。
それに比べればまだやり直す余裕があるうちに「撤退」の判断をしたことは良い。下村くんはどうも完全に狂っているようだからこれを
機会にクビにしたほうがいいと思う。(なぜ安倍くんが彼を使い続けるのかわからないが)それでとっとと新しい簡素な計画を作って前に進もうではないか。前にも書いたけどLondonオリンピックの開会式を見習ってさ。スモーレスラー総登場で楽しい開会式にしよう。
2015-07-23 06:59
7/20は子供のサッカー大会であった。合わせるかのように梅雨が明けてくれて1日快晴であった。そしてサッカー観戦を行う我々に日陰はないのであった。
うちの母の名言の一つに「子供は暑さを感じないよの」というのがある。年をとるとその言葉の意味を実感する。つまり年をとると日差しが辛くなるのだ。大学生の頃は鈴鹿8時間耐久とか見に行っても、それほどダメージを受けなかったものだが。。5月末の運動会で上半身の皮がベロベロになったのだが、また同じことが起こりそうだった。
しかし少しは準備をして行ったのだ。タオルを2枚持って行き、水にひたす。それを頭と腕に巻く。2試合終わったところでタオルが乾いてしまったのにはさすがに驚いたが。そして私はずっと考えていた
「 アラブ人の男性の服装は、合理的にできている」
あの頭からかぶる布。ゆったりとした白い服。あれこそが正しい。あれこそが必要だ。残り2試合を観戦しているうちにさらに思いは強まり
「アラブ人女性の服が欲しい。あの目しか出していないやつ。今すぐ。」
と思うようになった。
もう50を超えたので、外見などどうでも良い。誰もしょぼくれた50男の姿など気にしない。問題は紫外線と高温だ。日本が温暖化しているというならば衣服もそれに合わせて変化すべき。
風量を弱くした状態で丸一日、強にした状態で5時間持続するそうです。
空調服の価格はバッテリー同梱で1万円台後半から。また担当者によると今後はブルゾンタイプなど、ファッショナブルな空調服のラインナップをさらに拡充し、一般消費者向けの需要を広げていきたいと話します。
引用元:『猛暑対策展』で空調服など冷却グッズを体験。天然雪を再現する降雪機で涼感プラス - Engadget Japanese
これでしょこれ。もう作業用とかどうでもいい。夏のスポーツ観戦用に頭からすっぽりかぶり、かつファンをつけたやつ作ってくださいな。はたから見ると異様だろうけど、そんなことを言っている場合ではない。上半身に火傷を負うか否かの問題なのだ。
別の言い方をしよう。農作業をするおばちゃんの格好。あれが正しい。あれをもっと見栄えが良くなるように本気で改良するのだ。絶対売れるぞ。
摘粒作業には、覆面ルックが重要です。
私は、この覆面ルックをしていることを、すっかり忘れて、
道行く人に「こんにちは」などと、笑顔で?挨拶したりしています。
引用元:覆面ルック - MORI×MORI ファーム
真面目にいいチャレンジ目標だと思うのだけどなあ。日本で農作業をしているおばちゃんの格好が一気に「かっこ良く」なるのだ。これほどCoolなことはないと思うのだが。
2015-07-22 06:59
東芝といえば世界的に見ても一流企業と思う。全ての組織にいえることだが、その組織で上に立つためには組織の文化を受け入れることが必要だ。
「狂った組織ではもっとも狂った者が頂点に立つ」
というのは私が作った言葉だが、あまり外れていないと思う。
「第三者委員会の報告書には『利益水増しに経営陣の関与があった』と書いてあります。田中社長ご自身には部下に『数字をごまかせ』と命じた自覚はおありですか」
静まり返る会場。数秒の沈黙。田中社長はこちらをぐっとにらみつけ、絞り出すような声で言った。
「ございません」
引用元:東芝不正会計、本当の責任者を出せ! (3ページ目):日経ビジネスオンライン
こういうことを堂々と公言できるのが「一流企業で出世する」ための最低条件だ。こういう「いつかは崩壊する組織」というのは椅子取りゲームのようなもので、同じようなことをさんざんやりながら、「幸いにも」社長にならなかったがためどこかで素知らぬ顔をしている人間はあと何人いるのだろう。
引用元:東芝の「チャレンジ」を一目で察することができる、あるグラフ
赤い線はPC事業の利益である。必ず期初に大赤字になり、期末にぐっと取り戻す。こんな動きは誰が見てもおかしいのだがそれを「おかしい」という人間はとっくに子会社に飛ばされていることだろう。そんなことをいう人間は東芝は必要としていない。
今回の犯罪で一番理解に苦しむのが以下の点だ。
会社が潰れるようなプレッシャーある訳もなく、赤字部門を撤退やらリストラ断行するほどの実行力もない企業で数字取り繕うリスク取る意味がわからん。
引用元:Alpha CygniさんはTwitterを使っています
なんでこんな「刑務所に行き」になるような犯罪を行ったのか。その動機がわからない。株価維持位のため実は赤字だが粉飾して黒字に見せかける必要があった、とかならわかるし、ライブドアのように経営陣が底抜けの馬鹿だったというのもわかるが、この「一流企業のエリート社員」たちは何がしたかったのだろうか。
ある時アメリカ人のマネージャーが言っていたのだが、会社が他の会社とどう考えても「価格カルテル」を協議したことがあり、「ちょっと待て、これは刑務所行きじゃないか」と言っていた。日本にもその感覚がねづくべきだと思う。東芝の人たちには気の毒だが数人は刑務所に行ってもらった方が後の日本のためではなかろうか。いくら「会社村の倫理」に沿っていようと、法律に触れたら刑務所行きだよ、ということをわからせるために。
世界的企業東芝の頂点に登りつめた人たちの姿を見ると「哀れさ」しか感じない。他人の生き方について何か行っている暇があれば、自分の人生の改善に勤しんだ方がいいんじゃないか、とわかってはいるのだが。
2015-07-21 07:07
というのは時々正しく、多くの場合間違っている。東部戦線で戦っている将軍と会談したヒトラーは彼が生産を禁じたMP-43をもっと供給してくれと言われて戸惑ったのだそうな。この場合は「ユーザの意見」を聞くことは正しかったわけだが、間違った例はいくつも存在する。
ソニーのFirst Flightというサイトに行くと、幾つかの製品が並んでいる。そのうちの一つにこういうのがある。
はじめまして。プロジェクト代表の八木隆典と申します。「自分が使うボタンだけをまとめたリモコンが欲しい」という想いから、このHUIS REMOTE CONTROLLERの開発は始まりました。
私の家には多数のリモコンがあり、それぞれに多数のボタンがありますが、使うボタンはとても限られています。自分が欲しいボタンだけがひとつにまとまれば、使いやすく、リモコンが減って部屋もスッキリするのに。きっと同じ想いをお持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。
引用元:HUIS REMOTE CONTROLLER | First Flight
よくある話だ。でもってこのページでははこうユーザに対して質問している。(アンケートから一部抜粋)
これはアンケートの「よくある間違い」である。理由は簡単で、これは実際に触ってみなければわからないからだ。
具体的に書こう。LINEが普及する前に
「個人で作ったスタンプをシェアしたいと思いますか?あるいは他の人が作ったスタンプにいくらまでなら払ってもいいと思いますか?」
と聞いたとしよう。そんな質問と答えになんの意味があるのか?スタンプがどんなものかわからず、それがどの程度会話の中で使われるのかわからない状態で「使いたいと思いますか?」でニーズが把握できると思っているのだろうか?
とはいえアンケートにこういう項目をつけたくなる気持ちもわからんでもない。たぶん社内でパワポを作る時に
「アンケートの結果、ニーズが確認されました!」
と言いたいのだろう。他の人が作ったリモコン画面みたいか?と問われればほとんどの人がYesと答えるわな。実際にそうした仕組みが作られた時、そう行動するか否かとは全く関係がないが。
思うにこういうアンケートは「政治的に正しい結論」を導くため意図的にやるものだろう。実際コアなユーザの声を聞いたってこんな結果になるだけだ。
興味深かったのは、あるユーザーは「ストレージをSDカードだけにしてほしい」という意見で、その隣にいた他のユーザーは「内蔵メモリだけにしてくれないと、プレイリストなどが使いづらい」といった正反対の考えがユーザー同士でも存在していること。バッテリの持ち時間についても、「1日しか持たなくても音質を優先して欲しい」という意見と、反対に再生時間を優先するという意見が真っ二つに分かれていた。
引用元:幻の“真鍮ウォークマン”も!? ポータブルの猛者と開発者が激論した、コアな一日 - AV Watch
「両方作る」というのがよくある解決方法だが。どうですかソニーさん。「ユーザの声を反映した」商品群を山のように作ってみては。
2015-07-17 07:07
Apple原理主義者の私だが、冷徹な現実には逆らえない。お金がないのだ。だから今私が使っているApple製品はこのような状況になっている。
・SSDの空きが50GByteを切った2010年購入のMac Book Air
・ディスプレイが割れている2012年購入のiPad2
・電池の持ちが問題になりつつあるiPhone 4S
独身の頃は3年経てばPCを変えていた。お金があったのと、当時は3年経つとPCの性能が向上し、まるで別体験だった、というのも理由の一つ。そう考えれば今のMac Book Airは記憶容量が怪しくなってきていることを除けば結構問題なく使えている。だからこれのプライオリティは下がる。iPadも画面が問題だが最近使うのは私だけだからこれも説得力がない。というわけで問題はiPhoneである。
現実問題としてiPhone4Sを使っている限り、Apple Watchは欲しくても使えない。そのためにはiPhoneをまず新型にせねばならない。当初の目論見ではiPhone6SPlusにする予定だったのだが、ここにきてまた情勢が変わりつつある。
いろいろな噂が飛び交うのはいつものことだが、私はiPhone7にこんな改良が加わるのではないかと思っている。
・改良されたデザイン
・複数レンズを使った出っ張らないカメラ
・USB Type-Cの採用
特に最後のが問題だ。未だに幅広コネクタと仲良くしている私としては、あまり頻繁にケーブルを変えるのもいやである。いつAppleはiPhone/iPadのコネクタをUSB-TypeCにするのだろう?過去をバッサリ切り捨てるAppleのいつものやり方からすれば、iPhone7でそれが起こっても驚かない。
とはいえ初物はいつも問題を起こす。次のSシリーズが出るまで待ってとなると2017年になってしまう。それまで4Sでは、、とか考えると心は千々に乱れるわけでございます。
いずれにせよiOS9がiPhone4Sをサポートするという嬉しい誤算のおかげでそう急がなくても良い気がしている。おまけにiOS9のバッテリーセーブ機能を使えば衰えたバッテリーでもそこそこ使えるかもしれないしね。Apple Watchもおそらく2代目か3代目でもっとよくなるに違いない、、根本的な問題としてお金がないけど。というわけでしばらくはあれこれ妄想する時間が続く。
2015-07-17 06:49
Steve jobsの時はまだ心構えができていた。昨日のは全くの不意打ちだった。
yuko-hirom 経営者なんて権力にものを言わせた傲慢で冷血なメンタリティばかりで大ッキライだけど、岩田氏は大企業の経営者には珍しく高圧的でない人柄だった。経営手腕とかどーでもよくてそれだけで存在価値があったので悲しい
gogochephy 政治屋として優秀で経営者に上り詰めたのではない、純粋に思考力で経営者になった稀有な存在。経営者なんて、ほとんどが代替可能だけど、岩田さんは唯一無二だった。惜しい人をなくした
引用元:はてなブックマーク - "岩田聡さんのコンテンツ。 - ほぼ日刊イトイ新聞"
先日日本を代表する電機メーカーのトップがいかにクズであるかを書いたばかりだった。社長業というのは愚かで無神経でなければ務まらないのではないかと思っていたところだった。
もちろん私は間違っていた。岩田社長のような人がいることを忘れていた。どうでも良いことに気を取られ、大切な、覚えておくべきことを忘れてしまうのは何度もなんども繰り返した過ちだ。
馬鹿で愚かでなくてもその力を発揮して人に世界に影響を与えることはできる。そんなことを考えながら今はこの言葉を読み返そう。
彼がAppleのCEOを辞任した日に以下のような投稿があった。
それゆえ、なんらかの瞬間を人生の目的と考えてはならない。過ぎ去った巨大な深淵のごとき時を振り返り、無限に続く未来に思いを馳せるとき、人生が三日しか続かなかろうが、三世代にわたって続こうが、少しも差はないと知るだろう。
運命によってわれわれに割り当てられたこれらの瞬間、瞬間を正しく認識し、満足をもって世界を眺めよう。熟したオリーブの実が枝から自然に離れて地に落ちるときのように、われわれを育んだ土壌を、木を讃えようではないか。
-マルクス・アウレウス・アントニヌス 自省録
引用元:スティーブ・ジョブズの逝去に関するApple取締役会の声明 | TechCrunch Japan
2015-07-16 07:12
GooglePhotoを使っている。いろいろ文句を言いたいところもあるが(動画の日付がアップロードされた日付になるのはなんとかならんのか。修正もできないし)その威力には日々驚かされている。
どれだけの写真をいつアップロードするかは、どうもGoogle側が決めているらしい。写真アプリの最近の物しかアップロードされないから、どうしてかな、と思ったら先日狂ったようにアップロードをはじめとうとう私が写真アプリで管理している写真を全部アップロードし終えた。
それからという物「こんなコラージュを作りました」とか「こんなパノラマを作りました」という通知が毎日のように届く。タグ付けも勝手にやってくれる。もちろん間違っている物もあるのだが、それを指摘すれば
「をを、またもデータが得られた」
とGoogleがほくそ笑むのだろう。特に連続した写真を切れ目なくつなげる「パノラマ写真」の精度には驚きを通り越して恐怖すら覚える。
ユーザに対して無制限のストレージを手に入れることで、Googleは大量のユーザデータを手に入れそれに対するアルゴリズムの実験、改良を行い続ける。誰がこんな判断をしたかわからないが、これは恐るべき実験だ。しかもおそらく世界中でほんの少しの企業しかできない。
おまけに仮に画像解析とか機械学習を研究している人がいるとしよう。Googleで働けば、世界中から集まった写真を相手に思うぞんぶん研究と実験とフィードバックが得られますよ、と言われればそりゃGoogleを選択肢にしないほうがおかしい。
2000年だったかその前だったかに「ををこの検索エンジン良い結果返してくるなあ。でもこの変な綴りはなんと発音するのだろう」と問い合わせた頃のことをふと思い出す。まさかあの会社がこんな風になるとは思っても見なかった。何大丈夫。私の脳が活動を停止するまでに、こういう企業があといくつかは生まれてくるに違いない。
2015-07-15 07:20
前勤めていた企業では、組み込み機器用UI構築の用のミドルウェアを売っていた。でもってよく言われたのが
「で、その製品Flashと比べてどうなの?」
というもの。面白いことにこういう質問をする人は、どちらかといえば「評論家」タイプの人が多かった。実際に使えるものを探している人はそんなことを聞きもしなかった。組み込みでFlashのかっこいいUIを実装したものがいつでるだろう、と思っていたのだが結局最後までそんなものにはお目にかかれなかった。
それでもFlashはあちこちに存在し続けた。とにかく普及率はすごかった。
Adobeの人が「普及率舐めんな」と声高らかに言ったのは確かに正しかった。普及率が高いゆえに害悪を広範囲に撒き散らしそう簡単に根絶することもできない。
最近はAdobe自身がFlashを嫌っているのは公然の秘密だ。Flashはウェブの黎明時代にはそれなりの役割を果たしたが、HTML5その他のウェブ標準が整備されるにつれて、デベロッパーは非効率でセキュリティー上の問題を抱えるFlashプラグインに次第に頼らなくなっている。GoogleのYouTubeはすでにFlashではなくHTML5を標準として採用しているし、Chromeはウェブページ中で重要性の低いFlashコンテンツの自動再生をブロックするようになった。
Facebookの最高セキュリティー責任者のAlex Stamosが数日前に言ったように、ウェブはFlashがないほうがなにかと面倒がなくてすむ。AdobeはそろそろFlashを終了させる時期を決めた方がいいだろう。
引用元:致命的脆弱性の発見でFirefoxがFlashを一時的にブロック中―Adobeのパッチをインストールすれば復活 | TechCrunch Japan
私も最初iPhoneがFlashをサポートしないと聞いたとき少し戸惑った一人だった。しかし今となっては確かにその判断は正しかったとわかる。
また現実に起こったことと、上のプレゼンテーションで述べられていた「未来予測」の乖離をよく考えるとその難しさがよくわかる。2008年ごろ富士通の人が強調していた
「スマホスマホっていうけど、全然普及してない!」
も同様。つまり「現状こうなってます」は未来の予測を大きく誤らせる可能性た高い。未来はちょっとしたことで大幅に変わりうるのだ。
2015-07-13 07:04
というわけで、なぜ我が国が「隆盛と衰退」を繰り返すのかについてはあれこれ考えることが多い。先日読んだこの言葉で少しそれが整理されたように思えた。
日本軍の失敗の原因を書いた本を読んでるけど、
・日本人は思想がなく現場の職人芸頼みで、個人の技量でどうにかなる範囲を超えると全体が瓦解して負け戦になる
のだけど、ゲーム業界もコンピューター業界も映画業界も全部同じ轍踏んでて学習しねえなあコイツらは……と。
引用元:ウナム日月@アドセンスクリックをよろしくさんはTwitterを使っています"
最近映画の分野で起こった「ベイマックスとマッドマックス」の衝撃。家電の信じられないほどの衰退。そして伊藤正徳いうところの「率いるものが誰もいなかった」太平洋戦争。これらに共通するのは「現場にいる優秀で使い捨てられる兵士たち」「時々存在する前線の優秀な指揮官」「和歌を作り勢力争いばかりしている貴族達」の存在。
年収200万以下でアニメを作り続ける人たちの姿は、補給を立たれ「死ね死ね」ばかり言われていた前線の兵士の姿に重なるものがある。そしてなぜか中枢にいるのはこんな人ばかりだ。
田中社長は幹部らに早朝の電話やメールで「何で予算を達成できないんだ」「売上高、利益をもう少し上げろ」などと要求。関係者によると、損失計上の先送りを促すようなメールなども見つかったという。
引用元:<東芝不適切会計>田中社長、引責辞任へ (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
創業者と娘婿の争い、権力闘争の背景にした不祥事、人事遂行を目的とした誤った経営判断......そんなパナソニックの人事抗争史を見ていると、大企業にとっては利益を追求することよりも、個人の権力を保持することこそが大きな目的になっているのではないかとさえ思えてくる。
引用元:パナソニックのドロドロ人事抗争 元役員たちが証言 - ライブドアニュース
あれほど強力に見えた日本の家電メーカーだが「偉い人」がこんなことばかりやっていれば、そりゃ衰退するわな。
次の問いは「なぜこうしたことが繰り返されるのか」ということになる。馬鹿が出世する仕組みなのか、出世するとみんな馬鹿になってしまうのか。
その中で、NECが新たなブランドメッセージとして昨年度より発信させていただいております「Orchestrating a brighter world」にその思いを込めさせていただきました。顧客価値を最大にすべくお客様と一緒になって、未来社会の輝かしい発展のために貢献していきます。これらは、正にNECの「ことづくり」そのものであると考えております。
引用元:イノベーションを起こす人をNECでは専任とする:日経ビジネスオンライン
こういう寝言を大真面目に語れなければ、日本の大企業の「偉い人」にはなれない。しかしより心に響くのは、彼らがコンサルに高い金払って作らせたスローガンよりこちらの言葉だ。
米GEの事業開発者から、「日本企業には、わたしたちから見ても優秀な人が多くいるのに、どうもマネージメント層が潰しているように見えます」と指摘されたことがあります。
引用元:イノベーションを起こす人をNECでは専任とする (4ページ目):日経ビジネスオンライン
2015-07-10 06:48
これは米国海兵隊がヨーロッパの戦場に到着した時に言ったとされるセリフである。
さて、こんな噂が存在するようだ。
Microsoftが苦境に立つチップメーカーAdvanced Micro Devices(AMD)の買収に関心を持っているとのうわさが流れている。一部報道によると、買収交渉は数カ月前に開始されたという。
両社から具体的な発表はないが、このうわさの背景には、MicrosoftがAMDの財政状態に懸念を抱いており、AMDの問題が「Xbox One」の供給に影響することを不安視しているという見方がある。Microsoftが小切手帳を取り出して、AMDを買収すれば、すべての問題が解決するというわけだ。
引用元:マイクロソフトがAMD買収検討とのうわさ--考えられる利点と懸念 - ZDNet Japan
平たく言えばまた「なくなると困るハードウェア会社を買収することで延命させる」をやろうという話らしい。
Satyaはどうするのだろう?選択肢は
攻撃続行:AMDを買収し、XBOX事業を(少なくとも生産の観点からは)磐石なものにする(売れるかどうかは別問題)
撤退(Retreat):XBOXを売飛ばし、AMDの運命を彼らの脳裏から消し去る。
私の考えでは、答えは明白だ。
Nokiaに関してMicrosoftは困難な選択を迫られ、男の道を選び、数十億を失った。会社は愛のために金を使うか、Androidを着たパートナーを見るかのはざまに捕われた。そしてすべてを社内に取り込んだ。そしてシナジー効果を上げる代わりに、76億ドルの評価損を計上した。
引用元:Microsoftの巨額減損処理に思うこと | TechCrunch Japan
Microsoftがもう一度ベトナム戦争に足を踏み入れるとは思えない。それどころか前にも書いたが、ナデラの新しいポリシーを徹底するとすれば、Xboxは真っ先に売り飛ばすべき部門。Hell!とか言っている場合じゃない。
もう直ぐホリデーシーズンがやってくる。XBoxもそれなりに売れるだろう。どのタイミングで売却するのか。そしてどこが買うのか。一時は一世を風靡したゲームコンソールの戦いは、静かな終焉を迎えようとしている。
2015-07-09 06:59
自分で作っておいてなんだが、Goromi for Youtube(いろいろあってこう言う名前になってます)のトップ画面が嫌いだ。とは言っても私が作ってるわけじゃないよ。日本のTop動画が表示されるのだが、それが私の趣味とは合わないのだ。
しかし私がどう思おうと、その中の何人かは呆れるほどの金を稼いでいるらしい。こうした図柄はある程度世界で共通らしく、こんな人もいるのだそうな。
PewDiePieことFelix Kjellbergは、YouTube族の王様だ。彼は90億ビューを誇るYouTubeのスターで、スウェーデンの新聞Expressenは、彼の昨年の広告収入を700万ドルと推計している。オンラインのスターたちの稼ぎとしては、これぐらいが今やふつうだから、おそろしい。
引用元:YouTubeで1年に700万ドル稼いだPewDiePieが批判者たち向けの説明ビデオを公開 | TechCrunch Japan
彼らが何をしたか?典型的な「下からの破壊」である。はるかに安いコストと既存の市場支配者が「なんだこんなもの」というチープな「製品」で視聴者を奪ったのだ。
Kjellbergがそれだけ好調なのも、当然だ。始めた時期が早かったこと。そして9-12歳といういわゆるプレティーン層(preteen, 数詞に’teen’がつく前)の心をつかみ、iPadは持っているがやることがなくて退屈している彼らの目と時間を、やすやすと奪いとった。PewDiePieみたいな人物は、今後どうなるのだろうか? いずれ、メジャーなメディアに買われてしまうのか、それとも逆に、放送や映画の大手たちは、スウェーデン出身のホットドッグの売り子に自分たちのランチを食われてしまったことを、悟るのだろうか?
引用元:YouTubeで1年に700万ドル稼いだPewDiePieが批判者たち向けの説明ビデオを公開 | TechCrunch Japan
TVが視聴者をバカにしきった番組を作っている中、「子供ならこんなコンテンツで十分だ」ということを身を持って実証したのだ。思うにこれはTVが映画に対してしたのと同じことだと思う。TVが勘違いしていなかった頃、映画は自分たちの力に対して勘違いをしていた。そしてTVは今や下からの破壊にさらされることになった。
彼らはどうなるんだろうね。例によって我が国では変化がとてもゆっくり起こる。消費者としてはNetflixが全てを一掃し、Youtuberとともに残ってくれても全く構わないのだけど。
2015-07-08 07:47
日本では悲しいくらいに売れなかったGalaxy S6だが、世界で見て売れ行きはどうだったのか?少し前に全く正反対の記事が存在していた。
phoneArenaが伝えたところによると、アメリカの名門投資銀行、オッペンハイマー・ホールディングスのアナリストがサムスンのスマホ・ビジネスについて「崩壊寸前」との見方を示したとのこ。
implode(内破・内側から破
引用元:サムスンのスマホ事業は”内破”寸前。Galaxy S6の失敗で - 名門投信銀行 | スマホ評価・不具合ニュース
というのと
カウンターポイントによると、S6エッジについては、曲面ディスプレイを採用しているため供給に問題も発生しているという。同社の調査責任者、ピーター・リチャードソン氏は「この問題が解決すれば、アイフォーン6を上回る可能性もある」との見方を示している。
引用元:サムスン「ギャラクシーS6」好調、アイフォーン抜く可能性も=調査 | Reuters
というもの。どちらが真実に近いかはまあそのうちわかるだろうと思っていたが、少なくとも「全体像」は明らかになってきた。
韓国サムスン電子が7日発表した2015年4~6月期決算は営業利益が前年同期比約4%減の6兆9000億ウォン(約7500億円)と、7四半期連続の減益となった。売上高は約8%減の48兆ウォンだった。スマートフォンの新型モデル「ギャラクシーS6」の供給不足により、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」や中国メーカーの低価格モデルに奪われた顧客を取り戻せなかった。
引用元:サムスン、4~6月期減益 7四半期連続 「S6」供給不足響く - SankeiBiz(サンケイビズ)
詳細なデータが公表されていないため、何が儲けて何が足を引っ張っているのかはわからない。いずれにせよ全体として状況はバラ色とは言えない。(なんたって利益が7500億円もあるのだ。日本の家電メーカーが聞いたら涙を流しそうな数字だ)
部門ごとのデータが出て来ればもう少し状況がはっきりすると思う。いずれにせよサムソンにとって日本市場でスマホを売り続ける意味はほとんどないと思うがどう判断するのだろうか。
さて、親愛なるソニーだが、モバイル部門のCEOがこんなことを言っている。
“In that sense we will never ever sell or exit from the current mobile business.”
引用元:Billion dollar turnaround: Sony Mobile CEO - ArabianBusiness.com
英語で最初からしゃべったのか、翻訳なのかはわからないがこの人の言葉の軽さには本当に驚かされる。いずれにせよこれでソニーもFUJITSUやシャープと同じく
「スマホゾンビ企業」
の仲間入りをするらしい。こちらは積極的というのではなく「誰も判断をしない」のでスマホを作り続けるのだろう。サムソンはこれらの企業とは一味違った判断ができる、と期待しているのだが果たしてどうかな。
2015-07-07 07:33
それまでありとあらゆる試験をして動作を確認していたのに、肝心な本場ん前にいきなり動作がおかしくなる、というのはコンピュータを使ったシステムのお約束である。
などというのは直接担当してないから言える戯言だ。
NASAが、冥王星へ接近中の探査機ニューホライズンズに発生していた通信不具合が回復したと発表しました。ニューホライズンズは一時的に通信途絶状態となった後、復旧はしたものの大幅に機能が制限されるセーフモードで動作していました。
引用元:NASA、冥王星探査機ニューホライズンズの通信不具合を復旧。原因はフライバイ関連のコマンド - Engadget Japanese
9年かかって後一週間のところまで到達したところでこのトラブル。担当しているエンジニアは間違いなくこの「お約束」を知っているだろうが、それでも己と衛星の運命を呪ったにちがいない。幸いなことに問題は解消されたようだ(まだ本当のところはわからないが)
かろうじてテレメトリーデータは受信できたため、NASA はこれをもとに詳しい調査を開始しました。しかし、地球からおよそ49億kmも離れたニューホライズンズとの通信にかかる時間は、往復で約9時間。
引用元:NASA、冥王星探査機ニューホライズンズの通信不具合を復旧。原因はフライバイ関連のコマンド - Engadget Japanese
しかしこの「往復9時間のデバッグ」ってのはどんな様子なのだろうね。手元にあるコンピュータのように
「手当たり次第コマンド打ってあれこれ調べる」
なんてことはできない。そんなことをしたらあっという間に冥王星を通過してしまう。ましてやStackoverflowを見たって「ニューホライズンズが突然セーフモードに入ってしまいました。どこから手をつければいいですか」についての答えが見つかるはずがない。私の予想ではまずメモリダンプと通信シーケンス情報から何が起こったかを推定することになるのだが、そもそもそのメモリダンプを手に入れるまで最低でも9時間かかるのだ。
このデバッグ作業について考えた時、私の頭をよぎったのは「本当のプログラマー」であった。
本物のプログラマのうちで最も素晴らしい何人かが、カリフォルニアのジェット推進研究所で働いている。彼らの多くは、パイオニアやボイジャーのオペレーティングシステムを、すみからすみまで知りつくしている。地上の大規模 FORTRAN プログラムと、宇宙機に搭載されたアセンブリ言語のプログラムを一体化して、彼らは操縦と即興演奏の傑作を生み出すことができる -- 打ち上げてから 6年も経過した後で宇宙船を土星の10キロ四方の範囲にヒットさせて、損傷したセンサープラットフォームや通信機やバッテリを修理・バイパスしたりするのだ。うわさによると、本物のプログラマのある1人はなんとかやりくりして、ボイジャー宇宙機に搭載された数百バイトの未使用メモリに、パターンマッチングプログラムを組み込んだという。そのときボイジャーは木星にいて、新しく発見された月を撮影していたのだ。
引用元:The Real Programmer Stories
さて、これから一週間、本当にニューホライズンは再起動し観測を行うことができるだろうか。そして来年の春までかけて無事データを送ってくることはできるだろうか。「本当のプログラマー」の戦いは続く。
2015-07-06 06:44
マッドマックスの新作には圧倒された。そう考えたのは私だけではなく、本編を見たあと読むと感動倍増の読ませる映画評がいくつも存在している。
しかしそのマッドマックスは興行収入で2位でしかない。一位は聞いたこともないラブライブという映画だ。なぜこんなに「売れて」いるのか?どうやらこういうことらしい。
観客に数量限定の特典が配られるのが集客に繋がったわけだが、これが4週連続で週替わりという「妖怪ウォッチ」も真っ青のオタク商法。1週目はキャラクターの「スペシャルメッセージカード」、以降は「描き下ろし複製ミニ色紙」だったが、2週目⇒2年生、3週目⇒1年生、4週目⇒3年生とキャラクターの学年によって分かれているという周到ぶり。そのアコギな戦略も功を奏し、すでに「20回は観た」という観客も大量に発生したのだ。
(中略)
この現象は映画の大ヒットを受けてテレビでも取り上げられたが、キャラクターがデカデカと描かれたTシャツ姿や、カバンに無数のキャラバッヂを付けた「ラブライバー」と呼ばれる10代~30代の熱狂的ファンの男たちが、上映前と終演後のシネコンロビーを占拠する異様な光景を作り上げていたという。
引用元:アコギな特典商法で興収1位、「ラブライブ!」上映館のおぞましい光景とは? | アサ芸プラス
この既視感はどういうことか、と思えばAKBと同じ図柄であった。AKBの人がでてくる映像を見る度に不思議に思う。顔がかわいいわけではない。歌は論外(彼女たちは歌手を自称しているのか?)踊りはただ手足を動かしているだけ。自由に喋らせると育ちの悪さが露呈する。こんな女性を集めてどうして金が稼げるのか、と。
さらに言えば、さいきんあまり使われない言葉だが「ソーシャルゲーム」で莫大な利益を上げたGREEとDeNAも同じ金鉱を掘り当てたのだと思う。つまりこういうことだ。
・日本には小金を溜め込んでいるが、まともな使い道を持っていない人が沢山いる。その人たちの「消費意欲」をうまく刺激できれば十分に利益を上げることができる。
・その人たちの「消費意欲」は歪んだ承認意欲を満足させることで刺激できる。
残念ながらこれは我が国特有の状況であることは、DeNAやGREEの海外進出が全くうまくいっていないことで明白である。しかしとにかく我が国にはこうした図式があるらしい。あの奇跡のような傑作マッドマックスよりもそうした商法を行った方が金が稼げるのだ。
資本主義社会であるからして、法律に触れない限り何をやってもいいことになってはいる。しかし悪貨は良貨を駆逐するというではないか。こういう「商法」が映画にも伝染したらどうなるか。邦画はすでに死んでいるからどうでもいいが、洋画が公開されなくなると困る。映画館も悩んでいることだろう。ラブライブ関連作品を上映すれば確かに売上は増加する。しかし歪んだ承認欲求を持った男性以外寄り付かない場所になってしまう。ではどうしたらいいのか。
「ラブライブ!」を公開しているシネコンとそうでないシネコンでは、6月の売り上げが雲泥の差だという事実もあり、映画業界としては軽々しく「キモい」と言えないのが実情だろう。しかし、30代のラブライバーがテレビ取材で「にこ(矢澤にこ=3年生)のためなら死ねる」と真顔で語るのを見るかぎり、「これこそマッドマックス(極限のアブなさ)だ」という声が聞こえるのも大いにうなずけるのだ。
引用元:アコギな特典商法で興収1位、「ラブライブ!」上映館のおぞましい光景とは? | アサ芸プラス
2015-07-03 07:04
何度か書いたことだが、場所によっては「Macのシェアが1割以下とは信じられない」ような光景に出くわすことがある。少し前某所で講演した時もプロジェクターから出ているケーブルにmini-display portがデフォルトでついているのに驚いた。
とはいえもちろんそうでないことの方が多い。先日某学会の研究会に行ったらMac比率の低さに驚いた。さらにその研究会の話がわけがわからないのに驚いた。某国立大学の教授の講演を聞きながらしみじみ考えた。
「こんなことやって給料もらえていいなあ」
(ここで暗に研究会の私にとってのレベルの低さとmac比率を結びつけているのは、私が狂信的Apple原理主義者だからである)
とはいえ数字に出てくるPCのOSシェアには驚かされることが多い。例えばこんなのがある。
賛否噴出のOSは、2つのバージョンを合わせて6月に市場シェア16%を超えた。NetMarketShareの調査による。これはWindows 7のシェア約60%に比べると大きく見劣りし、未だにWindows XPが12%を維持していることを考えると、残念ともいえる数字だ。
引用元:Windows 8のシェアは16%で打ち止め、Windows 10に賭けるMicrosoft | TechCrunch Japan
発売から3年経っても2割にも満たない。しばらく前からPCを購入しようとすれば自動的にWindows8になることを考えればこれは驚くべきことだ。もっともそもそもPCの買い替えはそんなに頻繁に行われなくなっている、あるいはWindowsはそもそも買い替えを想定していない用途に多く使われている、というのが正解かもしれないが、本当のところはMicrosoftでないとわからん。
Windows10は全てのデバイスをカバーするという。でもって今までWindows Phoneの現状がどうだったかについてまた興味深い記事が出てきた。
Windows Phoneで日本語環境を使う場合の問題の1つに、日本語が中国語用のフォントで表示されてしまう「中華フォント」問題がある。多くは字形が似ているため意味を理解できないほどではないものの、違和感は大きい。
引用元:地図やOfficeの使い勝手は?:Windows Phoneの「中華フォント」問題に改善の兆し――Win10にも期待の「MADOSMA」 (1/2) - ITmedia Mobile
面白いのはこの「根本的な問題」は2012年からずっと放置されてきたのだそうな。もっとも一機種しか販売されていない市場を無視するのは当然かもしれないしそうでないかもしれない。
XBox Oneも日本では悲しいくらい売れてないらしい。つまり「iPadより売れている」と強弁するSurface以外は日本でMicrosoftのハード製品は成功しているとは言い難い。結局「仕事で使うパソコンにインストールされている何か」という位置付けだ。
先日書いたような「Microsoftの次の一手の未来予想」を考えれば、今の日本の現状がMicrosoftが目指す姿なのかもしれん。みなさん、会社を作ったらMicrosoftに税金(Windows,Office)を払いましょう!というのがMicrosoftが得意なことだし、ナデラが示した新しいビジョンにもぴったり。あとは日本でAzureがバンバン使われるようになれば、それが新しいMicrosoftの世界だ。うーん。個人としてはどうでもいい世界であることだなあ。